短句(俳句・川柳)旅行編その4
コンテナ車 弥生を駆ける 埠頭かな(仙台港/四国霊場記1) 57歳
羽根広げ 手を振る如し カモメかな(同上)
片足の カモメは強く 春を飛ぶ(同上)
船室は いつも個室で マイペース(名古屋港)
橋の先 展望台を 逆に見る(大鳴門橋)
前を行く 自衛隊車に 敬礼す(同上)
飛島や 白灯台に 平家船(同上)
渦潮に 咸臨丸は 誇らしげ(鳴門公園)
展望所 あって嬉しき 鳴門山(同上)
波蝕棚 千畳敷に 見当たらず(同上)
石垣の めがね橋あり 鏡池(大麻比古神社)
ドイツとの 心の架け橋 記念物(同上)
通常は 宝形造りが 大師堂(霊山寺1/四国霊場記2) 57歳
極楽寺 梅の古木も 疲れ気味(極楽寺2)
長命杉 大師の手植え 記念物(同上)
庭園に 弁慶自慢の 力石(金泉寺3)
大銀杏 八百年目の 芽吹きかな(地蔵寺5)
安楽寺 温泉宿坊 稀有な寺(安楽寺6)
早咲きの 蜂須賀桜 遍路みち(熊谷寺8)
天守から 眺める春の 吉野川(川島城)
客室の 窓の外に 菜の畑(神山温泉/四国霊場記3) 57歳
菜の花に 水車小屋あり 四季の郷(同上)
蔦からむ 吊橋の先 竹若葉(同上)
参道は 杉の巨木が お出迎え(焼山寺12)
大師堂 大蛇封じの 名残雪(同上)
雪氷に 花見る如し 焼山寺(同上)
一宮 拝んで進む 遍路みち(一宮神社)
面影や 大師伝説 井戸の名に(井戸寺17)
井戸の側 日限大師 祀られし(同上)
樹木かと 思えば阿波の 青石と(表御殿庭園)
人を待つ 切石橋の 先も松(同上)
僧堂や 禅宗独自の 寺観かな(丈六寺)
恩山寺 御母寄り添う 大師堂(恩山寺18/四国霊場記4) 57歳
立江寺や 七堂伽藍 狭域に(立江寺19)
鶴林寺 寺を守護する 鶴の像(鶴林寺20)
行く道に 梅とボケとの 花競い(大井)
那賀川の 半周スピン 春の藍(那賀川)
ゴンドラの 水平線に 剣山(太龍寺21)
杉の木に 意味の不明な 木枠かな(同上)
太龍寺 不満は一つ 無宿坊(同上)
記念碑に 空海大師 再登攀(舎心ヶ嶽)
側に寄り 大師の禅定 真似もして(同上)
見渡すと 山さきもりの モニュメント(同上)
眼下には 那賀川の谷 弥生晴れ(同上)
石垣の 初春の棚田 美しく(遍路みち)
遍路みち 所々に 遍路宿(同上)
白水の 井戸で大師と 契り水(平等寺22)
鹿岡の 国道前に 夫婦岩(室戸/四国霊場記5) 57歳
灯台も 今や観光 スポットに(室戸岬)
岬沖 白き漁船や カツオ釣り(同上)
南国の 霊場らしき 蘇鉄かな(津照寺25)
仁王像 草鞋大きく 見え難し(金剛頂寺26)
土佐湾を 一望するや 西寺で(同上)
入口に 旅館と居酒屋 いい気分(吉良川)
家により レンガを積んだ ハイカラも(同上)
羽根川や 昔のままに 海に入る(羽根川)
岩礁に 座礁もせずに 土佐路ゆく(羽根岬)
岩間より 神峯の水 糸と落ち(神峯寺27)
方丈の 屋根越し一面 ボケの花(同上)
門前で 茅の曲り家 眺めけり(関川家住宅/四国霊場記6) 57歳
白壁の 土蔵の倉や 美しき(同上)
五台山 五重塔に アンテナに(五台山)
天守には 松の緑と 白千鳥(高知城)
春も寄る 天守と御殿 高知城(同上)
白黒の 詰門越しに 新緑が(同上)
桂浜 月より偉く 龍馬像(桂浜)
桂浜 白砂青松 月名所(同上/四国霊場記7) 57歳
桂月の 名の所縁なり 桂浜(同上)
霊場で 初めて拝む 山桜(青龍寺36)
絶景や 横浪三里 風を背に(横浪黒潮ライン)
久々に トンビの鳴き音 聞く海辺(同上)
幾重にも 岬連なる 土佐湾に(同上)
塔のよう セメントプラント 押岡に(同上)
自転車は 石段は無理 遍路みち(そえみみず)
春浅き 鹿島ヶ浦に 鈴の音(鹿島ヶ浦)
人ひとり 見かけぬ浜辺 彼方まで(土佐白浜)
優しげな 波音を聞く 白浜に(同上)
四国にて 入野松原 初見えす(入野松原)
松原は 渚百選 名所でも(同上)
灯台に 下は明るき 断崖に(足摺岬)
断崖は 柱状節理 熱帯樹(同上)
見上げると 金剛福寺の 多宝塔(金剛福寺38)
海亀が 夫婦で泳ぐ 島と見ん(同上)
灯台に 寄り添うソテツ これも鉄(同上)
我が姿 顔除いて 白ずくめ(同上/四国霊場記8) 57歳
蔦からむ 奇形のアコウ 老死せず(松尾のアコウ)
臼碆に 柱状節理 顔だし(臼碆海岸)
山イブキ 樹齢五百年 逞しく(延光寺39)
菜の花に 旗指物の 遍路みち(松田川)
部屋の外 過疎の街並み 暗い空(米屋旅館)
宇和海に 団子三島 浮かび立つ(宇和海)
漁村には 予期せぬ桜 山肌に(坂下津)
天守内 時間止まりし 江戸空間(宇和島城)
エドヒガン 重石塔に 花伸ばす(明石寺43/四国霊場記9) 57歳
城の塀 石垣長く 美しく(大洲城)
天守から 臨む肱川 花疎ら(同上)
城下には 町家が並ぶ 江戸情緒(大洲)
飛び石も 意匠尽くした 園路かな(臥龍山荘)
知止庵は 風呂改めた 茶室とか(同上)
内子座は 現役のまま 幟立つ(内子)
庭園に 桜慎ましく 咲く商家(同上)
門構え 武家の如くに 本芳我家(同上)
大平に 寒村点在 春の山(大平/四国霊場記10) 57歳
自転車を 阻む峠の 遍路みち(畑峠)
緊張し 仙人窟の 梯子段(岩屋寺45)
堂の上 岩峰聳え 空の海(同上)
沈丁花 まだ先匂う 花の寺(浄瑠璃寺46)
前庭に 桜の花や 慎ましく(八坂寺47)
テイレギや 新た味覚 杖ノ淵(西林寺48)
国宝に 草鞋と新緑 仁王門(石手寺51/四国霊場記11) 57歳
境内に 石段 遍路みち(同上)
神ノ湯に 明治の車夫と 人力車(道後温泉本館)
神ノ湯や 柳の緑 紅白に(同上)
毎日が お祭り騒ぎ 神ノ湯は(同上)
建屋より 意外と狭き 廊下かな(同上)
クスノキや 冠山の 語り部か(湯神社)
ネオン坂 道後温泉 火の車(道後温泉)
懐かしき 昭和のBARや ネオン坂(同上)
目を見張る 庭木の刈込 庫裡の前(宝巌寺)
神輿見て 脳裏に浮くや 秋祭り(同上)
紅梅や 国宝本堂 供物かな(太山寺52)
斎灘 春の楽園 鹿島見ん(斎灘/四国霊場記12) 57歳
梅の花 近づく程に 離れ咲く(泰山寺56)
山高き 残雪白く 大師堂(横峰寺60)
客殿は まだ新しき 古き雪(同上)
春来たる 道前平野に 瀬戸の海(同上)
防寒着 遍路に野暮な 姿かな(同上)
豪邸に 和風の匠 春の空(新居浜/四国霊場記13) 57歳
ゴンドラで 眺める景色 夢心地(雲辺寺ロープウェイ)
羅漢像 十人十色 春の宴(雲辺寺66)
彼方には 四国山地 涅槃像(雲辺寺山)
瀬戸海も 讃岐平野も 春霞(同上)
本坊に 新緑点描 大興寺(六十七番札所)
クスノキや 鎌倉末期 知る樹齢(同上)
枯草に 五重塔も 夕陽萌え(本山寺70)
忘れ得ぬ 一富士旅館 町家風(一富士旅館)
絵馬殿や 眺める景色 春の絵馬(琴弾八幡宮/四国霊場記14) 57歳
銭形に 遊び心の 江戸を見る(琴弾公園)
春の海 寛永通宝 砂絵かな(同上)
琴弾の 松の枝ぶり 春の蜘蛛(同上)
谷間には 芽吹く桜と 堂の屋根(弥谷寺71)
新緑に 五重塔は なお映えて(善通寺75)
善通寺 軍都は遠く 霞むかな(同上)
珍しや 山門代わり 三輪鳥居(天皇寺79/四国霊場記15) 57歳
薬師堂 裳階造り 福禄寿(白峯寺81)
大草鞋 力士を凌ぐ 仁王門(根香寺82)
モクレンの 花麗しく 五大堂(同上)
春なのに 天満宮の 梅つぼみ(田村神社)
大草鞋 何処が最初の 奉納か(一宮寺83)
護摩堂の 新たな堂宇 梅古く(同上)
目を見はる 宝物館の 鴟尾の屋根(屋島寺84/四国霊場記16) 57歳
岩峰に ウグイスの声 五剣山(八栗寺85)
五剣山 一座が崩落 四つ峰に(同上)
寺の富 本坊入口 表門(同上)
クスノキや 樹齢不明の 年重ね(長尾寺87)
矢筈山 眺めて休憩 遍路みち(槇川)
結願を 果たした祝いの 護摩供かな(大窪寺88)
剣山 春の木道 天駆ける(剣山/百名山旅行1) 57歳
奥祖谷に 春の陽射しや かずら橋(二重かずら橋)
椿咲く 三百年の 軒の側(木村家住宅)
黒ずんだ 居間に雅な 雛飾り(同上)
並ぶ皿 フレンチ風に 肉の鍋(祖谷温泉ホテル)
朝風呂や 色様々の 花見かな(同上)
競い合う 桜とレンギョウ 箸蔵寺(箸蔵寺ロープウェイ)
小桜は 大鐘楼の 生け花か(箸蔵寺)
石段に 粋な外灯 昭和かな(同上)
奇妙かな 修行大師に 薬師堂(同上)
千光寺 桜の名所 まだ蕾(千光寺公園/百名山旅行2) 57歳
境内は 巨岩奇岩 千光寺(同上)
山頂に ぼんぼり飾り 一分咲き(同上)
西国寺 七堂伽藍 花一分(西国寺)
境内に 寺格を誇る 勅使門(同上)
ナンテンの か細き木の実 春にまで(同上)
新緑に 三重塔 紅く映え(同上)
伽藍には 緋寒桜の 花一つ(同上)
春の海 広島湾の カキ筏(広島湾)
宮島や 日本三景 締めくくり
美を競う 五重塔と ベニザクラ(厳島神社/百名山旅行3) 57歳
春浅き 門前街は 閑古鳥(同上)
宮島や 桜の花に 多宝塔(同上)
小鹿寄る 御手洗川の 桜かな(宮島)
小川には 枝垂れ桜がや 枝伸ばす(同上)
鹿の群れ 御手洗川で 花見する(同上)
前庭は 鹿の餌場か 国名勝(岩惣)
中庭の 小滝の上に 咲く桜(同上)
宮島で 珍味と思う ホタルイカ(同上)
久々に うなぎの白焼き 飯なしで(同上)
天ぷらに 小鉢のそばは 庶民的(同上)
夕食の 締め愛媛の 鯛茶漬け(同上)
紅葉より 桜が恋し 紅葉谷(紅葉谷公園)
摩尼殿や 二層の本殿 庭の上(大聖院/百名山旅行4) 57歳
山頂は 今日も曇りの 弥山かな(宮島)
霜降りて 枯木に花の 登山口(韓国岳)
火口湖の 大浪池や 白碧(同上)
山頂は 霜で真っ白 春なのに(同上)
里山に ウグイスの声 宮の詩(霧島神宮)
池田湖に 真っ赤なツツジ 湖水染め(池田湖)
行く春や 箱石峠 枯れススキ(箱石峠)
牧場の 桜の花も 咲きそうに(竹原牧場/百名山旅行5) 57歳
楼門が 桜越しなる 神社かな(阿蘇神社)
参道 覆うが如く 花の枝(同上)
九重山 明日は登ると 眺め見る(小国)
友誘い 登山と温泉 春の山(九重山)
古民家の 屋根に由布岳 春景色(由布岳)
由布岳や 芝枯れの上 双耳峰(同上)
桜咲き 手招きするや 鶴見岳(別府)
左舷には 高崎山の 猿の顔(同上)
さんふらわあ 興味津々 初乗船(同上)
大書院 瑞祥閣に 大桜(大念仏寺)
白壁の 切妻造り 花の庫裡(同上)
桜には 鐘の音似合う 眺めかな(同上)
国宝の 西塔に咲く エドヒガン(当麻寺)
池泉には 桜散るなり 護念院(同上)
赤門に 枝垂れ桜と レンギョウと(同上)
奥院や 浄土庭園 花盛る(同上/百名山旅行6) 57歳
奥院の 枝垂れ桜も 大古木(同上)
大門の 金剛力士も 花見かな(同上)
高田川 並木の桜 四分咲き(大和高田)
花の先 六番櫓 平和色(大阪城)
屋根の隅 二十ヶ所には 金の鯱(同上)
楼門の ぼんぼり飾り 城の路(岸和田城)
小天守 天守を慕う 子にも似し(同上)
濠の岸 柳と桜 天守閣(同上)
本町の 家並は江戸の 春景色(同上)
髪の毛も 大師の徳と 崇められ(施福寺)
茅荒れて 春には遠き 虚空堂(同上)
宿坊は 庭園見たさに 予約せし(天徳院/百名山旅行7) 57歳
部屋の外 名勝庭園 夢枕(同上)
真正の 精進料理 魚肉なし(同上)
新緑が 光背に見ゆる 磨崖仏(大野寺)
ロウバイや 磨崖仏の目 花に向く(同上)
優美かな 紅枝垂れ桜 大野寺(同上)
砂丘にも 松の幼木 育つかな(浜岡砂丘)
好日の 掛軸に梅の 茶室かな(柴屋寺)
境内は 参拝客より 花見客(久遠寺/百名山旅行8) 57歳
祖師堂や 枝垂れ桜の 競い合い(同上)
春雨に 鐘楼の鐘 鈍く鳴る(同上)
桜背に 五重塔 ただ紅く(同上)
久遠寺や 七堂伽藍 桜色(同上)
春雨に 日蓮像や 霞むかな(同上)
聖人の 御手植えの杉 七百年(同上)
御廟所の 参道もまた しだれ桜(同上)
三色の 桜の花が 参道に(同上)
見納めは 三昧橋の 桜かな(同上)
桜咲き 柳は緑 橋紅く(富士宮浅間大社)
帰り際 御手洗川に また桜(同上)
酒好きの 牧水遺品 酒器多く(若山牧水記念館)
広場には ビル隠すなり 大桜(楽寿園/百名山旅行9) 57歳
木道の 先はまだ冬 枯れたまま(同上)
青芝に 黒い溶岩 ごま模様(同上)
溶岩が 庭石となる 眺めかな(同上)
灯籠の 奥に入母屋 木々の中(同上)
様々な 庭木と溶岩 百余年(同上)
溶岩や 小浜池の 島と見ん(同上)
池の側 イロハモミジの 枯れ古木(同上)
奇抜かな 楽寿灯籠 明り取り(同上)
塔跡に 五重塔を 想像す(伊豆国分寺)
方丈の 奥に桜の 花の雲(長寿寺)
花の寺 花海棠や 庫裡の庭(海蔵寺)
境内に 苔のやぐらや 七百年(同上)
春日和 五重石塔 築山に(同上)
源氏山 花見日和に 人の山(源氏山公園)
頼朝も 花見するかな 源氏山(同上)
洞窟の 奥に弁天 拝む春(宇賀福神社)
ヤシの木に わら葺き屋根の サマランカ(宿舎/サマランカ1) 58歳
バスの外 眺める景色 飽きもせぬ(プリメラプラスバス)
メキシコの 陽気さ太陽 セニョリータ(クラブロイヤル)
客室に 広いリビング 大きな絵(ユーロスターズ)
窓枠が 額縁の絵の 眺めなり(同上)
窓の外 見慣れぬ木々に ホテル群(同上)
月の上 中段までは 上り下り(テオティワカン)
太陽の 下に模擬の 月世界(同上)
鉄柱で ダンス踊るや 曲芸師(国立人類学博物館)
メキシコの リスの毛色は 灰と茶と(同上)
人慣れし 逃げる様子は リスになく(同上)
像に見る 原住民の 勇ましさ(ケレタロセルア公園)
騎馬像や 英雄の名は 不明なり(同上)
遺産都市 レトロなバスに 先ず乗車(同上)
スペイン語 殆ど読めず ギブアップ(ベルズヒル)
どこかしこ マリアの絵画 格子越し(同上)
ケレタロや 大木もあり 丘の上(同上)
ケレタロの 水道橋は メモリアル(同上)
庭木には 日本思わす 刈り込みも(同上/サマランカ2) 58歳
不可解な モニュメントあり 広場には(同上)
テラスから 眺める広場 秋日和(セルア公園)
異国でも 噴水涼しき 眺めかな(同上)
すし詰に 住宅密集 空に塔(ケレタロ)
手入れせぬ 隣家の庭木 何の木か(サンタクルス修道院)
ガイドする 女性の側に 鉢の花(同上)
天井に 明り取りあり 蟻もあり(同上)
鉢植えの 花や赤白 ベランダに(同上)
出口には 同僚の背中 写るかな(同上)
どの絵にも 白馬登場 神の使者(同上)
絵を見ると 白馬童子 思い出す(同上)
曲り棟 修道院に ドーム屋根(同上)
中庭に 不思議な時計 表示板(同上)
廊下にも 半円アーチの 額縁が(ケレタロ地方歴史博物館)
天井は 菊の紋にも 似し模様(同上)
大通り 小さな店舗 数珠つなぎ(セラヤ)
どう見ても 五層の塔は 美しく(同上/サマランカ3) 58 歳
賑やかさ 暖かく見る 市場かな(グアナファトラパス広場)
モニュメント それともアート バスの窓(グラナディタス地区)
美の極致 十人十色か 一色か(ピピラの丘)
首手足 板挟みして 骸骨に(拷問博物館)
牢屋には 生きた人間 驚かす(同上)
ギロチンの 人形でさえ 哀れかな(同上)
拷問具 眉を顰めて 痛さ知る(同上)
棺桶に 全身鎧の 騎の士像(同上)
鐘楼の 鐘の響きや 鉱山の跡(バレンシアーナ聖堂)
堂内は 豪華絢爛 ただ唖然(同上)
天井の 装飾雲似の シンプルさ(同上)
ドームから 射す陽射しこそ 御光かな(同上)
祭壇は 眩いばかり 黄金色(同上)
日本なら 国宝級の 工芸品(同上)
キリストの 像の上には 上がいる(同上)
石段の 紅の塀にも 十字架が(同上)
金銀が まだありそうな 黄銅鉱(サンラモン坑道跡)
先を行く 同僚はもう 相棒に(同上)
洞窟の 天秤計り 懐かしき(同上)
シャンデリア 応接室の 面影が(同上/サマランカ4) 58歳
鉱山の 繁栄の跡 聖堂に(バレンシアーナ)
時を経て バレンシアーナに マンションが(同上)
聖堂の 塔様々に 夢景色(グアナファト聖母大聖堂)
キリストの 磔像は 目には毒(サンディエゴ教会)
ピピラ像 仁王の顔に 見えしかな(ピピラ記念像)
見残しは グアナファトの 夜景かな(ピピラの丘)
老騎士の 姿哀れな 戦絵か(ドン・キホーテ肖像博物館)
メキシコで 秋雨にミイラ 合わせ見る(ミイラ博物館)
サボテンも 無い風景は いと寂し(プリメラプラス・バス)
ピンク色 メキシコ産の 石材と(サンミゲル教区教会/サマランカ5) 58歳
教区には ピンクと灰の 塔も建ち(同上)
カラフラな 街にレトロな バス走る(サンミゲル)
教会は ツインタワーの サマランカ(サンアグスティン教会)
塔の上 草木の繁り 摩訶不思議(同上)
青い屋根 初めての色 礼拝堂(セニョールデルオスピタル教会)
製油所の タンクの上に メヒコ富士(ペメックス製油所)
湖に 朝霧を見る モレーリア(クイツェオ湖)
モレーリア 瀟洒なホテル 青き冬(ビレイデメンドサ)
刈り込みの 庭木の上に 塔聳え(カテドラル)
塔上部 鐘は見えぬど 音がする(同上)
ファサードの 精緻な彫刻 雅かな(同上)
銘板は 文字は読めずに 写すだけ(同上)
廊下には 豪華の一言 シャンデリア(同上)
噴水に カルメン教会 絵の如く(カルメン教会)
ファサードは 簡素な造りの 石タイル(同上)
教会は 居心地いいのか 鳩の群れ(カルメン教会/サマランカ6) 59歳
裏通り 古き家並みの 展示会(モレーリア)
絵の如く カテドラル塔 柱縁(カテドラル)
聖堂で 唯一青い ドーム屋根(同上)
百年の 夢の実現 大聖堂(同上)
大木に 双耳の塔と 青ドーム(同上)
静寂の 街の景色や 好対照(同上)
教会に 奇妙な塔の モニュメント(同上)
三角の 尖塔が建つ 教会も(サンフランシスコ教会)
広場には 好対照な セニョリータ(カテドラル広場)
ノーヘルの ハーレー走る 大通り(同上)
内装も レトロな風木 バスの中(観光バス)
車窓には 一級品の カテドラル(同上)
カテドラル 奈良の薬師寺 見るような(同上)
名所には 屋台が立ちて 華やかに(同上)
座席にも 高級感が バスにあり(観光バス)
単層の 見慣れぬ塔が 塀越しに(同上)
ケレタロを 水道橋は 凌ぐほど(水道橋)
覗き見る 民芸店は 目の保養(大通り)
州庁舎 ゆっくり内覧 日の終り(州庁舎)
白壁に カテドラル塔 ピンク色(同上)
中庭の 丸い噴水 水五寸(同上)
階段に 勇者と鷲の 大壁画(同上)
回廊の 柱のアーチ 美の極致(同上)
ヤシの木に 満月拝む 宿舎かな(サマランカ宿舎)
紫の 朝顔にっこり 誕生日(自動車工場現場)
住宅は クリスマス飾り 華やかに(サラマンカ)
カンクンの 街の灯りは 不夜城か(オムニカンクンホテル)
神殿は 天体観測と 見張り台(チチェン・イツアー/サマランカ7) 59歳
森に棲む ジャガーは神と 畏怖されて(同上)
台座には ジャガーと鷹の 雄姿かな(同上)
日傘さす 団体ツアーや 大晦日(同上)
彫刻が 絵巻の如く ブロックに(同上)
蛇もまた 神と祀られ 台座上(同上)
獅子の面 仁王の顔を 見る台座(同上)
台座には 宝冠姿の 人の顔(同上)
劣化した チャックモールも 背面に(同上)
王族の 住居の跡か 鹿の家(同上)
外壁は 赤石用いた 赤い家(同上)
密林 マヤ文明の 大遺跡(同上)
色褪せぬ 基壇の壁の 赤い熱(同上)
イグアナの 模型にびっくり 遺跡かな(同上)
タコスにも 食べ慣れて来て 定番に(レストランマヤ)
大晦日 セノテに入り 水遊び(聖なる泉セノテ)
地上から ロープのように 蔦垂れし(同上)
生け贄も 飛び込む人も 水の音(同上/サマランカ8) 59歳
カンクンの 除夜を彩る ネオン街(カンクン)
締めの食 ロブスターラーメン 初味覚(ケーズ・カフェ)
初日の出 メキシコ国旗に カリブ海(カンクン)
行く年や カリブの海に 沈み行く(同上)
初夢や カリブの海の 竜宮城(同上)
新年や 異国の海に 夢心地(同上)
ペリカンも 新年祝うか カリブ海(同上)
初泳ぎ する人もあり カリブ海(同上)
窓の外 青い海原 カリブ海(オムニカンクンホテル)
正月は ビーチの凧揚げ 眺めたき(同上)
ペリカンは 浜の王者か でかい口(同上)
プールには メキシコカラス 顔を見せ(同上)
初泳ぎ プールに人の 影もなく(同上)
青い空 白い砂浜 果て遠く(同上)
泳げない 元日の海 ただ淋し(同上)
店舗より レトロな船が 興味惹く(ライスラ・ショッピング・モール)
現場には 日本で馴染の 白鷺が(自動車工場現場)
白鷺は 空虚な現場の 珍客で(同上)
荒れ地にも 花咲く冬の 景色かな(同上)
メキシコの カラスは純な 野鳥かな(同上)
別世界 保護区の門に こんにちは(モナルカ蝶見物)
坂道や 未知との出会い 浮き足で(同上)
蝶を見て ゆられ落ちては 馬上吟(同上)
保護区へと 徒歩で入れば 人の群れ(同上)
疎らにも 見つけて嬉し モナルカ蝶(同上)
上空に モナルカ蝶が 群舞する(同上/サマランカ9) 59歳
地面には 蝶の死骸が 花のよう(同上)
売店に こだわりを見る パラパかな(同上)
空いっぱい 夕焼け雲に 感無量(自動車工場現場)
メキシコの 第四高峰 トルーカに(ネバダド・ド・トルーカ山)
登山道 自転車で上る 猛者ありき(同上)
暖冬で 今年のトルーカ 雪がなく(同上)
目の前で テキーラを飲む 鷹の口(同上)
小さ目の 月の湖 また一つ(同上)
湖畔へと 降るグループ ちらほらと(同上)
稀に見る 高山湖沼 神秘的(同上)
ガレ場には 黄色い苔と 枯草が(同上)
フレイルへ ナイフブリッジ 登山道(同上)
青い山 褐色の地肌 果てしなく(同上)
枯草に 野菊のような 花一輪(同上)
群生す 黄色い花や 冬枯れに(同上)
鞍部には 人のかたまり 相棒も(同上)
メキシコで 蛇のとぐろに 入るとは(カリストラウカ遺跡)
空の蒼 山の青より 美しく(同上/サマランカ10) 59歳
帰路のバス 満月眺め 満たされし(帰路のバス)
山上の 立岩に見る 人の顏(バス景色)
剣を手に 弱者いじめの 騎士は鬼(オスピシオ・カバーニャス)
白壁に 映えるアーチに 木の緑(同上)
赤黄色 世界遺産に バラの花(同上)
メキシコの ボーイスカウト カラフルに(同上)
小鳥売る 露店もありき 大都会(リベルタ市場)
手に鎖 イタルゴ神父は 怒り顏(イタルゴ神父像)
州庁舎 アーチの中に カテドラル(ハリスコ州庁舎)
四方向 あっちこっちに アーチ壁(同上)
絢爛な 観光馬車に 目も回る(ソカロ)
カテドラル 尖塔二棟 シンメトリー(大聖堂カテドラル)
シンプルな ドームの壁に 十二使徒(同上)
モクレンに 似た花を見る 庭の奥(グアダラハラ地方博物館)
絵画見る セニョリータは 大あくび(同上/サマランカ11) 59歳
マンモスの 骨の展示に 人だかり(同上)
額縁に 入れようとした カテドラル(同上)
華麗なる 堂の柱は 美の極致(同上)
白壁に ピンクの塔は ナンセンス(サンアグスティン教会)
馬車に乗り 眺める景色 おさらいに(観光馬車)
昼食を 食べた思い出 馬車の横(レストランチアリ)
大学の 白亜の講堂 異色的(グアダラハラ大学講堂)
講堂に 尖塔景観 同化する(同上)
スタイルの 異なる尖塔 これも絵に(サクラメント教会)
日本語を 初めて聞くか 馬の耳(観光馬車)
サンミゲル 教区教会 街の城(サンミゲルデアジェンデ)
街外れ 銀河の如く 川光る(展望台)
丘の道 アサヒカズラの 花紅く(坂道)
坂道の 左右に教会 塔高く(同上)
サン・ミゲル 神父の像が 聖堂に(サンミゲル教区教会)
塔の側 ヤシの木二本 仁王立ち(同上)
天を突く 尖塔の先 十字架が(同上)
ソカロでは 二頭の白馬 馬車を引く(ソカロ)
牢屋番 居眠り姿 面白き(サンミゲル歴史博物館)
メキシコも ビー玉遊び 奥ゆかし(同上)
リビングは 今も変わらぬ 雰囲気で(同上)
屏風絵が 八曲一双 メキシコに(同上)
坂道の 車列の奥に 未知の塔(ラコンセプション教会)
教会は 閉門されて 空振りに(同上)
行く人も 来る人もなし 裏通り(同上)
食用の ウチワサボテン 好物に(サンミゲル駅舎/サマランカ12) 59歳
珍しき 柱状節理 メキシコに(バス景色)
岩山や 名残を惜しむ 眺めかな(同上)
昼食は 和食の弁当 特別に(自動車工場現場)
赤色の ネットに止まる ベニシモコ(同上)
ネット越し 野鳥と目が合う パトロール(同上)
メキシコの カラスも一緒 空黒く(同上)
日本より メキシコカラス 密に飛ぶ(同上)
群れの外 我れと同じ はぐれ鳥(同上)
黒の次 シラサギ来たり 囲い上(同上)
イスタパの ホテルの夜景 細々と(ラスブリサスリゾートイスタパ)
ベランダの 壁はカラフル 闇の海(同上)
客室は 相棒と二人 気兼ねなく(同上)
トイレでは 洗浄便座 夢と見る(同上)
バスタブの シャワーの長さ 驚異的(同上)
目も覚める オレンジ色の ホテルには(同上)
海際に 高層ホテル 日本並み(同上)
海は凪ぎ 船の航跡 波と化す(釣りの景観)
鉄骨の 灯台景観 異国的(同上)
引き潮や 小島の岩に 黒々と(同上)
相棒も あたりがなくて 可哀そう(同上)
やや白き 岩はおそらく 花崗岩(同上)
ペリカンや シワタネホでは 空の雄(同上)
海鳥に 目移りするや 棹の上(同上)
台座岩 松を植えれば 盆栽に(同上)
日本では 例えようない ホテル群(同上/サマランカ13) 59歳
岬には 展望台が 不可欠か(同上)
住宅が 山一面を 覆うほど(同上)
優雅かな 褐色ペリカン その翼(同上)
グランジェフ お世話になって グラシアス(クルーザー船)
純朴な 市場の風情 シワタネホ(商店街)
サボテンの 群落窓に 草花火(バス景色)
道もなき 山の姿が 車窓から(同上)
怪峰に 柱サボテン また奇観(同上)
山の形 正ちゃん帽子 思い出す(同上)
川岸に 砂漠のような 砂地見る(同上)
道路沿い 線路のレール 寂しげに(同上)
浅瀬には 無数に見える 白い鳥(同上)
流れなき バルサス川は 銀の帯(同上)
メヒコでも 気になる橋が アーチ橋(同上)
阿蘇山を 彷彿させる 牧草地(同上)
桐に似た 花の名聞くと ジャカランダ(同上)
すり鉢で 煮込んだ料理 モルカヘテ(モレーリア)
メキシコで 馴染んた料理 アラチュアで(同上)
眼下には 謎のサークル 溜め池か(飛行機風景)
幾重にも 連なる山は 地のしわで(同上)
密林の 外輪山に 火山湖が(同上)
メキシコの オリサバ山が 最高峰(同上)
雲海や まさに鱗の 空模様(同上)
雲海は ひつじ雲へと 移りゆく(同上)
数分の ダラス観光 空の上(同上)
屋上に カタカナ漢字 あら不思議(同上)
ゴルフ場 中島の如く 川に中(同上)
同色の 家屋群集 壮大に(同上)
行き帰り ダラス経由の 赴任かな(ダラス空港)
アグアスは 温泉のある街 銀の道(マリアッチ広場/アグアスカリエンテス14) 61歳
双塔の 四つの鐘の 聞き比べ(サンディエゴ教会)
図書館の 洒落た建物 ホテルかと(ソカロ)
円柱に 鷲のモニュメント 空高く(同上)
モニュメント 表に回れば 悩む人(同上)
ソカロでは カテドラルにも 双塔が(カテドラル)
重厚な 街の雰囲気 石畳(グアダルーペ地区)
教会に 文化華やぐ ルネサンス(同上)
バシリカに 夏陽はゆるく 福音を(同上)
木造の レトロなバスが アグアスに(観光バス)
オレンジの ドームにピンクの 双塔が(サンマルコス教会)
イトスギや 塔より高く 育てよと(サンアントニオ教会)
鉄線に メキシコマヒコ 稀に見る(マハトバカンジー通り)
何処となく モナルカ蝶似の アゲハ蝶(同上)
ヤシの木に ホウオウボクの 赤い花(同上)
松に似た 針の葉先に 茶の花が(同上)
珍しき アーチの鐘楼 天近く(アベマリア教会)
白壁が 三階建ての インパクト(同上)
警官の 粋な姿が 自転車に(レジオナル歴史博物館)
ドームには 小さな祭壇 アンテーク(同上)
写真には 希少な白黒 何点か(同上)
ピストルや 革命戦争 展示品(同上)
理容師に 写真を見せて 散髪を(理髪店)
双塔の 隣りに野暮な タイヤ屋が(サンマルコ教会)
ファザードの 彫刻精緻な サンマルコ(同上)
バシリカは 斬新的な 色合わせ(同上)
北市場 祭り騒ぎの 露店かな(北市場)
公園で 遊ぶ子もなき 市場立ち(プラザパトリシア公園/アグアスカリエンテス15) 61歳
アグアスも アーチの回廊 教会に(インマチルダ教会)
涼しや 回廊めぐる 高地風(同上)
外壁に ドクロのイラスト ユニークに(死の博物館)
ヤシの木は 庭の定番 屋根高く(同上)
入口に ドクロの花嫁 ダルデスと(同上)
マリア像 幼児のドクロ 撫でるなり(同上)
彫像の 立断面に 骸骨が(同上)
ケースには 玩具や人形 初見する(同上)
花嫁と 少女の骨像 美術的(同上)
闘牛士 牛まで骸骨 絶句する(同上)
怪奇かな 人の手足が 木に生えて(同上)
このコーナー ドクロは既に 装飾品(同上)
建物に 興味が魅かる 美術館(アグアスカリエンテス美術館)
園地には 彫刻展示 美術館(同上)
中庭の 庭木の刈込 美術的(同上)
回廊の 灯具ゆかしき ランプ風(同上)
中庭は 教会の塔 借景に(同上)
大鎌を 背にした勇士 ドクロ顏(同上)
美人画が 鑑賞するには 無難かな(同上)
絵にも見る メキシコ人の 家族愛(同上)
公園に 重なる尖塔 モニュメント(ラパス教会)
痩せこけた ドン・キホーテ像 滑稽に(ドン・キホーテ像)
肥満体 サンチョパンサ像 対比的(同上)
登山口 出店立つほど 人気あり(ピカチョ登山)
足元に ミネユキソウに 見るような(同上)
山頂は 石垣に似し 岩峰で(同上)
岩の上 両手広げる セニョリータ(同上)
足の先 更なるピーク 膝とされ(同上)
死者の丘 最高峰は へそあたり(同上)
様々な 形を想起 岩場かな(同上/アグアスカリエンテス16) 61歳
裏表 山頂景観 好対照(同上)
断層を 谷間が分かつ 山の肌(同上)
満たされた 気持ち一杯 下山道(同上)
下山後は 公園により 新境地(ランデロス公園)
ゴルフカー 自分で運転 予期もせず(同上)
メキシコの ソテツは高く 伸びるかな(同上)
奇妙かな シートの架かる 滑り台(同上)
野鳥園 ハヤブサに家 傘仕立て(同上)
大空を 自由に飛べない 鳥哀れ(同上)
看板に 日本語を見る 角の家(建売り住宅看板)
弧を描く 白いアーチ橋 秋空に(アーチ橋)
模型にも 残っていない 戦車見る(ディスカバー)
庭園に メキシコ流の 巨大傘(同上)
シンボルは ドクロの面の 巨大像(同上)
恐竜の レプリカ展示 ドクロ像(同上)
恐竜に 飛行機展示 無造作に(同上)
白ドーム プラネタリウムと 見てとれる(同上)
学校は 白亜の建物 新しく(日本人学校)
看板や 乗馬教室と 日本語(同上)
湖に 未だ至らず 秋の雲(ピカチョ登山)
中庭の 回廊四面に また国旗(文化研究ギャラリー)
通路には 謎の人形 手に国旗(同上)
下山後は 同宿仲間と ギャラリーに(同上)
死者の丘 身近で尊い 霊山で(市内事務所)
イトスギは 真っ直ぐ伸びて 気持ちよし(同上)
外灯に 燕の巣穴 宿舎かな(サンヘラルド宿舎/アグアスカリエンテス17) 61歳
ヒナの顏 見る楽しみが 朝夕に(同上)
しばらくは 残業なしに 棲家へと(同上)
大傘の 下は出店で 大賑わい(ディスカバー)
ダ・ヴィンチの 主たる作品 レプリカに(同上)
飛行機に 試行錯誤の ダビンチが(同上)
楽器にも 独自の発明 垣間見る(同上)
カレン砲 車輪があれば パーフェクト(同上)
舟形の 水車は役に 立ったかと(同上)
世界的 モナ・リザの微笑 大遺作(同上)
野外では メキシコ名物 マリアッチ(同上)
ナポリタン 古い言葉に 今パスタ(イタリアレストラン)
海岸は 緑地と家並 曲線美(ヒューストン上空)
真四角の 芝生の先に 矩形ビル(ヘルマン公園)
円壇に 小ぶりのイトスギ 様になる(同上)
タワシ似の 三葉虫の 化石かな(ヒューストン自然科学博物館)
帆の如く ディメトロドンの 背中かな(同上)
象に似た プラティベロドン 顎長く(同上)
頭上には 巨大な亀や アーケロン(同上)
クジラとも 思えるような ディスプレー(同上)
大口は モササウルスの 骨格か(同上)
虹色の アンモナイトは 宝石に(同上)
飛び跳ねた チンパンジーの 骨格も(同上)
旧人の リアルな顔に アフロヘア(同上/アグアスカリエンテス18) 61歳
剥製の 野鳥展示に カピパラも(同上)
殆どが 遠い世界の 輝石かな(同上)
ミイラや 異国の部屋で 晒されて(同上)
断片の 壁画は太古の 暮らし向き(同上)
ガラガラの 車内の中も ヒューストン(路面電車)
何となく アジアのよしみで タイ料理(ヒューストン)
探査機は ウサギの餅搗き 見てきしか(NASAスペースセンター)
実物の 人工衛星 小さいナ(同上)
レストラン 千畳敷を 凌ぐほど(同上)
ロケットの イラスト壁に 格納庫(同上)
広大な 基地内走る トラムあり(同上)
核心部 ミッションコントロール センターへ(同上)
未来への 道にも見えし 長廊下(同上)
ロケットの 案内板に 日の丸も(同上/アグアスカリエンテス19) 61歳
天高く レッドストーンの ロケットが(同上)
後前 写して全容 サターンV(同上)
輸送機の スペースシャトルは 子亀かな(同上)
基地の中 ホット一息 ニレの木に(同上)
ヤシの木に 新旧駅舎 並び建つ(同上)
神父像 ビエンベニードと 手を指して(クロスロハ公園)
斬新な 教会建築 アグアスに(同上)
公園の 園路空より 青くあり(同上)
陸橋に 悠然と立つ ピカチョ山(同上)
美しき 白い機関車 貴婦人か(鉄道博物館)
屋形貨車 平積みの貨車 初見する(同上)
駅舎内 モダンでシンプル 丸柱(同上)
車付き 台はかり見る 駅舎にて(同上)
革製の 奇妙なトランク 使途不明(同上)
メキシコの ブルートレインは 空の色(同上)
閑古鳥 立派な建屋の 休憩所(同上)
水色の 客車に青き 秋の空(同上)
寝室は ホテルの如く 寝台車(同上)
厨房も 立派な器具の 寝台車(同上)
日本なら B寝台の 座席かな(同上)
食堂車 サロンの如く 佇まい(同上)
一般の 座席も広い 食堂車(同上)
連結部 洒落たデザイン 目を見張る(同上)
絵の如し 黄色い機関車 赤い貨車(同上)
噴水に 人の姿が チラホラと(同上)
園路には 豪華なベンチ 木の下に(同上)
カルガとは 貨物のことで 旧駅舎(旧アグアスカリエンテス駅)
青芝に オレンジ緑の ディーゼル車(同上/アグアスカリエンテス20) 61歳
見慣れない 工作機械 展示され(機械工場)
古風なり 車輛の車輪 イスにして(同上)
野球では WBC ライバルで(野球場)
何となく 白いハトには 癒されし(ラパス教会)
お偉方 施主・ゼネコンと 顔揃え(立柱式)
衰退し ジャングル化する 築造も(ラスポサス庭園)
奇怪なる 造形もあり 摩訶不思議(同上)
小塔に 日本の灯籠 重ね見る(同上)
庭園の ポインセチアは 未だ蕾(同上)
庭園に 自然の滝が 流れ落つ(同上)
東屋に 石の造形 世界観(同上)
湯を張れば 露天風呂には よい囲い(同上)
ソーメンを 流したような 水の糸(ラペル滝)
メキシコで 本格的な 滝見かな(同上)
十二人 チームとなって ボート漕ぐ(タンパオン川)
途中から ミニナイアガラ 合流す(同上)
飛び込んで 川遊びする 同僚も(同上/アグアスカリエンテス21) 61 歳
波しぶき 川の流れは 異国の地(同上)
激流に 雨季のしぶきを 見るような(クエバ・デル・アグア)
激流に 草木なびかず 石の上(同上)
ジャングルに 水の恵みや 乾季にも(同上)
客室の 壁に長閑な 風景画(シウダーバージェス)
玄関の イスに案山子が ユニークに(同上)
メキシコに 田んぼのような 麦畑(リオ・ベンデ)
牧歌的 日本の風景 見るような(同上)
灌木地 柱サボテン 背比べ(同上)
入口に 露店が並ぶ 観光地(メディアルナ湖)
川までが 流れるプール セニョリータ(同上)
売店は 浮き輪や水着 華やかに(同上)
空き地には テントが張られ キャンプ場(同上)
小川にも 歓声聞こえる 水遊び(同上)
水遊び 見守る親鳥 頼もしき(同上)
天を突き アンテナ雲を 串刺しに(バスの風景)
メキシコの ハンターズムーン 神無月(自動車工場現場)
木の蔭に 巨大な他国の パンダ像(ランデロス公園)
池畔には 巨大ソテツが シメジ似に(同上)
メキシコの 国の鳥なる カラカラが(同上)
水牛が ホルスタインに ふと見える(同上)
檻の中 変った毛色の ラマを見る(同上)
メキシコの タンチョウの尾は やや白く(同上)
ニワトリの 頭の姿 白いハト(同上)
水辺には アヒルの群れが 幸せに(同上)
セントロの プラザパトリア 星印(セントロ)
教会に 赤いパナソル 色添えて(サンマルコス教会)
三塔の 顔それぞれに 秋の空(同上)
公園に ドームの東屋 偉人像(サンマコス庭園)
カラフルな 陸橋の脚に 丸い月(家畜市場附近/アグアスカリエンテス23) 61 歳
広大な 池の景色は 安らげく(プレサエルセダソ)
波もなく 鳥の波紋が 見ゆるのみ(同上)
目が合って 愛嬌たっぷり アヒルかな(同上)
シギに似た 鳥の姿に ふと出会い(同上)
池回り 野鳥の宝庫 カモの群れ(同上)
闊歩する セイタカシギの 雄姿かな(同上)
中洲には 灌木ゆかしく 佇みて(同上)
バラの先 ブライダルベール トンネルに(同上)
中島に ポインセチアの 花赤く(同上)
芝生には 人とアヒルが 散歩する(同上)
園内に ピクニック客も チラホラと(同上)
山頂は アンテナの数に 人の顏(ピカチョ登山)
湖と 空の青さが ランデブー(同上)
メキシコの ビーバームーンに 月の暈(自動車工場現場)
早々と クリスマスツリー 雪だまる(セントロ)
赤色の かぼちゃの提灯 何まつり(アラメダ公園)
動物の ツゲの刈り込み ユニークに(同上)
恐竜の 刈り込みには ただ唖然(同上)
長い首 下の道路を 睨むよう(同上)
石塔の 上から滴る 湯の恵み(同上)
浴室は 個室の小部屋 幾室も(同上)
張りぼての 三段飾り 雪だるま(同上)
ふと望む 宿舎の夕陽 安らぎに(サンヘラルド/アグアスカリエンテス23) 62歳
クリスマス 満月重なる 目出度さよ(同上)
讃美歌に 真言声明 重ね聴く(サンマルコ教会)
屋台では タコスを求め 軽食に(レオン)
草枯れて 灌木だけの 山景色(バスの風景)
サボテンが 生えてないかと 目を凝らす(同上)
断崖が 三段四段の 奇勝かな(同上)
山並みは 拓けた台地に 温和顔(同上)
村落に 白亜の教会 和の中に(同上)
樽入りの アイスキャンディ 貴重品(プレイシティ)
絶妙な ミートソースに タコスあり(同上)
ヤシの木に 白い砂浜 青い空(プラヤデルカルメン)
ビーチでは 海水浴より 日光浴(同上)
浜辺には 小さなマヤの 遺跡あり(同上)
背中には タフゥー入れた セニョリータ(同上)
モニュメント アダムとイブを 想定す(同上)
店先に ドクロのシャツ 様々に(同上)
年越しや クリスマスツリー そのままに(同上)
遠慮なく ホテルの園路 歩くかな(ホテルリウバラヤカル)
巻きずしを 見つけて嬉し カルメンで(同上)
ディナーショー カントリーダンス 軽快に(同上)
メキシコで 初めて鑑賞 フラメンコ(同上)
珍しい トラクターで牽く 客車かな(トゥルム遺跡)
城壁の 崩れた石に 寂しさも(同上)
散乱す 基礎の石垣 何の跡(同上)
神殿に 一輪残る 赤い花(同上/アグアスカリエンテス24) 62歳
樹枝のよい 高木遺跡の 神木か(同上)
夢の跡 ドクロのような 石ころも(同上)
海に立ち 新年祝う カリブ海(同上)
砂浜に 遊泳禁止の 赤い旗(同上)
マヤ人も 海に癒され 眺めしか(同上)
打ち寄せた 海藻枯れて 海紅葉(同上)
ヤシの木に 風の神殿 年新た(同上)
屋根のない セノーテの跡 偲ぶのみ(同上)
密林に セノーテ探す 好奇心(同上)
初日の出 頭上に高く カリブ海(シェルハ)
浮橋に 気分は浮き足 雲が浮く(同上)
シェルハでは 巨大なイスも モニュメント(同上)
入江奥 手付かずのまま 保護されし(同上)
のんびりと 浮き輪で遊ぶ ニューイア―(同上)
ハンモック 満員御礼 二十張り(同上)
海辺には 様々な遊具 子らの声(同上)
岩礁に 金魚の人形 空泳ぎ(同上)
元旦は プールのイルカ 顔出さず(同上)
漁終えた 小さな漁船 浜に浮く(プラヤデルカルメン)
野趣のある パラパのホテル 幾重にも(同上)
コスメルへ 黄色いフェリー 橋渡し(同上)
新年や 馬車の御者は 靴磨き(コスメル島)
展望所 小さなドームに 十字窓(同上)
南端の 灯台遠く 波の上(同上/アグアスカリエンテス25) 62歳
この磯に コンプ寄せれば 北海道(プンタスル)
岩礁に メキシコ国旗 年初め(同上)
白石に 黒石混じる 囲碁の浜(同上)
日本なら 釣り人が立つ 磯辺かな(同上)
黒磯に 白波立ちて 青い空(同上)
土産屋は ドクロのグッズ 色々と(アレシフェ)
枯れたヤシ 流木かなと 思い見る(サンマリン)
砂浜で 何探すのか 若い衆(保護地区)
テント張り 月を友に 寝たき浜(同上)
島人と テキーラ片手に サルーかな(メデカルトス)
東岸で 最後に触れる 白い砂(同上)
塔屋には 病院と分かる 赤十字(洋上の風景)
知る曲は 殆どないけど 耳掃除(フェリー船内)
バイオリン 屋根ではなくて 船の上(同上)
青い海 白亜のホテル 空に雲(洋上の風景)
悠然と パラグライダー 一人空(同上)
鳥たちと パラグライダー 年に舞う(同上)
灯台が 小さく見ゆる 街の中(同上)
前庭の ヒャクニチソウに アディオスと(ホテルリウバラヤカル)
塔の鷲 枝に降り立つ 如く見え(セントロ)
教会の 日曜礼拝 常習化(マセード教会)
閑散さ それもアグアス 美しき(エキスポプラザ)
青天に 双塔映える カテドラル(大聖堂)
自家用車 不要となれば 月の市(中古車市場)
クリスマス 二週過ぎても ツリー立つ(ビア・アスンシオン)
落書きに 表裏眺める ピカチョ山(駅付近/アグアスカリエンテス26) 62歳
街路には 電柱の倍の ヤシの木が(街路樹)
庶民的 ラパス市場の 露店かな(ラパス市場)
珍しく 馬を目にする 帰り道(サンヘラルド放牧場)
芝焼きに 日本が匂う 牧草地(放牧場)
白牛の 耳たれていて 面白き(同上)
登山道 濁った池も インパクト(セロ・デル・ムエルト登山)
登山口 自分の自転車 もう見えず(同上)
刑務所の 見張り台から 監視され(同上)
名無湖に 我が名も今は 名無草(同上)
足の爪 アンテナ四基に 十字架と(同上)
尾根道は 脚の脛にて 先が膝(同上)
膝に立ち 腰の山頂 まだ先に(同上)
足を出て 膝を乗り越え 今腰に(同上)
腰からは へその山頂 目指すのみ(同上)
寝姿の 山並もあり 数奇かな(同上)
へその山 死人の丘の 最高地(同上)
へそからは 頭を眺め 引き返す(同上)
ツグミ似の 野鳥が一羽 山頂に(同上)
どんな花 咲くのだろうか 灌木に(同上)
空中の 散歩道が 尾根歩き(同上)
名無湖や 死人の丘の 力水(同上)
葉芽より 白モクレンは 花が先(同上)
ノルテには 高層建築 ただ二棟(同上)
吊橋に 日本の里山 ふと思う(同上)
巨大なる ドレス姿の 顏ドクロ(同上)
小川には 仔馬草食む のどかさが(サンペドロ川)
原野には ウチワサボテン 手招きす(原野の道路)
工場の 下に峡谷 奇観なり(峡谷)
自転車で 現場見物 日曜日(自動車工場現場)
フライスの 大きな風車 空回り(フライス/アグアスカリエンテス27) 62歳
人造の 白い巨岩は 滑り台(同上)
宿舎から 初名月に 手を合わす(サンヘラルド)
初めての サッカー観戦 メキシコで(サッカー場)
ゴール側 二階の空席 すきま風(同上)
温厚な メキシコ人に アミーゴと(同上)
オフタイム グランドの中 何事か(同上)
数人の パフォーマンスに カメラマン(同上)
滑稽な 赤い仮装は 何の真似(同上)
旗を手に 味方陣地は バッファロー(同上)
中央の 特等席を 羨望す(同上)
美しき セニョリータ二人 記念撮り(同上)
久々の バスターミナルで 旅気分(アグアスカリエンテスバスターミナル)
夢運ぶ デラックスバス ETN(同上)
ガラガラの 車内は貸切 天国へ(同上)
工場の 屋根に長い アーケード(バスの風景)
車窓には 紺碧の空に メサの山(同上)
サボテンの 先の山並み 柔らかに(同上)
サボテンか ヤシかと迷う 株立に(同上)
様々な サボテン群生 見本市(同上)
山頂に 教会の塔 搭の上(ロープウェイ)
重厚な 石積造りの 麓駅(同上)
線状に 規則正しく 家の窓(同上)
美しき コロニアルの街 サカテカス(同上)
カテドラル ランドマークで 中心部(同上)
山頂の 岩塊大きく 険しそう(ブーファの丘)
街並みに 広がる盆地 雄大で(同上)
街並みに 公共施設の 白い屋根(同上)
坂道の 防護フェンス ユニークに(同上)
岩峰に 下に霊屋 並び建ち(同上)
岩崩れ 壊れないかと 霊屋に(同上)
霊屋や 山神樣と 一体化(同上)
荘厳な 霊廟教会 山頂に(同上)
展望所 あふれる車 隙間なく(同上)
山肌は 凝灰岩の 色白し(同上/アグアスカリエンテス28) 62歳
シンボルは 霊廟教会 赤い塔(同上)
サカテカス ブーファの丘が 一番人気(同上)
高窓の 光り優しく 射しにけり(旧サンアグスティン教会)
大ドーム 八角形に 日の光り(同上)
小ドーム 装飾消えて シンプルに(同上)
珍しい 半月状の 控え壁(同上)
大小の ドームの他に またドーム(同上)
ピンク色 汚れて哀れな 外壁に(同上)
公園に 丸みを帯びた 大ソテツ(フアレス公園)
双塔や 十六世紀の 贈り物(サントドミンゴ教会)
双塔や ブーファの丘にも 聳えたり(同上)
ゴンドラや 七分間の 空の旅(ロープウェイ)
石壁の オルテガ市場に 風格が(オルテガ市場)
ホテルかと 思えば劇場 四角形(カルデロン劇場)
噴水の 上にお洒落な 外灯が(ファローレス噴水)
銅像に 心和むや 楽器弾き(小広場)
サカテカス 街全体が テーマパーク(メインストリート)
教会の 塔に十字架 風見鶏(ドンモムコ)
ロビーには 退屈さけない 土産店(バスターミナル)
乗車前 ブーファの丘を 見納めに(同上)
岩山に 大きな樹木 ただ一本(バスの風景)
灌木に 負けじと伸びる 高木が(同上)
対峙する 山の麓に 工場が(同上)
行きつけの ショッピングモール 忘れ得ず(アルタイア)