長句(短歌・狂歌)青春アルバム
友が皆 バイクにひかれ 尊ぶ日 実家に帰り 店を手伝う(浅舞実家16歳) 歩み1
煙草吸い 酒を嗜み 麻雀す ぐれた時代も 懐かしきかな(国立海員学校・16歳)
初上京 面接試験に 赴きて 訪ねるものは 名所ばかりか(皇居・17歳)
悩みなき 苦しみもなき 人生に 明日に通ずる 道は開けず(実家・17歳)
三度目の 渡海の旅は 花に満ち アイヌの里に ムックリを聞く(白老・17歳)
最果ての 北の浜辺に 戯れて 潮に引かれし さすらう心(原生花園・17歳)
知床の 岬の旅は 楽しかり 奇観奇岩に 北方四島(知床遊覧船・17歳)
赤錆びた レールの上に 汽車はなく 廃線になりし ふるさとの駅(旧浅舞駅・17歳)
日の明けぬ 本郷地区を チャリンコで 新聞配る 思い出ありし(新聞専売所・18歳)
向学の 立志叶わず 踏みしめる 旅の路には 花咲き乱れ(熊本阿蘇YH・20歳)
終りなき 遠き旅路に 歩み入る 夢をはばたけ ユースホステル(十和田YH・20歳)
戯れに 友のバイク 乗り回す 夏去りしあと 安らげるとき(同上)
晩秋の 十和田をあとに 旅に立つ 心は遠く 四国路を行く(同上)
指をさす 彼方に広がる 牧場に 老いたる日々の 安らぎ求む(早池峰山・22歳)
時として 命惜しまぬ 冒険も 若きがゆえに 辿る道なり(涸沢キャンプ場・23歳)
遠くより 訪ね来し友 案内し 初夏の風吹く 田沢に遊ぶ(田沢湖高原・23歳)
最愛の 友と登りし 岩手山 再会の時 山で交わり(岩手山・24歳)
ごくごくと 喉を潤す いのち水 スキーの後の ビールは旨し(田沢湖スキー場・24歳)
一日の 終りを深く 噛みしめる 書物を読みて 酒を味わい(自室・24歳)
古代には 祭壇飾り 賑わうかな 今はりんごの 花咲き乱れ(大湯環状列石・24歳)
着なれない 背広姿で 春を行く 旅に馴染まぬ わが姿かな(黒森荘YH・24歳)
色づいた 八甲田山を 訪ねれば 初雪振りて 引き返すなり(八甲田山・24歳)
我が家に 帰るような 気持ちして 必ず寄りし ユースホステル(十和田YH・24歳)
陸中を 遊覧船で 巡りゆく 穏やかな海 ウミネコの群れ(浄土ヶ浜・24歳)
干しイカの 香りの匂う 飛島に 友を訪ねて 小島を巡る(飛島・26歳)
一泊の 短き旅も 楽しけり 物見遊山に 宴会ありて(上山温泉・26歳)
なつかしき 潮の香りに 触れるたび 海に暮らした 時ぞ蘇る(東京湾フェリー・28歳)
憧れの マッターホルンを 背に受けて カメラに納まる 心弾みて(スイス・30歳)
柔らかな 五月の陽射し 浴しつつ スキーに浸る 喜び高し(八幡平山頂・30歳)
霧深き 富士の頂 眺めつつ 登れぬ淋しさ 土産にかえて(古御岳神社・30歳)
啄木の 愛せし山と 川に居る 立ち合い検査の 束の間の春(玉山村歌碑・20歳)
岩手には 詩人の足跡 多かりし 時を惜しんで 巡るひととき(宮沢賢治記念館・30歳)
故郷の 消火ポンプの 懐かしさ 忘れたものに 旅はめぐらせ(角館青柳家・31歳)
雪の中 眠れる山を 辿ねとも 山河慟哭 空しく帰る(八甲田山田代平・31歳)
アヤメ咲く 故郷に行く この頃は 実家の栄えを 祈りてやまず(浅舞公園・31歳)
誘われて 秘境の果てを 訪ね行く 新たな視界 深く厳しく(南本内峡・31歳)
幾多なく 訪ねて飽きぬ みちのくの 酸ヶ湯の風呂は 二十の湯船(酸ヶ湯温泉・31歳)
旅好きの 友遠くより 来たるかな 遠野を巡り 交わり深し(千葉家住宅・32歳)
柔らかに 雪は降るなり 孫六の 心温まる 露天の湯船(孫六温泉・32歳)
肌にさす 粉雪もまた 心地良し おぼろ月夜の 大沢の風呂(大沢温泉・32歳)
茅葺きの 寺のわびさび 映えるかな 旅行く者に 軽身も添えて(正法寺・32歳)
象潟は 旅の始まり 想いの地 翁も知りて 親しみ深し(蚶満寺・32歳)
道庁の 昔を偲ぶ 赤レンガ 訃報の旅も 空晴れ渡る(北海道旧道庁・32歳)
洞爺湖に 三度訪ねて 知るものは 与謝野夫婦の 歌と白鳥(洞爺湖・32歳)
生きていて カメラにポーズ 構えても 明日の風は 三十路に冷たし(法体の滝・32歳)
人生は 夢か現か 幻か さまよう先の 行方知れずに(八甲田山牧場・32歳) 歩み2
爽やかな 初夏の焼石 水澄んで 水芭蕉の笑み ウグイスの歌(焼石岳・32歳)
亡き父に 代わりて年番 務めれば 遠く聞こえる 親父の小言(八幡神社例祭・32歳)
世の中の 遊びを尽くし 世の中に 魅かれるものは 自然の造化(川原毛大滝・32歳)
温泉が 大好きと言う 恋人と 休みとなると 温泉三昧(銀山温泉能登屋旅館・32歳)
あっけなく 社長は往きて 城滅ぶ 路頭に迷わず 秘湯を巡る(法師温泉長寿館・32歳)
人生の 大きな崖に 立つ時に 友は来たりて 有難さを知る(孫六温泉・33歳)
失業し 自由な身になり 旅に立つ これしか我れに 楽しみはなし(長谷寺・33歳)
我がために 熱田の社 案内す 友の情けを 永久に忘れず(熱田神宮・33歳)
ゲレンデに 赤や黄色の 花さけど 我れはただ見ん 紫の花(蔵王スキー婆・33歳)
恋に落ち 高まる胸と 裏腹に 叶わぬ恋の 寂しさぞ知る(稲住温泉・33歳)
旅しても 心安まる 時はなし 去り往き人の 顔ばかり見て(栗駒山麓・33歳)
晩秋の 須川の沼の 夕暮れに 亡くせし恋の 面影を追う(須川湖・33歳)
松島の 島々望む 高楼に 一夜を過ごし 夢心地せり(松島観光ホテル・34歳)
霧深き 地獄の峠 越えに越え 晴れて手を打つ 浄土の微笑み(浄土平・34歳)
会津路の 木賊なる湯の 朝風呂に 友と語らい また酒を飲む(木賊温泉・34歳)
去る年を 新しき友 三人で 酌婦をあげて 騒ぐ楽しさ(台温泉中嶋旅館・35歳)
泊らんと 思う願い 叶わなく 淡雪とける 向滝かな(東山温泉向瀧旅館・35歳)
滅びゆく 木の温もりに 触れなんと スキーの合間に 訪ねて嬉し(東山鶴井筒・35歳)
人類の 大きな歩み 知るような 海底深き 海峡の道(青函トンネル・35歳)
行きずりの 旅の女性に 声かけて 楽しきままに 別れる辛さ(谷地温泉・35歳)
桂月の 愛せし宿に 泊まり来て 泊れぬままに 帰る寂しさ(蔦温泉・35歳)
訪ねても 訪ねてもまた 改まる 会津の街は 益荒男の里(会津日進館・36歳)
大内の 古き時代に 身を休め 年改まる 不安は募る(大内宿大和屋・36歳)
憧れの 青根の宿に 青根なく 飲む酒だけが 我れを酔わせる(青根温泉不忘閣・36歳)
行きずりの 犬も絵になる 歌になる ただ仮初の 旅の宿かな(同上)
黒染めの 着物姿の 艶やかさ 稲荷詣での 予期せぬ出会い(竹駒稲荷神社・36歳)
吉野山 千本桜 夢に見て みちのく遠く 汽車を乗り継ぎ(吉野山上の千本・36歳)
六歳の 我が甥の押す シャッターに 田沢湖ありて 駒ヶ岳あり(スイス村・36歳)
永々と 神なる水は 瀑布する 日の本一の 那智の白滝(那智の滝・36歳)
岩々が 意思をもって 立つ如く そんな目で見る 紀州の橋ぐい(橋杭岩・36歳)
砂浜を 車でかける 北陸路 前も後も 信号はなく(千里浜・37歳)
城に立ち 城を思えば 悲しかり 城に埋もれた 白骨の数(稲庭城・37歳)
天かける 龍の行方は 知らずとも 京都嵯峨野の 寺は忘れず(天龍寺・38歳)
渡る度 景色移ろう 嵐山 冬もよかれと 思ういにしえ(渡月橋・38歳)
見渡せば 大海原も 山かげも 丸々見える 銚子の岬(地球が丸く見える丘・38歳)
図面引き 時折り歌など 詠む日々が 我が行く道の 七合目かな(現場事務所・38歳)
六年も 着ているとは 思わずに スキー楽しむ 人となりたり(ニセコスキー場・39歳)
憧れの 薄野枯れて 雪の中 それでも楽し 思い出あらば(札幌すすき野・39歳)
四十路ゆく 道は険しや 大不況 バブルの海を ペダル踏むなり(那須湯本温泉・39歳)
三百年 昔が今に 蘇る 芭蕉と共に 旅を行くなら(蚶満寺・39歳)
友と行く 十和田の秋の ときめきは まだ見ぬ町の 芝居小屋かな(小坂康楽館・40歳)
スキーより 樹氷眺めて いる蔵王 変りつつある スキーの魅力(蔵王スキー場・41歳)
夢は夢 生きる楽しさ 花の園 花より他に 思うものなし(弘前公園・41歳)
最良の 旅となりけり 十和田湖に 秋共々の 錦を飾る(十和田ホテル・41歳)
背広着て 旅した頃も 懐かしく 思い出される 二十年前(旅館新山閣・41歳)
噴き上がる 間歇泉を 背に受けて 友達夫婦と 旅もしにけり(鬼首間歇泉・44歳)
最愛の 甥子と登る 百名山 下山は別々 黒尾根を行く(谷川岳トマの耳・55歳)
弘前の 桜を眺め 深浦の 温泉巡り 友を喜ばす(不老ふ死温泉・58歳)
久々に 鳥海山で 春スキー 甥子と共に 山頂極め(鳥海山・58歳)
故郷に 鳥海山が あればこそ 誇りに思う 象潟もまた(同上)
立山や 登り始めた 百名山 働きながら 五年で登る(平ヶ岳・59歳)
甥子にも 見せてやろうと 尾瀬に行く 人生の夢 思い出づくり(尾瀬長蔵小屋・59歳)
旅好きの 同僚と行く メキシコは 興味津々 尽きぬ憧れ(ケレタロベルズヒル・59歳)
カラフルな 街を見下ろし 感激す ピピラの丘は おとぎの世界(グアナファト・59歳)
久々に 馬に跨り 観光す モナルカ蝶の 飛翔を夢み(アンガンゲオ・60歳)
念願の 隠岐を旅し 島巡り 展望船を 一人貸切り(島前中ノ島・61歳)
沖縄や 待ち過ぎたかな 再訪は 四十余年は 浦島太郎か(今帰仁城跡・64歳)
青い空 蒼い海に あこがれて 自分を正す 十五の思い(海校時代) 10代(集合写真共)
高卒も 中卒もまた 入り乱れ 海に羽ばたく そのあせりかな(同上)
真剣に 学ばんとし 時もあり 知らぬ海原 旅せんとして(同上)
右にそれ 左にそれて 我を張れば 妹ひとり 自転車に乗る(同上)
思いきり 自分を張って 生きていた 何も知らない 十六の頃(同上)
ブレザーを 初めて着込んで ポーズとる 喧嘩になれた 自己の高ぶり(同上)
センスと言う 言葉を知らず ブレザー着る 故郷に帰る 晴れ着重たく(同上)
窓越しに まぶしい太陽 見つめてる 旅立つ前の 若きためらい(同上)
教官の カメラもぼけて 白と黒 それでも残る 我が仕草かな(同上)
区界に ひとつ思い出 残しつつ 笑顔遠のく 友の旅立ち(同上)
あんなにも 強気に生きた 時はなし 不漁無頼の 集まる中で(同上)
魂を じっと求めて 生きていた 男になりたい と思う魂(同上)
遠く見る 七つの海は 遠けれど めぐらんとする 海の男たち(同上)
輝いて いたいと思う 時があり 何でもできた 少年の頃(同上)
紺色の ラッパズボンを はくことが 憧れだった 遠い昔に(同上)
一つ夢 一つ憧れ 帆に抱きて 練習船は 海原をゆく(同上)
初めての 長き旅路は 北海道 思い出刻む 時の鐘の音(同上)
痩せてても 根性だけは あるんだと 遠く旅した 夏の思い出(同上)
月に雁 見返り美人を 銭に替え キスリングを買う 旅の出で立ち(同上)
若かりし 顔を過ぎて ながめれば 見えてくるくる 自分の悪さ(同上)
初めての 大きな旅に 驚いて 自慢もしたる その景色かな(同上)
友情を 一日一日 重ねても 遠く過ぎれば みな夢の中(同上)
東京に 初めて足を 踏み入れて やっと見上げる 皇居の広さ(同上)
その昔 父を小さく した顔し 小さく見ゆる 時の隔たり(船員時代)
思いきり 自分を込めて 生きていた 希望に燃えた 若さなつかし(同上)
わが兄が こよなく愛した オートバイ 壊してもみた 今の思い出(同上)
線路なき 明日の旅は 遠けれど 真っ直ぐ歩く 汽車の合間を(同上)
登れない 山に挑んで 登り得る 喜び深き 霧の中さえ(同上)
奥入瀬の その美しさも 知り得ない 若き旅路の 不埒な心(同上)
あんなにも 格好をつけた 醜さよ 大型船に 乗った自惚れ(同上)
中山の 峠の奥の 山々を 知らずに過ぎる この青さかな(同上)
知床の 岬を訪ね 口ずさむ 歌は流行りか 流行りが歌か(同上)
美女を追い 阿寒湖まで 来て見ても それでも知らぬ マルモの丸さ(同上)
太陽に 近づかんとして 旅もした ジープに乗りて 雨に打たれつ(同上)
生きている 地球の吐息 活火山 小さすぎるな 十七の息(同上)
止らない 地球の上を 空転し 尻に感じる 大地の広さ(同上)
空を蹴る 若さは馬鹿さ 通りゆく 二度とたどれぬ 十七の頃(同上)
思いきり 若さを木に ぶっつけて あこがれもなき その虚勢かな(浪人時代)
胸張れば 明日に夢は 膨らめど 挫折の谷が また続いてる(同上)
大学に わが志 描けども 過ぎた船には 乗る術もなく(同上)
夢想する わが人生の 旅の夢 旅に生きれる 道は少なし(同上)
妹が 明日なき我を 見つめてる その眼差しが いつも鋭く(同上)
友と行く 秋田の山の 美しさ 共に秋田を 知るひととき(同上)
足を上げ 空手のポーズ とってみる 自信満々 空を切るとも(同上)
花の咲く 秋田の駒に 跨れば 天にも登らん 気分となれる(同上)
志賀の山 スキーに焦がれ 来てみれば 人は貧しく よそ者知らず(同上)
一見の 旅と思いし 雪山に 心に残る 旅人はあり(同上)
花の下 我が憧れの 仕事得て 我が人生に 春は来にけり(十和田ユース時代) 20代①
仕事には 不安がいつも 付き回り 経験不足 補う意欲(同上)
多忙なる 五月連休 過ぎしのち 気抜けしつつも 草むしりする(同上)
のんびりと キャッチボールに 息抜きす 仕事を終えた 昼下がりかな(同上)
たまげたり 女の投げる 変化球 手加減できぬ キャッチボールかな(同上)
のんびりと 客を送りて 散歩する 若葉青葉の ユースの前庭(同上)
さすらいの 旅した頃の 出で立ちで 山菜とりて 旅を振り向く(同上)
常連の 客を連れたち 竹の子を 採っても来たり 十和田湖の春(同上)
ユースこそ 心の旅の 稚内 終着駅に 旅人を待つ(同上)
面食いの われは手を焼く 女たち 優しくすれば 誤解をまねき(同上)
十和田湖の ユースの椅子に 腰かけて 天狗になりし 心の脆さ(同上)
同類は 友となりしも 永遠の 友となる者 ひと握りかな(同上)
にこやかな 笑いの影の 淋しさは 今日は限りと 生きる寂しさ(同上)
恋しさが 仄かに萌える 春の木々 白さ匂える 年上の人(同上)
遠くから いつも女性 眺めてた 好きとは言えぬ その立場かな(同上)
集い来た 青春の夢 今いかに われのみ歩む この旅路かな(同上)
流れては 流れる水の 如くなり 吹かれるままに 風にもなりて(同上)
哀しみを 今朝も心に 刻みつつ 笑顔で送る 宿主の憂鬱(同上)
立つことが やっとの体 喰うことを 何も知らない 森の営み(同上)
十和田湖の 思い出ふたつ 振り向けば 郷友来たり 同朋来たり(同上)
振り向けば 自分はそこに 生きている 十和田ユースの 夏のひととき(同上)
十年も 二十年も 同じこと 友と別れて 逢う楽しみは(同上)
後輩の 笑顔の後を たずねれば 平凡となる 家の尊さ(同上)
手を上げて 脚をくずして ポーズとる 自由になれた 旅の微笑み(同上)
振り向けば 楽しさ空しさ 雨の中 明日の夢も 流れ流れる(同上)
ガッツとる その先々は 知らねども 草は伸びたり 夏を過ぎても(同上)
戯れて 蟹ともなれる この体 それでもなれぬ 蟹の心に(同上)
それぞれに 人は歩みし 人生を とやかく言うな わが同朋よ(同上)
山々に 青春の雄叫び 届かざる 山は人など 相手にもせず(同上)
微かなる 写真の奥の 微笑みは 多忙に消えた 夏の思い出(同上)
古き友 新しき友 入れ乱れ 酒飲む夜の 時ぞ懐かし(同上)
われを知り 互いを知りて 夜は更ける それでも知らぬ 酒の楽しみ(同上)
スタッフが 一丸となりて 仕事する 今は尊き 夢の物語(同上)
我が夢の 右を支える 友来たり 永遠に変わらぬ 誓いは深し(同上)
友と言う 人の少なさ 大切さ 友とたがえて 知る有難さ(同上)
海原に 生きた時代を 懐かしみ ヨットを求め 湖面に一人(同上)
十和田湖に キャンプの明り 揺らめいて 若さ一杯 湖面を満たす(同上)
ある人が 自分の心 とらえてた 一生懸命 生きる姿を(同上)
都会から 格好良さを 運んでも われは知らない その価値観を(同上)
髪の毛を 片まで伸ばし 憧れた フォークの神様 何に導く(同上)
追いかける 女はいつも はにかんで われを知らない 恋の憂鬱(同上)
飛び跳ねる 二十歳の心 夢あふれ 盥の中の 水とも知らず(同上)
望遠鏡 小脇に抱え われを見る 恋しき人と 距離は遠のき(同上)
ふわふわと 舞いゆく恋の 悲しさよ 逃げた蝶々は みな美しく(同上)
十和田湖の 思い出ひとつ 振り向けば 富江と言う名の 女もありて(同上)
輪の中に いつも入って 居たきかな 旅を愛する 仕事にあれば(同上)
人生は 空しきものぞ 秋暮れて いずれ枯れ往く 我が身想わば(同上)
山は萌え 我が情熱も 燃え尽きて 冬は南の 海をさすらう(同上)
永遠に 忘れられない 淋しさを 遠く眺める 今日の倖せ(十和田ユース時代) 20代②
我が心 夢中にさせて 秋をゆく 浮かれてみたし 広島の華(同上)
十和田湖を 旅立つ時が 近づいて 人を恋する 秋の青空(同上)
髙きから 君を見下げて みたきかな 恋に破れた 男の未練(同上)
来る人も 去り行く人も 微笑んで 十和田湖愛す 旅のひととき(同上)
頑張った 秋田美人と また美男 十和田ユースの 仕事は終り(同上)
キリストの 墳墓に座り 微笑めば 日本は広し 海とつながり(同上)
鍋っこに 半年あまりの 気苦労が 癒されてゆく 暖かさかな(同上)
大久保と 名を改めて ベレー帽 有名人に なるのも善し悪し(同上)
わが兄の 愛する車 借りて来て 錦を飾る 十和田の別れ(同上)
旅人に また戻って 放浪す 十和田ユースに 夢は残れど(同上)
我が夢に 従い来たる 友情を 噛みしめつつも 明日に旅立つ(同上)
ヒゲ伸ばし 自由を求め ただ独り さすらう旅の 行方も知らず(同上)
転回を 繰り返しても 帰らない 十和田の春の 燃ゆる心は(同上)
心から 愛した十和田 ダテカンバ 落葉踏みつつ 春を夢見る(同上)
十和田湖を 目前にして ポーズとる 若き命の 燃ゆる輝き(同上)
友情を ひとつ枯木に 例えれば みんなで咲かす 夢の花かな(同上)
じっくりと 明日を眺める 暇もなく 流れ流れる 旅のひととき(同上)
面白き 写真がここに 残された 友は下痢になき われは金になく(同上)
愛してた 十和田ユースの 思い出を せっせせっせと 磨く旅立ち(同上)
様々な 思い出胸に 残しつつ 十和田湖を去る 秋の淋しさ(同上)
十和田湖を 離れてもなお 繰り返す 旅に生きたる 男の希望(同上)
ひとシーズン 共に燃えたる 男あり 坊主頭に 伸びる優しさ(同上)
夢休め 営業マンに 身を変えて また肌にする 旅人の服(シコー時代)
松島は 離れて待つ島か 五大堂 男四人の 慰める旅(同上)
何もない そんな時代が なつかしや 欲に惑わぬ 友の微笑み(同上)
大空に 手を上げ夢を 訴える されども淋しき 夢に迷えば(シコー時代)
年輩は 退けられて 青年は 芽をふく時を 知る年月日(同上)
自分より 大きな友を 背負っても 自慢はできぬ 山の暮らしかな(同上)
その昔 君は友達 また明日 君は他人と なる別れかな(同上)
飛んでみた 我が夢路の 遠さかな みんな白けて 笑うばかりか(同上)
そう言えば 思い出す出す あの顔を みんな忘れた 昔の景色(同上)
天高く かぐや姫を 歌ってる 一緒になれぬ 不幸せの歌(同上)
人と人 出会い別れて また出会い 自然に帰る 心の絆(同上)
岩山は 険しくあれば あるほどに 天に向いて 美しきかな(同上)
山に来て 楽しむものは 飯の味 その味わいに いにしえを見る(同上)
残雪で スキーができる 楽しさよ 穂高の山に 雪が残れば(同上)
苦しんで やっと登れた 穂高岳 苦しみのない 楽しみはなし(同上)
疲れては 岩も枕辺 山の道 それぞれ歩く 山の奥行き(同上)
山に惚れ 山に焦がれる 青春を 彼女は知らず 喰らうことばかり(同上)
死ぬまでは 忘れられない 穂高岳 厚いソーメン 暑い太陽(同上)
雪に焼け 顔がむくんで 微笑めば ピリッとかえす 山の挨拶(同上)
結婚式 初めて見る 幸せに 照れるばかりの 友の横顔(同上)
思い出を ずっと抱える 友もあり ありがたきかな 有難きかな(同上)
友来たり 訪ねる里は 角館 古き軒端の 連なる景色(ナガシマスポーツ時代)
夏もよし 秋もまたよし 抱返り 錦の小路 逆巻く流れ(同上)
わが友が 不意に尋ねて 岩手山 二人過ごした 山なつかしく(同上)
心から 尊敬できる 友得たり 二人手を取る 山は遠くも(同上)
日帰りの 山登りには 過酷かな 陽の照り返す 夏の岩手山(同上) 20代③
過ぎて行く 何もしないで 過ぎて行く そんな暮らしの 山登りかな(同上)
褐色の 山肌のみが 続く道 死して生きてる 山の命かな(同上)
岩手山 登り終えたる 満足を 噛みしめ下る 今日の幸せ(同上)
澄みきった 空気と水の 美しさ ただ憧れる 旅のひととき(同上)
指をさす 彼方の夢は 見えぬとも 希望に燃える 二十四の胸(同上)
こつこつと 自分を刻む その道に 涙ながらの 幸せはあり(同上)
空を飛ぶ 憧れ色 抱きしめて 一つ越え行く 夢の一粒(同上)
飛んで行き すぐまた帰る 大地かな 飛び続けている 鳥は世になし(同上)
夢を追い また夢を追い 生きている 空の果てにも 海の果てにも(同上)
夢の中 遠く歩いて 故郷に 骨埋めんとす 今の志(同上)
眺むれば 眺むるほどに 悲しかり 頂き高き 鳥海の山(同上)
ジャンプする 冬の十和田湖 優しかり 消え行く雪に われも消え行き(同上)
もう二度と 着れぬ服着て ポーズとる センスのなさの 懐かしさかな(同上)
共に生き 共に旅する 友もあり 生きてることの ありがたさかな(同上)
夢に生き 夢に破れる 人と人 出会い別れる 春の淋しさ(同上)
背広着て 十和田湖に来る 恥ずかしさ 襟正しても 知る人もなく(同上)
懐かしむ 十和田の景色 春の風 何でもできる 若さみなぎり(同上)
手さぐりで 大きな夢に 挑む日に 春はほのぼの みなぎる力(同上)
まだ青き 我が志の 未熟さを 歯がゆく思う ひと昔かな(同上)
春めぐり 明日にあての ない身でも 踊る心の 軽やかさかん(大曲調理師学校時代)
花盛る 桜並木に 水の音 めぐる恵みの ありがたさかな(同上)
寝転んで 夢想にふける 暇もあり 調理学校に 通う身となり(同上)
自らに 勝つことできず 遠望す 心の中が 見えているのに(同上)
こつこつと ガラクタばかり 集めてた 遠い昔の 夢の楽しさ(同上)
歴史にも 小説にも 残らない 十和田ユースの 夢のひとコマ(同上)
フィバーの 新しき言葉 耳にする 女子大生の 旅のお土産(同上)
人の世の 栄誉栄華に 触れもせず ただ流れ行く 水の尊さ(同上)
もう二度と 逢うこともない 人たちと 出会い別れる 命の早さ(同上)
懐かしき 区界峠の 上に立ち 過去を眺める 今日の淋しさ(同上)
遠足を 自ら手掛け 旅をする 一人一人の 幸せあれよと(同上)
ジャンプする 心の旅は 遠けれど 歩まんとする 人の幸せ(同上)
大股で 小橋を渡り 過ぎ行けば 忘れな草を 知ることもなし(同上)
戯れて カメラに向かい 鬼の顔 仏になれぬ 欲の悔しさ(同上)
学友を 乗せんがために 戯れる 酒に楽しみ バスを停めたり(同上)
何を見て 何を感じて いたのかな 酔いに任せる 男の仕草(同上)
ツンとして 処女の如くに 身を変える とある教師の 尻の堅さかな(同上)
船に乗り 弾む心は 海は知る ゆとりとなりて 微笑むばかり(同上)
我が庭を 案内するが 心地する 海に学んだ 宮古の暮らし(同上)
カメラ持ち まともな写真 写せない 戯れだけの 旅のひととき(同上)
木を見れば 登ることだけ 考える 先祖回帰の 人の遺伝子
どうしても 写真見るたび 気にかかる 中華料理の 教師の行方(同上)
こんな日も あったと思う 懐かしさ 日々の仕事に 過去を忘れて(同上)
股の下 誠がそこに 写ってる 誠は何を 夢見る人か(同上)
嗜みに 料理を学ぶ 今日の日々 明日に何を 学ぶか知らず(同上)
どことなく 異国に宿る 心地する 牧場の朝の その景色かな(同上)
にこにこと パンをついばむ 乙女たち 楽しい旅と 祈る朝靄(同上)
さまざまな 思い出浮かぶ 山並みに また訪ね来る 旅が楽しき(同上)
君の来ぬ 旅は淋しき 秋の暮れ 見せてやりたや 八甲田の山(同上) 20代④
奥入瀬の 水の流れは 変るとも ときめく胸の 思い変らず(同上)
またいつか 友を集めて 訪ねたき 十和田の湖の 思い出の夏(同上)
過去をまた 懐かしむ如 今日もまた 懐かしむかな 十和田湖の旅(同上)
来る旅に また足を踏み 降り登る 十和田神社の 占い場かな(同上)
十和田湖を 初めて眺めた 感動を 思い出すかな 発荷峠を(同上)
気疲れて 旅の終わりに うたた寝るかな 旅を知らない 学友を連れ(同上)
手のひらで 青き睾丸 触れている 二十四歳で なおも戯れ(同上)
コーヒーの 香りの中に 包まれて 生きてもみたり 一番館かな(同上)
漠然と 山小屋の夢 眺めてた 今も眺める 悠然として(同上)
天高く 我が山の夢 語りても 心遠のく 街角の人(同上)
故郷の 山懐に 抱かれて 気ままに生きる 自然の流れ(同上)
銀幕の 滝の流れに 錦降る 抱き帰れぬ 秋の青空(同上)
丸い顔 角ばってみせる 君にさえ 明日を夢見る 幸せはあり(同上)
何気なく 未知子の尻に 手を伸べる 遠い昔の 胸のときめき(同上)
料理する 道に心は なけれども しないで行けぬ 山小屋の夢(同上)
強歩する 田沢の夜の 湖に 明ける陽射しの 柔らかさかな(同上)
気取っても 大空を飛ぶ 力なし ただ畦道を かけめぐるかな(同上)
忘れゆく 事のみ世に 多かりて 戯れて見る テーブルマナーよ(同上)
上品は 下品の内に 生まれ来て 露と消えゆる その心かな(同上)
馬鹿なこと 繰り返しまた 繰り返し そこに自然な スタイルもあり(同上)
遠くより われを支える 友来たり 何も答えぬ 旅の悲しさ(同上)
十和田湖の 思い出ずっと 引きずって 気ままに生きる 気の弱さかな(同上)
初雪に 募る思い出 淡き恋 去り行く君を 追うこともなし(同上)
少年の 頃より少しも 変わらない スキーする日の 冬の楽しさ(同上)
生れ来て スキーを愛す 楽しさは 脚に翼の あるが如しかな(同上)
美男とは 殆ど遠い 顔をして もてると思う 永久の溜息(大森施設時代)
新しき 仕事に向かい 胸弾む 手に職を持つ 意気込み深く(同上)
様々な 仕事を経て 世を渡り 恐れるものは 我が心かな(同上)
気心の 通える友を また得たり 知らぬ仕事の 始まりの中(同上)
苦しみも 悲しみもなく 年月日 友と旅した 束の間の時(同上)
森かげは 子供心に 戻る道 退屈忘れ 木と戯れる(同上)
みちのくの 自立の夢を 思う時 過去から流れる 自由の血潮(同上)
無意識に まだ見ぬ人に 手を合わす 一度限りの 女神との出会い(同上)
年長けて 時の大事さ 身にしみる 昔のわれに 帰る術なく(同上)
人生の 無常の時を 旅をして 先往く者は みな哀れなの(同上)
写真では いつでも君は 生きている 今は悲しき その笑顔かな(同上)
夢の中 飛び込んでゆく 心地する 十和田湖畔に 帰り来る度(同上)
追いかける ボールの音も さわやかに 初夏の風吹く 十和田湖の岸(同上)
幻の 彼方に浮かぶ 夢の島 ゆっくり進む 時の海原(同上)
振り向けば 振り向くほどに 憧れる 十和田ユースの 夏の思い出(同上)
若人の 素直になれる 心持 仕事がしたき 山小屋の夢(同上)
歩いても 歩き尽きせぬ 人生を 今日も歩いて 生きる旅人(同上)
十和田湖の 四季の移ろう ゆるやかさ 急ぐめぐるな 旅人の群れ
君たちが 実や種となる 花ならば 土を選んで 水辺に咲けよ(同上)
幸せは 心に灯る 明かりかな 固い契りも 風には弱く(同上)
輪廻する 我が青春の 山河には 人また尽きて 人また生まれ(同上)
たどり着く 山の景色は 見えるとも 迷う山路の 霧深さかな(同上)
何処へゆく 友の旅路の 果てしなさ 生きてするのか 死んでいるのか(同上) 20代⑤
秋長けて 春を恋しむ 十和田湖に また訪ね来る この命かな(同上)
仲間とは 月日の遠さ 思わざる 共に白髪か 共に白骨か(同上)
奥入瀬の 水の流れぞ 懐かしく 十年前の あの顔この顔(同上)
君たちが われを超えて 行くことを ずーと見つめる 月日き長く(同上)
青空に 蒼き海あり 清き人 いずれは土に 帰る命かな(同上)
流れ着く 小さき屑と なりゆくも 海は一つの 流れ絶えなく(同上)
様々な 人と出会いて 別れれば 生きていると 思う淋しさ(同上)
名刹の 寺の門前 淋しくも 残る史実に 知る新しさ(同上)
生き残り 過去を振り向く 淋しさは 知る人ぞ知る 無常の流れ(同上)
もう二度と 歩けない道 生きている 友亡き今日の この命かな(同上)
金尽きて 外に出られぬ 淋しさを 思い出す出す 能登の桃色(同上)
柔らかき 尻を支える ハイヒール 折ってもみたき その気高さを(同上)
来る度に 幸せになれる 心地する 兼六園の 庭の楽しさ(同上)
何のため 仕事したかと 思うけど 技術に残る 今日の暮らしかな(同上)
眠くなる 旅となりたり 仕事して 社員旅行に 癒える不満かな(同上)
花一輪 囲んでみても 霞みゆく 才なきものは 夢とたわむれ(同上)
目いっぱい 格好つけて 生きんとし 破れた夢の その遠さかな(同上)
まだ醒めぬ あの夢あの日 あの想い 昔に帰る 術はなくても(同上)
少年の 頃からずっと 飛んでいる スキーの醍醐味 胸のときめき(同上)
脚を折 それでも空を 飛んでいる スキーは楽し スキーがすべて(同上)
ケスレーや 血潮が通う 脚の如 われを滑らす その早さかな(同上)
この絆 いつまで続くと 思うより いつも一緒と 今は願うかな(同上)
何を見て 何を信じて 生きたのか 今は昔の 友の旅立ち(同上)
この家で こんなに早く 朽ちるとは 知ることもなく われは旅行く(同上)
部屋を借れ 所帯道具 揃えても じっとはできぬ 旅のあこがれ(同上)
今日もまた 無常の時の 上に立ち われを眺める 今日の苦しさ(同上)
旅すれば 心ときめく 海の風 波のしぶきに 浮かぶ飛島(同上)
友と行く 離れ小島の 港には 心なごます 潮風が吹く(同上)
空は晴れ 北の孤島の 飛島に 戯れて行く 二十六の旅(同上)
潮香る 海の恵みに 包まれて 生きとし生きる 島の民たち(同上)
飛島は 島全体が 水平で 岩場が多く 見晴らしは良し(同上)
戯れに 我が筋肉を 誇示しても 衰えてゆく 年には勝てず(同上)
意識して 写真にうつる 不自然さ 自然の中に 生きているのに(同上)
何を真似 何をふざけて いたのかも 忘れてしまう 島の静かさ(同上)
いたずらに 写真をうつし 過ぎる旅 何も知らない 今日ま溜息(同上)
蟻よりも 地図に小さき 島なれど めぐれば広く 一日要す(同上)
島と海 海と空との 境なく 自由に飛べる 鳥は尊く(同上)
鳥海の 山の頂 眺めては 恋し焦がれる 飛島の海(同上)
フィルムを 巻けば思い出 湧いて来る 初夏の風吹く 飛島の磯(同上)
友がみな 幸せになれと 願いたり ただひとときの この人生に(同上)
結婚は 人生一度の 誉とて 才なきわれは 遠く眺める(同上)
一途なる 恋の終りを 慶びて 友の門出に 友また来たり(同上)
手を叩き 君の幸せ 喜べる それより他に 誉めることなし(同上)
マイク持ち 嬉しき悲し 手の震え 何も言えずに また酒を飲む(同上)
妹が 花嫁となり 旅に立つ 遠く遠のく 沈む思い出(同上)
妹の 結婚式も 無事にすみ 父母誘い 名所をめぐる(同上)
酒飲んで われを忘れる 楽しさは 古今東西 みな変りなし(同上) 20代⑥
ホロ酔いて 和気あいあいと 飲むはよし 程度を過ぎて 乱れるは恥じ(同上)
酒飲んで 踊る癖あり 十和田より シヤミダンスと 友は名付けし(同上)
遊ぶこと 忘れたように 仕事する そんな日もあり 二十七の頃(同上)
世の中に 遊びの種は 尽きねども 野山に遊ぶ 値千金(同上)
初夏の風 乙女の匂い 呼びおこせ また若返り 花など摘まん(同上)
生い茂る 草木の香り 懐かしく 我が故郷の 奥羽の山(同上)
両腕に 古き新し 恋抱き 踠き苦しむ 哀れも知らず(同上)
様々な 女性と出会い 恋もする 三角関係 気を重くする(同上)
旅好きの 仲間を集め ハイキング 夢時菜の会の 初行事かな(同上)
面白き 案山子もありて 爆笑す 驚きも笑う 旅の趣(同上)
有名な 温泉旅館に 泊まりても コンクリートに 安らぎはなし(同上)
事故ありて 不通となりし 成田線 社内旅行は 身動きとれず(同上)
うとうとと 夜汽車に疲れ 眠り込む 花の都の 丸の内駅(同上)
自由なき 団体旅行の つまらなさ それでも旅と 思うこの頃(同上)
鴨川の イルカの芸に 拍手して 外海見れば 哀れ波打つ(同上)
奮わざる 会社の宴 淋しかり 酌婦は帰り 徳利は尽きて(同上)
飛行機は 早いがだけの 乗り物か 酒も飲むずに 何を楽しむ(同上)
立ち止まり 振り向く道に 青春は 霞と消えて 日々遠ざかる(同上)
東京に 来るたび集う 仲間たち 十和田湖の日々 語らば尽きず(同上)
浮くわれと 出会いしことを 感謝する 友の想いに 贈る手土産(同上)
鳥海を 眺めて生きる 命なら 望みて悲し 欲の数々(同上)
純白の 雪を踏みしめ 鳥海の 頂きに立つ 五月晴れかな(同上)
眼下には 雲海広がる 鳥海の 陽射しやわらか 風またやさし(同上)
日の本の 山は富士山 みちのくの 山は鳥海 ふるさとの山(同上)
様々な 思い出浮かぶ 生ビール 社屋は壊れ 社員は散々(同上)
竿燈の ゆらめく稲穂 笛太鼓 身を乗り出して 見る桟敷かな(同上)
鉱山の 廃墟となるも 改めて 観光資源は 尽き果てぬかな(同上)
平凡で 名もなき山も 楽しかり 見渡す景色 また異なりて(同上)
息をする 大地の煙り 穏やかに いずれ火を吹く 命なるかな(同上)
うららかな 八甲田山に 来るたびに 兵士をのむし 山には見えず(同上)
強力な 足腰ありて 楽しさも 多いに増える 山登りかな(同上)
街に住まば 野山が恋し 山に住まば 街並み恋し 行ったり来たり(同上)
雲の上 綿雲波に 似たるかな その波の中 滑る楽しさ(同上)
ふるさとの 山に向いて いざ行かん 寒き冬にも 暑き夏にも(同上)
雪山を 四時間登り 山頂に 二十分ほどで 滑る出羽味(同上)
富士の山 津々浦々に 聳え立ち 自慢の富士は 雪の出羽富士(同上)
様々な 工事現場で 仕事して 小さき心 持ち余す日々(同上)
図面書き 現場を歩き 打合せ 歌も忘れて 一日早し(同上)
衣食住 満たされつつも 淋しかり 読書もできぬ 日々の忙しさ(同上)
平凡な 笑いに心 慰めて ビール祭りに われ一人浮く(同上)
霧深き 山路に肝を 潰されて 上る浄土の 有難さかな(同上)
両腕に 南の花を 抱きしめて カメラにおさまる 一瞬もありて(同上)
石垣に 登る忍者の 真似をして 遊びし頃の 昔懐かし(同上)
野口博士 その一生を 思わばや 涙の尽きぬ 物語かな(同上)
偉大なる 学者の心 輝かん 会津の里の 茅葺きの家(同上)
須川湖に 森に悲しき 鳥の声 連理の枝も 霧に包まれ(同上)
何のため 山に登るか 問われれば 僕は答える 君も登れと(同上)