写句集3

短句(俳句・川柳)旅行編その3

蓬莱軒 香り楽しむ 鰻かな(熱田/芭蕉の花道1) 54

こがらしに 日数の浅き 秋を行く(久屋大通公園)

椋の木に 思い出ひとつ 秋の空(佐屋路神守一里塚)

くいな鳴く 声は聞こえぬ 大法寺(佐屋路)

倉庫には 大店(おおだな)の風 吹き止みて(弥富)

伊勢路への 日永追分 大鳥居(四日市)

さりげなく 一里塚碑や 境内に(中富田)

鴎外の 泊まりし宿と 知る旅路(土山宿)

行く秋や 土山宿の 松並木(同上/芭蕉の花道2) 54

水口で 見つけて嬉し 見附跡(水口)

二代目の 弘法杉にも 秋の風(吉永)

名月や 三日三晩の 酒の友(大津)

蕉翁の 墓に相応し 自然石(義仲寺)

大津での 拠点ときくや 無名庵(同上)

蕉翁の 椿の杖や 国宝に(同上)

歌枕 唐崎の松 横綱に(唐崎)

日本史を 琵琶湖を眺め 俯瞰する(同上)

唐崎の 夜雨に未熟な 若木かな(同上)

逢坂に 日本三関 国境(逢坂山関址/芭蕉の花道3) 54

社殿には 提灯の花 秋まつり(御香宮神社)

庭園に 盆栽風の 五葉松(同上)

御香水 百名水に 人絶えず(同上)

濠川や 柳の土手に 舟着場(伏見)

皇室の 崇拝篤く 菊の花(帯解寺)

環濠に 緑藻(りょくそう)一色 竹之内(天理)

社務所にて 朱印を貰い 暮れる秋(大和神社)

黒松に 架かる足場や 支え木か(天王寺公園)

四阿(あずまや)に 予期せぬ客や 赤とんぼ(同上)

大池に 洋館と見れば 美術館(同上)

白洲には 踏み石玉石 砂利を敷き(同上)

亀腹に 鶴や昼寝の 多宝塔(勝鬘院)

芭蕉死の 案内板が 御堂筋(南御堂/芭蕉の花道4) 54

境内に 塔頭六院 大所帯(本興寺)

鐘楼は 見張り台にも 早変わり(同上)

方丈に 未だ見ぬ空間 障壁画(同上)

重厚な 庫裡建築は 学林か(同上)

本堂に 仁王立ちする 蘇鉄かな(長遠寺)

尼崎 知られぬ寺の 多宝塔(同上)

街道に 歴史の花や 埋もれけり(灘)

六甲の 山並み迫る 浜の道(同上)

灯台や 役目を終えて 一里塚(須磨海浜公園)

海峡に 大吊橋と 淡路島(鉢伏山)

橋脚の 基礎の大きさ ビルのよう(舞子公園/芭蕉の花道5) 54

一の谷 源氏平家の 悲喜の跡(須磨浦公園)

須磨寺や 七堂伽藍に 不如帰(ほととぎす)(須磨寺)

蓮池に 秋の木漏れ日 行く神戸(西代蓮池公園)

生田川 布引の水 一直線(神戸)

(しゅく)(がわ)に 暮れゆく秋の いわし雲(西宮)

ホテルから 名月眺め 眠る秋(伊丹)

ホテルから 朝焼け眺め 起きる秋(同上)

酒蔵が 三棟並ぶ 街の角(同上)

村重の 野望虚しき 城の跡(伊丹城跡)

城跡は ビルに囲まれ 逃げ場なし(同上)

寺の屋根 城の屋根だと 感無量(本泉寺)

通りには 和風の店建つ 伊丹駅(伊丹)

田の畦が 参道となる 能因墓(能因塚/芭蕉の花道6) 54

円墳に 楠木繁り 石碑立つ(同上)

名園は 発掘されず 夢の中(水無瀬神宮)

井戸に湧く 離宮の水は 百名水(同上)

法然の 初念仏の 屋敷とか(粟生光明寺)

法然の 火葬地跡に 菩薩かな(同上)

追分に 須田家住宅 江戸情緒(向日市)

中之島 架かる木橋は 優雅なり(嵐山)

嵐山 鳥に逢えぬが 秋景色(同上)

園路には 落葉まだなく 清きまま(大河内山荘)

伝次郎 自遊空間 持仏堂(同上)

白川を 模しては続く 苔の島(同上/芭蕉の花道7) 54

飛び石に 広がる苔に 青もみじ(同上)

二万坪 三十年の 芸の庭(同上)

見渡せば 嵐山には 大悲閣(同上)

比叡山 香月亭の 展示品(同上)

京の街 嵯峨野の緑 圧倒す(同上)

敷石に 未練残るや 秋の暮れ(同上)

去来墓に 芭蕉に代わり 手を合わす(落柿舎)

茅葺きに 土蔵の家並み 鳥居本(とりいもと)(鳥居本)

鳥居本 白壁土蔵に 浮浪(はぐれ)(ぐも)(同上)

樹間には 京の街並 鳥瞰図(嵯峨天皇山上陵)

復路では 嵐山見て 下山かな(同上)

琴の()は 小督局(こごうのつぼね)の 哀歌かな(小督塚)

蓮は散り 秋も盛りの 花の寺(法金剛院)

(しら)()には 西行法師の 偲ぶ草(同上)

黒松の 枝は自由に 城の中(二条城)

天守台 御殿の先に 比叡山(同上)

(ほう)(きょう)() 御所人形の 秋展示(宝鏡寺/芭蕉の花道8) 54

唐門や (つなし)の庭の 石数え(本法寺)

本尊は 釘抜(くぎぬき)地蔵 (しゃく)(ぞう)()(石像寺)

秋長ける 船岡山に 桶狭間(建勲神社)

路地の先 未だ見ぬ史跡 水西荘(山紫水明処)

京の秋 旅はこころの 宝物(たからもの)(上御霊神社)

飛び石は 画家の目線か 規格外(白砂村荘)

アトリエは 木造三階 (ぞん)()(ろう)(同上)

芭蕉庵 心の中の 旅の宿(金福寺/芭蕉の花道9) 54

閑古鳥 姿を見せず 芭蕉庵(同上)

蕪村墓 芭蕉の追慕 感謝する(同上)

洛東の 街や樹間に 金福寺(同上)

小川流 枯山水の 庭は無垢(同上)

中庭の 池の涼しさ 座敷まで(禅林寺)

甍越し 都ホテルは 百余年(同上)

(ほう)(じょう)() 二千坪に 秋の雲(同上)

庫裡の名は 目出(めで)()さこもる (かく)寿(じゅ)(だい)(同上)

塀越しに 眺める関の (はしり)()を(月心寺)

鄙びたる 旅籠の宿や 草津宿(草津)

本陣や 泊まれる宿に 回帰して(同上)

芭蕉句碑 拝んで過ぎる 神社かな(大宝神社/芭蕉の花道10) 54

街道の 小さき寺に 茅の屋根(唯心寺)

楠や 伊庭(いば)(てい)(ごう)の 生家跡(武佐)

洋風の 旧警察署や 新宿場(同上)

地蔵跡 宿場の入口 橋の側(同上)

祇園社に 立派で見事な 常夜灯(愛知川)

石畑(いしばた)の (あい)宿(しゅく)には 一里塚(同上)

家屋よりの 街路樹高き 出町かな(同上)

高宮に 名前だけ聞く 無賃橋(高宮)

酒好きの 芭蕉翁にも 木枯らしが(同上)

一宿の 思い出深く 紙子塚(同上)

現代と 江戸とを結ぶ 紙子塚(同上)

()(せん)とは 陸奥(むつ)の俳人 祇川居士(こじ)(同上)

ひるね塚 句碑にも命 宿る夜(同上)

庭園も 立派に復元 彦根城(彦根城)

(うもれ)()(のや) 特別史跡 真逆なり(同上)

波もなく 夕日に輝く 琵琶湖かな(琵琶湖)

鳥居本 城下の一部か 町割りも(鳥居本/芭蕉の花道11) 54

番場宿 忠太郎の名や 一人旅(番場)

醒ヶ井で 西行水と 逆方向(醒ヶ井)

醒ヶ井の 湧水集めて 地蔵川(同上)

目が醒める (さめ)(がい)宿(じゅく)の 水辺には(同上)

柏原(かしわばら) 宿場の面影 曼珠沙(まんじゅしゃ)()(柏原)

不破の関 踏んでいよいよ 美濃の国(関ヶ原)

日守では 陣跡よりも 茶を所望(同上)

一里塚 (しゅう)(ふう)(あん)で 昼寝かな(同上)

見付跡 鮮やかに咲く 彼岸花(垂井)

空襲が 最も悲惨な 社伝かな(加納天満宮)

蕉翁の 足跡偲ぶ 岐阜の宿(岐阜)

真光寺 名もなき寺に 彼岸花(同上)

初めての 鵜飼見物 芭蕉真似(同上)

鵜飼舟 観覧船より ただ凝視(同上/芭蕉の花道12) 54

漁火や 千三百年 長良川(同上)

鵜沼宿 古き家並みや 何処にか(鵜沼)

(かっ)()(いけ) 絶対読めない 当て字かな(同上)

城山や 廃墟の山と 聞く道中(同上)

木曽川や 未練が残る 舟下り(同上)

木曽川の 流れを拒む ()鹿()()(さん)(同上)

両岸に 低木密に 木曽上流(同上)

客間には 中庭もあり 脇本陣(美濃太田)

秋空や 白き土蔵に 女郎花(おみなえし)(御嵩)

豪商も 茶室を建て 句を詠むか(同上)

十本木 松の立場に 茶屋の家(同上)

一呑(ひとのみ)の 清水に秋の 旅ガラス(同上)

時止める 大湫(おおくて)宿(じゅく)の 石碑かな(大湫)

寺坂や 旧道のまま 砂利の道(同上)

島崎家 藤村あっての 墓参かな(馬籠/芭蕉の花道13) 54

茶屋の裏 木造三階 秋の空(同上)

水車塚 洒落た景観 石づくし(同上)

木曽川に 一面の石 南木曽町(南木曽)

野尻宿 七曲り角 吉村屋(野尻)

水舟は 宿場の飲場 須原宿(須原)

荻原(おぎわら)の 一里塚越え 上松(あげまつ)へ(上松)

命がけ 崖に記念の 芭蕉塚(同上)

桟や 架け橋となる アーチ橋(同上)

福島に 宿場の雰囲気 上の段(同上)

別世界 そんな気がする 木曽路かな(贄川)

深井戸や 秋の名月 知りもせず(郷原)

行く秋や 木曽路二十里 江戸の風(村井)

松本や 城下町並み 魅力的(松本/芭蕉の花道14) 54

名城や 姫路の白亜 松本の黒(同上)

会田宿 宿場の風情 秋の雨(会田)

秋霧に (さる)()(ばん)()(とうげ) ただ白く(猿ヶ馬場峠)

姨捨も 霧の彼方に 棚田消え(姨捨)

姨捨の 駅も絵になる 月見かな(同上)

長楽寺 文人墨客 月の宿(同上)

一升を 飲まずに消える 秋の月(同上)

姨捨の 棚田に残る 天日(てんぴ)()し(同上)

秋まつり 提灯飾り 仁王門(善光寺)

善光寺 門前町に 江戸のまま(同上)

庭園は 自由見物 今一つ(松代城)

池泉には 紅葉色づく 城の庭(同上)

古池や 河童飛び込む 夢を見る(同上)

床の間に 何一つない 藩主の座(松代藩文武学校)

松代に 町家の店舗 極わずか(松代)

寂蒔(じゃくまく)の (みず)(よけ)()()は 江戸の智恵(寂蒔/芭蕉の花道15) 54

街道に 小屋根連なる 商家かな(上塩尻)

上田にて 立ち寄る名所 先ずは城(上田城)

珍しく 櫓を見せる 上田城(同上)

海野塾 北国街道 重伝建(海野宿)

宿場には 柳に水路 海野宿(同上)

百棟の 家並は壮観 海野宿(同上)

縁結び (なかだち)地蔵 二代目と(同上)

浅間山 存在感では 富士に次ぐ(小諸)

小諸宿 宿場の面影 稀薄なり(同上)

塚の奥 浅間の煙りか 浮き雲か(同上)

平入りの 町家は希少 軽井沢(軽井沢)

句碑ながめ 重ねて雪の 空想う(同上)

上州の からっ風吹く 峠かな(碓氷峠)

明治期の 新道残る 下り坂(同上)

湖上には 夢のせ橋の 紅五連(坂本)

坂本に 予期せぬ句碑や 衣かへ(同上)

上州の 坂本宿も 秋晴れに(同上/芭蕉の花道16) 54

おじぎ石 手形を置いた 選卓か(坂本)

荻野屋や 峠の釜めし 食べに寄る(横川)

妙義山 裏も表も 秋の空(同上)

ひょうたんの 小池に秋の ドジョウでも(五料)

蘇鉄には 燕返しの 屋根を見ん(同上)

秋晴れの 冠木門に 妙義山(同上)

お東の 土蔵の白に 女郎花(同上)

和様でも スイスの山小屋 思い出す(同上)

碓氷川 蛇行の西に 妙義山(同上)

街道の 古き友あり 杉並木(安中)

空の果て 杉の並木に 妙義山(同上)

追分に 弁柄色の 阿弥陀堂(倉賀野)

可愛げな 赤鳥居には ()(さか)(かみ)(新町)

新町を 過ぎて埼玉 武蔵(むさし)へと(上里)

常夜灯 モニュメントとなる 深谷宿(深谷)

鴻巣は 人形の里の 宿場町(鴻巣)

北本は 間の宿かは 意味不明(北本/芭蕉の花道17) 54

参道は (まつ)(すぎ)(けやき) 植え替えて(大宮)

浦和宿 辻一里塚に 弁財天(浦和)

蕨では 本陣跡が モニュメント(蕨)

何気なく 資料館建つ 蕨宿(同上)

聳え立つ 土蔵は珍し マンションに(同上)

豪商の 池泉鑑賞の 庭もよく(同上)

庭園の 池にススキの 江戸の風(板橋)

真性寺 六地蔵より 芭蕉句碑(巣鴨)

東京の ど真ん中に 和風宿(本郷)

赤門や 東京大学 代名詞(同上)

蕉翁の 江戸の初めや 日本橋(日本橋)

旅立ちは 杉風別邸 (さい)()(あん)(深川)

臨川寺 今は臨めぬ 隅田川(同上)

深川は 芭蕉の聖地 庵跡(同上)

魚河岸や 一日千両 (いち)に落ち(日本橋)

本堂の 屋根より高く 電波塔(芝)

高輪の 大木戸跡に 秋の風(高輪)

品川は 東海道の 一の(つぎ)(品川/芭蕉の花道18) 54

秋晴れや 快適快走 輪行記(川崎)

一里塚 神と祀られ 稲荷社に(市場)

どことなく 駅舎の屋根は 宿場風(神奈川)

汽車道に 昭和を偲ぶ 港かな(横浜)

彼方には ベイブリッジに 秋の雲(同上)

保土ヶ谷が 宿場でありき 秋まつり(保土ヶ谷)

戸塚宿 見附跡あり 小松立つ(戸塚)

泥砂岩 稲村ヶ崎は 薄色(鎌倉)

鎌倉に ちょっと寄り道 宮参り(同上)

平家池 哀れな名なり 鎌倉で(同上)

源氏池 白旗一色 何思う(同上)

茅ヶ崎が 街道と知る 一里塚(茅ヶ崎)

平塚の 見附跡にも 松の木が(平塚)

大磯に 街道らしき 松並木(大磯)

潮騒の 宿の石蔵 喫茶店(同上)

西行の 坐像祀ると 円位堂(同上)

新知識 新島襄の 終焉地(同上)

地福寺に 詩人藤村の 墓参り(同上)

シンプルな 梅の古木に 藤村墓(同上/芭蕉の花道19) 54

藤村の 初恋哀れな 住居跡(同上)

早雲寺 北条五代 散る紅葉(箱根湯本)

畑宿に 完全復元 一里塚(箱根)

石段に 九頭(くず)(りゅう)を踏む 怖さかな(同上)

芦ノ湖に 頼みの富士は 知らんふり(同上)

歴史的 対面石の 母の影(清水)

城の絵図 富士に天守の 沼津城(沼津)

石碑のみ 二万石の 城の跡(同上)

両の手に 松を抱えて 一直線(千本松原)

白隠の 隻手(せきしゅ)の声も 禅思想(松蔭寺)

日本一 長い松原 果て見えず(千本松原)

田子の浦 歌枕より ヘドロかな(吉原)

広重の 絵にも名高き 左富士(吉原)

トラス橋 遠ざかる土手に 松並木(富士川/芭蕉の花道20) 54

一里塚 祠と化して スマートに(蒲原)

木戸跡に 石灯籠と 花小鉢(同上)

安堵する 蒲原宿の 町家かな(同上)

珍しき 塗り()造りの 元商家(同上)

元旅籠 鈴木商店 煙草屋に(同上)

道狭く 薩埵(さった)(とうげ)が せまり来る(倉沢)

山の神 峠越えは 神だのみ(薩埵峠)

絶景や 海道一の 峠かな(同上)

興津宿 身延山道 分かれ道(興津)

興津には 二つの本陣 珍しき(同上)

時移り 脇本陣は 豪邸に(同上)

庭園は 国の名勝 清見寺(清見寺)

秋の庭 瓢箪池に つつじ山(同上)

池の外 砂浜模した 石を敷き(同上)

石組みは 深山幽谷 滝の(なり)(同上)

中庭の ヤシの林や 珍しき(同上)

眼下には 貨物列車に 興津宿(同上)

裏門に 違和感否めぬ 跨線橋(同上)

清見寺 五重石塔 夾竹桃(同上)

仏殿の 臥龍梅は 休業日(同上)

江尻宿 消えた宿場に 二本松(同上)

今川の 館は消えて 徳川に(静岡)

見附跡 冠木門に 知る宿場(同上/芭蕉の花道21) 54

本陣に 夏の名残や サルスベリ(丸子)

松並木 眺めて安堵 岡部宿(岡部)

松並木 遺跡景観に 色添えて(島田)

川止めで 宿屋も茶屋も 江戸の春(同上)

増水で 越すに越せない 大井川(大井川)

蕉翁は 専ら馬で 川を越す(同上)

自転車で 楽々川越 トラス橋(同上)

本陣は 小公園に 様変わり(金谷)

弘法の 刻んだ文字なく 夜泣き石(同上)

茶の匂ひ 瞼に浮かぶ (にっ)(さか)宿(じゅく)(日坂)

葛川に 慎ましく立つ 一里塚(掛川)

掛川に 入りて一礼 天守閣(同上)

掛川は 宿場町より 城下町(同上)

袋井に (はな)()()売りの 立場かな(袋井)

愛護あり ()()の松並木 続くかな(同上)

古戦場 塚と祠も 夢の跡(同上)

許禰(こね)神社 大楠に見る 神の顔(同上)

予備校が 和風建築の 見附宿(磐田)

街並みが 景観重視に 再起動(同上)

四脚門 脇本陣の モニュメント(同上/芭蕉の花道22) 54

明治期に 天竜川に 夢の橋(天竜川)

川の土手 天竜川に 枯れすすき(同上)

街道に 微かな石垣 見附跡(舞阪)

常夜灯 一里塚より 目立つかな(同上)

脇本陣 殿様気分で 庭眺め(同上)

居酒屋も 古風な趣 新居宿(新居)

それなりの (しら)須賀(すが)宿(しゅく)の 元宿場(白須賀)

白須賀で 唯一保存 元旅籠(同上)

潮見坂 遠州灘の 秋景色(同上)

曲尺手(かねんて)に 格子造りの 町家建つ(同上)

数軒の 町家眺めて 秋を行く(同上)

常夜灯 初めて目にす 火入れかな(吉田)

街並みは 宿場の雰囲気 吉田宿(同上)

豊川の 先に稲荷の 大鳥居(同上)

伊奈立場 田んぼとなりも 芭蕉句碑(同上)

御油(ごゆ)宿(しゅく)の 本陣跡に 石一つ(御油)

松並木は 旅人保護に 植えしとか(同上)

宿場には 夫婦楠 八幡社(赤坂)

小屋掛けは 葡萄棚似の 舞台かな(同上/芭蕉の花道23) 54

家康の 由緒寺にも 東照宮(法蔵寺)

イヌマキは 行基手植えと 伝え聞く(同上)

平凡な 宿場の家並み 藤川宿(藤川)

人形店 五重塔を 見る如し(同上)

一キロに 九十本の 松並木(同上)

乙川の ゲンジホタルは 記念物(岡崎)

味噌香る 八丁蔵通り 秋の空(同上)

白壁の 味噌蔵景観 日本一(同上)

宅地には 小さな石碑 一里塚(安城)

地に臥せる 雲竜の松 百坪も(同上)

寺よりも 道の両塚 名を馳せて(知立)

来迎寺 アパート越しに 一里塚(同上)

片側は 二本黒松 一里塚(同上)

珍しや 東海道に 一茶句碑(同上)

知立にも 負けず劣らず 松並木(同上/芭蕉の花道24) 54

今岡の 寄棟旧家は 商家風(今岡)

両側の 阿野一里塚 立派なり(豊明)

天神社 鳴海城跡 芭蕉句碑(鳴海)

常夜灯 宿場のシンボル 鳴海にも(同上)

裏面には 連衆の名あり 千鳥塚(同上)

千鳥塚 公園となる 凄さかな(同上)

一里塚 榎の大樹 角覆う(笠寺)

鐘楼と 常夜灯が 渡し場に(宮)

ピノ亭で 東海の月 見る宴(南加木屋)

伊吹山 そのままならず 採掘場(伊吹山)

伊賀上野 善福院は ゆきぬけ寺(伊賀上野)

()(ちゅう)()と 故郷塚とが 蕉翁墓(同上)

冬なれど 芭蕉生家は 聖地なり(同上)

若き日の 芭蕉の姿 見る如し(同上)

伊賀上野 忍者と城と 俳聖殿(同上)

象潟や 奥の細道 盆参り(象潟/芭蕉関係資料) 46~54

須磨寺の 七堂伽藍 雪見えず(須磨寺)

丈草の 殿より偉く 見える顔(犬山城)

予期もせぬ 足助(あすけ)に句を見る 冬の旅(足助)

蓑虫や 場所もとらずに 芭蕉堂(伊賀上野)

質素なる 蓑虫庵に 土芳知る(同上)

冬なのに 雪は降らずや 伊賀上野(同上)

記念碑に 春(きた)るらし 伊良湖崎(渥美半島)

険しさは 今も昔も 親知らず(親不知/佐渡旅行1) 55

直江津の 海は凪なり 五月かな(直江津港)

御所桜 本尊と見る 海潮寺(海潮寺)

角地には 三角形の 家も建つ(宿根木)

竹垣の 庭は船主の 邸宅か(同上)

佐渡らしさ 矢島経島 たらい船(矢島・経島)

白壁に 品格漂う 国分寺(佐渡国分寺/佐渡旅行2) 55

庫裡の前 池泉の庭に 赤つつじ(妙宣寺)

納屋(なや)もまた 茅葺き屋根で 垣根越し(同上)

鎌倉期 公家も流され 果てるかな(同上)

祖師堂は 開基の日成 祀りしと(根本寺)

藤の花 園路の頭上 根本寺(同上)

夫婦岩 注連縄もなく 契るかな(七浦海岸)

七浦や 夕日を眺め 宿かな(同上)

坑道を 出れば(まばゆ)く 五月晴れ(佐渡金鉱山跡)

金山の 道遊の割戸 夢と過ぎ(同上)

裂けし山 佐渡金山の シンボルに(同上)

絶壁の 掘削跡に 咲くつつじ(同上)

黒々と 剣樹(けんじゅ)地獄を 見る岸辺(揚島遊園)

瑠璃色の 揚島岩礁 透視船(同上)

純白の 灯台区切る 海と空(同上)

碧海(へきかい)の 板状節理に 白き波(同上)

眼下には 白砂の海岸 蒼き海(海府大橋/佐渡旅行3) 55

草原(くさはら)を 甲羅と見れば 岩は顔(二ツ亀)

山頂に 残雪僅か 五月晴れ(金北山)

戸地川に (そと)(かい)()見ぬ 春霞(白雲台)

牧歌的 ドンデン山の 春景色(同上)

真野湾の 先にアルプス 見えるとか(同上)

トキを見て 胸がときめく 時の声(トキの森公園)

藤棚の 花や眩しき 一宮(度津神社)

小木港の 五月の海に たらい舟(小木港)

磯遊び するには安全 畳敷き(沢崎鼻)

灯台の 磯の野原や 春萌ゆる(同上)

柔らかき 春の陽射しや 小木の海(同上)

眼下には 漁村集落 深緑(長者橋)

深浦の コバルトブルー 底までも(同上)

風除けの 竹垣高し 宿根木は(宿根木)

船よりも 上屋が高そう 展示館(千石船展示館)

盆休み 今年も未踏の 旅がらす(小谷資料館/上越・北信州旅行1) 55

塩の道 無縁仏に 花はなし(千国街道)

沓掛の 水路涼しき 塩の道(同上)

清水には 柄杓もなく 汲み取れず(同上)

古民家を 宿にもしたり 千国宿(同上)

美しき 棚田の先に 重伝建(青鬼)

青鬼や 棚田百枚 石積みに(同上)

茅葺きに 戻れば最高 青鬼は(同上)

涼しさは 杉や檜の 社叢かな(仁科神明宮)

美しき 三重塔 観音似(大法寺)

盆二日 参拝客も 盆休み(安楽寺)

部屋の外 日本庭園 目を見張る(別所温泉)

蓮の花 別所巡礼 安楽寺(同上)

瑠璃殿に 愛染かつら 眺め見る(北向観音)

盆踊り 今夜の別所 大賑わい(別所温泉/上越・北信州旅行2) 55

茅葺きの 庇に映える 夏もみじ(常楽寺)

庫裡も茅 入母屋屋根に 江戸の風(同上)

本尊は ()(ふね)の松か 手を合わす(同上)

石舟に 睡蓮の花 常楽寺(同上)

眼下には 別所温泉 夏の雲(別所神社)

安楽寺 温泉街に 大門が(別所温泉)

城風の 共同浴場 葵の湯(同上)

珍しき 丸窓電車 別所線(上田電鉄別所線)

前山や 火の見櫓に 独鈷山(とっこさん)(前山)

中禅寺 枯山水の 庭あつく(中禅寺)

夏草に 城跡示す 石碑かな(塩田城跡)

城跡や 雑木林に 散歩道(同上)

参道に 巨木繁るや (ぜん)(ざん)()(前山寺)

室町の 三重塔 風新た(同上)

前山寺 桔梗の紋は 新義とか(同上)

神楽殿 雅楽奉納 巫女の舞い(生島足島神社)

邪魔をする 杉の木立は 家康か(同上)

池の島 神は涼しく 昼寝かな(同上)

お盆には 天平よりの 蓮の花(信濃国分寺)

広大な 畑に圧倒 (すが)(だいら)(菅平高原/上越・北信州旅行3) 55歳

湯畑や 熱湯を冷ます 人の知恵(草津温泉)

牧水の 歌口ずさみ 峠越え(渋峠)

廃屋の 宿も哀れな 温泉地(湯田中温泉)

庭先の (すい)(せき)寺宝と (しょう)(じゅ)(あん)(正受庵)

()(ぜん)(せき) ()(ほう)(とう)との 石対峙(同上)

山村の 見本のような 野沢村(野沢温泉)

峡谷の 一歩手前は 清津川(清津峡)

清流に ひまわりの花 添いて咲く(同上)

夏草に 柱状節理の 造形美(同上)

白波に 仏法僧の 声高し(同上)

Vの字に トビが輪をかく 清津峡(同上)

下流にて 再び緑の 清津川(同上)

山深き 夏の棚田に 茅の小屋(樽田の棚田)

百選に 選ばれなくも 良き樽田(同上)

あけぼのの 青森港に 汽笛鳴る(青森港/北海道花見の旅1) 56

下北の 釜臥山に 御来光(陸奥湾)

陸奥湾に 停泊する船 射す朝日(同上)

継手には 保温にテープ 生々し(フェリー)

海は凪ぎ 鏡面上の 船出かな(同上)

下北の 山は微かな 雪の帯(同上)

はるばると 来た感じなく 函館に(函館港)

桂岳 斑に残雪 五月空(同上)

沖待ちの 運搬船に 桂岳(同上)

ドック跡 二基クレーン 放置され(同上)

山頂が 良く見えるぼと 船は寄る(同上)

花の下 プルーシートが 一面に(五稜郭)

濠の脇 桜林の 波と雲(同上)

(はん)(げつ)() 出島の如く 濠にあり(同上)

ジオラマも レンズに入らぬ 五稜郭(同上)

ボートから 眺める桜が 花の雲(同上)

公園の トイレも花に 埋もれ(同上)

四稜郭 土塁のみだが 国史跡(四稜郭)

スズランの 花には早き 四稜郭(同上)

星形の 堡塁の先に ヤマザクラ(同上)

可憐なる 蝦夷霞桜 松前に(龍雲寺/北海道花見の旅2) 56

松前に 白いタンポポ 咲きにけり(同上)

法憧寺 墓所に群生 ニリンソウ(法憧寺)

石廟は 妻入り屋形 並び建つ(同上)

城域に日本庭園 光花園(松前城)

園内に 大日堂や 観音像(光花園)

福禄寿 以外は知らぬ 品種名(桜見本園)

江戸彼岸 樹齢の長き 桜なり(同上)

切り花に 翁桜は 用いられ(同上)

優美なる 大山桜が 松前に(同上)

桜林(おうりん)に 負けじと咲き タンポポが(同上)

山門は 江戸末築の 楼門造(光善寺)

水のない 池泉淋しく 光善寺(同上)

境内に 血脈桜 江戸を知る(同上)

連休は 参拝客も 花盛り(同上)

鐘のない 火の見やぐらは 珍しき(松前屋敷)

屋号には 越後屋とあり 移住か(同上)

展示品 何の因果か 土偶あり(同上)

白黄色 タンポポの花 庭園に(日本庭園)

本堂へ 杉並木道 荘厳に(法源寺)

屋台では 海鮮物が 時価販売(松前公園)

ウニ・サザエ アワビを加え 花見酒(同上)

天守には 桜の花が 美の極致(同上/北海道花見の旅3) 56

花見なら 本丸御殿 奥座敷(同上)

松前の 街並み白に 統一か(松前)

様々な 桜の花や 松前に(同上)

搦手の 夫婦桜が 土塁上(松前城)

松前や 桜の影に 竹林が(松前)

廃線の 松前線は 石碑のみ(松前駅跡)

旅館でも 海鮮料理 花と咲く(みうら旅館)

蝦夷ゆえに (えび)は大きく また太く(同上)

夜桜に 月も微笑む 松前は(松前城)

ぼんぼりに 月の明りに 松前城(同上)

まつり日は ライトアップだよ 天守閣(同上)

夜桜に 搦手二ノ門 金の色(同上)

電球に 桜の花は 不眠症(同上)

お祭りに 屋台は不可欠 江戸情緒(同上)

街並みは 城下町らしく リニューアル(松前)

ミニチャリで 城下と城を 朝散歩(同上)

まつり終え 今朝は静かな 山門ぞ(龍雲院)

参道の 水仙の花 松囲み(同上)

庫裡の様 山小屋風の 雰囲気で(同上)

義経の 伝説を聞く 花見かな(光善寺)

奥殿は 江戸の後期に 住職作事(同上)

散り残る 椿に桜 光善寺(同上)

天守には 南殿桜 似合うかな(松前城)

林には 大山桜 揃い咲き(同上)

城塀の 狭間(さま)の先には 津軽富士(同上/北海道花見の旅4) 56歳

カモメ飛ぶ 松前港は 春らしく(松前港)

駅消えて 駅前の家 廃屋に(松前駅跡)

廃屋の 桜に花に ウソが住む(同上)

港には 小舟が陸揚げ 海は凪ぎ(松前港)

朝散歩 終えて旅館の 食堂に(みうら旅館)

朝食は 一汁八菜 ヨーグルト(同上)

残雪の 山並み続く 渡島かな(札前)

山頂に 人と思えば 鳥居かな(夷王山)

柵だけは 復元されて 土塁上(勝山城跡)

海越えに 江差の町並み 眺め見る(同上)

ニシン漁で 栄えた漁家を 床間に(旧笹浪家住宅)

仏壇は 取り外されて 写真像(同上)

居間の梁 今もそのまま 屋根の下(同上)

珍しき きつね結びの 葦の葉は(同上)

上ノ国 真澄に逢えて 行く春ぞ(同上)

拝殿の 彫物精緻な 芸術品(上ノ国八幡宮)

現在も 救命艇は 釣り降ろし(開陽丸)

模型見て 初めて分かる 帆の様子(同上/北海道花見の旅5) 56

()(ぎょ)(さい)は 豪華な山車の 夏まつり(姥神大神宮)

()(げん)には 江差の五月 江戸になき(横山家住宅)

居間の中 今も変わらず 江戸のまま(同上)

港には 五月の海に かもめ島(同上)

法華寺に 山小屋風の 庫裡が建つ(法華寺)

ハネダシの 檜造りの 太柱(旧中村家住宅)

トオリニワ 四棟結ぶ 通路とか(同上)

床の間は 商家を超えて 武家風に(同上)

山車ごとに 名前あるらし 神武山(江差町郷土資料館)

天井と 壁は豪華な クロス張り(同上)

文人の 八景八吟 記念碑に(同上)

留置場 復元されて 別棟に(同上)

切妻の 新たな家並 モデル地区(江差)

奇岩でも 神と祀られる (へい)()(いわ)(同上)

港には 奥尻フェリーに 元山が(同上)

別館は 庭に面した 離れかな(旧関川家別荘)

池の奥 離れの別館 春まぢか(同上)

黒松の 枝振り少し 哀れなり(同上)

くぐり岩 白亜の露頭 竜宮門(滝瀬海岸)

青い海 白い残雪 五月晴れ(元和台海浜公園/北海道花見の旅6) 56

大岩に 円空仏を 重ね見る(円空上人滞洞跡)

赤門や 和尚の流血 見る如し(門昌庵)

トンネルの 先にも奇岩 続くかな(長磯海岸)

春の海 弁慶岬 波蝕棚(弁慶岬)

海岸の 母衣(ほろ)月山(つきやま)も 春景色(同上)

海辺には 風力発電 新景色(寿都)

板張りの 倉庫珍し 豪商に(旅館鰊御殿)

歌棄に 鳥居に風車 ミスマッチ(寿都)

残雪や 二股川に 汚れ顏(二股ラジウム温泉)

湯に憩い ウグイスの声 二股に(同上)

石仏や 明治の頃に 祀りしか(同上)

水源は 伏流水か 二股は(同上)

人力の 労苦偲ばれる 土塁かな(ヲシャマンベ陣屋跡/北海道花見の旅7) 56

緋桜に アイヌ美人 思うかな(オニウシ公園)

白色と 桃色合わせ 花の宴(同上)

園児らも 花見するなり 森町も(青葉ヶ丘公園)

一本ずつ 桜を愛でる 並木道(同上)

鯉のぼり 共に眺める 桜かな(同上)

麓には スクラップの山 駒ヶ岳(森町)

剣ヶ峰 天突く如く 聳え立つ(北海道駒ヶ岳)

大沼に 盆栽を見る 小島かな(大沼遠望)

哀れ見る かんぽの宿の 閉鎖かな(日暮山)

大沼に 自生の桜 咲く小島(大沼公園)

祭神は 大山祇(おおやまづみ)(のかみ) 山の神(駒ヶ岳神社)

大岩は 二つに割れた くぐり岩(同上)

駒ヶ岳 溶岩流の 跡地肌(大沼公園)

小岩には 樹木密集 競い合い(同上)

登山道 地肌尾を引く 駒ヶ岳(遊覧船/北海道花見の旅8) 56

小島では 花と新緑 競い合う(同上)

大沼に 島より大きな 新緑が(同上)

大沼や 月の名所と 呼ぶも良し(同上)

湖月橋 月も渡るや 吉野山(同上)

濃いピンク 蝦夷山桜 小ぶりなり(同上)

月見橋 船は潜りて 小沼へと(同上)

残雪が はてなマークの 駒ヶ岳(同上)

遊覧船 降りては歩む 散策路(同上)

客二人 遊覧船に 閑古鳥(大沼公園)

浮島に 春を告げるや 太鼓橋(同上)

ワカサギの 名のある橋が 大沼に(同上)

湖月橋 月の眺めは 駒ヶ岳(同上)

歩かねば 見えぬ橋の 曲線美(同上)

七飯(ななえ)(だけ) 笠の形が 興味ひく(城岱牧場)

離れると 砂原岳にも 残雪が(同上)

庭先の 家族水松(いちい)が お出迎え(銀婚湯)

定番の ひょうたん池は 蕗の庭(同上)

庭の中 小川が流れ 新緑へ(同上)

部屋からは エゾヤマザクラの 花見かな(同上)

吊り橋の 先には桜 理想郷(同上)

樹木には 白石敷いた 気遣いも(同上/北海道花見の旅9) 56

芭蕉の句 目に浮かぶかな 古池に(同上)

(ふん)湯口(ゆぐち) 地獄の釜も 自然体(鹿部間歇泉)

崖下に 松の若木が 賑やかす(恵山岬)

岬では 桜が芽吹き 目出度いナ(同上)

気まぐれや 恵山岬に 春霞(同上)

荒涼と 火山一色 恵山かな(恵山)

靄は晴れ 津軽海峡 春景色(同上)

塔石や 溶岩ドームの 置き土産(同上)

火口源 成りをひそめて 百余年(同上)

ヒキガエル 勾玉(まがたま)池の 主とか(函館八幡宮)

部屋の窓 開くと海に イカの船(下風呂温泉)

朝散歩 終えて宿に 旅続く(同上/北海道花見の旅10) 56

雛壇の 五百羅漢を 見る如し(仏ヶ浦)

海蝕の 芸術品か 龍の岩(同上)

鶴よりは 双鶴門は 面白き(同上)

帆掛岩 海に因んだ 命名か(同上)

正面は 三尊石に 見えるかな

屹立す 凝灰岩の 造形美(同上)

異次元な 極楽浜の 仏たち(同上)

杉林 菜の花畑に 色添えて(横浜菜の花フェスティバル)

菜の花に ヒバリさえずる 色と音(同上)

菜の花の 迷路もありて 面白き(同上)

菜の花には 側には風車 絵にもなる(同上)

菜の花や 昔は北郡 宿場町(同上)

(やすみ)(たい) ベンチに座り 花見かな(十和田湖)

新緑と 桜を合わせ 見る景色(同上)

新緑の (あいだ)に混じる 桜かな(同上)

十和田湖の (はっ)()(とうげ)に 遅い春(同上)

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