霊山登拝その1 短句(俳句・川柳)
日本一 称名滝の 夏の音(立山/霊山登拝1) 54歳
剱岳 立山の眺め 円錐に(同上)
立山の ソーメン滝に 箸とどけ(同上)
目に浮かぶ 氷河のカール 夏の夢(同上)
尾根を行く 上級登山者 ただ遠く(同上)
眼下には 黒四ダムの 水青く(同上)
湿地には 池塘が点在 涼しげに(同上)
池の石 浄土庭園 思わせる(同上)
池の側 温泉もあり また浄土(同上)
立山の 浄土と対比 地獄谷(同上)
噴煙に 温泉宿の 屋根赤く(同上)
残雪に 不消ヶ池は 秋に映え(同上)
秋なのに 夏雲高く 峰の上(乗鞍岳)
絶景や 権現池は 神秘的(同上)
乗鞍や 一万尺の 秋の風(同上)
山並みは 火山の痕跡 今もなお(同上)
山肌に スカイラインの 爪深く(同上)
八合目 気分一新 女人堂(御嶽山/霊山登拝2) 54歳
秋雲に 南アルプス 背比べ(同上)
夏山で 御嶽山は 山じまい(同上)
噴石に 緑はわずか 登山道(同上)
初級者に 摩利支天山 遠く見え(同上)
山小屋は 粗末な景観 水タンク(同上)
見栄えする 石室山荘 屋根の石(同上)
尾根道や 色づく紅葉 足を停む(同上)
下山時に 眺める景色 新たなり(同上)
岩の上 百足の如く 根が覆い(同上)
シラビソの 奇形樹探す 下山道(同上)
ハイマツと 岩の殿堂 秋の駒(木曽駒ヶ岳)
中岳に 赤い実りや ナナカマド(同上)
盆栽の 仕立ての如く 岩にマツ(同上)
花盛り 過ぎても岩場 空に映え(同上)
千畳じゃ 狭いだろうが 千尋敷き(千畳敷カール)
尾根の上 乗越浄土に 弥勒石(木曽駒ヶ岳)
南には 遠き存在 空木岳(同上)
秋の空 木曽駒ヶ岳 優しげに(同上)
山頂は 坊主頭に 岩の毛が(同上)
肉五郎 木曽駒ヶ岳の 標高は(同上/霊山登拝3) 54歳
谷間には 龍の白雲 迫り来し(宝剣岳)
山荘の イメージ遠し 青い屋根(同上)
Vの字の 谷間に浮かぶ 秋の雲(同上)
剣先が 重なり合いて 宝剣に(同上)
少しずつ 千畳敷や 草紅葉(千畳敷カール)
花以外 両白山地 まだ青く(白山)
シラビソや 森林限界 登山道(同上)
変化する 山の植生 秋の顔(同上)
白山に 連なる山も 魅力的(同上)
くたびれた ヒュッテの前に 若き声(同上)
幾重にも 広がる峰に 飛騨の山(同上)
足元に ハクサンボウフウ まだ残り(同上)
道沿いの 草地を澄ます 水の音(同上)
木道に 草染まりゆく 弥陀ヶ原(同上)
痛々しい 山の変化や 崩れ山(同上)
剣ヶ峰 白山にもあり 手を合わす(同上)
白山の 千蛇ヶ池に 神の影(同上)
振り向けば 五葉坂には 秋の風(同上/霊山登拝4) 54歳
草原に ミヤマセンキュウ 独り立ち(同上)
白山の 崩れた肌に 若木生え(同上)
湾曲の 堆積岩や 地の隆起(同上)
夢のない 国に生まれて ワラビ摘む(太平山)
標高は 井伊直メートル 太平山(同上)
池の側 夫婦地蔵か 赤いべべ(同上)
旭又 小滝の流れ 日本海(同上)
稲実る 太平山を 遥拝す(同上)
水草や 稲穂に見ゆる 池塘かな(燧ヶ岳)
高度上げ 広沢田代 草紅葉(同上)
山頂が 見えて安堵の 鈴が鳴る(同上)
尾瀬沼に 万感こもる 唱歌かな(同上)
尾瀬ヶ原 挟んで鎮座 至仏山(同上)
北東に 会津駒ヶ岳 天駆ける(同上)
尾瀬沼や 重なる峰に 白根山(同上)
雲上に 秩父山地は ただ青く(富士山)
行く秋や 心は青年 富士登山(同上/霊山登拝5) 54歳
九月末 氷柱の垂れる 富士の岩(同上)
山上の お鉢巡り 右回り(同上)
岩場には 花の如くに 氷柱群(同上)
富士山に 皆なろうとし 髙さ知る(同上)
突風に 身を屈めたり 秋の富士(同上)
富士山や 樹海の上の 雲の海(同上)
秋晴れに 不眠不休の 富士の山(同上)
日帰りで 富士山往復 秋を行く(同上)
秋深き お花畑は 店じまい(伊吹山)
錦秋の 妙高山に 朝の月(妙高山)
錦なす 妙高南峰 絶佳かな(同上)
風穴の 無数の穴に 寄る緑(同上/霊山登拝6) 54歳
雪を待つ ゲレンデ淋し 登山口(同上)
登るほど 紅葉薄れ 息白く(荒島岳)
山頂で 食べる缶詰 いちご煮さ(同上)
石仏や 霊山信仰 細々と(同上)
枯草が 緑に映えて 雲白し(同上)
雲海に 微かに見えし 大野城(同上)
場所により 谷の斜面に 紅葉も(同上)
紅葉を 二分するかな 樅檜(山上ヶ岳)
身を結ぶ ロープなしでは 見えぬ下(同上)
山上に 宿坊五ヶ所 寺ごとに(同上)
厳しさに 優しさもあり 花畑(同上)
秋も暮れ 台高山脈 微かなり(同上)
谷底に ポンと集落 オアシスか(同上)
行く秋や わが身も水も 無味無臭(同上)
葉が散りて 弁天の森 スカスカに(弥山/霊山登拝7) 54歳
鳥居建つ 弥山頂上 神の山(同上)
弥山から 八経ヶ岳 より近く(同上)
無残なり 枯木の林 駈道に(同上)
晩秋の 台高山脈 空の果て(同上)
立ち枯れた 二木の間に 釈迦ヶ岳(八経ヶ岳)
花咲かぬ 枯木の林 哀れなり(同上)
北面に 大普賢岳 菩薩像(同上)
普賢には 添える花なく 枯れ枝が(同上)
晩秋の 登山者一組 笹ヶ峰(火打山)
雪の峰 遥かに眺む 火打山(同上)
夜が明けて 登り始める 山は雪(同上)
未だ浅き 妙高山の 雪景色(同上)
横切りし 黒沢岳か 下山路に(同上)
山肌は 落葉常緑 冬支度(同上)
葉の落ちた ブナの樹枝こそ 美しく(同上)
猿かなと 思えばブナの 枝のコブ(同上)
登拝路は 錦の織りなす 薬師みち(米山)
尾根沿いの 錦の谷に 海の波(同上)
山麓の 紅葉の先に 米山湖(同上/霊山登拝8) 54歳
米山や 錦の衣 香る潮(同上)
生駒山 展望台が 最高地(同上)
赤鳥居 伏見思わす 登山口(同上)
石仏と 耳成山は 線路越し(耳成山)
見渡せば 樹木の間に 畝傍山(天香具山)
柿の木に 古民家並ぶ 山の裾(同上)
畝傍山 桜並木の 紅葉に(畝傍山)
山麓の 紅葉の上 生駒山(同上)
紅葉と 常緑はっきり 山の肌(大和葛城山)
山上に 仏塔まがいの 電波塔(同上)
山麓に 古墳点在 御所の里(同上)
ススキのみ 金剛山に 彩を(同上)
黄葉が 紅葉勝る 山の色(同上/霊山登拝9) 54歳
ゴンドラの 影に寄り添う 紅葉かな(同上)
三山で 秀麗なるは 畝傍山(同上)
雌岳には 夜な夜な通う 雄岳かな(二上山)
二上山 歴史の道に 遊ぶ子も(同上)
山頂部 樹林と草地 二分され(武奈ヶ岳)
ブナの森 今は哀れな 草原に(同上)
尾根みちの ワサビ峠は 冬の風(同上)
頂上の 標柱見えて いさむ脚(同上)
空言で 胃に医師と聞く 武奈ヶ岳(同上)
市街地の 先には琵琶湖 霞むなり(同上)
ブナに岩 石には苔が 友ならん(同上)
古民家の 入母屋屋根に 御殿山(同上)
潮の香に 硫黄の匂い 春便り(恵山)
津軽路や りんごの花と 津軽富士(岩木山)
残雪に 白神山地が 雪重ね(同上)
鳥居には 津軽平野の 春景色(同上)
岩木山 神樣一色 仏なし(同上)
残雪に 新緑進む 岩木山(同上/霊山登拝10) 55歳
切り株や 杉の巨木の 神去りし(同上)
登山口 神秘の山は 五月晴れ(白神岳)
休むなと ブヨが近寄る ブナの森(同上)
マテ山の 水場に憩い 小休止(同上)
目もさめる 緑鮮やか 登山道(同上)
ブナ林に 孤高に咲ける シモクレン(同上)
ふと見れば オオカメノキの 花白く(同上)
雪渓や 解ればブナの ストローに(同上)
ミズナラが 向こう見ずにも ブナ林に(同上)
新緑の ブナの先には 日本海(同上)
波もなく 穏やかな春 舮作崎(同上)
倒木に 可憐なスミレ ヤマコケも(同上)
ウグイスの 声のみ道に 聞こえ来る(同上)
何の木か 知らねど新芽 春を知る(同上)
非火山に 森の精霊 白い神(同上)
手付かずの 原生林が 厳かに(同上)
山頂は 植生豊かな 山の肌(同上)
残雪や 雪形様々 夢模様(同上)
白神で 予期せぬ花や ヤマザクラ(同上)
知らねぇナ シラネアオイの 群生は(同上)
残雪に タカネザクラも 咲きしかな(同上)
心配は 一に産後の 肥立ちかな(同上)
浮き雲に 秘境眺める 春の夢(同上)
雪形や 白熊二頭 尾根に立つ(同上)
雪解けて 白波絶えぬ 流れかな(同上)
初めての 渡渉に学ぶ 足の位置(同上)
曖昧に 信仰されし 薬師様(酸ヶ湯大岳/霊山登拝11) 55歳
洪水の 崩落跡が 地獄かな(同上)
山頂に 寂れた祠 何の神(同上)
小屋内は 青森ヒバの 良き香り(同上)
下山道 環状コースを 酸ヶ湯へと(同上)
池塘には トドマツの影 水面占め(同上)
木道の 下毛無岱に 池塘群(同上)
湿原の 春に欠かせぬ ミズバショウ(同上)
貶したい 高層湿原 それはダメ(同上)
熊野岳 嫌よいいと 評価され(同上)
火山地に シャクナゲの花 潤いを(同上)
山上は 笹とハイマツ せめぎ合い(同上)
なだらかな 尾根の見晴らし 日本一(同上)
春霞 雁戸山の 双耳峰(同上)
地蔵尊 左右に七体 小地蔵が(同上)
遅咲きの タカネザクラが 見納めに(同上/霊山登拝12) 55歳
霧晴れぬ 熊野十字路 下山時も(同上)
石垣や 空しく放置 小屋の跡(同上)
楽山は 蔵王の雄峰 刈田岳(同上)
湯殿山 御沢橋から 聖域で(湯殿山)
月山は 未だ残雪の 谷深く(同上)
橋の先 撮影禁止の 御神体(同上)
残雪期 流れは早し 梵字川(同上)
スキー場 先ずはリフトで 楽をして(同上)
草地には シラネアオイの 紫が(同上)
木一本 生えていない 月の山(同上)
宝剣と 芭蕉の名句 月の山(同上)
行くや世に 月山標高 重ね見る(同上)
登山道 時雨も去りし 一合目(七時雨山)
フキノトウ 大きく育ち 蕗となる(同上)
五合目の ダテカンバには 看板が(同上)
尾根に出て 再び霧で 空白く(同上)
優しげな 山の裾野の 緑かな(同上/霊山登拝13) 55歳
ツツジ過ぎ またの機会に 田代平(同上)
整然と 畑に林 双耳峰(同上)
樹林帯 オオシラビソが 背を揃え(西吾妻山)
弓状の 西吾妻山 優しげに(同上)
湿原と 樹林の中に 残雪も(同上)
曲水に 池塘も浮かぶ 花畑(同上)
ミズバショウ 花は見ずとも 池の側(同上)
少しずつ 山頂近づき 射程距離(同上)
いろは沼 沼と呼ぶより 池塘群(同上)
樹海には 西大巓の 丸い顔(同上)
健気なり 笹藪の中 ヤマザクラ(同上)
天狗岩 遠く眺めて 鼻に見え(同上)
見晴らしは 梵天岩で 憂さ晴らし(同上)
いろは沼 高山植物 宝庫なり(同上)
大凹の 水場でひと息 下山道(同上)
谷間には 明道の滝 森に線(同上)
眼下には 緑一色 自然林(同上)
秘湯でも 両極端な 末路なり(磐梯山)
火山史を 物語るかな 櫛ヶ峰(同上)
標高は 一鉢一緑 会津富士(同上)
山羊かなと 思えばただの 白い岩(同上/霊山登拝14) 55歳
櫛ヶ峰 眺めて一礼 活火山(同上)
火口には 羽を休める イワヒバリ(同上)
お湯だけが 空しく残る 露天風呂(同上)
脱衣棟 ペチャンコとなり 十余年(同上)
雄峰の 鉄山眺め 歩む尾根(安達太良山)
なだらかな 安達太良山に 乳首見る(同上)
五葉松 偶然目にす 赤い花(同上)
赤い実の オオカメノキに 会津富士(同上)
五葉松 ハイマツのように 背を縮め(同上)
矢筈森 岩峰なのに 森と呼ぶ(同上)
火山ガス 障子ヶ岩の 肌白く(同上)
場所より 乳首も変わる 山の形(同上)
純白の シャクナゲ美麗に 下山道(同上)
湿原に 雪見る如く ヒナザクラ(八幡平/霊山登拝15) 55歳
名の如く ハクサンチドリ 鳥の羽(同上)
チングルマ 車座となり 何語る(同上)
イワイチョウ 蝶々止まれば 最高に(同上)
山らしき 風景もあり 源太森(同上)
八合目 表土が剥がれ 岩道に(姫神山)
霞むけど 展望広し 九合目(同上)
傾いた 薬師石祠に 苔飾り(同上)
標高は めぐり合わせや いい尼師と(同上)
山上は 花崗岩の イス並ぶ(同上)
合目には メリハリがあり 有難き(岩手山)
息上がり 思うに任せぬ 急登は(同上)
旧道の 大倉石に 蟻の列(同上)
深山には 半鐘に似し つるの花(同上)
鉾立の 先には山頂 雲の何(同上)
岩峰に 熊野眺める 鬼ヶ城(同上)
九合目 緑地に黒い 火山灰(同上)
鬼ヶ城 三角天守 見る如く(同上)
黒岩や 明王もどき 不動平(同上)
お鉢には 神社奥宮 案内碑(同上)
石祠には 何樣祀るや お鉢上(同上/霊山登拝16) 55歳
火山灰 黒白灰色 様々に(同上)
石祠には 二礼三拝 岩手山(同上)
石室や 歴史と美観 初夏の風(同上)
紫の ハクサンチドリに 白黄花(同上)
下山道 咲く花探し 無我夢中(同上)
崩れたる 斜面の緑 いつの日か(同上)
積み上げた ケルンの下に 陸自基地(同上)
疲れても 目には癒しの タニウツギ(同上)
草原に 小島の如く 岩と土(同上)
岩の根に 名も知らぬ花 座して見る(同上)
標柱も 我と同じく 草臥れし(同上)
ここ好きと ニッコウキスゲ 群生す(森吉山)
自然石 誰祀りしか ミニ鳥居(同上)
登山者の 遊び心の ケルンかな(同上)
木道は ニッコウキスゲ 一色で(同上)
森吉は 人よ御用の 標高で(同上)
下山路に ハクサンチドリ 遠慮気味(同上)
チングルマ 花から実へと 稚児平(同上)
黄菅群 ミツバオウレン 白い花(同上)
森吉は オオシラビソを モロビとも(同上)
チングルマ タチギボウシに 髙さ負け(同上)
低木の タニウツギ咲く 花の山(同上)
振り向けば 山頂遥かに 初夏の顏(同上/霊山登拝17) 55歳
タニウツギ 屋根の雪にも 耐えしかな(同上)
湿原に トクサ生えたり 池の中(同上)
若くして 咲きにし花の 散る早さ(同上)
夏山に 消えて無くなる 汗と金(同上)
登山道 落葉樹林 木の根みち(朝日岳)
北面の 雲海の上 月の山(同上)
木間より 山頂覗く 登山道(同上)
登山道 シロバナニガナを 寸断し(同上)
稜線に 山も緑も 深く見え(同上)
湿地では ハートの池塘 見る少女(同上)
花ひとつ 見つけて嬉し 朝日岳(同上)
夏雲に 朝日連峰 峰続く(同上)
本峰は 彼方に見えて 気は重く(同上)
急登に 一憂ばかり 一喜なし(同上)
花ひとつ 見つけて嬉し 朝日岳(同上)
雪渓の 涼しさよりも 美しさ(同上)
尾根みちの 銀玉水は 力水(同上)
沢水は 流れ流れて 最上川(同上)
連峰に 岩峰鋭峰 見当たらず(同上)
山頂へ 最後の気力 クモマグサ(同上/霊山登拝18) 55歳
山頂の 方位盤には 嫌な丸(同上)
西面に 袖朝日岳 峰数多(同上)
南面に 祝瓶山 鋭峰が(同上)
東面 鳥原コース 山並みが(同上)
北面に 日暮沢へと 続く谷(同上)
雪渓に サマースキーの 夢浮かぶ(同上)
ノリウツギ 脚を止めさす 下山道(同上)
振り向いて 一礼したり 朝日岳(同上)
熊越で 竹馬見るや 雪渓に(同上)
稜線が 城壁の如く 直線に(同上)
古寺山 朝日修験の 寺跡か(同上)
雪形に 鯉ののぼりを 空想す(同上)
低木を 苔と見るなら 石庭に(早池峰山)
グラマーな 女性を見るや クルマユリ(同上)
枯れかけ ハクサンチドリ 不揃いに(同上)
様々な 形を呈す 蛇紋岩(同上)
固有種の トウウチソウは 毛虫似で(同上)
山麓は コメヅカ・トドマツ 樹林帯(同上)
五合目の 岩は奇観の 御金蔵(同上)
岩の根を 好んで咲きし ジャコウソウ(同上)
花を見て 岩を眺めて 道遠し(同上)
早池峰や 一苦一難の 険しさで(同上)
頂上は エーデルワイス 似つかわず(同上)
ヤマハハコ 花より葉か 興味引く(同上)
ハイマツに ウスユキソウは 追いやられ(同上)
早池峰の 森林限界 髙さ増す(同上)
花崗岩 趣変えて ハイマツに(同上)
山頂の 名も無き岩に 手を合わす(同上)
山頂に 蜂よ蜂よと 蜜求め(南昌山)
残雪は 天然クーラー 登山道(鳥海山)
風紋は 風の芸術 雪の上(同上)
涼しや 雪庇を通る 夏の風(同上)
釜の淵 小滝の流れ 玄武岩(同上)
釜の数 今日は数えず 登り行く(同上)
ミツガシワ 花の先には 七高山(同上)
大雪路 雪なき景色 広々と(同上)
ガレ場越し 七高山が 眼中に(同上)
優美でも チョウカイアザミ 葉には棘(同上/霊山登拝20) 55歳
舎利坂に ふんわりとした 岩の苔(同上)
頂上の 朽ちた記念碑 哀れなり(同上)
新山の 暗き岩窟 不気味なり(同上)
山頂に 落書きならぬ 石に彫(同上)
二児見ろと 鳥海山の 標高は(同上)
石垣を 彷彿とさせる 噴石も(同上)
御神体 胎内くぐり 富士になく(同上)
いつの日か 新山覆う 草の根も(同上)
下山路に 祓川見え 気は楽に(同上)
残雪に 賽の河原は 踏まれ得ず(同上)
霊山や 男鹿本山の 真澄みち(男鹿本山)
ナマハゲが 降りて来そうな 登山道(男鹿真山)
真山に 菅江真澄の 語録なし(同上)
今回は 甥子を連れて 夏登山(谷川岳/霊山登拝21) 55歳
山頂を 遥かに眺め やれやれと(同上)
草木の 天神尾根は 緩やかに(同上)
夏風や 天狗の留まり場 人留まる(同上)
尾根みちで オオバキスミレ 脚止める(同上)
ふた休み 山頂下の 肩ノ小屋(同上)
祠には 神か仏か 肩ノ小屋(同上)
オキの耳 行くな質屋と 覚えおく(同上)
谷の果て 肩を揺さぶる 朝日岳(同上)
崖下に シラネニンジン 逞しく(同上)
いまだ見ぬ ヨウラクツツジ 花の形(同上)
コンギクに タカネの名ある ナデシコも(同上)
毒に似ず 可憐な花や トリカブト(同上)
トマとオキ 両耳眺む 西黒で(同上)
花の下 西黒尾根の 道遥か(同上)
見晴しは 西黒尾根が 一番か(同上)
小休止 ガレ沢のコル 分岐点(同上)
場所により 正三角形 オキの耳(同上)
ラクダの背 地名を知ると 気が楽だ(同上)
分岐点 ただ山頂に 一直線(武尊山)
木の根踏む 混合林の 登山道(同上)
可愛げな 梯子の先に 鎖場も(同上)
露呈した 木の根は長く 背丈ほど(同上)
シラビソの 間に山頂 優しげに(同上)
盟峰の 剣ヶ峰山 険しげに(同上)
山頂で 兄後発と 知らせあり(同上)
古祠の前 クサタチバナが 花添えて(同上)
文字かすれ 殆ど読めぬ 方位盤(同上)
至仏山 明日行くから よろしくと(同上)
咲き残る ハクサンチドリ 両至仏(至仏山/霊山登拝22) 55歳
歌に聞く 別世界なる 尾瀬の夏(同上)
湿原に シラビソ林 至仏山(同上)
林抜け 山頂が見え 気ははやり(同上)
シラビソや 四十五度で 息を止め(同上)
尾瀬ヶ原 燧と至仏の 橋渡し(同上)
歌思う 遥かな尾瀬の 野の旅よ(同上)
さりげなく ミツバオウレン 枯草に(同上)
天空に 木段続く 至仏山(同上)
荷車の 荷に二夜の 旅の宿(同上)
西面に 奥利根ダムの 水白く(同上)
北東に 越後三山 遠き空(同上)
西北に 巻機山の うっすらと(同上)
ハイマツに 四角い顔の 蛇紋岩(同上)
沢伝い 流れる水や 奈良俣湖(同上)
ハイマツと 燧ヶ岳は 見納めに(同上)
入らずの 景鶴山を 目の奥に(同上)
武尊山 六つのピーク くっきりと(同上)
退屈な 笹とザレ場の ラストシーン(同上)
いきなりの 鎖場がありて 緊張も(飯豊山)
ざんげ坂 朝のお経で 懺悔済み(同上/霊山登拝23) 55歳
大杉の 枝に手を触れ 挨拶す(同上)
目の前に 第一目標 地蔵岳(同上)
ダテカンバ 奇形もありき 登山道(同上)
御坪には 錆びた宝剣 古祠が立つ(同上)
極上の 目洗清水 補給せし(同上)
夏の峰 一期一会の 仲間たち(同上)
履いて来た 草履の供養の 塚の跡(同上)
本山で 煮皮冷後に 食べるべし(同上)
山頂の リンドウゆかし 飯豊山(同上)
草地には 白と紫 花競う(同上)
遠ざかる 本山眺め 一礼す(同上)
小屋に居た 自分の姿 谷はるか(同上)
行き帰り 頭に座した 地蔵岳(同上)
宇曽利湖に 恐れおののく 地蔵尊(釜臥山)
大湊 波なく横たふ 田名部川(同上)
大湊 日本五大基地 海自港(同上)
丘野辺に 海自のレーダー 基地の街(同上)
登山口 神室山への 鳥居建つ(神室山)
神室山 西ノ又コース ピストンを(同上)
ブナ林に 大滝白く 流れ落つ(同上/霊山登拝24) 55歳
胸突いた 急登の先 御田の神(同上)
祠には 神と仏の 道祖神(同上)
草地には 知らぬ植物 様々に(同上)
ノアザミに 毛糸の帽子 思い出す(同上)
不機嫌な オヤマリンドウ 花閉じて(同上)
ひと茎に ツリガネニンジン 花七つ(同上)
水神の 文字微かなる 岩に彫(同上)
稜線に 登山道のみ 白く見え(同上)
小手まりに よく似た花や キリンソウ(同上)
可憐なる ヤマアジサイは 両性花(同上)
御田の神 湿原遷移の 雰囲気で(同上)
眼下には 湯けむり絶えた 秋の宮(同上)
白い茎 黄色い花の コウゾリナ(同上)
ふと見れば 毛虫のような トウチソウ(同上)
山頂の 眺め一番 御田の神(同上)
登山道 水場は山の 命脈で(田代岳)
荒沢に 小滝が流れ メリハリも(同上)
三合目 大きな表示と 丸太イス(同上)
大広手 涸沢徒渉 秋の山(同上)
五合目で 霊山らしく 鳥居建ち(同上)
苔生した ガレ場の道に 赤リボン(同上)
池塘には 稲っこと称す ミツガシワ(同上)
木道に 僅かながらも 草紅葉(同上)
初秋でも シモツケソウは まだピンク(同上)
五色湖が 微かに見えし 曇り空(同上)
山頂は イイナ眺めなり 田代岳(同上/霊山登拝25) 55歳
ブナ林に ササが定番 登山道(船形山)
鳴清水 音に聞くのみ 水はなく(同上)
山容は 舟形よりも 駒に似し(同上)
水涸れて 瓶石沢は 徒渉なし(同上)
予期もせぬ 小石の徒渉 魅力的(同上)
徒渉より 厄介ものは 濡れた石(同上)
トリカブト 奇妙な花が 刺激的(同上)
デザートに イチゴ丸々 食べられず(同上)
七つ森 船形山が 一つ増え(同上)
目をやれば 霧か煙りか 地獄谷(栗駒山)
険峻な 容姿は霧の 剣岳(同上)
鮮やかな 紅葉の先の 天狗岩(同上)
秣岳 錦の上に 霞むかな(同上)
紅葉の 如来稜線 ハイマツも(同上)
栗駒や 色に死地見る 浄土かな(同上)
色づきが ピンクの色の ナナカマド(同上)
五円置き 三途の川を 徒渉せし(同上/霊山登拝26) 55歳
苔花台 見晴しの良い 紅葉に(同上)
霧晴れて 剣岳には ミヤマナラ(同上)
紅葉は 栗駒山が 日本一(同上)
栗駒や 名残ヶ原に 惜しむ秋(同上)
水涸れて 徒渉に非ず 我がままに(和賀岳)
滝倉の 名に恥じなく 水は落ち(同上)
避難小屋 消えても残る 標柱に(同上)
丸い頭の 和賀岳山頂 笑み浮かべ(同上)
和賀岳が 顔のぞかせる 薬師よこ(同上)
ストックは 現地調達 木の枝を(同上)
有頂天 薬師平の 尾根の道(同上)
和賀岳の 山頂遥か 秋の雲(同上)
山麓に マタギの里の 沢内が(同上)
和賀岳の 手前の丘や 小杉山(同上)
山の秋 エゾリンドウに ススキかな(同上)
小杉山 越えて和賀岳 目の前に(同上)
稜線の 斜面の整合 美しく(同上)
紅葉が 山頂下から 押し寄せん(同上)
小杉山 先に羽後の 朝日岳(同上)
伊予寄れと 友の声聞く 和賀岳に(同上)
下と上 印象異なる 小杉山(同上)
立つ山で 形変るや 田沢湖は(同上)
ワタスゲが 僅かに残る 山頂に(同上)
枯れ花に オンコロコロト 薬師岳(同上)
うっすらと 裾の彼方に 岩手山(同上)
山麓に 沢内街道 白い尾で(同上)
夢の中 ハングライダーで 下山せし(同上)
山頂に 登山者数人 同じ空(同上)
生保内の 町並み白く ススキ先(同上)
尾根みちは 五色の木々の 色分れ(同上)
小杉山 森林限界 低くあり(同上/霊山登拝27) 55歳
全貌や 薬師平は 名の通り(同上)
山登り 体力天気 暇と金(同上)
色褪せた 山の花々 身にダブル(同上)
草原の 植生豊か 薬師岳(同上)
登山口 辺鄙な場所に 車列でき(同上)
薬師岳 斉内川の 谷越しに(同上)
和賀岳の 頭微かに 稜線に(同上)
しばらくは 兎ヶ平林道 杉林(戸来岳)
林道の 秋の景色は ススキのみ(同上)
無駄となる 旧駐車場 荒れ地かな(同上)
地図もなく 標識だけが 頼りなり(同上)
林道に 山頂見えて 気が楽に(同上)
標柱の 熊の爪痕 生々し(同上)
目を見張る 巨大なブナや 登山道(同上)
ヤマハハコ 秋の山には 珍しく(同上)
頂上の 大駒ヶ岳に いい獅子が(同上)
山頂の 矮性イチイ 希少とか(同上)
イチイの実 種に毒あり 命取り(同上)
山麓に うっすら見える 放牧地(同上)
ササ道の 下にはブナの 自然林(同上)
山上は イチイとササと コメツツジ(同上)
木道の 田苗代湿原 草紅葉(藤里駒ヶ岳)
湿原の 上にはブナの 駒ヶ岳(同上)
木道の 先には木段 シンプルに(同上)
苔生した 石も絵になる 登山道(同上)
いい五鉢 山頂飾る 秋の花(同上)
面白き 幹の曲りや 若きブナ(同上)
登山口 トイレに水場 完璧で(秋田駒ヶ岳)
谷間には 片倉岳と 染まる木々(同上)
草生えぬ 硫黄採掘 破壊跡(同上)
につきりと 笹森山は 顔を出し(同上)
盟峰の 乳頭山が 北空に(同上/霊山登拝28) 55歳
笹森と 湯森の間 岩手山(同上)
北西に 森吉山が 優しげに(同上)
遠路より 鳥海山が 顔を見せ(同上)
草枯れて ススキの穂のみ 木道に(同上)
北東に 二千メートル 南部富士(同上)
南西に 出羽富士遥か 雲の上(同上)
男女岳 下ると浄土 阿弥陀池(同上)
男岳には 鳥海山が 雲に立ち(同上)
田沢湖が 全景見せる 頂上に(同上)
阿弥陀池 馬ノ背映す 秋の空(同上)
岩手山 風格示す 雄姿かな(同上)
男岳まで ガレ場が続く 登山道(同上)
女岳見て 昭和の噴火 思い出す(同上)
噴火口 生々しくあり 御坪かな(同上)
馬ノ背の 頭と擬する 横岳を(同上)
女好き 色兄さんは 男岳かな(同上)
尾根みちに 両性具有 男女岳(同上)
見るだけで 美人と一緒 女岳かな(同上)
秋盛り 染まりゆくなり 馬ノ背も(同上)
まん丸で グラマーに見える 男女岳(同上)
少しずつ 女岳の肌に 草生えて(同上)
馬ノ背に 下山者六人 珍しく(同上)
紅葉に 染まる雄峰 朝日岳(那須岳)
茶臼岳 噴煙上がる 活火山(同上/霊山登拝29) 55歳
斜面には ひび割れた岩 ゴロゴロと(同上)
極赤の 姥ヶ平の 紅葉は(同上)
目標地 立派なレリーフ 牛ヶ首(同上)
見上げれば 三本槍は 遥か先(同上)
紅葉で 三本槍は 錆び色に(同上)
育稲は 三本槍岳 標高で(同上)
霧の中に 登山者突如 山頂に(同上)
風流よ 土段の上は 小石敷き(同上)
朝日岳 ちょっと寄り道 ピストンす(同上)
やせ尾根に 行く人もなく 道はるか(同上)
カラフルな 合羽の色が 山頂に(同上)
雪払い 拝む茶臼の 石祠かな(同上)
茶臼岳 育イチゴ可か 山頂は(同上)
ガスの中 標識頼りの 下山かな(同上)
野菜名に 女体山の 標高を(筑波山)
女体山 満員御礼 岩の上(同上)
観世音 常楽我浄 秋の風(同上)
筑波山 ガマの油は かび臭く(同上/霊山登拝30) 55歳
落葉踏み 未踏の道を 一歩ずつ(会津駒ヶ岳)
みぞれ降り 木道白く 駒ノ小屋(同上)
少々の 雪にてき面 ゴム長は(同上)
天気荒れ 駒ノ大池 絵にならず(同上)
登山道 ササやシラビソ 雪まみれ(同上)
山頂の パノラマカイド 役立たず(同上)
どことなく 兄さん似の 会津駒(同上)
丸沼に 四郎岳とが コンドラに(日光白根山)
白根山 三つの団子 山頂に(同上)
伊達な風 ダテカンバ林 登山道(同上)
登山より 史跡散策 白根山(同上)
険峻な 岩峰直下 地獄ナギ(同上)
シラビソや 森林限界 越えてゆく(同上)
噴石が 時代を止めて 一面に(同上)
噴火口 明治中期の 息遠く(同上)
本峰は 丹後七蜂の 標高で(同上)
山頂に 噴石ゴロゴロ 人間も(同上)
南西の 沼田盆地に 赤城山(同上)
南峰に 皇海山は 雲隠れ(同上)
菅沼が 雲の間に 半身出し(同上)
やや低き 座禅山には 弥陀ヶ池(同上)
座禅山 好対照な 噴火跡(同上)
下山して 気分が変わる 史跡みち(同上)
地図見れば まだまだ続く 名所かな(同上)
名前知り 山頂附近で 座禅する(同上/霊山登拝31) 55歳
下山道 ダテカンバが 新たなり(同上)
噴火口 遠き面影 山底に(同上)
六地蔵 六根清浄 白根山(同上)
六地蔵 上屋新たに 秋風に(同上)
地蔵尊 賽銭箱が 像を超え(同上)
白根山 知っては分かる 山の良さ(同上)
ゴンドラで 山の眺めを 一人占め(同上)
別れ際 燧ヶ岳が 谷奥に(同上)
志津側は 仏も鎮座 登山口(男体山)
シラカバに 手を触れ嬉し 三合目(同上)
五合目で ひと息つくも 気は先に(同上)
痛々し 崩落に見る 裏の顏(同上)
浮き石の 落ち行く先に 仲間たち(同上)
八合目 視界も開け 尾根みちに(同上)
山頂の 社殿か見えて 後わずか(同上)
頂上の 建物跡に ハイマツが(同上)
立ち枯れの 松の根元に 秋の風(同上)
赤土や 新たな表土 活火山(同上)
柵もなく 見下し岩の スリリング(霊山)
国司沢 岩峰屹立 絶佳なり(同上)
面白き 天狗の相撲場 崖上に(同上)
霊山で 脂誤飲して 苦しそう(同上)
山麓は 紅葉進み 薄化粧(同上)
岩の上 紅葉に見とれ 座り込む(同上/霊山登拝32) 55歳
正面の 猿跳ね岩や 子か跳ねん(同上)
人の顏 五百羅漢岩 その上に(同上)
地図になき 窓岩見たり 山の端に(同上)
日暮岩 眺望抜群 巨大岩(同上)
岩峰に 常緑紅葉 調和して(同上)
限界を 越えて一本 シラビソが(八甲田山)
青春や 睡蓮沼に 浮かび来る(同上)
三山や 八甲田山 未知の道(同上)
毛無岱 みぞれの花が 美しく(同上)
山川が 思想をもちて 動く秋(同上)
二ッ森 一礼止む無し 石祠かな(二ッ森)
ササの先 立入禁止 道もなく(同上)
左端 白神岳が 悠然と(同上)
藤里の 駒ヶ岳あり 右の端(同上)
右端に 天狗岳の 頭見え(同上)
抜きん出た ピークが見えぬ 白神に(同上)
最高地 向白神が 微かなり(同上)
葉は落ちて 木々白くなる 登山道(同上)
二ッ森 登りて知るや 双耳峰(同上)
二ッ森 林道中止で 遺産かな(同上)
先ず目指す 展望台の 登山道(七座山)
羽交い締め 磐座の杉や 神がかり(同上)
東屋の 屋根の落葉や 風まかせ(同上/霊山登拝33) 55歳
山頂は 権現座で 煮蜂死地(同上)
山頂の 見晴らし不良 ただ広く(同上)
烏帽子座 菅江真澄も この山に(同上)
緑色の 凝灰岩を 割る杉も(同上)
ピークには 杭埋め込んで 目印に(同上)
波もなく 米代川は 超スロー(同上)
オレンジに 染まるサクラに 水青く(同上)
カラフルな 七座山の 秋景色(同上)
標識は 座の字倉に 変えてあり(同上)
不揃いな 幹の太さが 自然林(同上)
秋雨や 危機一髪の 下山かな(同上)
枯れ枝に 蛇の湯の滝 白い糸(夏油駒ヶ岳)
中腹で 経塚牛形 ツーショット(同上)
山頂が 見えて安心 駒形で(同上)
沢水で リュックを下ろし ひと休み(同上)
山頂の 良い山霊は 水沢に(同上)
新旧の 三角点は 二等とか(同上)
経塚の 先に焼石 横たわり(同上)
積雪で 幹はたるんで 弓形に(同上)
木々枯れて シダとクマザサ ただ緑(同上)
ブナ林 裸の姿 淋しくも(同上)
ミズナラの 枯れた枝振り 見事なり(同上)
面白き 自然研究路 洞窟湯(同上)
Aコース 終えても道は 続くなり(同上)
積石や 鬼に代わりて 熊崩す(五葉山/霊山登拝34) 55歳
緩やかな 登りの先は 未知の空(同上)
畳石 巨大な横石 花崗岩(同上)
五合目に ダテカンバ林 二ノ鳥居(同上)
葉が落ちて 奇岩良く見え 立ち止まる(同上)
ミズナラの 巨木と会話 七合目(同上)
八合目 姥石神社 何の神(同上)
岩屋には 三王神社 朽ちそうに(同上)
九合目 ササに見晴らし 開け来る(同上)
山頂に 五葉山神社 奥社見ゆ(同上)
ハイマツに ツツジの枯れた 登山道(同上)
山頂で 酒飲み過ぎて 胃酸酔い(同上)
最高地 日の出岩には あと僅か(同上)
北西の 北上高知に 早池峰が(同上)
南西に 室根山が くっきりと(同上)
山頂に 三角岩の モニュメント(同上)
日は高く 日の出は遠き 五葉山(同上)
尾根みちや ザレ場に草地 低木と(同上)
花の時期 また登りたき 五葉山(同上)
五葉山 牧草地あり 山裾に(同上)
初雪を 踏んで立ち入る 神帰月(階上岳)
山頂の 古木に宿る 山の神(同上)
石祠横 不動明王の 石仏も(同上)
磐座の 雪深くなり 室夜冷(同上)
シラカバに 負けじとばかり 雪の白(同上)
山頂の 一本松や 優美なり(大高森/霊山登拝35) 55歳
晩翠の 詩碑建つ海は 格別に(同上)
枯れ尽きた モミジの先に またモミジ(同上)
登拝路の 沢のガレ場に 名石も(金華山)
手に触れて 哀れな重なる ケヤキ瘤(同上)
清水石 鹿に飲まれて 今日は涸れ(同上)
神の島 水が神なり 絶えるなと(同上)
廃寺跡 両部大日 像哀れ(同上)
八合目 稜線歩き 風寒く(同上)
使用後は 山頂に置く 草の笛(同上)
山頂の 三角点に 水神碑(同上)
維持できぬ 建屋もありき 基壇跡(同上)
旅人を ハヤブサ一羽 気にかけし(同上)
東岸に 岩礁小島 鳥の園(同上)
山頂の 磐座古木に 神遊ぶ(同上)
デサイトの 岩峰高し 金華山(同上)
下山路は ケヤキ並木に 鹿の声(同上)
原発の 煙突高く 女川に(同上)
石組みと 木々の枝ぶり 自然体(同上)
鮮やかな 新芽の緑 五葉松(同上)
剣山 最短コースで 山頂に(剣山)
次郎笈 仁王の如く 立岩に(同上)
山上は クマザサ一色 次郎笈(同上)
木道の 南端広く 展望も(同上/霊山登拝36) 56歳
剣山 行くGOGOと 山頂へ(同上)
東には シコクシラベの 針の山(同上)
御神水 祠に礼し 汲む清水(同上)
鳥居では 入山願い 一礼す(石鎚山)
傘を差し 八丁坂を 無事通過(同上)
鎖場は 濡れて危険と 迂回せし(同上)
二ノ鎖 何とか登り ホッとする(同上)
山小屋は 無人で休む 気になれず(同上)
石鎚の 弥生の雨も また奇なり(同上)
雨のため 弥山頂上 一句なし(同上)
見せんとす 八重紅梅の 艶やかさ(宮島弥山)
消えずの火 火災の火種 釜破れ(同上)
山上は 巨岩奇岩の 展示会(同上)
怪石に 意思を感じる その姿(同上)
宮島や 偉人も多く くぐり岩(同上)
山頂も 奇岩怪石 見本市(同上)
草臥れた 展望台に 気は晴れず(同上)
標高は 測定誤算後 訂正し(同上)
霧島や 霧氷が出迎え 登山道(韓国岳)
絶景は 霧氷の裾の 不動池(同上)
五合目の ザレ場も霜の 花景色(同上)
山頂の 旧噴火口 寒々と(同上/霊山登拝37) 56歳
韓国は 異名丸々で 読みづらく(同上)
野生鹿 互いが警戒 立ち止まる(同上)
四合目 灌木帯に 青い海(同上)
五合目で らせん状にと 道カーブ(同上)
池田湖の 奥にぼんやり 桜島(同上)
礫岩に 熱帯植物 九合目(同上)
弓形の 入野物袋の 海岸美(同上)
枚聞は 薩摩の国よ 一宮(同上)
祖母山の 山頂見えて 痛さ増す(同上)
霜踏んで 尾根はまだかと 深呼吸(同上)
祖母山や 樹氷の下に 大氷柱(同上)
二面岩 登り立つのは 気おくれす(同上)
名山の 傾山は いつの日か(同上)
九合目 優しき陽射し 木々の間に(同上)
山頂は 伊那五郎とも 名付けおく(同上)
下山路は 千間平を 遠回り(同上)
合目ごと 標柱ありて 先よめし(同上)
分岐点 国観峠に 石地蔵(同上)
六合目 千間平に 西の顏(同上)
五合目は ブナやミズナラ 広葉樹(同上)
一合目 スギの植林 針葉樹(同上)
寂れても 一ノ鳥居は 登拝口(同上)
しばらくは 舗装道路に 名残雪(九重山)
尾根越えた 西千里浜 人の波(同上)
目標の 久住山見え 一歩ずつ(同上)
標高は 一難八軟の 久住山(同上/霊山登拝38) 56歳
来年は 花見と兼ねて 阿蘇の山(同上)
山裾の 久住高原 春近く(同上)
登山道 蟻の行列 強烈で(同上)
合併で 平鹿の郡は 死語になる(金峰山)
裏山は 植林されず ブナの森(同上)
平鹿富士 横手盆地の シンボルと(同上)
掃われた クマザサ踏みし 登山道(恵那山)
山頂は 一キロ先と 手書きされ(同上)
盛緑と 呼ぶに相応し 尾根の木々(同上)
ブナの根は 石を絡ませ より強く(同上)
恵那山で 沢煮椀食おう 昼時は(同上)
参道の 椎木坂に 奇形樹が(本宮山)
汗ぬぐう 石段の先 初夏の風(同上)
山麓の 緑地は白く 消え行くか(同上)
枯れ木には 世代交代 若き松(同上)
奥宮の 石段沿いは 自然林(同上)
標柱に 未だ見ぬ名所 探すかな(同上/霊山登拝39) 56歳
町石も 新旧交代 番地並み(同上)
山頂は 死地八苦の 霊場で(同上)
弧峰でも アンテナ群が 慰めか(同上)
瑠璃山の 最高峰に マツ対峙(鳳来寺山)
岩稜に 昔の行場 眺め見る(同上)
屋根見ても 寂れて侘し 不動堂(同上)
岩上に 白山信仰 蝉の声(同上)
牧水の マント姿が 夢と立つ(同上)
谷間には 伊那街道の 道霞む(同上) (同上)
珍しき 東西南北 道しるべ(同上)
山頂の 麓谷視界に にわか雨(同上)
土砂降りや 鳳来寺山は また雨か(同上)
池山の 水場で休み 息戻す(空木岳)
雲の上 南アルプス 背比べ(同上)
尻無を 過ぎて急登 尾根みちに(同上)
迷尾根 名前聞いて 慎重に(同上)
宝剣や 木曽槍ヶ岳と うわの空(同上)
ハイマツの 海に白きは 花崗岩(同上)
駒石や 砦の如く 空に浮く(同上)
尾根みちに 目立たぬ花や ナナカマド(同上)
優しげな 尾根続くなり 木曽駒に(同上)
ふと見れば 岩の割れ目に スミレ咲き(同上)
石塔に 祈り捧げつ 打つ木かな(同上)
ハイマツに 白いシャクナゲ 顔をだし(同上)
山頂で 二夜無視される 星座かな(同上)
慰霊にと イワツメクサが 咲きしかな(同上)
南東に 暮れゆく夏の 八ヶ岳(同上/霊山登拝40) 56歳
赤富士や 彼方に見えし 車山(同上)
一夜明け 富士に青空 霧ヶ峰(同上)
夏雲を 分けて顔出す 霧ヶ峰(同上)
夏草や 美ヶ原に 馬と富士(美ヶ原)
せり出した 断崖の上 王ヶ鼻(同上)
西端に 頭と対峙 王ヶ鼻(同上)
王ヶ頭 似れ山容は 富士山に(同上)
女神湖に 遠き高原 お嬢さん(蓼科山)
女神湖の 上にハゲ山 別荘地(同上)
山で知る 将軍平 その由来(同上)
岩乾き 鎖頼らず 急登を(同上)
稜線に 前掛山は 縞枯れて(同上)
八ヶ岳 憧れ募る 峰の数(同上)
蓼科や 二子産礼の 山登り(同上)
夜が明けて 陽射しに浮かぶ 阿弥陀岳(八ヶ岳/霊山登拝41) 56歳
南沢 流木瓦礫 目を覆う(同上)
意味不明 明治の石碑 霊神と(同上)
古ぼけた 石祠が二つ 岩の上(同上)
その昔 修験の行者 籠りしか(同上)
八ヶ岳 七つのピークに 硫黄岳(同上)
分岐点 文三郎道 赤岳に(同上)
赤岳に 錆びたタラップ 似合うのか(同上)
雲間には 北アルプスの 役者たち(同上)
中腹に 温泉鉱泉 硫黄岳(同上)
赤岳の 山頂高く 険しそう(同上)
なだらかな 赤岩ノ頭 直ぐに崖(同上)
中岳の 急登見ると ぞっとする(同上)
南沢 登ったコース ありありと(同上)
直ぐ分る 北アルプスの 槍の先(同上)
西の空 御嶽山と 再会す(同上)
南東に なんと富士山 雲を越え(同上)
南峰の 山頂狭く 譲り合い(同上)
南峰で 二夜汲々と 星座見る(同上)
北峰の 頂上小屋は 大賑わい(同上)
北の果て 昨日登りし 蓼科が(同上)
標識に 気になる山や 大天狗(同上)
岩間には ムシトリスミレ 虫の息(同上)
石楠花や 別れし人の 化身かな(同上)
中岳の 岩に触れずに リタイヤす(同上)
噴石に 混じりて板碑 中岳に(同上)
行者小屋 ソーラーパネル 画期的(同上)
ふと見れば 林の中は 苔づくし(同上)
美濃戸口 やっとの帰還 事故もなく(同上)
山見えず 阿房峠に 阿呆見る(焼岳/霊山登拝42) 56歳
いきなりの ササの藪道 意気阻喪(同上)
ガスの中 咲く花だけが 山の友(同上)
オレンジの ヤブカンゾウに 夏を知る(同上)
霧の中 命が続く 白ペンキ(同上)
今日もまた 兄さんくさらず 焼岳へ(同上)
南峰は 北より高く 西午後と(同上)
噴石は 明治大正 昭和へと(同上)
多度大社 健脚コース 登り行く(多度山)
南には その手は桑名の 街並みが(同上)
山上の 三角点は 指令参と(同上)
登山道 邪魔な擁壁 電波塔(同上)
乾地にも コバイケソウの 群落が(黒斑山)
名も知らぬ 花も見るなり 登山道(同上)
シェルターは 浅間噴火に 備えてか(同上)
浅間山 硝煙噴煙 散る風露(同上)
登山道 ふと目を引く キリンソウ(同上)
黒斑山 浅間外輪 西霊よ(同上)
黒岩に 山の名を思う 黒斑山(同上)
背を越える 車坂峠 草原は(同上)
小諸より 眺める浅間 日本一(同上)
北峰の 三角点は 低い場所(四阿山/霊山登拝43) 56歳
標高は 兄さん御用の 四阿山(同上)
夏旅や 名山名勝 甥共に(同上)
ゴンドラの 下には白根 活火山(草津白根山)
火の山に 咲くコマクサも 妖精か(同上)
白根山 似位互礼かな 最高地(同上)
岩の友 イワオトギリの 花咲きし(同上)
整色美 山頂駅の 建屋かな(同上)
ダケカンバ 山頂つつむ 勇ましさ(赤城山)
静かには 見えぬ森影 大沼湖畔(同上)
一夜二夜 過ごしてみるか 山頂に(同上)
赤と白 派手な社殿に 千社札(同上)
碑や 古き神たち 消えんとす(同上)
駅らしき 三角屋根に 風情あり(同上)
夏の朝 湖畔の宿に 榛名富士(同上)
易老岳 先ずは目指して 易老渡を(光岳/霊山登拝44) 56歳
立ち止まる 最初の標識 面平(同上)
シラビソの 倒木哀れ 登山道(同上)
シラビソの コブの形は 鬼の面(同上)
易老岳 中間地点で 慰労せし(同上)
光岳 残り二キロと 気も楽に(同上)
気の毒や 花美しき トリカブト(同上)
お地蔵に 見守られては 山頂へ(同上)
光岳 駿河信濃の 二国位置し(同上)
槍や剣 樹林の上に 屹立す(瑞牆山)
カラマツの 落ち葉ふんわり 登山道(同上)
軽トラは 林道巡視の 守り神(同上)
山小屋は 少々寂れ 戸は閉じて(同上)
植栽か 富士見平の ノコンギク(同上)
途中から 本格的な 登山道(同上)
水が無く 天鳥川の 徒渉なし(同上)
木段は 階段でないと 強調す(同上)
登山道 名も無き岩の 展示会(同上)
山頂は 二尼三礼の 仏かな(同上)
小さくて メガネが欲しき 方位盤(同上)
南東に 五丈岩立つ 金峰山(同上)
南西に 甲斐駒ヶ岳 微かなり(同上)
北東の 稜線沿いに 小川山(同上)
西麓に 薄ら見える 八ヶ岳(同上)
五丈岩 大ヤスリ岩 にらめっこ(同上)
鑢より 鉾が似つかし 眺めかな(同上)
アカマツの 枯れゆく姿 目には毒(同上)
塩見岳 夏のドラマは 幕を開け(塩見岳/霊山登拝45) 56歳
桟に 命預けて 行く登山(同上)
ロングラン 三伏峠 目標に(同上)
可憐なる タカネナデシコ 巾着似(同上)
尾根みちが 本谷山越え 続くなり(同上)
シラビソの 立ち枯れ哀れ 登山道(同上)
塩見小屋 オアシスに見え 救われん(同上)
振り向けば 本谷山は 遥か後(同上)
岩場では マークが頼り 慎重に(同上)
西峰は 三礼指南の 稽古事(同上)
塩見岳 緑色岩と チャートとか(同上)
東峰は 三丸誤認 城と見る(同上)
雲海に 中央アルプス 一文字(同上)
北岳と 間ノ岳とが 朝焼けに(同上)
雄大な 仙丈ヶ岳が 塩見越し(同上)
北東に 朝日眩しき 塩見岳(同上)
ぽっかりと 烏帽子の上に 富士の嶺(烏帽子岳)
ザレ場には コマクサの花 逞しく(同上)
歴史的 三伏峠 忘れ得ず(同上)
渓流に 深山入口 聞く調べ(聖岳/霊山登拝46) 56歳
谷間には 小聖岳が 峰遥か(同上)
コメヅカの 標識の釘 痛く見え(同上)
君の名は 問いかけて知る 名無し岩(同上)
シラビソの 標識紐を 括り付け(同上)
樹林帯 越えて山頂 聳え立つ(同上)
薊畑 やっと草地と ご対面(同上)
山頂か 聖平か 迷う道(同上)
シラビソが 最後の高木 薊畑(同上)
聖僧の 頭の上の 笠の形(同上)
吐く息も 白くなり行く 聖岳(同上)
植物の 花に乏しき 聖岳(同上)
標高は 三礼一賛 聖岳(同上)
南には 上河内岳 空を切る(同上)
岩壁の チャートに浮かぶ 海の顏(同上)
薊畑 枯れたアザミの 末哀れ(同上)
倒木の 殆ど全て 苔の友(同上)
道筋に 小さな祠 山ノ神(常念岳)
烏帽子沢 沢に水なく 出合なし(同上)
一ノ沢 やっと出会えた 水場かな(同上)
乗越の 左右に三角 聳え立つ(同上/霊山登拝47) 56歳
石垣に 常念小屋は 気品満ち(同上)
屋根の上 槍の鉾先 舞い上がり(同上)
尾根越しに 表銀座の 山並みが(同上)
山小屋に リュックはデポし 山頂に(同上)
ガレ場には ハイマツ茂り ガイドする(同上)
ガス懸かり 矢印マーク 頼りとす(同上)
山小屋は 二夜五室が 貸切と(同上)
明神と 六百山が にらめっこ(同上)
槍の先 東の眺め 鋭角で(同上)
二合目は シラビソ林 遊歩道(仙丈ヶ岳)
出発地 北沢峠 遥か下(同上)
行く冬や 人間元来 無一物(同上)
雷鳥の 姿見たけど 何処へやら(同上)
女王は 恥しそうに 霧を呼び(同上)
三神の 石碑は哀れ 欠損し(同上)
首折られ 廃仏の風 地蔵にも(同上)
標高は 三礼燦々 四捨五入(同上)
南東に なんと富士山 秀麗に(同上)
西面に 鳳凰三山 三仏画(同上)
地蔵岳 遥拝をせし オベリスク(同上)
富士を背に 赤い実いっぱい ナナカマド(同上/霊山登拝48) 56歳
新たなる こもれび山荘 洒落た小屋(同上)
バス待ちの 時間を惜しみ ひと眠り(同上)
窓の外 カモシカバスを 見送りし(同上)
双児山 越えぬと見えぬ 山の形(甲斐駒ヶ岳)
駒津峰 山頂手前 露払い(同上)
道以外 ハイマツ草地 駒津峰(同上)
息戻す 山頂直下 分岐点(同上)
大声を あまり憎むな 駒の上(同上)
甲斐駒に 三尊石を 眺めたり(同上)
北東の 空一杯に 八ヶ岳(同上)
北西に 鋸岳の 歯が聳え(同上)
甲斐駒や 仙水峠で 見納めを(同上)
氷河期の 岩塊斜面 造形と(同上)
プレハブの 仙水小屋に 大ヤカン(同上)
三様の 案内板の 手書きかな(同上)
山小屋に 稀有な自販機 缶ビール(同上)
花よりも 華やぐテント キャンプ場(同上)
険峻な 海谷山塊 三縦走(雨飾山/霊山登拝49) 56歳
雨飾 骨酒きのこ 湯のけむり(同上)
温泉の 梶山薬師 湯の仏(同上)
シラカバも 新旧交代 登山道(同上)
足元の 難所のぞきは 薬師尾根(同上)
笹平 先に展望 尾根のみち(同上)
山麓に 糸魚川の街 日本海(同上)
南東に 戸隠連山 秋の空(同上)
今こそ 山頂かと思う 気のあせり(同上)
北峰に 一句録さん その髙さ(同上)
いつの日や 鋸岳の 歯に触れん(同上)
名月や 大雪渓へ 案内す(白馬岳)
橋架かり 眺めよろしき 沢の滝(同上)
名月に 誘われ行く 雪の渓(同上)
名月が 白馬三山 ガイドかな(同上)
白馬岳 岩の殿堂 名を変えて(同上)
滑るまで アイゼンなしの 大雪渓(同上)
落石と 残雪混じる 登山道(同上)
岩と雪 分別つかぬ 眺めかな(同上)
渓流に 喉潤して ひと休み(同上)
秋長けて 枯れゆく花も 渓流に(同上)
せり出した 山頂山塊 白い壁(同上)
山頂が 見えて安心 機嫌よく(同上)
山頂の 水や絶えずに 糸を成し(同上)
鑓ヶ岳 山より温泉 名が高く(同上)
天狗菱 避難小屋には 枯れアザミ(同上/霊山登拝50) 56歳
天空の 風切地蔵 花畑(同上)
大岩や 亀の如くに 圏谷に(同上)
山頂の 手前のケルン ミニ白馬(同上)
十字路に 自由なき道 ただ白馬(同上)
絶景や 丸山の先 剱岳(同上)
標高は 憎さ二倍の 白馬岳(同上)
杓子岳 連なる稜線 果て見えず(同上)
東側 栂池の山 優しげに(同上)
旭岳 裏旭岳と 峰続く(同上)
谷間には 両白山地 遥かなり(同上)
ハイマツと 草地をめぐる 水清く(同上)
築堤後 大岩崩れ 台無しに(同上)
雪渓の クレパスだけは 要注意(同上)
ガレ場より 残雪が良き 下山道(同上)
上高知 シンボルタワーは 河童橋(奥穂高岳)
先ず目指す 前穂高岳 山頂を(同上)
奥穂より 西穂の縦走 難関路(同上)
風穴や 秋の山には 寄る辺なく(同上)
岳沢に 無数の流石 山となり(同上)
穂高岳 五感を澄まし 登り行く(同上)
沢越えて 森林越えて 展望所(同上)