長句(短歌・狂歌)高年アルバム
小岩井の 雪まつりなど 見物し 温泉めぐる 休みもありて(同上) 自己写真40~70代
定宿の 一つになりしか 所縁ある 田沢湖高原 ロッジアイリス(同上)
行き付けの スナックと言えば ルージュかな 十七年の 付き合いとなる(同上)
宵越しの 銭は持たずに 飲み明かす 四十四歳 世俗のままに(同上)
様々な 女心を 旅をして 女盛りの ママ美しく(同上)
戯れて 頬寄せて来る 烈子ママ 十七年で 初めてのキス(同上)
初めての 離れの座敷 予約して 愛する人と 夜を重ねん(同上)
絶頂を 過ぎては奈落 あるものぞ これが最後の 交わりとなり(同上)
稲住の 離れに泊まる 憧れは 彼女と共に 想い果たせし(同上)
露天風呂 自然と流れる 湯川なり 絶湯なるかな 吹上温泉(同上)
北上の 事務所を閉じて 出向す われに乏しき 経営センス(同上)
久々に 鳥海山に 挨拶し 心が荒み 登らず帰る(同上)
角館 桜に隠れ 目立たぬが 古城山は 姥の大杉(同上)
会社閉じ 働きつつも 旅をする 御在所岳が 最初の登山(四日市時代)
奥飛騨の 白川郷は 理想郷 展望台に 見る里景色(同上)
槍ヶ岳 その矛先が 見えるかな 穂高麓の 秘湯の宿に(同上)
藤村の 面影偲ぶ 馬篭かな 中山道の 宿場の中に(同上)
草津宿 ちょんまげ姿 写したら 失敗もせし 自転車の旅(同上)
比叡山 展望台で 見る琵琶湖 あっぱれなりと 甥子と二人(同上)
立山の 展望台に 立ちて見る 大観峰の 雄大さかな(金沢時代)
室堂で 一息ついて 眺めれば 大日岳は まだ雪山(同上)
同僚と 能登の古城を 訪ねたり 夏の盛りの 仕事合間に(同上)
殿様の 気分になって 座りけり 舞坂宿の 脇本陣で(同上)
砂浜は 道路の如く 千里浜 夕日に沈む 渚美し(同上)
野々市は 住み易き街 居酒屋も 片町ほどは 高くも付かず(同上)
西穂高 ロープウェイで 上るかな 眼下に見える ああ上高地(同上)
浜名湖を 遊覧船で 楽しみて 甥子と二人 温泉に入る(同上)
夢に見た 金沢よりの 富士登山 お鉢めぐり 日帰りをする(同上)
目標の 三名山を 登り終え 百名山を ひたすら目指す(同上)
同じ名の 神社がありて 参拝す 琵琶湖近くの 沙沙貴神社に(同上)
その昔 琵琶湖にありし 城跡は 繖山の 観音寺かな(同上)
来る度に ただで料理を 口にする 幼馴染の 営む店で(同上)
勢ぞろい 甥子二人と その妻と フランス料理 御馳走になり(同上)
山旅は 年三十座 百名山 谷川岳も その一座かな(同上)
初めての 花輪囃子に 感動す さすが三大 格調高く(鹿角時代)
奥入瀬の 雪の景色も 美しく 深々とした 石ヶ戸に立ち(同上)
大滝や 氷結したる 水瀑に 銚子の酒を 注いでは見ん(同上)
泊まる宿 必ず料理は 撮影す 食べてしまえば 消え行くだけに(同上)
間が持たぬ 食前酒もなく 友と待つ 十和田湖畔の休屋泊まり(同上)
十和田湖の 観光もまた 進化する オフシーズンの 冬物語かな(同上)
雪洞で 粋な酒飲む 懐かしさ 昭和へ誘う どぶろくの味(同上)
イベントは 観光地には 欠かせない 元気な所に 客は集まり(同上)
白衣来て 自転車で行く 遍路旅 春はあけぼの 足摺岬(同上)
横峰寺 険路の続く 山道で 自転車預け タクシーで行く(同上)
登山には 物足りないくも 剣山 社殿過ぎると 一面笹原(同上)
鹿児島に 富士と見るとは 思わざる 独立峰の 薩摩富士かな(同上)
熊本や 名湯と聞く 黒川に 泊れなくとも 入浴はせし(同上)
九州の 九重連山 久住山 百名山と 決めて登れり(同上)
多度山や 低山ながら 魅力満ち 木曽三川の 絶景を見る(第二次四日市時代)
浅間山 登山禁止の 山となり 百名山は 黒斑山となる(同上)
気の抜けた ビールでも飲む 登山かな 代替登山の 物足りなさは(同上)
百名山 百名湯の 梯子かな 白根山には 草津温泉(同上)
日帰りで 奥穂高岳 ピストンし ゴールするは 平湯温泉(同上)
北岳や 白根三山 縦走す 一泊二日の 南アルプス(同上)
転勤は 百名山が 目的で 高妻山も 金沢日帰り(第二次金沢時代)
東尋坊 訪ねる前に 見物す 福井坂井の 水族館を(同上)
最奥の 北アルプスの 百名山 二泊三日で 三座をゲット(同上)
行く秋や 黒部カールで 雷鳥の 飛ぶ姿見る 黒部五郎岳(同上)
槍ヶ岳 やり残してた 登山かな 日帰り無理で 山荘泊に(同上)
借り物の 躰と思い 激写する 絵にもならない 我が身なりけり(五所川原時代)
連休は 予約困難 深浦の 不老ふ死なる 黄金風呂は(同上)
酸ヶ湯には 泊れなくても 城ノ倉 何とか泊まれ ありがたきかな(同上)
久々に 鳥海山の 春スキー 板担ぐのも 苦とも思わず(同上)
七ッ釜 最初に目指す 避難小屋 ここで休憩 山頂遥か(同上)
九合目 氷ノ薬師は 雪に消え 最後の急坂 歩みを止めし(同上)
振り向けば 裾野の果ては 五月晴れ 横手盆地の 我が町も見え(同上)
ハイペース 二時間半の 七高山 甥子も今や 登山屋となり(同上)
山頂の 外輪山の 噴石に カメラを向けて 写す神々(同上)
山頂は 山形県に 乗っ取られ 三百年の 時を数える(同上)
最北の 百名山は 利尻山 立派な社殿 山頂に建ち(同上)
利尻島 島そのものが 利尻山 その町並み 二つに別れ(同上)
旭岳 大雪山の 入り口 遥かに続く 奥座敷かな(同上)
難関な 百名山の 一座かな 幌尻岳の 川の渡渉は(同上)
茅葺きの 湯ノ上駅の 駅舎見て 車輛も写す 会津鉄道(同上)
珍しき 塔のへつりの 浸食に 手を触れてみる 遥か昔に(同上)
メキシコに 赴任して来た 喜びに 乾杯したり 歓迎会で(メキシコ時代)
設備屋の 技術と仕事 違いなく ただ立ち塞ぐ スペイン語かな(同上)
通訳を 交えてないと 進まない 言葉の壁に 苛まれたり(同上)
アミーゴ―と 呼ばれ嬉しき 気持ちなる 親日国の メキシコに来て(同上)
最良の 相棒となる 友ありて 光り輝く メキシコ暮らし(同上)
テキーラーに 慣れて来るのも 時いらず メキシコ人と 心通うも(同上)
メキシコで がっちりスクラム 協力し 仕事も旅も いつも一緒に(同上)
メキシコの 街の象徴 大聖堂 セラヤにもあり 写すと暗し(同上)
拷問の 博物館は 珍しく その恐ろしさ 目をそむけるや(同上)
鏡には 自画像の如く 写るなり 知らないうちに 相棒が撮り(同上)
街並みは おとぎの国の 物語 ピピラの丘で 眺める景色(同上)
どの街を 訪ねる度に 先ず探す 展望台の 有るか無しかを(同上)
広大な 現場を歩く パトロール 立ち止っては 相棒と戯れ(同上)
現場では 様々な事 チャレンジし 真似してみたり 手旗信号(同上)
その昔 船員だった 思い出が 脳裏を過り 自然と手を振る(同上)
グループの 忘年会は 賑やかで 家族一同 記念撮影(同上)
メキシコの 忘年会の 華やかさ 民俗衣装の 楽団招き(同上)
仲の良い メキシコ人と 席囲み 手振り身振りで 酒酌み交わす(同上)
セサールと 妻と三人 写るかなの 記念写真は 世界に一枚(同上)
飲食が 終れば始まる ダンスかな 言葉の要らぬ ボディランゲージ―(同上)
ブラボーを 連発しては 踊るなり 六十路にならん 体は動き(同上)
メキシコで 受けた刺激の 多さには 身も心とも 若返るなり(同上)
年末は カンクンに来て 遊ぶかな たった二泊の 豪華なホテル(同上)
カリブ海 遠い世界と 想いしも 今眼前に 眺め見るとは(同上)
メキシコで 古代文明 顧みる マヤの遺跡の ユカタン半島(同上)
この頃の 日本と言えば 縄文期 ギャップを埋める 文字は浮かばす(同上)
ピラミット エジプトだけと 想いしも 密林地帯の マヤにあるとは(同上)
メキシコの 料理に慣れ 食べるかな タコスにトルタ 軽食として(同上)
初日の出 カリブの海に 拝むかな 遊覧船に 乗れぬが未練(同上)
現場では 試練ばかりが 続くなり ハジキテストの 結果は知れん(同上)
生産に 欠かせないエアー その精度 求められるが 自動車工場(同上)
失敗を 繰り返しての 成功は 嫌な空気を 吹き飛ばすかな(同上)
乗馬して 眺める景色 新たなり 目線の先に 世界遺産が(同上)
観光地 規模の異なる 馬の数 モナルカ蝶に 引き寄せられて(同上)
馬子らから 短冊せよと 言われれば 芭蕉の旅を 思い出すかな(同上)
白馬にも 一度は乗って みたきかな 映画で見たる 童子の如く(同上)
忙しく カメラのシャッター 押しまくる 日本と似たる 草地と林(同上)
満面の 笑みを浮かべて 揺られ行く 花よ蝶よと 訪ねる旅で(同上)
メキシコと 日本の馬は 馬の顔 人と異なる 馬の世界よ(同上)
期待した モナルカ蝶の 群はなく 飛び遅れた蝶 僅かに舞いて(同上)
相棒と 二人で写る 観光地 世界遺産は ここで八ヶ所(同上)
最後には 入口付近に 集まって アンガンゲオの 記念写真を(同上)
メキシコの トルーカ山は 四番目 富士より高い 頂きに立つ(同上)
山登り 途中で戻る 仲間たち われのみ一人 登りて降りる(同上)
普段住む サマランカ市の 標高は 千七百米 高山に慣れ(同上)
メキシコは 日本と同じ 火山国 山の岩にも 親しみ覚ゆ(同上)
トルーカは 山以外にも 遺跡あり ワゴン車留めて 立ち寄りて見る(同上)
運転手 通訳抱え 相棒と 支払う金は 二万五千円(同上)
日帰りで 訪ねる街も 僅かなり 世界遺産の グアダラハラも(同上)
メキシコの 最後の旅は イスタバで 太平洋の 魚釣りかな(同上)
前泊し 釣り船に乗り 海に出る 忘れられない 思い出となる(同上)
長旅に カメラの映り 悪くなる 自分と同じ 具合の悪さ(同上)
九州の 花見の旅終え 大分で フェリーに乗りて 六甲へ行く(あわら時代)
アルプスの 燕岳は 女王と 呼ばれるほどに 美しきかな(同上)
下山後は 中房温泉 湯原の湯 そのまま宿り 女王に寝る(同上)
白馬には 登りたき山 数座あり 乗鞍岳も その一座かな(同上)
島にある 低き山にも 目を向け 明日は向かわん 八丈富士に(同上)
広島に 赴任してから 相棒と 再び旅を 重ね行くかな(広島時代)
連休は 隠岐の諸島の 島めぐり 中ノ島では 遊覧船で(同上)
カープ帽 被って応援 広島を 夢中で観戦 マツダスタジアム(同上)
難易度の 高き縦走 奥穂から 西穂に向う 夢は絶ち切れ(同上)
相棒と 四国順礼 宿るのは とにもかくにも 温泉旅館(同上)
巌上で 坐禅続ける 大師かな 舎心ヶ嶽の 岩場に建ちて(同上)
岩礁の 室戸岬の 海べりに 降りて望は アメリカ大陸(同上)
定宿と 心に決めた 三陽荘 温泉も良し 料理も旨く(同上)
順礼の 最後の結び 高野山 芭蕉句碑に 跪拝するなり(同上)
メキシコが 忘れられずに 志願して 再び来れた 喜び深く(第二次メキシコ時代)
何となく 気の合う人の 側による 友達づくりが 旅の始まり(同上)
気心の 知れた仲間と 一気飲み 最初の出会い 大事なりけり(同上)
懐かしき スタッフもいて 嬉しかり 酔い潰れて 寝る人もあり(同上)
先ず探す アグアスカリエンテスの 山々を 登れる山は ピカチョ山なり(同上)
独りでも 旅を続ける 休日は 博物館に 自転車で行く(同上)
メキシコの ヒューストンにある 領事館 ビザの取得で 訪ねてみたり(同上)
アメリカの 路面電車は 新しく 雰囲気変り 驚ろいて乗る(同上)
何気なく タイ料理店に 入るかな 同じアジアの 国にひかれて(同上)
分からない メニューばかりで 頼むのは パッタイと言う タイ風焼きそば(同上)
アメリカに 来ているような 気になれぬ 日本と同じ ビジネスホテル(同上)
ヒューストン 聞いて知るのは ナサの基地 ツアーに加わり 訪ね行くかな(同上)
現場では 安全長の 先輩は 海外暮らしの 猛者で達人(同上)
以前にも 同じ家屋に 住んでいた 再びナサに 旅をするとは(同上)
本物の スペースシャトルを 前にして 記念写真は 我が宝物(同上)
川下り 小さき冒険 楽しくて 六十路の胸に 高まる鼓動(同上)
滝眺め 泳いでみたり 川下り 忘れられない メキシコの川(同上)
湖は 天然温泉 露天風呂 ジャケット着けて 遊んでみたり(同上)
日本では 湖の湯は 有り得ない 雨季のメキシコ 歓喜に変り(同上)
正月は 新たな友と カルメンの リゾート訪ね リッチに過ごす(同上)
初めての サッカー観戦 アグアスで メキシコ人に とけて行くかな(同上)
観戦後 美女と野獣が コンビニで スリーショットや 夢の如くに(同上)
恩人と その子息と 三人で 初めての旅 台湾の二泊(横手自宅時代)
亡き母は 九十年の 人生を 如何に思いて 旅立ちしかな(松山時代)
施設から やっと自宅に 戻り来て 遺影に残る 姿が哀れ(同上)
相棒と そのまた相棒と 富士登山 松山よりの 遥かなる旅(同上)
晴天の 石鎚山は 機嫌よく 相棒とまた 登り行くかな(同上)
天狗岳 初めて立てた 感激に 心も晴れる 石鎚山よ(同上)
大阪の 友と二人で 山歩き まだ見ぬ奈良の 名所を訪ね(同上)
象潟に アパートを借り 別荘に 愛する町を 棲家ぞとする(象潟時代)
この顔が 好きになれずに 六十年 人間やめて 木に宿りたい(同上)
憧れの 北海道に 赴任して 九泊十日の 年末年始(北海道時代)
自撮りには 鏡が不可欠 ホテルにて 旅の記念に 写してみたり(同上)
コロナ禍で 船は貸切り 大阪城 船頭さんに 写してもらう(大阪時代)
天の戸の 清水を汲んで 墓参り 北海道の 従姉を迎え(大崎時代)
この墓に 真の故郷 ありにけり 我が父母に 伯父も祖父母も(同上)
昔より 伯父の守護仏 地蔵尊 従姉夫婦も 拝み見るかな(同上)
美術家の 従姉が喜ぶ 美術附 案内をする お盆休みに(同上)