写句集9

短句(短歌・狂歌)旅行編その1

白虎隊 その死に様が 哀れなり 城に寄り添い 散り行く桜(会津若松城) CASTLE

蘇る 義光像に 大手門 山形城は 五十万余石(山形城)

眺めれば 櫓の如き 小天守 日本最古と 聞いて驚く(丸岡城)

模擬城も 温泉街に 欠かせない 名所とならん 上山かな(上山城)

天守閣 武家屋敷など 揃い建ち 天鷺城は 新たな名所(天鷺城)

秋深く お城めぐりの 御殿かな 鶴ヶ岡城 十万余国(鶴ヶ岡城)

北条の 名こそここに 残しけり 関東の覇者 花と散るらん(小田原城)

江戸の世は 十万石の 天守かな 小田原城の 城は縮まり(同上)

中津城 十万石の 殿よりも 十三石の 諭吉は偉く(中津城)

海城の 展望室の 景色には 虹の松原 海の島々(唐津城)

唐津城 海の岸まで 城塀が 延びる姿も また美しく(同上)

残念な 熊本城の 大改修 そんな日もある 城めぐる旅(熊本城)

宇土櫓 石垣を見て 分かるかな 三名城の五十万石(同上)

白黒の 塀も絵となる 熊本城 九州一の 城とぞ思う(同上)

五稜郭 北海道で 只一つ 特別史跡 桜の名所(五稜郭)

幻の 蝦夷共和国 五稜郭 未来の架け橋 夢のままにて(同上)

最強の も届く 大砲に ふと思い出す 大阪城も(同上)

錦城 再建されても 文化財 その大きさは 日本一なり(大阪城)

一幅の 絵となる門の 天守閣 大阪城の 秋のたそがれ(同上)

どこまでは 江戸と桃山 分からねど 蛸石だけは 秀吉の顔(同上)

江戸初期の 建屋の残る 大阪城 昭和の戦火 逃れて嬉し(同上)

城門は 五万石を 凌ぐかな されども天守 それなりの城(弘前城)

東北や 重文の城 総がかえ 弘前城の 存在重し(同上)

重層の 東西南北 その四門 弘前城の 要となりぬ(同上)

東北に 唯一残る 天守閣 東北一の 桜咲くなり(同上)

弘前の 染井吉野は 散りにけり 五月連休 様変わりせん(同上)

弘前に 無念が残る 桜花 日本最古の 染井吉野も(同上)

北門に 微かに残る 花びらに 別れを告げる 弘前の春(同上)

創業は 横手最古の 旅館かな 明治元年 遠くなり行く(平利旅館) HOTEL

城郭の 屋根を思わす 入口に ふと立ち止まり 見上げ見るかな(小坂旅館)

横手には 平厳平利 名旅館 泊まりてみたき 夢は叶わず(平源旅館)

木造の 三階建てに 魅了され 先ずは写真に 残す音羽屋(ホテル音羽屋)

横手にて 古き旅館を 尋ねれば 伊東旅館の 看板を見る(伊藤旅館)

松島で こよなく愛し 宿ひとつ 松島城の 木造三階(松島観光ホテル)

五大堂 松島城の 合わせ技 松島一の 眺めと思う(同上)

斜陽館 明治の豪農 今旅館 太宰治の 部屋に泊れり(旅館斜陽館)

平泉 泊まりてみたき 宿あらん 写真に残す 及川旅館(及川旅館)

大内の 茅葺き屋根の 宿場町 昭和になりて 光り照るなり(民宿玉屋)

偶然に 出会う老舗の 宿もあり 当てもなく行く 横須賀の街(鶴井屋)

初めての 塩山温泉 一見し 木造旅館を 見つけて写す(元湯廣友館)

九十九里 北端の岬 銚子埼 百年を超す 宿もあるかな(暁雞館(ぎょうけいかん))

外観は 県南一の 旅館なり いつかは泊まり 内部も見たき(小坂旅館)

笠間にも 木造三階 見つけたり 江戸の創業の 稲荷講の宿(井筒屋旅館)

修善寺に 明治五年の 音がする 新井旅館の 湯の掛け流し(修善寺温泉新井旅館)

江戸三は 明治創業 奈良の宿 離れ部屋に 憧れるかな(旅館江戸三)

大阪の ホテルの部屋から 見る景色 大川沿いに 新たなビルも(シャトーテル大手門)

春来たり 小坂旅館は 蔵残し 跡形もなく 消える哀れさ(小坂旅館)

開業が 昭和初めの 戦時前 政府所管の 国際ホテル(十和田ホテル)

球形の 照明器具は 面白き その配線は 合わせ目にあり(同上)

階段を 踏んだ人々 目に浮かぶ 天皇陛下に 吉田茂など(同上)

油絵に 解説あれば 良いけれど 誰の作かは 分からぬ不安(同上)

天然の 秋田の杉を 用材に 美を競い合う 宮大工かな(同上)

木の目には 同じものなく 自己主張 天井に見る 秋田杉かな(同上)

幻の オリンピックと なった後 米軍接収の ホテルとなりて(同上)

掛軸の 御詠(ぎょえい)の歌を 見る人が どれ程いるかと 思うこの頃(同上)

その昔 十和田ユースの 姉妹館 値段の格差 五倍を超えて(同上)

バブル過ぎ 新たな投資 盛んなり 落合ホテルも 五階を新築(落合温泉落合ホテル)

紅葉の 蔦温泉は 素晴らしく やっと泊まれて 五体満足(蔦温泉旅館)

桂月の 旅に思いを 巡らせて 終の棲家と 決めた分け見ん(同上)

空室を 尋ねて空し 古山閣 一見客に 敷居は高し(銀山温泉古山閣)

遠野にも 古き宿あり 福山荘 今日は祭りで 満室とやら(旅館福山荘)

雲白く 田畑は緑 家耐えて みどりは一つ 歩み行くなり(花巻市笹間) HOUSE1

古民家と 思った後に 調べれば 達谷窟の 別当と知る(一関市達谷)

母屋(おもや)には 冠木門(かぶらぎもん)と 黒塀が 地主の家の 富豪を印す(旧大曲市内小友)

薬医門 その先に見る 庭園は 不法侵入の 壁立ち塞ぐ(同上)

大地主 過ぎては今度 小地主か それとも分家か 分からずじまい(同上)

集落に ポツンと一軒 白土蔵 地主と分かる 屋敷の広さ(羽後町赤袴)

古民家が 廃屋となる 悲しさは 成仏しない 人の如くに(羽後町元西)

道路から ポツンと見える 曲り屋に 車を停めて 眺め見るかな(旧鳥海村伏見)

一軒は 三船家と言う 曲り屋で 立派な蔵と 松が絵になる(旧鳥海村伏見)

改修を せざる茅葺き 希少なり せめて写真に 残さんとする(旧皆瀬村板戸)

友来たり 民話の遠野 案内す 廃れた里の 今の姿も(遠野市土淵)

廃屋と 思えば暖簾 掛けてある 味は絶品 駅前食堂(米沢市駅前)

矢島には 茅葺き家屋 多くあり 道端に立ち 眺めて見たり(旧矢島町荒沢)

知り合いの 実家と知らず 写したら 驚かれるなり 我れも驚き(同上)

豪商の 屋敷の並ぶ 角間川 米の集積 水運の街(旧大曲市角間川)

衰退の (いちじる)しきは 角間川 温泉は絶え 商店は消え(旧大曲市角間川)

シンプルな 入母屋屋根の 古民家の 茅の傷みに 胸痛むなり旧(矢島町荒沢)

高梨の 池田分家は 廃れても 立派な庭は 名勝となり(旧仙北町高梨)

重厚な 兜造りの 馬屋かな 朝日地方の 独自意匠(旧朝日村またぎの家)

立ち止まる 白壁民家の 通気屋根 谷川岳の 麓の集落(旧月夜町)

横手には 一軒残る 茅の家 未だ雪降らぬ 大沢の里(旧横手市大沢)

重文の 矢作家住宅 立ち寄れば 外観のみの 見物となる(新庄市萩野)

篤志家の 土田万助 知る人も 少なくなりて 家のみ残る(旧大雄村舘合)

通る度 立派な家と 横見して 門前に立つ 今日の感動(旧南外村悪戸野)

目立たない 造り酒屋の 建物に 心惹かれて 記録にとどむ(湯沢市千石)

旧道に 一軒残る 茅の家 今は建てられぬ 法律の壁(湯沢市千石)

道路には 様々な家 点在す 古民家見ると 胸騒ぐなり(旧雄勝町秋ノ宮)

坂道を 曲り損ねて 見る民家 寄棟にある 小窓は珍し(旧矢島町矢越)

砂川に 残る古民家 名に高し 菅江真澄の 一宿の跡(旧象潟町)

町並みに ポツンと一つ 茅の家 瓦トタンに 取り残されても(旧象潟町) HOUSE2

故郷の 茅葺き屋根を 見る度に 古里ふりと 思う思い出(旧平鹿町馬鞍)

大家も 小家もなし 茅の家 これぞ日本の 家と見えたり(旧平鹿町阿弥陀田)

軒先に 哀れなるかな トタン屋根 せめて葺きたし 杉の皮でも(旧沢内村)

ブロックに 囲まれた茅は 色褪せる 美観は家の 宝なるかな(旧矢島街町)

通る度 誰が住むかと 気にかかる 時代に媚びぬ 茅葺きの家(旧本荘市石沢)

道行けば 茅葺き屋根が 目に写る 幼き頃に けなした家を(旧象潟町)

武家屋敷 門の構えも 朽ちてゆく 滅びる前に 映る黄昏(旧横手市羽黒)

道路より 眺めただけの 城下町 遠き思い出 消えゆくばかり(同上)

切妻の 屋根に美があり 歴史あり 漫画のような 今の屋根の型(旧稲川町稲庭)

門前を ふと見渡せば 古き店 生まれ育った 匂い声する(旧水沢市黒石)

改まる 茅葺き白壁 美しく 宿場に残る 家並忘れず(七ヶ宿町上戸沢)

ゆっくりと 時代は流れ ゆくような 景色を眺む 宿場町かな(七ヶ宿町滑津)

本陣と 呼ばれる家は 強きかな 百年経ちても まだ青さあり(同上)

電柱と 電線がまた 邪魔になる 邪魔な電気に 頼る生涯(七ヶ宿町関)

飯坂の 古き旅館に 泊っては 古さ連なる 隣りの酒屋(福島市飯坂温泉)

豊かさが 世代を重ね 生きている 茅というもの 木々ととうもの(旧船引町)

人はなく 公園の隅に茅の家 白々として 寒し淋しき(茨木県立歴史館)

みちのくの 雪にも耐えて 二百年 車を停めて 写す残り画(旧矢島町)

秋田にも 訪ねる里は 多かりし 茅の家々 ウグイスの声(同上)

住む人も 茅葺く人も 少なかり 家は傾き 人は移ろい(同上)

尊徳の 住し陣屋の 跡訪ね 眺めてみれば 茅の直屋なり(真岡市物井)

酒田では 殿様よりも 偉い人 本間光丘 本邸に見る(酒田市二番町)

本邸の 庭は慎まし 見ゆるとも 豪華な庭は 本間美術館(同上)

中津にて 城見物と 諭吉宅 下級武士でも 殿様を超ゆ(中津市留守居町)

柳川も 訪ねる名所 城跡と 北原白秋 生家も一つ(柳川市沖端町)

盛岡に 古き家並みを 訪ねれば 料亭丸竹 さりげなく建ち(盛岡市本町)

珍しき 黒塗り土蔵 二階建て 古さ点在 盛岡の街(盛岡市上ノ橋町)

岩手川 造り酒屋の 建物は 少し鄙びた 切妻の屋根(盛岡市仙北)

今無き 建物となりし 岩手川 へ込みし屋根の 姿も哀れ(同上)

南部藩 おもかげの町 仙北は 大きな建屋 並び建つかな(同上)

江戸初期の 歴史を誇る 木津屋かな 今は文具 商いをして(同上)

徳清も 江戸創業の 老舗なり 白壁土蔵 立派に見ゆる(同上)

屋敷には 土蔵の住居 連なりて 外観のみの 見物淋し(同上)

岩手では 総理四人が 出ているが 暗殺されし 原敬哀れ(同上)

懐かしき 半鐘やぐら 曲り(いえ) 原風景の 散居復活(木戸五郎兵衛村)

本物の 馬まで町で 飼育する 五郎兵衛村の 本気度高く(同上)

弘前の 武家屋敷の他 茅葺きの 民家に驚き 立ち止まるなり(弘前市薬師堂)

大店(おおだな)の 面影残す こみせかな 尾上町(おのえまち)にも 眺め見るとは(旧尾上町)

実家には 小さな居間の 片隅に ()(のう)の石は さりげなくあり(浅舞) ORNAMENT1

ホワイトの 空瓶並ぶ 六畳間 一夜一夜の 安らぎのあと(北上アパート)

遠い日の スキーの想い出 消えゆきて 禿げた山にも 若木生えけり(スキー場跡)

オフシーズン 昔はゴルフ 練習場 今は羊の 放牧場に(横手公園)

一日中 草を貪る サフォークに 親しみ覚えず(同上)

懐かしき 木造校舎の 学校に 山内村に 眺めて嬉し(村の中学校)

劇場の 看板の横に 雪いだく 谷川岳の 聖なる眺め(月夜野)

荒れ果てた 神社に重なる 酒びんに 切なく思う 信仰の様(旭岡山神社)

自宅にて 寛ぐ時ぞ 来るなり 会社は潰れ 味わう自由(横手自宅)

部屋の中 本とレコード テープなど 所狭しと 並べ置くなり(同上)

夢に見た 庭の設計 手がけては 学校の花壇 始め仕事(造園設計)

改修の 庭を頼まれ 思案する 石はいじらず 松を植えるかと(同上)

自宅には 新たな看板 掲げつつ 先の見えない 道歩みゆく(横手自宅)

坪庭に 三石並べ 五葉松 瓦で囲み 菖蒲植えたり(同上)

昔より 眺めた景色 今もなお りんご畑に 残る道具小屋(旧横荘線の風景)

赤鳥居 先の社殿は 茅葺きで 更なる奥は 鎮守の森ぞ(山ノ神)

洋風に カイヅカイブサ 植えにけり 目隠し兼ね 垣根しはても(造園設計)

十年後 とうなっているか 見てみたい 自分の手掛けた 庭の数々(同上)

知り合いの 庭を手掛ける 楽しさは 記念となれる 仕事なりれり(同上)

青石を 探した苦労 忘れ去り 自分も喜ぶ 庭造りかな(同上)

会心の 写真撮れたり 踏切で 特急つばさの 走る光景(特急つばさ)

その昔 テーマパークの 宿場町 福島大滝 廃墟となりぬ(大滝宿跡)

茅葺きに 草生え朽ちて 土に帰す これも自然と 思うこの頃(福島の古民家)

東京の 新名所かな 都庁舎は 地下三階の 五十一階(新宿)

議事場も 改築されて 建つけれど ただの箱物 インパクトなく(同上)

都庁舎の ツインタワーの 設計者 丹下健三 喜寿の傑作(同上)

新宿に 積み木のように 聳え建つ 新都庁舎の 冬の夕暮れ(同上)

都庁舎の 年間維持費 破格なり 四十億円 費える未来(同上)

都庁舎に 寄り添う如く 立つけれど 意味分からぬ モニュメントかな(同上)

千里浜を 走る車は レンターカー 潮風に浴びて 愛車錆びつくと(能登千里浜)

下宿屋や 十七年も 経てもなお 残りしことの 喜び深し(東京本郷) ORNAMENT2

新聞を 配りし家が 廃屋に なる景色こそ 哀れなりけり(同上)

東京の 名所と言えば 戦後より 展望台の 東京タワー(芝公園)

赴任して 一年半が 過ぎるかな 毎日眺む 景色変りて(東京イースト21計画)

現場では 手がけた建屋 ホテル棟 殆ど書いた 施工図は数多(同上)

敷地には 建設会社の 寮ありて 十六年前 寄宿もしたり(同上)

吉野でも 奈良の吉野と 異なりて 吉野梅郷 廃棄物の山(吉野梅郷)

二年半 暮らしたマンション 撮影し 日々の様子を 思い出すかな(東陽町)

廃屋の 土蔵家屋は 哀れなり 昔城下の 盛岡の街(盛岡市内)

朽ち果てる 土蔵もあれば 維持される 土蔵も残る 盛岡の街(同上)

盛岡の 工事現場は 竣工し 一年間の 苦労が過る(クリエ21ビル)

免許取り 二十年目の 新車かな スバルレオーネ 四駆を愛す(横手自宅)

収入に 見合った車が 妥当かな 移動手段に 見栄など張らず(同上)

レオーネと お別れするは 辛いけど キャンプ場には 似合わぬ車(同上)

新築の 棟の飾りが 珍しく 写真に写す 八戸の街(八戸市内)

乗るほどに 恋しく思う 車あり ラウンドローバー 優雅な姿(湯ノ花キャンプ場)

甥子らと キャンプするのは 楽しかり 無邪気に遊ぶ 子供に戻り(同上)

祠より 遥かに大きな 赤鳥居 秋の深まる 種差海岸(種差)

渓流の 自然景観 破壊して 伸びる道路 挫けてみたり(久慈)

切り株が 道の斜面に 放置され 通る車に 当らんとする(奥入瀬)

五輪坂 アルカディアに 遊ぶかな 海賊船に ラウンドローバー(アルカディア公園)

八戸の 現場の空気は 身に合わず 酒に逃げては 旅を夢見る(八戸市内)

街中の 鄙び寂れた 雑貨屋に 遠い昭和の 賑わいを見る(同上)

新しく 環境デザイン 改業し 作図仕事に 専念したり(北上)

懐かしき 井戸ポンプ見る 城跡に 平安流れ 平成となる(胆沢城跡)

江戸初期に 開坑されし 銀山は 五十余年で 閉山となる(延沢銀鉱洞)

銀山は 温泉に他 名所あり (ぎん)山川(ざんがわ)の 白銀(しろがね)の滝(銀山川)

面白き 流れ見るかな 鶴子にて 鱗模様の ダムの放流(親鶴子ダム)

重文の 尾形家住宅 廃れれたり 弁天様を 哀れと拝む(上山)

田んぼ道 歩いて眺めた ケヤキかな 小学生の 思い出を見る(平鹿町) TEER

八沢木の 十二ノ木なる ケヤキをば 菅江真澄も 眺めて見たり(大森町)

枝ぶりが くっきり見える ケヤキこそ 春一番の 頼もしさかな(大雄村)

一里塚 目を張る景色 (ふっ)(ぱり)の 大槻木(おおつきのき)は 根上がり太く(湯沢市)

鳥海に 六百年の イチイあり 古木に()かれ 訪ね行く春(鳥海町)

西行も 芭蕉も眺めた タブの木を 懐かしく見る 蚶満寺かな(象潟町)

象潟に 盆栽を見る みさご島 美しきかな クロマツ三本(同上)

珍しき ()()(よう)の古木 拝むかな 夏の盛りの 塩竈神社(塩竈市)

夫婦杉 千年を経ては 名が変わり (おきな)(おうな)の 杉と呼ばれり(小野町)

平林寺 雑木林に 見る景色 遠き昔の 武蔵野の里(新座市)

梅よりも 桂の古木 大輪の 枝伸ばしたる 英治の如く(青梅市)

三叉(みつまた)の 花に身を寄す 記念館 吉川英治も 愛でしことかな(同上)

城跡に ()(なし)(やぶ)()(まり) 咲きにけり 佐竹城主の 子孫名付ける(湯沢市)

紫陽花(あじさい)の 花不揃いに 咲く様子 手入れもされず あるがままあり(三戸町)

日本一 その評判を 聞きつけて 訪ねてもみた 大銀杏(おおいちょう)かな(百石町)

日本一 深浦にもあり 戸惑うナ 聞けば長寿の 日本一と言う(同上)

青森は 銀杏の古木 多くあり 法量の銀杏 国の記念物(十和田湖町)

黄葉に 染まぬ銀杏は 淋しけれ 種も結ばば なおにも増して(同上)

街道と 聞けば恋しき 松並木 一里塚にも 宿場跡にも(十和田市)

街道を 行く旅人の 乗り物は 馬に変りて ランドローバー(同上)

大屋沼 遠足以来の 花見かな 桜も我れも 共に老いけり(横手市)

秋田での 桜の名所 真戸公園 ボートの上で 散る花を見ん(同上)

真っ直ぐに 伸びようとする 杉の木に 貫くことの 尊さを知る(尾花沢市)

古来より 千年杉と 崇められ (いかだ)の大杉 神木となる(山内村)

巨木には 神が宿ると 拝むなり 縄文時代の 呪文やいかに(同上)

利休梅 思わぬ場所に 咲き誇る 盛岡藩の 御薬園にて(盛岡市)

横手にて 慣れ親しんだ 公園で まだ見ぬ樹木 訪ねてみたり(横手市)

蝦夷(えぞ)(えのき) 日本一円 分布して エゾと言うのも いかがなものか(同上)

小原には 珍しき自然 残されて 材木岩に コツブガヤかな(白石市)

コツブガヤ 数えるほどしか 見当たらず 鳥羽と並びて 国の記念物(同上)

全国の 名木古木 訪ねても 枯死(こし)や倒木 珍しくもなく(同上)

アヤメ苑 新たな町の 名所とし 前身をする 故郷嬉し(平鹿町) FLOWER&TREE1

弁慶の 故事思い出す 中尊寺 杉の大木 面影と見ん(平泉町)

蛸の足 類似した様 松の根は 不思議に根張る 福泉寺かな(遠野市)

新しき カメラを手にし 撮る写真 馬喰う前の ムクゲなりけり(同上)

赴任した 北上郊外 村崎野 山百合を見て 花追いかける(北上市)

百日紅(さるすべり) 夏のピンクは 目立つなり 独自の樹皮も 猿滑るかも(花巻市)

紫陽花の 花は暑さを 耐え忍び 秋の気配を 告げて朽ちゆく(横手市)

花巻の 古刹の一つ 円万寺 祖母杉に見る 千余年かな(花巻市)

秋風や 十和田神社の 老杉(ろうさん)は 幹より根元 太くも見えん(十和田湖町)

倒木に 育つ草あり 十和田湖は 自然豊かに めぐりゆくかな(同上)

(なな)(かまど) 十年ぶりに 十和田湖で 会えて嬉しき 友とやならん(小坂町)

ライラック 札幌に来し 喜びを 感じてみたり 花と香りに(札幌市)

赤松の 自然のままの 枝ぶりに ()かれて見入る 姫神公園(大曲市)

焼石に 名も知らぬ花 咲きにけり 図鑑を見ると (まる)()(だけ)(ぶき)(胆沢町)

横手では 珍しきかな 竹林(ちくりん)は 雪景色なら なおも一層に(横手市)

久々の 勢至(せいし)公園の 花見かな 染井吉野を コンパニオンとし(金浦町)

花も見ず 枝垂れ桜で 読書する 廃校跡の 金次郎像(花巻市)

北上の 花回廊や 展勝地 歩くのも良し 眺めるも良し(北上市)

故郷の 自慢の(けやき) 槻木(つきのき)は 菅江真澄も スケッチしたり(平鹿町)

白樺(しらかんば) んを除いて 呼ばれたり どちらでも良いと 思うこの頃(水沢市) FLOWER&TREE2

伽羅(きゃら)()は 一位(いちい)の変種と 聞くけれど 花は目立たず 赤い実がつく(横手市)

山茱萸(さんしゅゆ)は 黄色い花が 美しく 秋には赤い 実を結ぶなり(同上)

(いぬ)柘植(つげ)は 夏に白い 花咲きて 黒い実がなる 秋の季節に(同上)

(いと)()()は (ひのき)の変種と 言うけれど 垂れたる糸は 檜に見えず(同上)

樅の木の 花や気になり 調べると 紫色の ぼっくりと言う(同上)

キャラボクの 葉は見た目より 柔らかく 手に触れてみる 苗木畑で(同上)

秋田では オンコと称す 一位(いちい)かな 鮮やかすぎる 赤い実の色(同上)

苗木では ()猩々(しょうじょう)紅葉(もみじ) 分からない 春に真っ赤な 葉が芽吹くまで(同上)

カラマツの 林を見れば 目に浮かぶ 北原白秋 落葉松の(うた)(南外村)

畑には 紅枝垂れ紅葉 一面に 売れる苗木の その多さかな(横手市)

ベニシダレ 春一番に 紅くなり 散るまで同じ モミジも哀れ(同上)

小さくて 咲いているのか 分からない 真弓(まゆみ)の花の 咲く開く様(象潟町)

白い花 久留米(くるめ)躑躅(つつじ)と 書いてある 霧島佐田の 交配と聞く(同上)

佐田(さた)躑躅(つつじ) 鹿児島からの 贈り物 秋田の神社 彩る時代(同上)

聞き慣れぬ 鳥海松は ハイマツで 固有品種と 思い見るかな(同上)

山里は 未だに花の 盛りなり 東由利にて 里桜見ん(東由利町)

煙の木 綿の如くに 咲く花の 名前も知らず 写す空しさ(会津若松市)

連翹の 花は黄色が 鮮やかで 桜と共に 眺め見るかな(平鹿町)

いつの日か 父が植えにし 花なるや 白木蓮は 屋根より高く(同上)

連翹の 垣根の続く 坂道は さすがは農業 試験場かな(盛岡市)

全国に 四本のみの 珍木は 白石小原の 左巻榧(ひだりまきがや)(白石市)

北限の 横倉の木も 小原かな コツブガヤとも 国の記念物(同上)

作庭は 芦名盛久 室町期 (はい)(びゃく)(しん)は 樹齢五百年(会津若松市)

五葉松 芦名時代の 置き土産 国の名勝 会津御薬園(同上)

伽羅(きゃら)()も 茶屋に寄り添い 三百年 古木の残る 御薬園かな(同上)

花びらに まだら模様の バンダかな 紫色の 花美しく(大仁町)

エビネにも 様々ありて 魅せられる 伊豆長岡の 洋らんパーク(同上)

青空に 紅紫の つつじ花 背より高く 続く花道(館林市)

古つつじは 八百年の 樹齢とか とてもつつじと 思えぬ眺め(同上)

江戸の世の 面影残す つつじ園 日本はおろか 世界一と見ゆ(同上)

場所により 松の緑も 色添える つつじが岡の 国の名勝は(同上)

潜っても 潜ってもまた つつじ咲く 人に勝れる 花の数々(同上)

館林 つつじが岡の 公園は 一万株の 花の競演(同上)

城沼に 面した敷地は 広大で 東京ドーム 三個分と聞く(同上)

もう少し 出店があればと 思うかな つつじが岡の 花見となれば(同上)

境内に 大紫(おおむらさき)の つつじ咲く 五月晴れなる 香取神宮(香取市)

土門拳 古寺巡礼の 写真には 仏像撮影 世界観あり(土門拳記念館) DOCUMENTS

若き日の 教師時代を 記念して 石碑建ちし 洋次郎かな(横手公園)

払田柵 復元絵図を 見る限り 規模の大きな 遺跡と思う(払田柵資料館)

平安の 竪穴住居は 板葺きで 少しは進歩 している様子(同上)

実篤の 寄せ書き見るや 稲住で 疎開記念の 日日(ひび)(これ)好日(こうじつ)(稲住温泉)

手掛けたる 現場を訪ね 来た時は ホテルアイリス ビアーガーデン(本荘市)

青石は 四国産出 多かりし 庭石として 貴重で高価(大曲市)

立石に 青石置くなら 水の側 (つくばい)もしくは 滝組の中(同上)

赤石は 各地で産出 されるけど 佐渡島産が 最も赤く(同上)

わら人形 (おも)(しろ)可笑(おか)し 姿かな 刀を差して 男根(だんこん)太く(碧祥寺博物館)

細やかに 藁で編まれた わら人形 日本一との 湯田の町(湯田町)

毛越寺 金鶏山を 借景に 浄土庭園 残す時観か(平泉町)

秋田より 出土したとか 書いてある 何の化石か 記されもせず(法華経寺)

清澄の 庭に聳える 石塔は 世にも稀なる 紀州青石(清澄庭園)

寝そべった 妊婦の如く 見えるなり 清澄庭園 ()府川(ぶがわ)の石(同上)

石橋や 長瀞峡に 架かるかな 大泉水の 清澄の庭(同上)

全国の 名石集め 造られた 清澄庭園 比類なき庭(同上)

珍しき (さん)()青石 ()()めとは 贅沢なりし 弥太郎の庭(同上)

生駒石 石垣などに 多用さる 庭の配石 初めて見ん(同上)

石の名が 表示されねば 見過ごした 伊豆七島の 式根島石(同上)

模型なら 桃山・江戸の 城郭を 並べて欲しき 大阪城か(大阪市)

中島に 雪見灯篭 笠広げ 三脚伸ばす 南部氏庭園(盛岡市)

鹿島様 わら人形の 形には 様々ありて 面白きかな(湯沢市)

名前なき 溶岩奇岩 点在す 玉川温泉 自然研究路(玉川温泉)

玉川の 源泉量は 日本一 北投石は 日本唯一(同上)

噴煙の 絶えることなき 玉川に 岩盤浴す 湯治客かな(同上)

八戸の わら人形は 捕縛する 技術伝える ひな形なるか(櫛引八幡宮)

八戸で 画商と出会い 絵画にも 興味覚える 展覧会か(八戸市)

美人画を 眺めて見ても 膨らまぬ 生身の人 思い見るかな(同上)

花山に 千葉周作の 生誕地 訪ねて見れば 案内板のみ(花山村)

大自然 知床半島 硫黄山 遊覧船で 眺め見しかな(硫黄山遠望) MOUNTAIN1

憧れの 穂高を眺め 感無量 二泊三日 涸沢キャンプ(穂高岳涸沢)

登攀する 装備がなく 断念す 奥穂高岳 憧れのまま(同上)

雪渓で スキーをしたり 寝てみたり 水無月の空 眺めてみたり(同上)

山頂は 草木もない 活火山 荒涼とした 岩手山かな(岩手山頂上)

すり鉢の 胡麻の如く 噴石を 吾妻小富士の 火口に眺む(吾妻小富士山頂)

墳丘に 輪ゴムの如く 描かれし 吾妻小富士の 人の足跡(同上)

山頂の 目の前に見ゆ 山並みは 吾妻山塊 雪の絵模様(同上)

鮮やかな 紅葉の尾根に 絶句する 栗駒山は 秋が勝れり(栗駒山頂上)

岩手山 南部富士とも 称されし 岩手のシンボル 二千超えの山(八幡平にて)

八甲田 ロープウェイの ある山が 恋しく思う スキーもできて(八甲田山)

スキーにて 縦走をして みたきかな 赤倉岳と 大岳までは(同上)

山裾は まだ雪深き 田代平 そこまで滑る スキーの醍醐味(同上)

大岩や 須川温泉の 湯の守か 何万年も 湯と共にあり(同上)

湯の守を 拝んで入る 露天風呂 初夏の風吹く 栗駒の山(須川高原温泉)

夏山に おいらん風呂の 湯小屋建つ 須川名物 蒸気ふかし湯(同上)

辛うじて 須川高原で 見る眺め 虚空蔵山の 菩薩の姿(同上)

故郷に 帰りて眺む 鳥海の 山こそ我れの 果てる土かな(鳥海山遠望)

遂なんと 思いし事も 夢の夢 鳥海山に 沈む夕暮れ(同上)

黄葉と 蒼き山並み 青い空 早池峰山は 白く聳える(早池峰山遠望)

乳頭は 岩手で見ると 烏帽子似と 山の形で 山名変り(乳頭山遠望)

珍しや 鳥海山が 顔を出す 真冬は殆ど 現れもせず(鳥海山遠望)

岩手山 北側よりの 見る形 富士山らしく 見えて美し(岩手山SAにて)

地球には 不変はないと 仰ぎ見る 四十歳の 昭和新山(山麓)

空からは 白神山地 手のひらに 乗せるが如く 見下ろす緑(航空機より)

みちのくの 焼石岳は 優美なり 泉水沼に 雲を映して(焼石岳)

この尾根は 夏油温泉へ 続くかな 焼石岳から 一度は踏まん(焼石岳山頂)

駒ヶ岳 秋田県での 最高峰 誇れる山に 少しは低く(秋田駒ヶ岳遠望)

秋田駒 馴れ合うように 連なりて 彼方に鳥海 雪渓見ゆる(八幡平より)

その昔 芭蕉も愛でし 出羽富士は 最も登る 故郷の山(鳥海山) MOUNTAIN2

初雪が 筍山(たけのこやま)の ゲレンデに 降りて喜ぶ 宿の主は(越後湯沢スキー場)

建物の 少ない場所に 出羽の富士 やっと探した 撮影ポイント(鳥海山遠望)

鳥海は 富士より緩い 斜面にて 富士より積もる 雪日本一(同上)

樋ノ口の 線路跡より 眺め見る 鳥海山は 絵になる景色(同上)

磐梯の 頂き分かつ 裾野には 姿を映す 五色沼あり(裏磐梯)

現場から 朝な夕なに 岩手山 眺めて一年 仕事しにけり(岩手山遠望)

夕暮れは 岩手山こそ 勝りけり 富士の崩れた シュルエットかな(同上)

茅葺きの 民家も残る 滝沢で 眺める先は 岩手山かな(同上)

竣工す 大学校舎に 南部富士 記念に写す 思い出を込め(同上)

栗駒で 鳥海山を 眺めれば 恥しそうに 雲に隠れる(栗駒山頂上)

散歩する 気分で登る 山もあり 浄土平の 吾妻小富士かな(吾妻山塊)

絶壁の 山肌に見る 霊山は 難攻不落の 城跡でもあり(福島霊山)

基坂は 函館山の 麓にて 公会堂に 続く坂道(函館基坂)

()()(やま)や 山全体が 御神体 大神(おおみわ)神社 本殿はなく(桜井三輪山)

盛岡の 北上川と 南部富士 今も聞こえる 啄木のうた(岩手山遠望)

白鳥も 飛来するなり 盛岡に 岩手山との 高さを競い(同上)

病室の 窓より眺む 岩手山 手を合わせつつ 回復願う(同上)

クレーンの 吊り荷に共に 退院す 岩手山にも 祝福もされ(同上)

真夏でも 鳥海山の 雪消えず 涼しく思う 故郷に来て(鳥海山遠望)

岩木山 弘前城に 欠かせない 盛岡城の 岩手山に似て(岩木山遠望)

十和田湖の 富士山に似し 十和田利山 外輪山の 一つなりしか(十和田湖)

手にかけた ホテル建築 眺めると 鳥海山が 聳え立つかな(本荘にて)

霊山の 東鳥海山 名を変えて 湯沢富士とも 我れは呼ぶなり(湯沢三関にて)

皆瀬川 白鳥は去り 寂れても 鳥海山は あの日と同じ(鳥海山遠望)

恐山 (おお)(づくし)(やま) 富士に似し ()()()(やま)()に 聳え立つなり(恐山にて)

紅葉は 絶景絶佳 抱返り 秋田県立 自然公園(抱返り渓谷) RIVER&SHALLOW1

岩石が 重なり合いて 限りなく 昇仙峡の 水に寄り添う(昇仙峡)

甲州の 昇仙峡の 景観は 特別名勝 日本一なり(同上)

切ないナ 社員旅行の ツアーでは (せん)()(たき)まで 眺められずに(同上)

紅葉の 昇仙峡を 夢に見て 青葉若葉の 渓谷をゆく(同上)

夏油川 誰も読めない 名前かな 崖を意味する アイヌの言葉(夏油渓谷)

川沿いは 露天風呂が 点在し その名も高し 夏油温泉(同上)

長たらし 四郎左衛門の 滝の名に 涼しき音が 心に響く(同上)

比類なき 自然の記念(かたみ) 天狗岩 石灰ドームは 巨大な湯の華(同上)

天然の ビーナスにも 見えるかな 夏油温泉 石灰ドーム(同上)

この景色 消えて無くなると 思うなら ダム建設に 怒り思える(入畑ダム予定地)

夏油川 眺める先の 鋭鋒は 夏油三山 牛形山か(夏油川)

和賀川と 北上川が 合流す その眺め見る 展望台で(男山にて)

男山 見渡す眺望 素晴らしい 北上川の 夏の夕暮れ(同上)

みちのくの 秘境の旅の 始めなり 南本内の 夏の渓流(南本内峡)

上流に 人家などなく 水清く 焼石岳を 源流とする(同上)

見渡せば 南本内の 渓流は 人工物の ない景色かな(同上)

幾重にも 沢の小滝が 流れ落ち 自然庭園 見るが如くに(同上)

下流には 橋が架かりて 水量も 増しては広く 流れゆくかな(同上)

橋脚は 林業用の 鉄道の 残骸なしりか 哀れを誘う(同上)

分流に 名もなき滝が 流れ落つ 南本内の 移ろう景色(同上)

渓流の 貴婦人の名は 聞くけれど 未だ見ざるは ヤマセミの鳥(同上)

深淵に 入りて楽しむ 沢歩き 清き水面に 魅かれ魅かれて(同上)

渓流に 様々な石 転がりて どれが良いかと 比べ見るかな(同上)

渓谷の 景観美なら 厳美渓 奇岩怪石 連なり並ぶ(厳美渓)

渓谷を くねくね曲がり 流れゆく コバルト色の 厳美渓かな(同上)

場所により 屏風の如し 岩もあり 自然の造化 厳美渓に見ん(同上)

市街地を 二分しながら 蛇行する 昔のままの 横手川かな(横手公園にて)

面白や 北上川の 岸に見る イギリス海岸 賢治ワールド(花巻にて)

黒岩の 北上川の 浅瀬には 朝な夕なに 鳥が行き交う(北上にて)

波もなく 北上川は 緩やかに 夕陽に照らされ 流れゆくなり(同上)

滝沢の 三十三の 観音像 横手郊外 秘境の避暑地(滝沢) RIVER&SHALLOW2

湖底には 横黒線の トンネルが 顔を出したり 渇水時期には(錦秋湖)

水消えて 旧道の橋 現れる 歴史を語る 錦秋湖かな(同上)

小島には 赤い鳥居が 建つけれど 船で参るか 不思議の思う(同上)

奥入瀬や 先ず目にする 人造の 銚子大滝 堰き止めの滝(奥入瀬渓流)

奥入瀬の 阿修羅の流れ 猛るかな 悪魔の名とは 趣変り(同上)

十和田湖と 奥入瀬川の 景観は 国も認めた 特別名勝(同上)

夕暮れの お城山から 見る景色 鳥海山へ 横手川ゆく(横手公園にて)

孫六の 温泉(そば)の 清流は 先達川の 一本松沢(田沢湖町)

笹子川 下流なると 名を変えて 鳥海川と 呼ばれもしたり(鳥海町)

場所により 激流となり 濁るなり 鳥海川の 雪溶けの水(同上)

流れると 青く澄んだ 色となる 鳥海川の 水の不思議さ(同上)

法体の 滝の上にも 名勝が 黒石光る 玉田渓谷(同上)

聞きもせぬ 美観に心 奪われし 鳥海山麓 玉田渓谷(同上)

成瀬川 森の緑に 石の赤 水青き澄み 自然満載(東成瀬村)

噴煙が 絶えなく上る 小安峡 露天風呂でも あればと思う(皆瀬村)

小安峡 大噴湯が 名物で 急な石段 往来多し(同上)

断崖に 銚子の滝が 流れ落つ 見るもの多き 小安峡かな(同上)

橋の下 見下げてみると Vの字に 切れた峡谷 緑に白く(同上)

象潟の 奈曽の白滝 新緑に 白き帯垂れ 優雅に落つる(象潟町)

玉川に ダムができると 聞きおよび 写真に収め 景色に残さん(田沢湖町)

集落は 殆ど壊され 道路のみ 残されている ダム工事前(同上)

冬枯れた 白石川に 聳え立つ 柱状節理の 材木岩かな(白石市)

平安期 出羽の霊山 (ぜん)(とう)() 跡形もない 幻の寺(川原毛地獄) VIEW-LANDDSCAPE

桜なら 今満開の 川原毛 見渡す限り 全山紅く(同上)

天然の 湯滝珍し 露天風呂 日本屈指の 滝ぞと思う(同上)

直瀑と 射瀑が並び 落ちるかな 川原毛地獄の 温泉天国(同上)

秘境とて 名が知られると 消えてゆく 川原毛湯滝 その一つなり(同上)

湯滝から ()尻沢(しりさわ)へと 名を変えて 緩く流れて 高松川へ(同上)

朝靄に 染まる錦が 浮かび立つ 湯田街道の さりげない道(湯田町)

行く道は 昇る朝日に 照らされて 赤く輝く 紅葉の山(同上)

草木(そうもく)が それぞれ過ごす 晩秋を 心静かに 眺め見るかな(同上)

雪寄せぬ 木もまたあり 面白き 湯田街道の 山の景観(同上)

何気なく 見慣れた景色 様変わり 雪降り積もる 小山美くし(同上)

忽然と 火山風景 深山に 現れいづる 玉川温泉(田沢湖町)

川原毛 斜トドマツ 絵の如し 白き山肌 キャンバスにして(川原毛地獄)

晴れ渡る 時も珍し 渓谷に 落葉踏みしめ 美を追い求む(抱返り渓谷)

見渡せば 空青々と 山紅く せせらぎ清し 抱返り谷(同上)

渓谷に 滝の景色は 付き物で 抱返りには 回顧(みかえり)の滝(同上)

横たわる 安山岩の 抱返り 石と連れ合う 木々もありけり(同上)

抱返り 桃源郷を 思わせる 巫女岩の側 人鍋を囲み(同上)

玉川の 流れの一部 抱返り 姿を変えて 流れゆくかな(同上)

堰堤の 白き流れの その他は 紅葉常緑 色や散るらん(同上)

紅葉の 盛りに走る 北上線 高原鉄道 錦秋湖かな(湯田町)

人工の 湖なれど 錦秋湖 その紅葉は その名の恥じず(同上)

抱返り 四季折々に 魅せられる 未だ見ぬ氷結 回顧(みかえり)ノ滝(抱返り渓谷)

気にかかる 回顧ノ滝の 滝の上 人目を避けて 登ってみるか(同上)

玉川は 八幡平を 源流に 神代湖にて 暫し休息す(同上)

根元ごと 倒れそうなる 木も哀れ 奥入瀬川の 自然の淘汰(奥入瀬渓流)

奥入瀬の 倒木見るも 自然なり 歩道の外は そのままにして(同上)

倒木が 対岸に渡る 丸太橋 渡る角には 奥入瀬の姥(同上)

台風に 破れて悲し 奥入瀬の 倒木に見る 命の生死(同上)

いつ来ても 思い興すは 十和田湖の ユースに燃えた 若き日の旅(十和田湖) LAKE

故郷に 自慢の種は 数あれど 見るなら十和田湖 登るは鳥海(同上)

人知れぬ 十和田湖名所 地高森 梯子を上り 休屋を見る(同上)

十和田湖や 恵比寿大黒 白浜に 目出度き小島 溶岩の島(同上)

岩上に 南租坊(なんそぼう)祀る 祠あり 自籠岩(じごもりいわ)に 往時を偲ぶ(同上)

十和田湖を 俯瞰すれば 遊覧船 青き湖面に 白き波立つ(同上)

十和田湖や 御倉半島 日暮崎 未だ見ぬ景気 数多ありけり(同上)

峠から 十和田湖全景 眺めれど 八甲田山の 見えぬは淋し(同上)

洞爺湖や 絵になる眺め 浮見堂 飛び遅れたる 白鳥数羽(洞爺湖)

洞爺湖を 終の棲家と 定めたか 初夏の岸辺を 白鳥が飛ぶ(同上)

十和田湖を 飛行機に乗り 眺めると 地図の如くに 微かに見える(十和田湖)

五色沼 裏磐梯の 景勝地 磐梯山を ボートで見上げ(裏磐梯五色沼)

遊覧船 恵比寿大黒 小島ゆく 白浜眺め 乙女像見る(十和田湖)

様々な 特色のある 湖沼群 裏磐梯の 魅力なるかな(裏磐梯)

十和田湖に 展望台は 数あれど 風雅に見える 紫明亭かな(十和田湖)

十和田湖や 遊覧船の 観光は 絶対不可欠 絶景見るには(同上)

十和田湖は 変化に富みし カルデア湖 中山御倉の 半島もあり(同上)

湖岸には 十和田ホテルの 赤い屋根 憧れ込めて 遠く眺めん(同上)

半島に 松の小島が 点在し 御前ヶ浜まで 船の楽しみ(同上)

赤壁と 白壁混じる 断崖は 御倉半島 西の奇観なり(同上)

よく見れば 御倉の山の 岩肌は 色異なりて 五色岩と呼ぶ(同上)

十和田湖の 姉妹船と すれ違う 秋たけなわの 賑わいを見る(同上)

十和田湖の 中湖の上の 展望台 半島望む 瞰湖台は良き(同上)

鴨ヶ崎 眺めるだけの 半島に 名前があるも 十和田湖かな(同上)

交差する ()()(くち)発と 休屋発 遊覧船が 日暮崎にて(同上)

(おい)()には 昔勤めた 宿ありし 毎日眺めた 景色懐かしく(同上)

おいでよと 言っても少なし 来客は 昔の賑わい 生出にはなく(同上)

生出から 中山半島 眺めれば 枝の間に 絵の如く入る(同上)

滝ノ沢 久々上る 峠には 十和田の紅葉 がっくりもせし(同上)

錦秋湖 岸辺の木々は 水没す 春に見られる ダムの特色(錦秋湖)

雄大な 秋の夕暮れ 日本海 小舟二叟が ()ぎに漂う(秋田市下浜) SEA

夕焼けにに 心も染まる 桂浜 春麗しき 眺めなりけり(秋田市桂浜)

誰もいぬ 海水浴場 桂浜 春の景色は 淋しき限り(同上)

われもゆく 芭蕉の跡の みちのくの 潮なき島の 象潟の海(象潟町)

外海の 奥松島の 景観は テトラポットに 釣り人が立つ(鳴瀬町)

松島や 日本屈指の 島の数 九十九島を はるかに凌ぎ(松島町)

政宗も 眺めた松島 観瀾亭 月出でたれば 絶句するなり(同上)

海峡の 映画を見ては 憧れた 竜飛岬の トンネル工事(三厩村)

志津川や 世界三大 漁場なり 漁港の船も 白く新し(志津川町)

伊豆の海 どこも絵になる 景勝地 天窓洞を 船より眺め(西伊豆町)

天然の ピラミットを見る 堂ヶ島 伊豆半島は 面白きなり(同上)

堂ヶ島 遊覧船の 景色には 驚くばかり 断崖小島(同上)

男岩 堂ヶ島にも 槍ヶ岳 見るが如くに 聳え立つなり(同上)

男岩 めぐり合わせか 女岩 船に乗らねば 見られぬ景色(同上)

面白き 丘もあるなり 銚子には 丸い地球を 丸く見るとは(銚子市)

東大は 入れなくても 犬吠埼(いぬぼうざき) 誰でも入り 上る灯台(同上)

太古から 聞こえてくるや 波の音 母なる海の 精の(みなもと)(同上)

唐津には 長崎にない 城がある 虹の松原 日本三大(唐津市)

絵に画いた 白砂青松 遠望す 唐津城より 虹の松原(同上)

佐世保から 西海橋に 立ち寄れば 煙突三本 天を衝くなり(佐世保市)

長崎や 港の上に 稲佐山 クラバー園の 至極の眺め(長崎市)

八戸の 名所と言えば 蕪島と 訪ねてみれば ウミネコもなく(八戸市)

三陸の 侍石の 海の上 白いフェリーが 北へと向う(久慈市)

やや白き 侍浜の 花崗岩 松の林に 色重なりて(同上)

兜岩(かぶといわ) 小松の祈願 叶うかな しおらしくある 小袖海岸(同上)

三陸の 北に位置する 小袖には 奇岩奇勝 数多目にする(同上)

夫婦岩 北限海女の 護り神 手を合わせつつ 拝み見るかな(同上)

松島の 福浦島の 赤い橋 雪も降らずに 渡る気持ち良さ(松島町)

松島や 陸の眺めは 四大観 大高森は その一つなり(同上)

須磨の海 自然景観 消失し 歌枕さえ 遠く霞て(神戸市)

雑賀崎(さいかざき) 歌枕から 漁師村 その後水軍 名を馳せるかな(和歌山市)

和歌山の 国際港へ 発展し 大型船も 出船入船(同上)

中能登の ヤセの断崖 哀れなる 自殺の名所と 聞くに及びて(志賀町)

義経の 伝説もある 景勝地 能登金剛に 断崖続き(同上)

幾重にも 岬が見える 能登の海 彼方に青し 外浦海岸(同上)

フェリーから 直江津港を 眺めると 薄ら浮かぶ 頸城(くびき)三山(上越市)

札幌で 日本庭園 眺め見る 秋の吹く 中島公園(札幌市) TRAVEL

作庭は 長岡安平 手掛けたる 昭和の名園 二千坪なり(中島公園日本庭園)

雪除けの 囲いはどうかと 思うかな 難しそうな 滝の石組み(同上)

近江より 八窓庵は 移築され 国の重文 二畳台目(同上)

遠州の 作ともされる 茶室にて 六度も移築 繰り返すかな(同上)

公園の 園路は広く 続くなり 北海道の 広さの如く(中島公園)

乙女らの 歓喜聞こゆる 泉の像 色鮮やかな 花に囲まれ(大通り公園)

札幌の シンボルならば 電波塔 誰しも上る 展望台かな(同上)

札幌や 時計台と 大通り 雪まつりもあり タワーもありて(同上)

大通り 馬車走り行く 風景も 白樺の中 絵の如く見る(同上)

喜多方に 古風な旅館 眺めると 空室尋ね 泊まりたきかな(喜多方市)

大和川 造り酒屋の 建物も 白壁土蔵 軒並べたり(同上)

なまこ壁 喜多方唯一 信金の 建物に見る 蔵の街かな(同上)

喜多方の 寺の造りも 土蔵なり 安勝寺の 本堂もまた(同上)

喜多方と 聞けばラーメン 探すかな 五月連休 満員御礼(同上)

会津路の 観光地とし 定着す 大内宿の 重伝建は(大内宿)

本陣や 百余年経て 復元す 戊辰の役で 失われたまま(同上)

みちのくの 奇跡と呼べる 宿場跡 そっくりそのまま 江戸が伝わる(同上)

若い頃 三園見たく 訪ねたり 偕楽園の 梅の盛りに(水戸偕楽園)

咲く梅は 実を結ぶから 植えしとか 花を楽しみ 実も楽しみ(同上)

偕楽園 (なり)(あき)公の 開園時 一万本が 今三千本(同上)

空襲で 好文亭は 焼失し 十三年後 再建されし(同上)

三階の 楽寿楼の 立て見る 梅の花雲 千波湖の波(同上)

三園を 比較するには 無理がある 偕楽園は 実益の庭(同上)

枝振りを 一本一本 眺めれば 早や日も暮れる 水戸偕楽園(同上)

水戸学の 歴史を見るや 城の側 水戸藩校の 弘道館に(水戸弘道館)

政庁に 藩士は教義 静聴す (のち)の成長 明治維新に(同上)

東京に 起居するうちは 訪ねんと 日曜ごとに めぐる花園(向島百花園)

鄙びたる 秘湯の宿は 賑いて 流行(はやり)冷めても 永遠なるか(鶴の湯温泉) HOT-SPRING1

贅沢に 厭きたる人が 湯浴みする 宿が変るも 面白きかな(同上)

行く月日 幾万人が 湯に憩い あの世この世と 暫し別れる(同上)

炉火と ランプの灯り 重なりて 頬赤みたる 湯上り美人(同上)

ふるさとや 今は懐かし 湯治場に 茅の雫の 静かなるかな(同上)

茅葺きの 湯治の宿に 腰巻の 赤やピンクの 色面白し(同上)

賽銭を 上げれば願い 叶うぞと 掌合わす 旅人もあり(同上)

変りゆく 時代の波は 届かざる 秘湯の宿の 秋の朝焼け(泥湯温泉)

晩秋の 泥湯は寂し ピューピューと 鳥も鳴かずに 冬の音聞く(同上)

湯の如し 荒れ野に歌の 湧く日あり 旅せぬ身の 熱きあこがれ(同上)

湯けむりは 谷間にたなびき 消えゆかん 消え行く中に 我れもまたあり(大沢温泉)

雪の中 秘湯の宿は 深々と 来る人もなく 湯けむりは立つ(孫六温泉)

想い出す スイスの山の 小屋の雪 ふるさとに見る 奥山の宿(同上)

舞う雪の 湯気に融けゆく 孫六の 宿に酒あり 友と楽しむ(黒湯温泉)

降る雪や 金精様も 雪化粧 何やら床し 湯烟の中(同上)

友来たり 秘湯をめぐり スキーする 湯水の如く 酒を飲むなり(同上)

湯に浸かり 酒も交えて 湯に浸る 風雅を知りし 友は嬉しく(同上)

湯に入りて 酒を飲みつつ 湯に入り また酒を飲む 孫六の宿(孫六温泉)

冬の夜に 湯に入り酒は 味わえる 空き腹に酒 静かに飲むべし(同上)

雪深し 白布の宿に 人の声 絶えることなく 湯もまた流れ(白布温泉)

茅葺きの 宿は重なる 三姉妹 中の娘を 贔屓するなり(同上)

微かなる 硫黄の匂い 肌に立つ 白布の湧き湯 冬盛りなり(同上)

良き湯あり 良き酒もあり 美女もいて 三百年の 茅葺きの宿(同上)

旅人は 詩歌に想い 残すなり 疲れて庵 結ぶものかな(同上)

湯の滝は 五臓六腑に 染みるほど 中屋のお湯は 心地良きかな(同上)

隠し湯や 芭蕉も知らぬ 湯の味も ひとり楽しむ 若きためらい(同上)

気に病んで 盃重ね 酔うほどに 中屋の美女は 気にかかりけり(同上)

茅葺きの 宿や恋しき 湯も恋し 恋しきものは みな美しく(同上)

夢はるか 燃える心の 湧く湯あり 白布の宿は 四季麗しく(同上)

楽しみは 木の温もりの 宿にいて ひとり静かに 物想う時(大沢温泉)

泥中(でいちゅう)に ()(がね)を得たる 心地して 出会い楽しき 旅のつれづれ(同上)

湯の華や 芭蕉の侘びは 湯に沈み 軽身は浮きし 昭和のいで湯(同上)

朝風呂の 朝には朝の 味があり 朝には新たな 色気が匂う(同上)

ふと思う 鉛の宿の 桜木に 行き交う命 流れる山河(鉛温泉)

旅の朝 海苔と玉子と 味噌汁と 朝風呂あれば それで満足(同上)

階段の 手すり垢に 手を触れて 旅を重ねる 人のともしび(同上)

豊沢の 川より深き 鉛の湯 立ち身に暑き お湯に幸あり(同上)

独り寝の 枕の側は 水の音 鉛の宿の 時を忘るな(同上)

庭園に 昔の栄え 偲びつつ ひとり静かに 歌を詠みける(強首温泉)

大木も 小木もなく 地に生きる 天地の高さ 天地の広さ(同上)

名を聞いて 訪ねて見れば トタン屋根 されど大きな 家に驚く(同上)

ふるさとの 小さな自然 愛してる 百年続く 人の流れも(同上)

まじまじと 天を仰ぎし 地主にも 届かぬ夢の その果てしなさ(同上)

どくどくと 谷に湧き出る 硫黄泉 魚も棲まぬ 山は賑わい(玉川温泉)

鄙びたる 谷間の宿に 湯浴みして あれこれ思う 浮世の哀れ(孫六温泉)

彼岸花 山の宿にも 秋の色 連れ合う花も また美しく(同上)

湯う湯うと 煙りただよう 山の宿 黒湯の夏の 夢のひととき(黒湯温泉)

山々は 豊かなりけり 湯に憩い 行くも泊るも ただ風まかせ(同上)

木の枝に 衣服をひっかけ 湯浴みする 値千金 川原毛湯滝(大湯滝) HOT-SPRING2

君と行く 秘湯の旅に 生きている 明日は滅ぶ 会社の前に(湯浜温泉)

憧れの 法師温泉 人盛る 泊まれぬ哀れ 行く者ぞ知る(法師温泉)

倒産し 吹く風淋し 秋田路を 離れ逃れて 法師に憩う(同上)

暮れる秋 池かと思う 露天風呂 宝の川に 憩う人々(宝川温泉)

また一軒 泊まってみたき 宿があり 心に停めて また引き返す(同上)

宿に来て 粋な計らい あればこそ 嬉し楽しき 宿と思える(稲住温泉)

平源(ひらげん)の 三階建ての 宿のよう 逞しくある 銀山の宿(銀山温泉)

最愛の 君を伴い ひと休み 能登屋の部屋は 日帰りの旅(同上)

過ぎゆけば ロッジの風呂は 開け放し 温泉ブームを 横に眺めん(水沢温泉)

友来て 思うは君の 事ばかり 君なきあとの 稲住の宿(稲住温泉)

夢は消え この浴槽に 君はなく 友と浴しつ 涙が浮かぶ(同上)

車止め 眺める宿は 鄙びたり 温湯温泉 時は止まれり(温湯温泉)

名も知れぬ 古き宿ほど 嬉しけり 木造三階 中嶋旅館(台温泉)

古風には 木の温もりが 相応しく 泊まる楽しみ 深まるばかり(同上)

名の知れた 花巻温泉 無視をして その奥にある 台温泉へ(同上)

気心の 知れた友らと 酒を飲み 美女と語らう 一時の宿(同上)

格式の 中身を訪ね 飛び込めば 高く止るは 気位ばかり(東山温泉)

是が非でも 泊まってみたい 宿を見る 桂月ゆかりの 蔦温泉を(蔦温泉)

ハイキング それが温泉 握り飯 クラブのママと 友と娘と(温湯温泉)

色々と 調べ尽くして 泊まる宿 伊達家ゆかりの 青根温泉(青根温泉)

ずっすりと 立つは御殿が 樅の木か 青根の宿に 雪は降りけり(同上)

亡き友の 妻を慰め 行く春は 近寄り難く 離れ難き(えん)(飯坂温泉)

ふと見れば 一期一会の 額があり 友の出会い それに尽きたり(同上)

若葉ふく 会津の里の 温泉を 友に変りて 旅をもしたり(横向温泉)

よく見れば 上には上が あるようだ 丹波旅館の 三階の屋根(赤湯温泉)

夢のない 若者もあり 旅の宿 温泉ブームの 赤湯温泉(同上)

谷間には 温泉があり 宿がある 水は流れて 時も過ぎゆく(湯之倉温泉)

川原に 温泉湧いて 湯浴みする 秘境の旅は 山のまた山(同上)

古き宿 淡き思い出 消えてゆく 未来に何が あると言うのか(大鰐温泉)

一人来て 二人で泊まる 古き宿 大鰐温泉 後藤旅館(同上)

山海の 珍味などより 美味なるは (がん)(なべ)と言う 美女の柔肌(同上)

宮様が 泊まった部屋に 我れも寝る 偉くもないが 我れも旅人(同上)

滅びゆく 木造旅館 愛おしみ 旅から旅へ 安らぐ心(同上)

友と共 古き思い出 訪ねれば 昔ながらの 大滝温泉(大滝温泉)

東根の 湯上りに飲む 酒は良し 共に寛ぐ 友あればこそ(東根温泉)

泊まりたい 宿ぱかりある みちのくの 瀬見の時雨も 雪積もる日も(瀬見温泉)

願わくば 世俗の事を 気に止めず 長居したきは 湯治場の宿(鉛温泉)

ばあちゃんと 甥子二人と 泊まる宿 そんな日もある 旅の色々(志戸平温泉)

来た数を 数えることが 空しいな 予約もできぬ 玉川温泉(玉川温泉)

糞尿の 香りも宿の 鄙びかな 顔をしかめつ 黒湯に泊まる(黒湯温泉)

この場所に 立ってた君を 思い出す 楽しきまま 残る微笑み(同上)

黒湯には 黒湯の味あり 孫六は 孫六の味あり 行ったり来たり(同上)

様々な 一夜過ごした 孫六は 心に残る 宿となりけり(孫六温泉)

横手では 最後の一校 南小は 木造校舎 風前の灯よ(南小学校) SCHOOL

ふるさとの 緑の屋根の 校舎には 小学生の 思い出多く(浅舞小学校)

中庭は 六年生に 絵に画いて 金賞もらった 思い出ありき(同上)

正堂は 風土記の丘に 移築され 保存を重ね 国の重文(旧学習院初等科正堂)

建物は 和様折衷 平屋建て 学習院の 正堂慎まし(同上)

関東に 日本最古の 学校が あると訪ねた 足利学校(足利学校)

藩校に 必ずあるや 孔子廟 孔子の教え 学びの始め(同上)

楼閣と ベランダ備えた 洋館は 典型的な 学校建屋(旧水海道小学校)

移築した 小学校の 講堂は 記念館になり 県の宝物(旧八戸小学校)

樅の木や 百余年過ぎ 洋風の 校舎の屋根を 超えて伸びたり(旧院内尋常小学校)

平鹿町 三校あった 中学校 統合されて 一校となる(浅舞中学校)

母校には 楽しき思い 今はなく 校舎と共に 消えてゆくかな(同上)

グランドは 中途半端な レイアウト 野球のボール 砲丸と並び(同上)

テニスした 思い出なくも 懐かしむ あの子この子の 微笑む姿(同上)

醍醐中 築十六年 早すぎる 唐突なるか 三校併合(醍醐中学校)

交流が 殆どなくて 踏み入らぬ 学区の壁の 厚さと歴史(同上)

吉田中 町長の息子 設計し 議長の息子 工事請負う(吉田中学校)

赤色の 屋根と柱の 校舎では 鉄棒支柱 また赤くあり(同上)

神戸には 和風建築 似合わない 小学校は ロマネスクなり(本庄小学校)

四階は 中途半端な 高さなり エレベーターが 無い校舎あり(同上)

仏教の 大学に残る 本館は 擬似洋館の 折衷建築(龍谷大学大宮本館)

同志社は レンガ建築 多くあり その五棟は 重文と聞く(同志社大学)

開校は 新島襄の 英学校 教師二人に 生徒八人と(同上)

礼拝堂 日本最古の チャペルとか 尖がり屋根の ゴシック建築(同上)

京都では 南蛮寺絶え チャペル消え 二百余年後 蘇るかな(同上)

創始者が 教祖の如く 私立大 慶応諭吉に 同志社襄か(同上)

同志社や 百二十年 レンガ色 彰栄館の 二階も塔も(同上)

長浜に 明治の学校 残るなり 八角櫓の 木造三階(旧開知学校)

現役の 高校とも 思えない 木造平屋の 和洋折衷(上野高等学校)

境内は 幼児の遊ぶ 保育所に 江戸の寺子屋 法界寺見ん(法界寺保育所)

惜別の 歌を聞くなり 小諸にて 藤村ゆかりの 義塾記念館(小諸義塾)

坂下(さかのした) 東海道の 宿場町 木造校舎 歴史を語る(旧坂下尋常高等小学校)

田原にて 洒落た建物 見かけては 写真に収め 学校と知る(田原福祉専門学校)

明治期の 警察庁舎 移築して 大正初期の 幼稚園とか(丈生幼稚園)

開拓の 歴史を学ぶ 遺構かな 十和田山中 田代分校(旧鹿角市立田代分校)

城跡に 城郭の如く 小学校 廃校となり 保存するとか(鳥羽小学校)

旧校舎 昭和初年の 建築で 鉄筋三階は 登録文化財(同上)

黒壁は 痛々しくも 寂れるも 八十年の 潮風に耐え(同上)

設備屋や 三十余年の 初仕事 仙道小の 校舎なりけり(仙道小学校)

旧校舎 資料館となり 存続し 出土遺物 展示するかな(旧大山小学校)

懐かしき 木造校舎の 廊下には 忘れかけてた 雑巾がけが(同上)

北上の 展望台は 男山 暫し訪ねて 夕陽を眺む(男山展望台) CLOUD&SUN

太陽に 大日真言 唱えつつ 心重ねる 天照の神(横手自宅付近)

ふるさとの 夕焼け空に 思うこと 赤い空より 黄金の空(浅舞附近)

男山 展望台で 見る夏油 谷間に消える 夏の夕暮れ(男山展望台)

田畑も 紅く染まるや 夕焼けに 焼却場の 煙りはなびき(横手スキー場)

雲と雲 その(はざま)には 山並みが 棚引いている 札幌の空(藻岩山)

保呂羽山 横手盆地の 霊山も 初夏の夕日に 染まりゆくかな(横手郊外)

夕日には 信号機の 青と赤 色添えるなり 筑波山麓(筑波山附近)

盛岡に 向う道路の 朝光り 身が引き締まる 湯田街道は(湯田高原)

珍景や 夏油三山 雲の幕 二つに分けて カーテンに似し(和賀町後藤野)

満月を 眺めながらに 家路行く 湯田街道の 秋の夕暮れ(湯田高原)

絶句する 初めて眺む 鳥海の 全面染まる 夕焼けの空(鳥海山遠望)

四層に 重なる雲も 奇観なり 関川に見る 旅の連れ連れ(関川村)

沈むほど 紅くなり行く 夕日かな 能登の千里浜 日本の宝(能登千里浜)

浜名湖に 沈む夕日 眺めつつ 湯に癒される 舘山寺かな(浜名湖)

憧れの 佐渡の夕暮れ 眺めつつ 露天風呂にて 酒を飲むなり(佐渡相川)

金沢の 百万石に 夕日さす 利家まつも 知らぬ街並み(金沢卯辰山)

ふと見れば 帰路には月が 現れて 夕日に変り 照らしけるかな(能美市辰口)

(うつつ) 愛しき人は 腕の中 想いは燃ゆる 一夜の絆(シャレード) GIRL&WOMAN1

湯煙に 幽かに見ゆる 襟足は ()()なるかな 淡き憧れ(同上)

川反の 夜や恋しく 飲むときも 秋田美人の 訛り艶やかに(同上)

微笑みを 残して我れに さよならと 言われて辛し 君への想い(同上)

静かなる 君らの想い 我れ知らず 知ることもなく 歳は更けゆく(同上)

何となく 入りて楽しき この店に 懐かしき() 突然現れ(スナック未来(みき))

瑠璃の珠 恋しき情も 紙一重 寄らず離れず 想うものかな(ブルスター)

酔いしれて 楽しく想う 夜もあり 六つの瞳 輝けるとき(みちのく芸能祭り)

熱からず 冷やかからず 胸中に 我れを誘う 魅雪の匂い(33歳歳祝い)

妹よ ただそれだけの 絆かな されども願うは 幸せばかり(浅舞実家)

わが友女(とも)に 淡き想い 抱きつつ 再び交わす 友の喜び(十和田YH)

(さち)あれと 祈りは止まず わが友の 想いを交わす いざさようなら(同上)

鳥海を 眺めて生きる 命なら 望みて悲し 欲の数々(大沢温泉)

秋刀魚焼き 玉葱切りて 涙する 涙伝われ 愛しき(ひと)に(花巻清水寺)

旅をして 心は弾む 夢現 旅を楽しむ 体あるなら(山猫軒)

縁ありて 不意に旅ゆき 訪う宿に 七百年の 熱泉ありて(白布温泉)

映画見て 海に誘い ひとときを 過せし人も 嫁ぐ人となり(桂浜海岸)

同僚を モデルにと誘い 海に来て 写してみれば ただ青い空(同上)

潮風に 乱れる髪を かき分けて 夕陽に映える 彼女美し(同上)

はち切れる 若さも恋し 夏の()の 跳ねたる娘 すれ違いゆく(青森ねぶた祭り)

旅ゆかば 祭りの夜は 羽目はずし 乱れるままに 朝まで飲んで(同上)

ホロ酔いて 面白半分 撮りまくる 女はすべて 美人に見ゆる(竿燈生ビール祭り)

色々と 考えてみて 写しても 心なければ ただ空しかり(ページワン)

清らかな 水の流れに 溶けあいて 野に澄みわたれ わが妹よ(東成瀬村赤滝)

初恋は 遠くにありて 憧れる 君が小さく 見ゆる時まで(33歳おはたし会)

思い出や 高嶺の花は 摘み取らじ 心に咲かせ 三十路の記念(かたみ)(同上)

しみじみと 君の写真 眺めつつ 憧れ募る 夜は楽しき(黒湯温泉)

仄々と 男ごころを 熱くする 触ればうほどの 距離に寛ぎ(孫六温泉)

人垣を 二人手を取り 睦ましく 祭り囃子に 吸い込まれゆく(角館秋祭り)

緊張感 解れた頃に 色気あり 乱れる前の 君美しく(同上)

さりげなく 君の瞳は うつろんで 涼しきままに 秋祭り見ん(同上)

ままならぬ 恋に我が身は 燃えながら 滅びゆくとも 悔いと思わず(鳥海高原花立)

コスモスの 花咲き誇る 鳥海に 我が花咲けや 愛の山小屋(同上)

愛すれば 神も仏も 無かりけり 女は心の 光りとぞ思う(横手自宅)

花ならば 今盛りなる わが恋の 熱き想いに 雪は降りけり(角館百穂苑)

いつまでも 恋しく思う 女あり その名は嶺湖 その名は玲子(同上)

わが胸に すべてを許し 甘えたる 嶺湖可愛いや キスを重ねる(稲住温泉)

ひしひしと 背中に愛を 感じつつ 胸には性の 欲ぞ湧き立つ(同上)

向かい合い 舌鼓打ち 語り合う 火燵の中に 幸せもあり(同上)

温泉を 巡れば愛の 湯は湧きて 共に浴せば 恵みも深し(銀山温泉)

時行きて 昔なつかし 木の匂い 湯の華香る 銀山の宿(同上)

喜びが 悲しみとなる 夜もあり 君を恋した 月日の重み(横手自宅)

愛しつつ 別れた人を 思う時 男は仕事 まずそれありき(蔵王スキー場)

恋もまた 行方定めぬ 旅ならば 別れて出会う それも風まかせ(鳴海沢山荘)

色男 我もわれもと 押しかける 仲間外れの 歌詠み一人(ヴィクトリー)

花よりも 美しくあれ ひろみさん 傷つき生きた 過去を忘れて(同上)

髪の毛を ()かしてやれば いいものを 気づかずシャッター あとのまつりか(同上)

酒を飲み カラオケ唄う 娘かな 大和(やまと)撫子(なでしこ) 遥か彼方に(仙台出向時代) GIRL&WOMAN2

戯れに カメラ片手に ビクトリー 酔っては撮れぬ 娘ごころは(同上)

身を寄せる スナックもあり 北上に 眺めるだけの 親子丼(同上)

マンションで マッサージ嬢を ワンショット 花は繚乱 東京暮らし(江東区東陽町)

大鰐の (かん)(なべ)と言う 隠語には 酌婦と一夜 過ごす意味あり(大鰐温泉)

赤線が 消えて久しき 大鰐に 微かに灯る 遊郭の宿(同上)

気取らない その性格が 胸を打つ 君より他に 見る花はなし(田沢湖)

わが恋は (すべか)らくみな 成らぬ恋 それでも恋す これが最後と(角館松本家)

君は今 磨けば光る 玉なれど 磨いてやれぬ 時ぞ惜しまる(十和田湖)

新しき 愛に向いて 背伸びする ふられふられて 浮きつく果ては(蔦沼)

幸せは 顔の皺より 勝る日を 待っているのか その不幸せ(同上)

花は花 色づくみもじ 忘れ得ぬ 秋の出会いを 何とするべき(奥入瀬)

青春の 思い出の上に 君は立ち 語り尽くせぬ 十和田湖の日々(十和田湖)

お互いに 色褪せてゆく 生活苦 昔話の 花は枯れたり(稲住温泉)

好きなのか 嫌いなのかは 分からない 君の心の 男とおんな(同上)

好きならば 素直に君が 抱けるのに 身勝手過ぎる 君への想い(同上)

性欲と 愛とは別の 世界かな 一人暮らした 月日がすべて(同上)

花巻に 友の奥方 案内し 秘湯をめぐる 旅もありけり(花巻郊外)

被写体に 女性を写す 鳴子峡 人の撮影 珍しきこと(鳴子峡)

友の妻 その友達も 同じ歳 思い出刻む 吹上温泉(吹上温泉)

近頃は 温泉好きの 旧友と 愛する宿を 訪ねてみたり(ふけの湯温泉)

京に来て 舞妓に出会い 幸運と 思いながらも 三年坂へ(京都高台寺附近)

横手では 帰宅するたび 顔出した ルージュの店の 母と娘に(ルージュ)

久々に 高徳院の ママさんと お参りしたり 恐山の嶺(釜臥山)

会津駒 山オバンらが 山頂で リュックの色の 花咲かせたり(会津駒ヶ岳)

美女二人 現場事務所に 居合わせて 短期なれど 居心地が良く(伊勢崎現場事務所)

啄木の 生れ故郷(こきょう)の 渋民を 訪ねて嬉し 学校もあり(旧渋民小学校) HISTORIC-SPOT0

斎藤家 代教時代の 寄宿先 当時のままの 茅葺きの家(旧斉藤家住宅)

生誕の ふるさとの土 捨て難し 社の木々は 今変わらず(浅舞八幡神社)

天鷺や 新たな名所と 聞き及び 参拝したり 天鷺神社(亀田天鷺神社)

芭蕉塚 芭蕉も寄らぬ 場所なのに 不可解なりし 天鷺神社(同上)

茅葺きの 武家屋敷など 復元し 伝承園の 工事進むかな(亀田伝承園)

茅探し それも難儀な 時代にて 茅葺き職人 少なくもなり(同上)

古風なる 旅館もありき 亀田かな 小藩なるも さすが城下町(丸半旅館)

本荘には 新山神社 明媚なる 見晴らしの良き 小山に建ちて(新山神社)

地図になき 神社もあり 村崎野 現場近くで 意外な発見(北上白鳥神社)

いつまでも 下の畑に 居る賢治 チョークの文字の 時間の停止(宮沢賢治詩碑)

同心は 桃山時代の 侍と 聞くと新たな 歴史見るかな(花巻同心屋敷)

茅葺きの 同心屋敷は コの字型 東北では 珍しき家(花巻なごりの松)

一里塚 奥州街道の なごり松 随所に残る 江戸の面影(同上)

萱の花 青い松並 断片を 残せ言いし 賢治の言葉(同上)

街道に ポツンと残る 一里塚 思わず感動 予期せぬ史跡(成田一里塚)

塚の上 歴史を語る 大ケヤキ 成田に残る 一里塚かな(同上)

石碑には 光太郎の詩 刻むなり この地で詠んだ 雪白く()めり(高村光太郎山荘)

清水にも 智恵子の名あり 山荘に 七年半の 暮らしを見入る(同上)

原文を 約四倍に 拡大し 光太郎の詩 永久に忘れず(同上)

山荘に 立派な套屋(とうおく) かけられて 往時の小屋を 偲ぶもできず(同上)

戦争に 加担をしたと 反省し 七年蟄居(ちっきょ)の 光太郎かな(同上)

廃校も 資料館として 蘇る 光太郎の 記念館も兼ね(山口民俗資料館)

そり形の 消火ポンプは 珍しく 写真に残し 記憶するなり(同上)

開創は 平安初期と 書いてある 清水寺(きよみずでら)は 花巻にもあり(花巻清水寺)

坂上(さかのうえ)の 田村(たむら)麻呂(まろ)の 開基とか 京都播磨と 日本三清水(同上)

山門は 昭和二年の 築と聞く 楼門造りに 仁王を祀り(同上)

中興は 慈覚大師と 伝えられ 清水寺は 天台の寺(同上)

観音堂 文化十年の 建築で 宝形造りに 十一の顔(同上)

遠くから 天守が見えて 来て観れば 城跡に建つ 公民館なり(岩崎城跡)

珍しき 中門造りの 茅葺きは 江釣子村の 旧及川家(江釣子古墳公園)

竪穴の 住居復元 見る度に 縄文人の クレームを聞く(同上)

みちのくの 辺境地にも 古墳あり 驚くばかりの その古墳群(同上)

円墳の 石を並べた 石室の 副葬品は 数多あるとか(同上)

古墳群 百二十基余 あるとかや 北東北で 最大規模とも(同上)

墳丘の 断面状態 展示して 分かり易く 有難きかな(同上)

男根を 彷彿とさす 自然石 神と崇める 男山かな(男山展望台)

極楽寺 平安初期の 大寺院 その廃寺跡は 国の史跡に(北上極楽寺)

北上の 展望台は 男山 その象徴が 安らぎの塔(男山展望台) HISTORIC-SPOT1

みちのくの 南部と伊達の 国境 民俗村の 御番所かな(みちのく民俗村)

菅野家は 口内(くちない)よりの 移築とか 肝煎(きもいり)の家 国の重文(同上)

(わら)()きの 竪穴住居 復元す 平安時代の 庶民の家を(同上)

草創は 慈覚大師の 中尊寺 開基は清衡 平安楽土(平泉中尊寺)

門前に 奥の細道 展とあり 積善院は 塔頭の茶屋(同上)

東北の 天台宗の 中尊寺 大本山の 風格もあり(同上)

本堂は 明治末期の 築と言う 入母屋造りの 大伽藍なり(同上)

塔頭は 十七ヶ院 中尊寺 塔建築の 無きが淋しき(同上)

覆堂(さやどう)は 重文となりて 建ちてあり 芭蕉も眺め 我れもまた見ん(同上)

覆堂は 鎌倉幕府が 建てしとか 藤原文化 滅ぼせしのち(同上)

安堵する 白山神社に 垣根なく 神仏分離 中尊寺になし(同上)

能舞台 江戸末期の 建築で 入母屋造り 国の重文(同上)

境内は 周囲五キロと 広大で 東京ドームの 三倍もあり(同上)

草創は 慈覚大師の 毛越寺 開基は基衡 (わが)(ちょう)無双(平泉毛越寺)

石塔の 露盤宝珠は 哀れなり 元の御堂に 戻れぬ(さま)に(同上)

開山堂 大正末期の 再建で 校倉(あぜくら)造り 円仁(えんにん)祀る(同上)

常行堂 江戸中期の 再建で 宝形造り 茅葺きの屋根(同上)

本堂は 明治末期の 再建で 入母屋造り 薬師如来仏(同上)

庭園は 特別名勝 毛越寺 平安浄土 日本一かな(同上)

庭園は 大泉ヶ池(おおいずみがいけ) 中心に 州浜荒磯 中島出島(同上)

西光寺 平安初期の 開創で 坂上(さかのうえ)の 田村麻呂と聞く(平泉西光寺)

境内に (たっ)谷窟(こくのいわや) 名所あり 舞台造りの 毘沙門堂建つ(同上)

五代目の 毘沙門堂の 建築は 昭和中期と 再建と言う(同上)

風化され 八間あまりの 石仏は 山の緑に 顔のみ残し(同上)

源平の (のち)に起こりし 粛清も 世の常なれど 涙は消えず(平泉高館)

江戸時代 花巻城は 南部氏の 二万石の 支城と聞きし(花巻城跡)

明治から 花巻城の 城門は 移築を重ね ()()(がさき)神社へ(鳥谷崎神社)

稲荷(いなり)(しん) 八幡(はちまん)(しん)と 明神(みょうじん)を 合祀して建つ 鳥石崎神社(同上)

創建が 平安初期の 古社もあり 花巻市街 胡四(こし)(おう)神社(胡四王神社)

城跡に 祀られし神社 数多あり 八幡神社も 一社なりしか(飛勢城跡)

拝殿の 奥に本殿 建ち並ぶ 八幡神社は 意外と広く(同上)

参道に 遥かに続く 松並木 二十ヘクタール 福泉寺かな(遠野福泉寺)

新しき 真言の鐘 響くかな 遠野駒木の 山里の中(同上)

創建は 大正元年 福泉寺 七十余年で 七堂伽藍が(同上)

三輪神社 その創建は 奈良時代 雄勝城と 重なる時代(三輪神社) HISTORIC-SPOT2

本殿は 室町時代の 建築で 流造(ながれづく)りは 国の重文(同上)

鐘楼に 鐘なきままの 三輪神社 戦時の折に 供出したか(同上)

須賀神社 三輪神社の 摂社にて スサノオ祀る 祇園信仰(同上)

秋田には 重文民家 数多あり 鈴木家住宅 その一つなり(鈴木家住宅)

鈴木家は 義経家臣で 土着せし 東北地区の 総本家とか(同上)

江戸期には 肝煎(きもいり)務めし 家柄で 四十四代 数えると聞く(同上)

築年は 江戸前期の 頃とされ 中門造りの 規模も大きく(同上)

土蔵には 家宝を並べ 展示せし 重き歴史 山村に見る(同上)

現在も 住居でもある 主屋には 囲炉裏に鍋が 釣るされたまま(同上)

屋根裏の 縄と茅など 新しく 約二年前 修復せしと(同上)

床の間の 掛軸見ると 法華経 義経ゆかりの 天台の教え(同上)

極楽寺 二度目の参拝 天気よく 廃寺跡など 調べてみたり(北上極楽寺)

北上で 二層塔拝む 極楽寺 真言宗の シンボルタワー(同上)

この石碑は 農学校の 校歌なり 宮沢賢治の 作詞と()され(羅須地人協会)

眺めるは 賢治の別宅 私塾跡 楼閣造り ()()()(じん)協会(同上)

約二年 賢治の私塾 閉鎖され 夢も(つい)えし 理想の学び()(同上)

金持ちに 生まれし賢治 羨まし 才能よりも 生活環境(同上)

花巻の 観音山に 御堂あり 平安初期の 馬頭観音(花巻円万寺)

着色の 修行大師像 珍しく 驚き拝む 湯上りの折(阿弥陀ぐら)

阿弥陀ぐら 百姓一揆に 住職が 仏像隠した 洞窟と言う(同上)

長たらしい 社名を戻し 大日堂 黄金仮面の ()(がく)は重文(大日霊貴神社)

酒田(みなと) 北前船の 繁栄地 山居(さんきょ)倉庫に 残る面影(酒田山居倉庫)

伊藤家は 美酒爛漫の 創業家 切妻屋根の 歴史の重み(湯沢伊藤家住宅)

伊藤家の 主屋の奥に 大倉庫 百年近く 天高くあり(同上)

両関は 明治七年の 創業で 主屋と蔵が 五棟も連なる(湯沢両関本舗)

酒処 両関爛漫 双璧で 同じ伊藤家 競いて百年(同上)

水沢は 偉人を多く 輩出し 後藤新平 生家残りし(後藤新平旧宅)

寅さんの 映画ロケ地 帝釈天 多くの人が 訪ねて来たり(柴又帝釈天)

(だい)(きょう)() 伽藍彫刻 眺めると 娘三人 被写体となる(同上)

黒服の 旅行学生 群れて行く 隆盛像の 上野公園(上野公園西郷隆盛像附近)

広大な 境内没収 寛永寺 ポツンと残る 観音堂が(清水観音堂)

高虎の 屋敷に創建 東照宮 今の拝殿 家光再建(上野東照宮) HISTORIC-SPOT3

煌びやか 東照宮の 社殿なり (げん)()二年の 建築と聞く(同上)

拝殿と 幣殿本殿 三殿は 権現造り 国の重文(同上)

神社から 五重塔は 離されて 寛永寺経て 都の所有とか(上野公園五重塔)

露天にて 絵画を売りし 上野かな 外人女性の 日本は如何に(上野公園)

東漸寺(とうぜんじ) 浄土宗の 檀林で 盛時は二十の 堂宇ありしと(松戸東漸寺)

本堂に 三百余年 寄り添える 枝垂れ桜に 鶴亀の松(同上)

立ち止まる 水戸街道の ()(がね)宿(しゅく) ポンと残る 旅籠玉屋に(水戸街道)

浅草の シンボルと言えば 雷門 赤い提灯 仁王立像(浅草寺)

大きさに 唖然としたり 仁王門 七堂伽藍の 一つなりしか(同上)

重層の 宝蔵門の 再建は 鉄筋C造 昭和中期と(同上)

大草鞋 履く人あれば 身長は 八十尺と 六階のビル(同上)

浅草寺 飛鳥時代の 創建で 聖観音を 本尊とする(同上)

江戸村が 脳裏に浮かぶ 商店街 古道具屋で 鞄を求む(同上)

本坊の 伝法院は 非公開 名勝庭園 鑑賞できず(同上)

(せん)(そう)() 神社の呼び名 あさくさで 分離戦争 未だに続く(同上)

創建は 元禄時代の 学問所 湯島聖堂 史跡を復元(湯島聖堂)

聖堂や 儒教と聞けば 宗教と 思うけれども 色合い薄く(同上)

天神や 合格祈願の 札ばかり 菅公服から お守り製造(湯島天満宮)

東大の 安田講堂は 賊の跡 学生運動 覚醒運動(東京大学本郷本校)

講堂は 大正末期の 建築で 六十年の シンボルタワー(同上)

旧奈良屋家 江戸中期の 豪農で 中門造り 国の重文(旧奈良家住宅)

中庭は 江戸の後期に 訪れた 菅江真澄も 眺めけるかな(同上)

今にでも 丁髷(ちょんまげ)姿(すがた)の 当主らが 現れそうな 居間の雰囲気(同上)

今もなお 囲炉裏に火が 灯りたり 当主なくても 家は保たれ(同上)

石垣に 茅葺き屋根の 民家見る 遠野の里の 千葉家住宅(遠野千葉家住宅)

曲り家は 天保飢饉の 救済で 千葉家当主が 建てたと言いし(同上)

遠野では 最も古く 立派なり 南部曲り家 千葉家住宅(同上) HISTORIC-SPOT4

軒下に 寺院の如し 鐘一つ 見晴らしの良き 高台にあり(同上)

豪農は 一つの企業 共同体 二十五名も 暮らせしと言う(同上)

馬屋には 二十頭もの 馬ありと 聞いて驚く その広さかな(同上)

様々に 手に職もちし 人もまた 暮らしたのかな 大工小屋あり(同上)

土蔵には 黄土の漆喰 なまこ壁 更なる奥に 石積みの蔵(同上)

板倉の レールは何かと 気にかかる トロッコもなき 伝承園に(遠野伝承園)

遠野には 伝承園の その他に 水光園や ふるさと村も(同上)

水車小屋 古き日本の 原風景 水光園に 眺め見るかな(遠野水光園)

遠野にて 曲り家見ると 思い出す 柳田国男の 遠野物語(同上)

雪深さ 米沢に来て 見る景色 大豪邸の 屋根の上にも(米沢市内)

惣門の 二本の杉や 仁王なり 奥州水沢 (しょう)(ぼう)()かな(水沢正法寺)

正法寺 (こく)(せき)()の 奥ノ院 その開創 室町時代(同上)

本堂は 禅宗の言う 法堂(はっとう)で 江戸の再建 茅葺き造り(同上)

本尊は 如意輪観音 正法寺 曹洞宗に 珍しきかな(同上)

国宝に 成る日も近し 本堂か 茅葺き屋根は 日本一なり(同上)

日新館 明治中期の 洋館で アメリカ人の 寄宿舎と聞く(旧日新館)

移築して 豪農の家 残されし 民俗村は 貴重に思う(みちのく民俗村)

星川家 矢巾の郷の 在りしとか 江戸は末期の 南部曲り家(同上)

花咲かせ 赤き実をなし 葉は染まり 雪を装う 桜楽しき(同上)

矢島にも 鳥海信仰 在りしこと 慎み知るなり 木境(きざかい)神社(木境大物忌神社)

人知れず 風流思う 小屋ありき 横手郊外 鳴海沢荘(鳴海沢荘)

焼きたての 岩魚の匂い 香ばしく 今は安らぐ 昔の関所(碇ヶ関関所)

人も居ぬ 日新館に 来る度に 何かイベント あればと思う(旧日新館)

観音を 参る人なく 日は過ぎて 横手の霊地 哀れに拝む(滝沢観音)

角館 以外と早い 初雪に 尻込みしたり 武家屋敷かな(岩崎家住宅)

開創は 平安中期の 善宝寺 五重塔に (かい)(ばみ)の池(善宝寺)

善宝寺 龍王殿が 奥ノ院 八棟造りの 特異な外観(同上)

山門は 重層屋根の 楼門で 毘沙門天と 韋駄天祀る(同上)

神門に 草鞋と下駄の 奉納は 珍しきかな 横手の神社(旭岡山神社)

神仏に 自然の姿 求めれば 火に降る雨か 雪に輝る日か(同上) HISTORIC-SPOT5

ありがたさ ふと込み上がる 幸せよ 自然の中に 今日も生かされ(同上)

落葉ふみ 上る石段は 淋しかり 来世に続く 道と思わば(同上)

旅すれば 人の様々 身にしみる 何かなにかと 思うみちのく(芭蕉清風資料館)

ふるさとに 自慢の種は 尽きぬとも 過去を知らない 旅の淋しさ(古四王神社)

田園に ポツンと社 残りゆく 残さんとする 信心あれば(同上)

何のため 生きているのか 分からない 迷う心に 神は無言なり(同上)

あこがれを 遠く重ねる 小町塚 昔も今も 美人ありしも(小町塚)

繰り返す 人の情けの 浅はかさ 美人は永久に 帰らぬものを(同上)

盆栽を 田んぼの海に 見る如し 古き小島の 象潟の松(九十九島)

息を張り 芭蕉の旅を 訪ねても 香る若葉に 消ゆる思い出(三崎海岸)

磯伝う 恋の思い出 遠のいて 眺めるままの 象潟の海(同上)

小径には 過去をふりむく ゆとりあり 歩く旅路の 春のあけぼの(同上)

見上げれば 過去も未来も なかりけり ふと生まれたる この命にも(金峰神社)

花咲けば きらめく夢も うつつなり 咲かざる花も 花と思えば(同上)

移りゆく 時代の波の 間にも 自然の香る 住まいもありし(みちのく民俗村)

滅びゆく 古き良き日の 屑屋にも 新たな春の めぐる喜び(同上)

ツツジ咲き いよいよ春は 高まって ウキウキしたり 旅を思えば(横手公園)

時を行く 人は旅人 走馬灯 待つ人遠し 春は眠くなり(碧祥寺)

山村に 昔ながらの 寺の屋根 檀家減りしも 聳えんとする(同上)

蛇の崎の 赤い鐘楼 水の音 幼き日々の 美への思い出(横手観音寺)

人知らぬ 奥羽の山の 寒村に 古代を偲ぶ 足跡ありて(湯出野遺跡)

道開け 羽後と羽前の 距離はなく 日帰りしたり 栗駒()(とう)(仙台藩寒湯番所跡)

人はみな 過ぎた昔に 思い馳せ 進むべき道 探らんとす(尿前の関跡)

芭翁の 旅の姿は 見えぬとも 心に匂う 封人の家(旧有路家住宅)

芭翁を 知る友誘い 旅すれば 飲むも語るも 奥の細道(同上)

古来より みちのく(びと)に 崇められ 今日におわすは 塩竈神社(塩竈神社)

夏草や 枯れても残る 八百年 和泉が三郎 灯に名があり(同上)

社には 派手さがあって 雅なる 地味ばかりでは 陽は輝かず(同上)

塩竈や 魚臭さは 今はなく 小学生の 遠足遠し(同上)

石段を 上りつめては 感動す 二百二滴の 汗の楼門(同上)

観るほどに 人の心を 釘付けに 巧み重なる 瑞巌寺かな(瑞巌寺)

松島を 眺めるために 建つ堂宇 大和心は 風雅なりけり(観瀾亭)

松島に 心奪われ 住みついた 古人の夢が めぐる雄島(雲居禅師旧跡)

面白き 飾り物見て 笑いたり 金精様を 吊るしているとは(鶴井筒)

チベットの 香りさみしき ショーケース 物を愛する 心離れて(同上)

本来は あるべき所に ある宝 金がここまで 運んで来たか(同上) HISTORIC-SPOT6

平凡な お寺の中に 踏み入れぱ 啄木一色 桜咲くなり(渋民宝徳寺)

石投げて 追放をした 啄木に 手のひら返す 渋民の今(旧渋民小学校)

大家が 小家となるが 常の世に 残りし家は みな価値高く(斜陽館)

秀でたる 庭は衰え あせるとも 移り変るが 樹木の姿(同上)

泊まるなら 石と鉄との ホテルより 木と土との 旅館がよろし(旅館西沢)

本堂に 狛犬あるも 面白き 神仏分離 無視した寺も(水沢黒石寺)

京都なら 客は切りなし 黒石寺 住持みずから 落葉を拾う(同上)

来て観れば 心驚く ことばかり 茅葺き屋根が 山の如くあり(水沢正法寺)

大寺を 支えた檀家 今はなく 日々哀れなる 雨漏りの跡(同上)

惣門を 同じアングルで 撮影す 気になる眺め 今日も同じく(同上)

老い木のみ 街道の姿 残すかな 芭蕉も知らぬ 平泉の北(旧奥州街道)

高館で 義経も見た 景色かな 出る杭打たれ 世は平なる(平泉高館)

語るなら 夜も尽きなん 芭蕉譚 尽きなん旅を 今日もまた行く(同上)

山寺や 芭蕉の名句 諳んじて 秋の盛りの 堂宇を巡る(立石寺)

年初め 日新館の 空晴れて 心に浮かぶ 会津(たましい)(会津日新館)

御薬園 松平氏の 庭園で お役御免と 成らず残りし(御薬園)

三箇日 過ぎても賑わう 岩沼の 竹駒神社 商売繁盛(竹駒稲荷神社)

国宝の 八幡神社は 優美なる 伊達政宗の 置き土産かな(大崎八幡神社)

登米には 古き家々 点在し 警察署など 洋風もあり(旧登米警察署)

ブラ歩き 商店街で 目を引くは 土蔵町屋の 鈴彦商店(商家鈴彦)

学校は 明治中期の 建築で 和洋折衷 国の重文(旧登米高等尋常小学校)

この校舎 塔屋はなしの シンメトリ 質実剛健 校訓の如し(同上)

二万石 昔城下の 登米かな 面影残す 武家屋敷あり(武家屋敷通り)

武家屋敷 寺池城の 側に建ち 熊谷邸も 一つなりしか(同上)

沖の石 陸に残れる 歌枕 小野小町に 二条院讃岐(沖の石)

二本松 末の松山 歌枕 芭蕉も眺め 西行も詠み(末の松山)

多賀城の 壺の碑 熱く見る 千古の形見 芭蕉も涙し(壺の碑)

多賀城は 神亀元年の 創建で 約三百年 陸奥(みちのく)治め(多賀城跡)

城跡の 鉄筋造の 城壁に 唖然としたり 特別史跡(同上)

政庁の 基壇に立てば 聞こえ来る 大宮人(おおみやびと)の (ぼう)(きょう)の歌(同上)

広大な 百ヘクタールの 史跡には 埋もれたままの 遺構もありし(同上)

仙台に 陸奥国分尼寺 残されし 曹洞宗の 末寺となるも(国分尼寺) HISTORIC-SPOT7

薬師堂 陸奥国分寺の 金堂で 仙台最古の 木造建築(陸奥国分寺)

開創は 平安初期の 徳一で 亀岡文殊 日本三大(亀岡文殊)

田園に 三重塔 二百年 慈覚大師の 創建と言う(安久津八幡神社)

慈恩寺は 聖武天皇の 勅願で 神亀元年 開創と聞く(慈恩寺)

本堂は 元和四年の 築造で 茅葺き造り 国の重文(同上)

盛時には 四十八坊 三ヶ院 葉山修験の 拠点でもあり(同上)

会津路の 滝沢本陣 哀れなる 白虎隊士ら 出陣せしと(滝沢本陣)

珍しき 飯盛山の さざえ堂 奇想天外 らせん階段(飯盛山さざえ堂)

地方にも 大名庭園 残るなり 会津若松に 御薬園あり(御薬園)

開創は 鎌倉初期の (がん)(じょう)() 会津大仏 国の重文(願成寺)

上杉の 伯爵邸は 推移して 記念館と 料理店兼ねる(上杉記念館)

(から)破風(はふ)の 格式高き 玄関の 先に楼閣 庭園もあり(同上)

白水に 平安末期の 阿弥陀堂 池泉庭園の 中島に建つ(白水阿弥陀堂)

阿弥陀堂 宝形造りの 栃葺きで 福島唯一 国宝指定(同上)

庭園は 平泉文化 継承し 見事なまでの 平安浄土(同上)

(どう)(やま)() 廃仏毀釈で 神社化し 鐘楼山門 往時のままに(堂山王子神社)

徳川の 力を残す 東照宮 陽明門は 世界の宝(日光東照宮)

江戸末期 五重塔は 再建し 若狭酒井氏の 寄贈と言いし(同上)

建物は 国宝八棟 重文は 三十四棟 東照宮(同上)

豪華なる 校倉造り 日本一 東照宮の 三神庫は(同上)

御本社は 権現造りの モデルにて 桃山江戸の 粋を集めて(同上)

回廊に 極彩色の 彫刻が 羽目板全部 比類なきほど(同上)

輪王寺 天平時代の 草創で 勝道上人 日光開祖(日光輪王寺)

輪王寺 伽藍堂宇 十七棟 国の重文 門跡寺院(同上)

家光の 大猷院(だいゆういん)は 控え目で 神君よりは 格下にあり(大猷院)

二天門 山内(さんだい)(いち)の 楼門で 広目天と 持国天が立つ(同上)

()荒山(たらさん) 男体山の 古名にて 勝道上人 山を祀りし(二荒山神社)

外観は 宝形造りの 大国殿 神か仏か 大国様は(同上)

拝殿の 手前の燈篭 化け物と 言われながらも 国の重文(同上)

創建は 平安末期の (へい)(げん)() 川崎大師の 通称もあり(川崎大師)

浄智寺は 鎌倉五山の 一ヶ寺で 小寺なりしも 格式消えず(鎌倉浄智寺)

唐様の 鐘楼門の 扁額に 山居幽(さんきょゆう)(しょう) 如何なる住まいか(同上)

寿福寺は 北条政子の 創建で 栄西開基の 鎌倉五山(鎌倉寿福寺)

鎌倉で 大仏様の 名を問えば 阿弥陀如来と 自ら言わず(高徳院)

忍性の 真言律宗 極楽寺 鎌倉には 珍しきかな(鎌倉極楽寺) HISTORIC-SPOT8

高尾山 行基菩薩の 開山で 飯綱権現 修験の聖地(高尾山薬王院)

高尾山 天狗の姿 見えぬとて 薬王院を ムササビが飛ぶ(同上)

瑞泉寺 夢窓国師の 作庭で やぐらを穿ち 自然と同化(鎌倉瑞泉寺)

本尊は 釈迦如来像 瑞泉寺 臨済宗に 多く見られる(同上)

光明寺 浄土宗の 大本山 鎌倉中期の 開創とやら(鎌倉光明寺)

本堂は 元禄時代の 建立で 入母屋造り 大伽藍なり(同上)

反射炉は 江戸末期の 製鉄所 自国生産 第一砲かな(韮山反射炉)

韮山の 代官も兼ねた 江川邸 主屋など五棟 国の重文(代官屋敷江川邸)

訪ね来て 江川英龍の 名前知る 旅して学ぶ 実学ばかり(同上)

頼朝の 蛭ヶ小島に 石碑建ち 富士の煙を 眺め過ごしか(蛭ヶ小島)

北条の (がん)(じょう)(じゅ)(いん)は その昔 伊豆最大の 大寺院とか(願成就院)

開創は 平安初期の 宝蔵院 空海大師の 面影偲ぶ(宝蔵院)

開創は 吉野時代の 平林寺 境内林は 武蔵野のまま(平林寺)

茅葺きの 凌霽閣(りょうせんかく)の 山門に 眺める書体 石川丈山(同上)

境内に 野火止め水が めぐるなり 防火意識を 江戸に世に知る(同上)

業平の ゆかりの寺に 無理がある 平安時代に 寺はまだなく(同上)

仏殿は 山門と同じ 茅葺きで 入母屋造りの 棟たくましく(同上)

山門の 欄干に立ち 見たきかな 反橋平橋 阿字の大池(金沢称名寺)

金堂の 弥勒菩薩は 重文で 四代肖像 国宝と聞く(同上)

称名寺 北条実時 開基せし 浄土庭園 壮大無比(同上)

北陸に 名勝庭園 あると知り 訪ねてみたり 冬の(たき)(だん)()(瀧谷寺)

三脚が 鐘楼門に 立ち並び 何を撮ろうと しているのかな(同上)

北陸の 寺院と言えば 永平寺 単独宗派で 日本最大と(永平寺)

開創は 鎌倉中期の 道元で 宋直伝の 禅風を開く(同上)

()()(でら)は 養老元年 泰澄の 開基とされる 観音霊場(那谷寺)

本堂は 桃山末期の 建立で 舞台造りは 国の重文(同上)

創建は 古墳時代の ()()大社(たいしゃ) 能登(のと)(のこく)の 一宮でもあり(気多大社)

気多大社 本殿などの 再建は 江戸の中期で 国の重文(同上)

妙成寺 日蓮宗の 本山で 能登随一の 大伽藍をもつ(妙成寺)

栃葺きの 五重塔は 美しく 能登に聳えて 三百年超え(同上)

この寺の 本堂含めた 十棟は 江戸初期建てられ 国の重文(同上)

庭園の 先に聳える 五重塔 美重なるは 更なる美観(同上)

国泰寺 臨済宗の 大本山 慈雲妙意の 開山なりと(高岡国泰寺)

ふり向けば 鎌倉時代は 新仏教 林立したり 禅林もまた(同上)

銀閣の 向月台を 模したのか 円錐形の 謎の築山(同上)

()(しょう)(とう) 三重塔と 称さずに 平和を願い 戦後に再建(同上)

源平の 昔に帰る 術はなし 峠を超えて 思う時代差(倶利伽羅峠) HISTORIC-SPOT9

樹木まで ツンとしいる 城跡は 百万石の痩せ我慢かな(成巽閣)

天皇家 永久に続くか 七つ海 水と流れる 地球の歴史(明治神宮)

人の世の 真を訪ね 旅すれば 生まれながらの 神はあるまじ(同上)

手を叩き 手を返しては 過去を見る 太子に勝る 天子ありかと(同上)

祭神が 誰か知らねど 銭形の 平治の正義 通う神田社(神田神社)

大鳥居 潜ってみても 甲斐はなし 神を信じぬ 旅人の性(大国魂神社)

社殿より ケヤキ並木が 目に残る 魂神社の 仮の写し絵(同上)

逆境に 沈むことなし 日の光り 幸せあれと 明日に登る(同上)

こんなにも 崇められたる 経はなし 千年をゆく 法華経かな(法華経寺)

門前に 老いも若きも 脊を正す 生きとし生きる 人の道法(みちのり)(同上)

旅すれば 思わぬことに めぐり逢う 見知らぬ街の 寺の広さも(同上)

創建も 祭神もまた 不明なり それでも篤く 崇められたり(同上)

湘南に 相模(さがみの)(こく)の 一宮 人の絶えない 寒川神社(同上)

古事記にも 登場しない 寒川神 弥生時代に 祀られしとか(同上)

()(ぎょう)()は 一遍上人の 時宗にて (しょう)(じょう)(こう)()が 正規の寺号(遊行寺)

参道の ()(きょう)(なん)()(ざか) 石段は 加藤清正の 寄進と言いし(池上本門寺)

開創は 鎌倉中期の 本門寺 日蓮宗の 七大本山(同上)

江戸初期の 五重塔は 優美なり 戦火を免れ 国の重文(同上)

大堂は 昭和中期の 再建で 日蓮祀る 祖師堂と聞く(同上)

愛国の 心に燃えて 人は散り 散りゆく花を 国は愛さず(靖国神社)

戦争の 遺品展示を 眺めると 心の痛む 事限りなく(同上)

空襲の (まと)を免れし 今にあり 皇居周辺 九段会館も(九段会館)

総門を 老若男女 出入りする 分福茶釜の 茂林寺参拝(茂林寺)

参道に 狸の像が 並び立ち 面白可笑しく 眺めてみたり(同上)

梅咲いて 桜が咲いて つつじ咲く 春に勝れる 喜びはなし(同上)

本堂は 江戸中期の 改築で 寄棟造り 茅葺きの屋根(同上)

文人の 過ぎし年月 不意に知る つつじの花の 咲く館林(田山花袋旧宅)

西洋も 和洋もひとつ 結ばれる 大地にかかる 海を渡らば(田山花袋記念館)

歩いても 歩く姿が もどかしい 歴史を知らぬ 旅人哀れ(鑁阿寺)

(ほう)あれば 守るは人の 常なれど 守らぬ人を 守る法律(同上)

飛ぶ鳥が 翼を広げ 行くような 寺の甍に 青き大空(同上)

鑁阿寺は 足利氏の 邸宅で 七堂伽藍の 寺となるかな(同上)

済生館 明治初年の 建築で 和洋折衷 三層楼閣(旧済生館本館)

烏帽子山 八幡宮に 里桜 温泉帰りに 眺める景色(烏帽子山八幡宮)

城門を 想像させる 門構え 上杉邸は 米沢城か(上杉記念館)

庭園に 鷹山公の 胸像が 名君偲ぶ 末裔の家(同上)

創建は 弥生時代と 聞くけれど 信じがたきが 伊佐(いさ)須美(すみ)神社(伊佐須美神社)

千葉にある 下総(しもうさ)(のこく)の 一宮 香取神宮 経津(ふつ)(ぬし)(のかみ)(香取神宮)

楼門は 元禄時代の 建立で 鎌足と宿祢(すくね) 随身像とか(同上)

深々と 鹿島の(やしろ) 森を抱く 社に(もり)は不可欠なもの(鹿島神宮) HISTORIC-SPOT10

苔生せば 檜皮の屋根も 杜のもの 杉の木立に とけ込む景色(同上)

手を叩き 崇める先は 見えぬとも 念ずる心 杜への感謝(同上)

葡萄より 知ること少なし 山梨に こんな古刹が 残っているとは(甲斐大善寺)

本堂の 屋根の形や 懐かしく 古都に劣らぬ 古ぼけた味(同上)

()林寺(りんじ)に (かい)(せん)和尚 訪ねれば 姿なくとも 声ぞ聞こゆる(恵林寺)

大空に 羽ばたくような 庫裡の屋根 禅の心 建物に見る(同上)

庭園は 山水のみを 用いざる そこに咲く花 (いさぎよ)くあり(同上)

恵林寺は 鎌倉時代の 開基にて 夢窓国師が 開山せしと(同上)

何気なく 歩く先には 史跡あり 甲斐の山路に 歴史を学ぶ(十組屋敷跡)

向嶽寺 臨済禅の 十四派 吉野時代の 開創と聞く(向嶽寺)

仏殿や 諸堂はみな 非公開 観光寺院と 一線をひき(同上)

天徳寺 水戸より移転 江戸の初期 秋田佐竹家の 菩提寺となり(天徳寺)

本堂と (たま)()を含め 五棟もが 去年重文の 指定嬉しき(同上)

信玄を 祀る社に 人絶えず 甲斐に欠かせぬ 英雄ひとり(武田神社)

信州の 龍岡城は 五稜郭 函館以外 あるが驚き(龍岡城)

諏訪大社 (かみ)(しゃ)(しも)(しゃ) なお分れ (ほん)(みや)(まえ)(みや) 春宮(はるみや)秋宮(あきみや)(諏訪大社)

主祭神 (たけ)()()(かた)の 神と聞く 全国各地に 数万社とも(同上)

前宮は 諏訪湖離れ 茅野にあり 紛らわしきが 地方自治体(同上)

諏訪大社 信濃(しなの)(のこく)の 一宮 本殿はなく 山と木と神(同上)

臨川寺 仏頂和尚の 開基にて 芭蕉ゆかりの 禅の道場(深川臨川寺)

江戸時代 水戸徳川の 屋敷跡 庭園だけは 今も残され(隅田公園)

珍しき 黄檗宗の 弘福寺 大雄(だいゆう)宝殿(ほうでん) 聞くも久しく(隅田弘福寺)

日枝神社 江戸城内から 遷座せして 大山咋(おおやまくい)を 神と祀りし(山王日枝神社)

驚きや 都心の中の 日枝神社 社務所近くに (とり)放し飼い(同上)

高輪で 参拝するは 泉岳寺 赤穂義士らの 大義を偲び(泉岳寺)

山門は 江戸の末期の 再建で 入母屋造り 重層の屋根(同上)

泉岳寺 家康開基の 曹洞宗 天台浄土の 檀家に珍し(同上)

事件から 五十年後に 評価され 歌舞伎で知られし 赤穂義士かな(同上)

創建は 古墳時代の 雄略期 吉野時代に 菅公合祀(湯島天神)

天神の 三百本の 梅の花 その八割が 白梅と言う(同上)

都内には 三十二社の 天神さん 湯島天神 梅の名勝(同上)

一葉は 女流作家の 草分けで 偉業を学ぶ 記念館かな(同上)

水戸城は 鎌倉時代の 築城で 水戸徳川家で 明治迎えん(水戸城)

水戸城の 案内板に 地図なく 不憫に思う 御三家の城(同上)

水戸城は 復元される 廓なく 黄門様の 旅も続かず(同上)

梅咲けば 自宅に居るも ままならず 寝ぼけ(まなこ)に 見る吉野梅(吉野梅郷)

み吉野の 桜に勝る 花はなし 青梅吉野に 勝る梅もなく(同上)

その昔 鎌倉街道 ありし里 吉野の梅は 二万五千本(同上)

雨止みて 晴れたる空に 漂える 吉野の梅は 未知なる匂い(同上)

昼下がり 梅の盛りの 吉野里 澤井の酒に また酔いながら(同上)

様々な 花や鳥に 浮かれては 人たることも 忘れ飲む酒(同上)

梅散れば 閑散となる 吉野里 オフシーズンの イベント課題(同上)

カトマンズ 知らぬ他国の コーヒーを ふと味わえる 梅の咲く間に(同上)

即清寺 鎌倉初期の 開基とか 吉野梅郷 名刹もあり(吉野即清寺)

本堂は 入母屋造りに 唐破風 豊かな寺の 証しなるかな(同上)

鐘楼は 袴腰付 優美なり 真言宗の 即清寺かな(同上)

記念館 切妻屋根は 豪壮で 宮本武蔵の 剣の如くに(吉川英治記念館)

黄梅に 紅梅白梅 三つ揃い 吉川英治 記念館には(同上)

草創は 飛鳥時代の 観音寺 伝説上の 八百(やお)比丘尼(びくに)とか(塩船観音寺)

茅葺きの 山門本堂 観音寺 阿弥陀堂入れ 国の重文(同上)

有馬家の 水天宮は 江戸後期 分霊されて 江戸の名所に(東京水天宮)

下町の 鳥越神社 地味なれど 神輿の重さ 都内一とか(鳥越神社)

祭神は ヤマトタケルで 創建は 白鳳時代に 遡るなり(同上)

柳橋 江戸から続く 花柳界 財政人の 社交場と聞く(台東区柳橋)

柳橋 浮名を流す 人もあり 柳たわめる 神田川かな(同上)

亀田城 岩城氏(やかた) 二万石 美樹館兼ね 復元されし(亀田城佐藤八十八美術館)

豪農の 中門造り 茅の家 涼しさを増す 浜の秋風(天鷺村)

古民家を 五軒移築の 新名所 模擬天守建つ 天鷺村に(同上)

鶴岡に 大名庭園 残されし 十五万石の 酒井氏庭園(致道博物館)

紅葉(もみじ)にも 色づき悪し 季節あり 寒暖差で 左右されると(同上)

池泉には 藩祖の名が 浮かばない 酒井忠次の 名は知られても(同上)

独特の 多層民家は 田麦俣 移築されて 城跡にあり(同上)

天守閣 思わせる様 郡役所 和洋折衷 ハイカラに見ゆ(同上)

鶴岡の 旧警察署の 建物が 藩主屋敷の 門番に見え(同上)

(ぎょく)(せん)() 鎌倉初期の 開山で 朝鮮僧の 曹洞宗とか(羽黒玉川寺)

書院から 眺めた庭を 高台の 地蔵堂から 見下ろすかな(同上)

竿燈は 江戸期以前の 祭典で 宝暦年間 原型あったと(秋田竿燈まつり) FESTIVAL1

竿燈は 稲穂を擬した 提灯を 上半身で 妙技を競う(同上)

竿燈は 大中小の 大きさに 幼若加え 四つに区分(同上)

北上の 芸能まつりの 開催は 昭和中期の 高度成長期(みちのく芸能まつり)

北上の 演舞のまつり 数多あり 鬼剣舞は その代表格(同上)

剣舞は 念仏踊り 起源とし 成立したる 念仏剣舞(同上)

江戸中期 鬼剣舞は 完成し 現在継承 されしと言いし(同上)

踊り手は 八人一組 囃し手は 太鼓や笛に ()(びら)(がね)なり(同上)

勇壮な 鬼面と袴の 装束は 昭和の初期に 確立したと(同上)

盛岡の さんさ踊りは 江戸時代 悪鬼(あっき)退治の 祈願が起源(同上)

盛岡の 各地の踊り パレードに 行われたのは 昭和の後期(同上)

(はっ)()着て 練り歩くだけの 一団も 芸がなくても 芸能まつり(同上)

釜石の 伝統芸能 虎舞は 千石船で 虎踊るなり(同上)

虎舞は 全国各地に 点在し 港の街に 共通するかな(同上)

送り盆 江戸中期の 飢饉から 死者の供養が 始まりと言う(横手送り盆まつり)

屋形船 木骨と藁の 細工にて 竹に短冊 七夕を兼ね(同上)

歌い手は 秋田民謡 定番で 秋田音頭に ドンパン節など(同上)

こんなにも 人の集まる 光景は 送り盆では 初めての事(同上)

編笠で 頭隠せば 分からない 同じ浴衣の 男と女(同上)

横手市に 住居があっても 移住者は 参加もできぬ 盆おどりかな(同上)

屋形船 明日は橋で ぶつけ合い 角館の 山車に類似して(同上)

盆踊り 鎌倉時代に 修験僧 豊年祈願で 踊らせしと言う(西馬音内盆踊)

顔隠す (ひこ)()()(きん)の 踊り手に 恥じらいに似た 奥ゆかしさ見ゆ(同上)

西馬音内 郡上八幡 徳島と 日本三大 盆踊りとか(同上)

踊り手の ()()いの衣装 麗しく 色彩豊かに 地味ながら派手(同上)

編笠も 彦三頭巾も 女性なり 未婚既婚の 区別ありしか(同上)

踊りかた 音頭とガンケに 分れてて 音頭は優雅 ガンケは早く(同上)

お囃子は 笛に三味線 大太鼓 小太鼓加え (つづみ)に鉦と(同上)

歌い手は 音頭に甚句の 民謡を  リズムは緩急 織り交ぜるなり(同上)

類似した 鹿角毛馬内 盆踊り 共に優美で 国の重文(同上)

桟敷では 見たこともない 盆踊り どんな様子で 見えることやら(同上)

元西に 小野寺氏の 城ありて 盆踊りなど 城下に栄え(同上)

踊り手の 浴衣の帯は 様々で 何処かに個性 見つけてみたり(同上)

仮装して 踊る姿も 面白く 工夫を凝らす 盆踊りかな(同上) FESTIVAL2

手の振りも 微妙に違い 個性でる 西馬音内の 盆踊りとて(同上)

帯の他 腰ひも巻きて 踊るなり その雰囲気は 刈り終えた稲(同上)

襟元や 江戸変わらぬ 艶やかさ 西馬音内の 盆踊りかな(同上)

踊り手の 衣装で分かる 年齢差 地味と派手さの 違いで見える(同上)

かがり火は 幻想的な 雰囲気を 演出をする 灯りと思う(同上)

盆踊り 冬の厳しさ 忘れ去り 三日三晩 夢中となれり(同上)

娘らは 何の話しか 小休止 四時間近く 踊るも難儀(同上)

笠をとる 娘の笑顔 疲れなく 生き甲斐とする 盆踊りかな(同上)

踊り手の 四百人が 輪をつくり 二百メートル 踊り歩くなり(同上)

羽後町の 人口遥かに 上回り 三倍以上の 見物客が(同上)

頭巾には 忍者のような 神秘さと 農夫のような 様子にも見え(同上)

浅舞の 神社と言えば 八幡社 その神様が 町を旅する(浅舞八幡神社祭典)

町内を 練り歩くだけ 飾山(かざりやま) 派手さはなくも お囃子はあり(同上)

飾山 風流(ふうりゅう)山車(だし)と 呼ばれるも 浅舞の山車 他からリース(同上)

その昔 山車の前には 駅があり 絶好調の 時代が浮かぶ(同上)

踊山(おどりやま) 我が町内の 曳山で 秋田民謡 踊る楽しみ(同上)

浅舞の 神社の祭典 その歴史 明治時代と 起源は浅く(同上)

小正月 犬っこまつりは 湯沢市の 四百年の 風物詩なり(湯沢犬っこまつり)

雪像が 様々造られ 目に止る 雪の祭壇 雪の狛犬(同上)

かまくらは 雪洞(せつどう)築き 水神を 祀る行事で 四百余年(横手のかまくら)

子供らが 主役のかまくら 最近は 観光客を もてなす立場(同上)

かまくらは 市内各地に 造るけど 素朴な風情は 双葉町かな(同上)

かまくらは 子供頃の 隠れ家で 自分で造り 遊んだものよ(同上)

子供らも 飽きて来たのか いなくなり 淡い光りが かまくら灯す

梵天や 諸肌出して 担ぎたる 昔は粋な 出で立ちもして(横手の梵天奉納)

梵天や 旭岡山の 奉納で 三百年の 歴史あるとか(同上)

金浦の 勢至公園 開花して 竹嶋潟は 花見の名所(金浦勢至公園)

公園に 染井吉野が 咲き誇る 千本桜 八十年に(同上)

笑い声 アルコールなしの 花見会 女性七人 勢至公園(同上)

青森の ねぶた祭は 江戸中期 弘前ねぷた 真似て始めしと(青森ねぶた祭)

大太鼓 叩くバチが 弓なりに ねぶた祭の みなぎる力(同上) FESTIVAL3

跳人らが ()ちつ構える 線上に 小学生の 子供らもいる(同上)

夏祭り 青森ねぶた 別格で 東北三大 第一位なり(同上)

拡声器 片手に発する 掛け言葉 ラッセラーラッセラー ラセラセラセラ(同上)

お囃子は 通りの舞台に 鎮座して 笛や太鼓を 吹き鳴らすなり(同上)

輪の中で 一番上手な 踊り手を 見つけて写す その美しさ(同上)

お揃いの 端縫いの着物は 姉妹かな 踊る姿は 息もぴったり(同上)

手の所作を 気にして見ては いたけれど 足の運びも 優美なりけり(同上)

おもむろに 首を斜めに する仕種 甚句踊りの 極みと思う(同上)

反る指が 極端すぎて イナバウアー 盆の踊りも ここまで進化(同上)

手の動き 全く違う 踊り手の 違い見るなり 西馬音内踊り(同上)

踊り手の 背中の先の 景観は 数多な客の 顔ばかりかな(同上)

足運び ぴったり合わせ 踊るなり 七百年の 西馬音内踊り(同上)

踊り手の 編笠の上 浮かぶなり 羽後銀行の 看板赤く(同上)

角館 神明社の 秋祭り 四百年の 曳山重く(角館の秋祭り)

久々に 踊山曳き 撮影す 八幡神社の 秋祭りかな(浅舞八幡神社祭典)

踊り手は 角館から 呼び寄せて 他人まかせの 祭りもありき(同上)

小正月 旭岡山 神社への 梵天奉納 勇ましくあり(横手の梵天奉納)

それぞれの 法被を着ての 町内会 梵天奉納 冬の意気込み(同上)

内乱の 九百年祭 唐突に 開催したり 秋の横手で(同上)

騎馬武者は 義家なのか 分からねど 馬上の人は ヤキトリ店主(同上)

踊山 踊り手急に 若返り 実家の前で 眺め見るかな(浅舞八幡神社祭典)

浅草で 開催されて 三度目と 東京版の 時代まつりは(東京時代まつり)

白馬には 馴染の将軍 加わって 時代まつりは テレビ的かな(同上)

本堂の 屋根の左に 爛漫の 看板を見る 時代まつりかな(同上)

浅草の 時代まつりの 花形は 花魁道中 リオカーニバル(同上)

久々の チャグチャグ馬コ 盛岡で 仕事合い間の 大通り前(チャグチャグ馬コ)

愛馬には 豪華な衣装 馬具飾り 百頭あまり 続く行列(同上)

初めての 冬の札幌 雪まつり 雪像手直し 一生懸命に(札幌雪まつり)

雪像の 宮殿の名は 知らないが 細やか過ぎる 彫刻の数(同上)

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