霊山登拝その3 短句(俳句・川柳)
山の尾根 二百尺余の 春霞(同上/霊山登拝101) 59歳
菜の花や 山の上から 摘みにけり(同上)
山並みは 春の眠りの 顔と色(同上)
春浅く 人影もなし 登山道(同上)
笹のない 山道はなし 都笹(同上)
独りでも 淋しからずや ニリンソウ(同上)
葉が枯れし 袋田の滝 春一番(月居山)
白布や 生瀬の滝の 水しぶき(同上)
奥久慈や 春を貫く 天狗岩(同上)
標識も 春には遠き 荒れすがた(同上)
マムシ見て 急に怯える ベンチかな(同上)
ゲレンデの スキーハウスも 夏こたつ(敦賀鉢伏山)
誰も来ぬ 峠に見ゆる さくらかな(同上)
峠より 眺める春や 色の浜(同上)
針ノ木の 頂き望む 五月ぞら(針ノ木岳)
麓から 残雪を踏む 山路かな(同上)
峠越し 三百名山 蓮華岳(同上/霊山登拝102) 59歳
先客の 姿が既に 山頂に(同上)
山頂が 見えても遠き 雪の尾根(同上)
針ノ木で 二夜二市場の 商いを(同上)
眼下には 峡谷深く 黒部ダム(同上)
俯瞰する 黒部の太陽 物語(同上)
標高を 表示するより 合目かな(燕岳)
北面に ケンズリ餓鬼岳 いい眺め(同上)
雪形は ツバメに見えず 今の時期(同上)
山荘に リュックをデポし 身を楽に(同上)
砂礫には 残雪の波 打寄せて(同上)
安曇野や 眼下の町並み 今朝と逆(同上)
残雪の 燕岳は 奇勝なり(同上)
肉はよく 山頂ならば 煮な蒸さん(同上)
奥に立つ 北燕岳 似ピーク(同上)
木の根踏む サワラ林の 登山道(有明山)
百名山 登って始まる 春の山(同上)
鎖場の トラバースには 肝つぶす(同上)
分岐点 ただ文殊山 頂きへ(文殊山/霊山登拝103) 59歳
七曲 紅葉つつじの 絶景地(同上)
縁起よい 登山道には シャガの花(同上)
登山路に 文殊霊泉 水呑場(同上)
小文殊 広場となりて 茶屋跡も(同上)
天狗杉 阿弥陀堂が 裏に建ち(同上)
コルに建つ 展望台で ひと休み(同上)
南側 鯖江市街地 里山が(同上)
北側は 福井市街地 田園が(同上)
市街地を 二つに分けて 足羽川(同上)
山麓は 水張り終えた 田んぼ群(同上)
文殊山 弥勒誤魔化す 髙さかな(同上)
ヤブコウジ 春に花見る 珍しさ(同上)
北東に 両白山地 まだ白く(同上)
世を捨てて 霊峰行脚 花の雲(同上)
出合まで 徒渉もありき 川沿いを(雪彦山)
急登は 古き石段 重厚に(同上)
天狗岩 青葉の先で 天を指し(同上)
大曲 越えて再び 水の音(同上)
鯉はなく 人間様の 滝昇り(同上)
上流の 滝幅広く 虹でそう(同上)
地蔵岳 分岐にベンチ ひと呼吸(同上)
岩峰の 上と思えぬ 地蔵岳(同上)
山頂に 標高示す 杭五本(同上)
三叉路を 再び戻る 岩峰へ(同上)
三辻山 優美な姿 新緑に(同上)
名を変えず 夢前川は 播磨灘(同上)
麓には 雪彦温泉 楽しみぞ(同上)
地蔵岩 眺めて下る 難路かな(同上)
天狗岳 西の眺めが 絶佳かな(同上)
スキー場 水無月の空 死んだふり(大日ヶ岳/霊山登拝104) 59歳
まん丸い 前大日は 緑髪(同上)
山頂に わずかな雪が 色添えて(同上)
優美なり 赤紫の ヤマツツジ(同上)
純白さ 雪と見紛う ヤブデマリ(同上)
山頂は 円墳に立つ 心地する(同上)
山頂に 屋号掲げる 伊那丸屋(同上)
南東に 能郷白山 手招きす(同上)
北面に 残雪光る 天狗山(同上)
北向こう 別山白山 白い峰(同上)
経ヶ岳 保月山コース ピストンを(経ヶ岳)
第一の ピークの山は 保月山(同上)
天空の 亀山城は 木に隠れ(同上)
山頂は まだ遥かなり 中間地(同上)
灌木に 礫岩も見え 道変化(同上)
はねだした 岩場もありき 保月尾根(同上)
イワカガミ クマザサ分けて 足元に(同上)
振り向くと 釈氏ヶ岳は 馬の背か(同上)
山頂で ビールの泡や 色濁る(同上)
白山の 主峰三山 一堂に(同上)
刺のない ヒメゴヨウイチゴ 花可憐(同上)
一輪の ミヤマキンバイ 孤高なり(同上)
円らなる アカモノの花 岩の間に(同上)
ダケカンバ 疎らながらも 登山道(能郷白山)
乾地でも コバイケソウの 白い花(同上)
西側に 冠山の 烏帽子見え(同上)
山頂と 思えばピーク ひと休み(同上)
あやふやに ツバメオモトの 花を見ん(同上)
山頂へ コバイケソウが 行けそうと(同上/霊山登拝105) 59歳
空想す 冠山に 月桂樹(同上)
ナナカマド 花咲き赤い実 紅葉に(同上)
紫陽花の 花ぞ恋しき 城下町(亀山)
西区域 山頂記す 物はなし(同上)
方位盤 荒島岳を 先ず探す(同上)
古道とは いつの時代か 杉並木(日野山)
登山道 焼餅石や 不味そうに(同上)
中間地 過ぎてブナの木 ちらほらと(同上)
参道と 古道が交差 ブナ林(同上)
池の水 飲料できず 手をふれる(同上)
山頂は 泣く子も黙る 髙さかな(同上)
奥ノ院 改築記念碑 なお立派(同上)
屋根先 北陸道の 春霞(同上)
ヤマユリや 花の女王 一人旅(同上)
北東に 鯖江の家並み 薄らと(同上)
下山路は メガネの街も くもり行く(同上)
植林の 杉の木威張る 山裾は(同上)
分岐点 立派な石柱 昔風(同上)
見慣れたら エゾアジサイは 地味な花(同上)
南北が 逆さの地図は 迷うかな(吉野ヶ岳)
またの名を 蔵王権現 蔵王山(同上)
林道の 横に参道 近道が(同上)
参道に 立派な鳥居 由来碑が(同上)
淋しさや 参拝者なく 鳥の声(同上)
山上に 霊山らしき 閼伽水が(同上)
山頂に 五品並べて 祈願する(同上/霊山登拝106) 59歳
石仏に 五色の供花や 微笑まし(同上)
ヤマユリや ここでは夫婦 二人旅(同上)
西の空 経ヶ岳から 初夏の風(足羽山)
雨上がり アジサイ光る 足羽山(同上)
登山口 案内板なく 手さぐりで(同上)
崖崩れ 最近起きた 様子にも(同上)
山頂に 石仏三体 供花もなく(同上)
山頂は なだらか笑顔 灌木が(部子山)
何故ここに 子安地蔵尊 石像が(同上)
奥社跡 丸太社殿に 鳥居建ち(同上)
ブナの実や 熊に喰われず 目の前に(同上)
林道の 終点個所は 舗装中(同上)
ウラジロの ナナカマドかな 葉が丸く(同上)
山頂は 石無視される 眺めかな(同上)
トーチ似の イブキトラノオ 消えんとす(同上)
東面 銀杏峰の山 重なりぬ(同上)
妖艶な マルバタケブキ 一人勝ち(同上)
サンショウや 実がなりここに 枯れるのか(同上)
花の名を 覚え親しむ 山の旅(同上)
案内の 標識見つけ 不安消ゆ(鷲ヶ岳)
ウドの花 上野高原 覗き見る(同上)
案内図 途中の名所 触れもせず(同上)
山頂を 望んでみても 鷲見えず(同上)
四等の 三角点が 道沿いに(同上)
山頂の オオワシ姿 忌む何を(同上)
下山路も 登山者はなく 鷲ヶ岳(同上)
登山口 奥社の裏手 登山者も(戸隠山)
釣鐘に 形が似たる シャジン咲く(同上/霊山登拝107) 59歳
トラバース 五十間長屋 岩屋なり(同上)
長屋には 地蔵菩薩 一人住む(同上)
そそり立つ 戸隠山は 険しそう(同上)
洞窟の 表示は錆びて 字が読めず(同上)
鎖場は 足踏む位置を 見定めて(同上)
鎖場で ナデシコの花 声援す(同上)
急坂に 天狗ノ露地を 探し得ず(同上)
八方で 一句玲玲 詠じたり(同上)
基礎コンに 鉄のボルトや 小屋の跡(同上)
塔渡りを 平然と行く 猛女見る(同上)
ゴロゴロの 小池新道 元の沢(同上)
山に来て 何か発見 今日の糧(同上)
水伝う 岩の周辺 花盛り(同上)
ガレ場過ぎ 草地広がる 登山道(同上)
山菜の イタドリヶ腹 白い花(同上)
シシウドの 花また白く 原の名に(同上)
登山道 ツマトリソウの 花まばら(同上)
池に石 鏡平に 庭園が(同上)
山小屋に 湖畔の宿の 風情あり(同上)
山羊の群れ コバイケソウの 群落は(同上)
勘違い ウスユキソウは ヤマハハコ(同上)
傘形の オオバセンキュウ ありがとう(同上)
三色の 最中のような 花の道(同上)
荒地には 残雪丸く 湖を描き(同上)
花の中 ヨツバシオガマ 優美なり(同上)
オンタデや ザレ場の道の 道祖神(同上)
鷲羽岳 お花畑の 借景に(同上)
コルに建つ 双六小屋は ユートピア(同上)
ハイマツが 双六岳の 襟を巻く(同上)
山頂に サイコロあれば 面白き(同上/霊山登拝108) 59歳
山頂の 仏留守とか 二夜無霊(同上)
丸山に 未練残して 仰ぎ見る(同上)
木道を 行く山人の 荷は重く(同上)
南峰の 奥に道なき 板戸岳(同上)
槍越えて 表銀座を ながしたき(同上)
北と西 鎌尾根寄せる 槍ヶ岳(同上)
雲海の 槍の穂先は 仏顔(同上)
垂れ下がる ミヤマセンキュウ 珍しく(白馬乗鞍岳)
コメヅカや トウヒの林 登山道(同上)
白馬では 白花多き センキュウも(同上)
シシウドの 花また白き 登山道
ハイマツの 天狗ノ庭に 飛ぶトウヒ(同上)
石覆う コメバツガザクラ 白い花(同上)
まん丸い 白馬岳は 北の顔(同上)
森林を 越えてハイマツ 登山道(同上)
静寂な 白馬大池 神秘的(同上)
池の石 いつからここに あるのやら(同上)
名月や 白馬大池 如何にかと(同上)
山頂の シンボル一つ ケルン立つ(同上)
山頂は どこもかしこも 似し山路(同上)
雪倉の 二百名山 いつの日か(同上)
乗鞍の 名とは異なる 平坦地(同上)
湿原に トウヒやコメヅカ ちくばくに(同上/霊山登拝109 59歳
次回には 鉱山道を 白馬へと(同上)
絡み付く 不快も深い 蜘蛛の糸(雨請山)
滑り台 眺めるような 溝の道(同上)
滝なくも 滝の如くに 雨降れと(同上)
山頂に 巨大な鉄塔 より高く(同上)
苦労せず 三角点の 山頂に(同上)
クロマツの 幹にコブあり 痛々し(同上)
新潟の 頸城三山 焼山に(新潟焼山)
林道は 運が悪くて 閉鎖され(同上)
下山後は 笹倉温泉 楽しみに(同上)
林道は 折り畳式 自転車で(同上)
焼山や まだ遥かなり 林道に(同上)
山体に 噴煙見えず 今日の山(同上)
風穴や 山の息吹きが 深呼吸(同上)
ウドなのか トウキなのかは 不案内(同上)
展望は 看板倒れの 眺めかな(同上)
春スキー 高松山は 有名と(同上)
藪掃う 悪路しばしば 登山道(同上)
倒木の ブナの木誰が 寄せたやら(同上)
大曲 山頂までの 中間地(同上)
山頂の 溶岩台地 仰ぎ見る(同上)
東には 山塊越しに 火打山(同上)
地獄谷 火山地帯に 名が多く(同上)
溶岩の 坊々抱岩は 奇岩なり(同上)
金山を 越えれば絶佳 笹ヶ峰(同上)
分岐点 もう一息と 山頂へ(同上)
飲み水が 切れて運よく 沢の水(同上)
焼山や 次回は春の 山スキー(同上)
展望は 冠平が 良く見えて(冠山)
南面の 岐阜側に 徳山湖(同上)
ようこそと 黄色い花や キリンソウ(同上/霊山登拝110) 59歳
冠の 緑褪せたり 荒れた道(同上)
福井では 意に五名浮かぶ 名山が(同上)
山頂の 眺め素晴らし 全方位(同上)
空に鳥 トビかクマタカ 何れかが(同上)
冠か それより烏帽子 山頂は(同上)
花びらの 数で名を知る シロヨメナ(同上)
登山時に 気づかぬ花が 下山時に(同上)
衰退が いい例よとも 山頂は(天上山)
コスモスを クリンソウかと 間違えて(同上)
奥ノ院 大きな磐座 御神体(金時山)
杉の根の 土が崩れて クモの巣に(同上)
十月に ヨメナ花咲く 登山道(同上)
トリカブト 矢毒の使用 古来より(同上)
急坂を 登ると山頂 ガス消えず(同上)
山頂で ゲップするなり 胃に胃酸(同上)
方位盤 ガスの中では 役立たず(同上)
茶屋の中 一人祝杯 ワンカップ(同上)
草臥れた 三角点が 茶屋の側(同上)
下山路は 乙女峠を 経由して(同上)
長尾山 展望のない 広場のみ(同上)
侘しきは 乙女峠の 茶屋の跡(同上)
下山路も 杉の根哀れ むき出しに(同上)
登山道 標識もなく 続く道(大雄山)
鉄塔に 新たな釈迦像 拝むかな(同上)
気にかかる 案内板の アザミかな(西山/霊山登拝111) 59歳
登山道 立派な手すり 急坂に(同上)
キョン除けと 思えば野ヤギ 防護柵(同上)
草地には 白い群生 ユウガギク(同上)
尾根みちの 第一ピーク 草紅葉(同上)
火口丘 最後の急登 雲の晴れず(同上)
標柱は 空に輝く 御影石(同上)
西山や 雲に聞こえる 牛の声(同上)
固有種の ハチジョウススキ 葉が広く(同上)
この季節 エゾアジサイの 変種見る(同上)
花の色 気がかりながら ツツジ道(同上)
岩峰に 火山の面影 ありありと(同上)
ムナグロや ライチョウを見る 思いかな(同上)
噴火口 樹林帯へと 進化して(同上)
神止山 越して神湊 南東に(同上)
リゾートの ホテルアズーロ 景勝地(同上)
南面に 八重根港と 滑走路(同上)
三原山 巨大アンテナ 山頂に(三原山)
林道の 狭い道路が 登山道(同上)
アンテナに 八丈小島 横並び(同上)
秋雲の 滑走路には 三原山(同上)
房状の 赤い実を見る マムシグサ(同上)
火口底 深い森あり 神秘的(同上)
鉢めぐり 昨日と違う 素晴らしさ(同上)
山頂に 海鳥の群れ 秋の空(同上)
三根には 神湊漁港 底土湾 八丈島の 玄関口で(同上)
大賀郷 八重根漁港は 西の顔(同上)
滑走路 八丈島を 二分して(同上)
裾野には ふれあい牧場 牛の群れ(同上)
西の海 八丈小島 無人島(同上)
連登に 新たな発見 山の色(同上)
山容は 弓なりなだら 今日の山(一切経山)
登山道 黄葉紅葉 自然体(同上/霊山登拝112) 59歳
木道に 一切経山 秋の雲(同上)
山裾に のどかな景色 鎌沼が(同上)
別称は 魔女の瞳と 五色沼(同上)
修験道 廃れ久しき 吾妻山(同上)
ホシガラス ハイマツの実を 好むとか(同上)
酸ヶ平 池塘の周り 草紅葉(同上)
鎌沼に カルガモ一羽 岩の上(同上)
分岐点 姥ヶ原見て 下山する(同上)
振り向けば 木道の先 鎌沼が(同上)
シャクナゲの 先は黄葉 ブナ林(同上)
久々に 鉾立からの 登山かな(鳥海山)
ナナカマド 葉は落ち残る 赤い実が(同上)
山頂は 初冠雪が 美しく(同上)
南には 好敵手なる 月山が(同上)
ガレ場では 草みな枯れて 紅葉色(同上)
吹浦の コースも一度 登りたき(同上)
中間地 八丁坂の 空高く(同上)
風流や 雪と紅葉 鳥海山(同上)
日本海 秋空の間に 雲の線(同上)
薄化粧 初雪樹氷 灌木に(同上)
新山の 雪は融けかけ ごま塩に(同上)
山頂の 石垣白く 城かなと(同上)
山頂の 石祠は壊れ 瓦礫化す(同上)
北面に 森吉山と 八幡平(同上)
北東に 岩手山が浮かび立つ(同上)
西面に 飛島見えずも 象潟が(同上)
東には 焼石連峰 県南部(同上)
吹浦の 雲の切れ間に 飛島が(同上)
すぐ分かる 月山の奥 朝日岳(同上)
下山路に 百八十度の 海景色(同上/霊山登拝113) 59歳
眼下には カール地形の 千蛇谷(同上)
雪渓は 秋のスキーが 出来るほど(同上)
山麓の 景色は遊佐の 山間部(同上)
草津川 白糸ノ滝に 滝ノ小屋(同上)
岩窟に 祠埋もれて 秋の風(同上)
月山や 近くなりつつも 空の果て(同上)
眼下には 庄内平野 砂丘林(同上)
手を合わす 祠の中は 空気のみ(同上)
横堂や ここには昔の 堂宇跡(同上)
日本一 展望台も 低きかな(天保山)
寺社めぐり ついでに登る 山もあり(大峰山)
林道の 終点荒地で 草もなく(同上)
カラマツに 消え行く秋の 飛行機が(同上)
上空の 飛行機北へ 広島を(同上)
けもの道 山頂方向 分け入りぬ(同上)
標識を 見つけて正規 登山道(同上)
藪掃う 自然歩道は 名の通り(同上)
秋なのに 安芸の広島 まだ緑(同上)
山頂へ 最後の急坂 秋の空(同上)
少しずつ 落葉樹林 色づいて(同上)
丸太かと 思えば擬木 橋見事(同上)
道以外 人手かからぬ 森を行く(同上)
登山口 いきなり急登 負荷重く(大崩山)
手造りの パイプ梯子は 手に太く(同上)
祝子川 小さな徒渉 気持ち良く(同上)
二回目の 徒渉は少々 難儀する(同上)
木の根踏む 瞬間いつも ゴメンなと(同上)
登山道 踏まれて崩れ ブナの根が(同上/霊山登拝114) 59歳
目の前に また梯子あり 楽なれず(同上)
行く秋や 深山幽谷 トラバース(同上)
ハーケンの 爪痕点々 岩の肌(同上)
山頂は まだ遥かなり 木の梢(同上)
登山道 奇岩怪石 花崗岩(同上)
大岩の 象岩眺む 木にすがり(同上)
岩間には 立派な松が 美を添えて(同上)
上流は 渓谷となり 五葉岳(同上)
象岩に 最も安い トラロープ(同上)
小積ダキ 登攀の穴に 秋の風(同上)
山頂は 黄葉終えた ブナの山(同上)
坊主尾根 越えて山頂 分岐点(同上)
ダキの先 傾山に 九重山(同上)
尾根みちの スズタケ枯れて 風そよぐ(同上)
緩やかな ブナの林の 登山道(同上)
頁岩の 切立つピーク 石塚と(同上)
咲く花は 人無視散華 山頂で(同上)
西端に 阿蘇の山並み 薄らと(同上)
ブナ枯れて 落葉の音は 悲しげに(同上)
怪石は 中和久塚の 上部かな(同上)
下山路の 和久塚コース 先読めず(同上)
大胆な 滝組もあり 沢の水(同上)
祝子川 河岸の岩も 奇岩なり(同上)
盆地には 名前が消えた 吉田町(郡山)
城跡に 表歴史の 花を見る(同上)
本丸に 産休礼する 奥方が(同上)
城跡に 古墳もありき 郡山(同上)
鮮やかな 紅葉一目 参道に(福王寺山)
石段に 千古の法の 光りさす(同上/霊山登拝115) 59歳
振り向けば 仁王門屋根 モミジ色(同上)
丘陵の 石灰岩柱 ラピエとか(同上)
山焼けて 霊山遠く 安芸の風(同上)
夢に見た 秋吉台の 草紅葉(若竹山)
山焼きの 若竹山に 残り木が(同上)
山頂の 空気は人を 濁さずに(同上)
素晴らしき うぐいす歩道 見晴らしは(宮島弥山)
絵に画いた 紅葉の景色 紅葉谷(同上)
丁石や 百十メートル 三丁目(同上)
宮島の シンボルタワー 大鳥居(同上)
石段に 秋の人影 消えもせず(同上)
高くなり 奇岩怪石 道筋に(同上)
巨石群 二十一丁の 花崗岩(同上)
山頂と 大奈佐美島 目の先に(同上)
江田島に 立ち枯れた木が 秋惜しみ(同上)
石段や 二十二丁で あと二丁(同上)
山頂の 誤算誤解は ケルンかな(同上)
石仏は 観音様か 不明なり(同上)
二等でも 三角点は 大切に(同上)
コメヅカの 間のスポット 阿多田島(同上)
稜線に 先峠山は やや低く(同上)
急坂の 下には蒼き 大野瀬戸(同上)
桟橋は フェリーの離着 頻繁に(同上)
白糸の 滝に誘われ 寄り道を(同上)
白糸と 呼ぶより細き 今日の水(同上)
下山口 鳥居の紅葉 鮮やかに(同上)
全国の 観光リフト 乗るも夢(霊亀山/霊山登拝116) 60歳
出丸には 石垣が見え 城らしく(同上)
雲海に 津和野名峰 吉野山(同上)
山頂の 三十間台 山路長く(同上)
トラバース 崩れ足置く 場所もなく(同上)
山城や 崩れて悲し 櫓跡(同上)
山に入り 梵音ノ滝 予期もせず(宗箇山)
山頂の 花の見頃は 過ぎたとか(同上)
眼下には 七つの橋や 太田川(同上)
宮島が 岬の端々 顔見せん(同上)
谷隔て 丸山の形 秀麗に(同上)
見渡せば 広島湾に 安芸小富士(同上)
山を知り 歴史も学ぶ 飽きもせず(同上)
三瀧寺 三滝眺め 行く師走(同上)
山頂で 足がむくみて ひと休み(極楽寺山)
蛇ノ池 極楽寺山に 潤いを(同上)
奇妙なる かん千音岩 札所とか(野呂山)
石段の 先に弘法寺 本堂が(同上)
本堂の 屋根の景色に 冬の瀬戸(同上)
山頂の 付近一帯 キャンプ場(同上)
氷池 石に灯籠 庭らしく(同上)
十二月 マガモ一家は いい顔で(同上)
城山は 山頂附近 竹林(城山/霊山登拝117) 60歳
城跡と 賛意しかねる 眺めかな(同上)
南面に 広島空港 滑走路(篁山)
竹の字は 相互に似ては 寺の名に(同上)
南西に 入野集落 登山口(同上)
模造した 七堂伽藍 耕三寺(潮音山)
東屋で 標高無視し 眺め見る(同上)
生口島 豊かさ偲ぶ 瀬戸田港(同上)
豊かさの 証しや豪華 方位盤(同上)
大晦日 登山納めの 安芸小富士(安芸小富士)
登山口 民家の隣地 崖の坂(同上)
ササ藪の 刈り込み続く 登山道(同上)
尾根みちに 南国らしき 灌木が(同上)
山頂に 赤灯台や 島らしく(同上)
山の名を 覚える前に 島の名を(同上)
明治より 造船工場 金輪島(同上)
地獄鼻 眺め下山 天国を(同上)
宮島や 恋しく思う 雪景色(同上)
初日の出 遠のくばかりの 旅の空(黄金山)
山上は 積み荷に一番 気を使い(同上)
景観図 広島湾に 五島画き(同上)
似島や 午前中は 安芸小富士(同上)
年の瀬や 山が命と 豪語せむ(同上)
炭焼きの 歴史思わす ウバメガシ(同上/霊山登拝118) 60歳
誰もいぬ 山頂淋しき 観光地(同上)
鞆の浦 弁天島は 絵の如く(同上)
玉津島 堤防部分 一翼に(同上)
山頂に 中途半端な 電波塔(同上)
下山路は 中小のピーク 弥山駆け(同上)
大弥山 殺風景な 分岐点(同上)
小弥山は 下山道中 別の森(小弥山)
遊歩道 土管壊れて そのままに(同上)
小弥山や 何も見せんで 標識が(同上)
山頂に 用途不明の 通気口(同上)
文殊山 霊水口に 石段を(文殊山)
屋代島 沢の水音 春の声(同上)
まん丸い 山頂の芝 萌黄色(同上)
前島は 七人が住む 離島とか(同上)
笠戸島 何れは無人 なる哀れ(同上)
魅力ある 平群島に 移住者も(同上)
登山道 杉の落場に 雪降れと(同上)
鎮守社に 注連縄はなく 仏式で(草戸山)
登山道 法親王の 堂宇跡(同上)
火の神の 愛宕神社 山に建ち(同上)
美の極致 明王院の 国宝に(同上)
分岐点 一人ではなく 石仏が(同上)
歴史的 展望台も 世に知れず(同上)
山頂の 草戸山は やや低く(同上)
新年は 船で川から 鞆の浦(同上)
芦田川 先に白亜の 城も見え(同上)
早春の 江田島湾に 牡蠣筏(野登呂山/霊山登拝119) 60歳
江田島の ランドマークは クマン岳(同上)
山頂は 見晴らし悪く ベンチなし(同上)
安芸小富士 何処から見ても 富士の山(同上)
橋続き 火力発電所 長島に(同上)
東には 歴史の宝庫 大三島(同上)
温暖な 瀬戸内海に 雪の道(同上)
眼下には きのえ温泉 下山後に(同上)
赤頭巾 十三体の 石仏(同上)
雪が消え 情緒も消えた 登拝路に(同上)
薬師堂 白亜の殿堂 山頂に(同上)
山頂は 汚さないでと 地理院が(同上)
南には 今治方向 大下島(同上)
目の前に 大横島の 無人島(同上)
島東部 外浜海岸 大串に(同上)
駐車場 秋田ナンバー 一台(同上)
神の峰 スカイラインが 山肌に(同上)
登山道 石仏にっこり ウェルカム(倉橋火山)
石仏に 祈願するなり きのこ岩(同上)
山らしき 岩峰久々 火山かな(同上)
桂浜 先に鹿島は 橋続き(同上)
木の間には 雪融けずに 色を添え(同上)
白亜紀の 溶岩ドーム 火山かな(同上)
薄らと 石鎚山が 洋上に(同上)
山頂で 変な夢見る 死後獄に(同上/霊山登拝120) 60歳
火山には 島重なり合う 瀬戸の海(同上)
鹿島沖 忽那諸島は 未知の島(同上)
島々の 絶景眺め 下山路を(同上)
仰ぎ見る 巨石巨岩の 火山かな(同上)
軍港の 呉の歴史を 垣間見る(休山)
清盛の 瀬戸開削や 音頭取り(同上)
切串や 北の玄関 遠くなり(クマン岳)
尾根の出て 瀬戸の島々 春の詩(同上)
登り得た 似島宮島 岩の上(同上)
潮風に 松より似合う 樹木なし(同上)
丁度よい 古鷹山は 距離感で(同上)
木の奥に 山頂見えて 気も晴れる(同上)
ブロックの 名も無き岩は 花崗岩(同上)
山頂で 三苦休する 鐘鳴らす(同上)
ユートピア 広島湾の 似島にも(同上)
夥し 吉浦地区の 牡蠣筏(同上)
帆立より 槍の穂先に 見える岩(同上)
春や来し 古鷹山の 縦走路(同上)
岩峰の 一面を見る 古鷹に(同上)
クマン岳 別れ林道 再登山(古鷹山)
尾根に立ち 木々に山頂 見え隠れ(同上)
山頂の 直下は急な 試練道(同上)
願うかな 三級試験 合格を(同上)
クマン岳 熊の姿は 何処にか(同上)
生牡蠣や 下痢を覚悟の 酒のとも(同上)
下山道 鎖場もあり 刺激的(同上)
島旅に 欠かせぬ港 下山路に(同上/霊山登拝121) 60歳
沢あれば 古鷹山は 完璧と(同上)
雪山は スキーの持参 欠かせない(恐羅漢山)
そばつゆの 一味染むかな 山頂は(同上)
北西の 県境稜線 五里山が(女鹿平山)
北東の 谷間の奥に 市間山(同上)
経塚や 神仏習合 寒霞渓(同上)
宝塔は 狛犬灯籠 法華経(同上)
神域は 立入禁止の 聖地とか(同上)
三笠山 安山岩の 火山地で(同上)
三笠山 サクラは蕾 芝萌黄(同上)
春はまだ 足踏みするや 寒霞渓(同上)
尾根に出て 霧が遮る 弥生ぞら(同上)
西峰に 磐座に似し 岩場あり(同上)
東峰の いや異な感じ 舎利塔は(同上)
駅名に 紅葉亭の 名のみあり(寒霞渓)
餌あさる 野猿の群れが 渓谷に(同上)
蟾蜍岩 それらしき岩 写真撮り(同上)
難解な 名を改めて 蛙岩(同上)
天に立つ 竹の子の峰 名の如く(同上)
画帖石 谷啓のギャク 思い出す(同上)
七景は 安山岩の 画帖石(同上)
層雲壇 ウサギの耳に 見えしかな(同上)
荷葉岳 フクロウ顔の 姿かな(同上)
散りてなお 地面華やぐ 椿かな(同上)
脱げそうな 坊主頭に 烏帽子岩(同上)
絶壁に 洒落た東屋 展望所(同上/霊山登拝122) 60歳
仰ぎ見た 奇勝奇岩が 目の高さ(同上)
雪あれば 絶景絶佳 四望頂(同上)
サルオガセ 十一景の 女羅壁に(同上)
錦秋の 層雲壇は 夢の上(同上)
山上の 三笠園地に 鹿の像(同上)
下山路は 裏八景の 絶景を(同上)
鹿岩や 下山最初の 奇岩なり(同上)
写真付き 案内板に 名を覚え(同上)
鹿よりも 大きな松茸 下山路に(同上)
岩峰に 登る術なし 幟岳 (同上)
裏表 二十奇勝や 寒霞渓(同上)
寒霞渓 猪ノ谷池が 結びかな(同上)
低くても 吉備の中山 霊山で(吉備中山)
境内に 立派な石標 登山口(同上)
水無しの 沢は淋しき 春なのに(同上)
登拝路に 神奈備の森 清々し(同上)
山頂は 八大竜王 道しるべ(同上)
山上に 元宮磐座 保存され(同上)
経塚や 仏教色が ちらほらと(同上)
山頂の 以南丸山 なだらかで(同上)
身を隠す 吉備の中山 カクレミノ(同上)
アラカシの 林に響く 靴の音(同上)
混合樹 下草もなく 落葉のみ(同上)
下山路に 磐座道の 道しるべ(同上)
新たなる 磐座の石が 境内に(同上)
岩間には ムラサキツツジ か弱くも(うさぎ山)
道路際 ムラサキツツジ 逞しく(同上)
ヤマザクラ うさぎ無視して 我ひとり(同上)
山頂で 慰霊やまずか 毒殺に(同上)
アカシヤの 花より香り うさぎ島(同上)
羅漢山 秋田ナンバーは 初見えか(羅漢山/霊山登拝123) 60歳
登山道 見晴らしの良い 草原地(同上)
有料の スベリ台には 人はなく(同上)
山焼きや 不知火の杉 残りしと(同上)
辛うじて 北の山々 霞むかな(同上)
春なのに 山上一帯 草紅葉(同上)
ベンチには 登山者がなく 閑古鳥(同上)
壊された 石仏一体 阿羅漢か(同上)
晴れ間待つ 寂れた山の 東屋で(同上)
カタクリの 花にはいつも 癒されし(同上)
スズランや 久々に見る 本州で(同上)
満開の サクラ並木に 我ひとり(同上)
珍しき ヤマシャクヤクが 島山に(大満寺山)
野の花や 二輪あってもの ニリンソウ(同上)
苔とシダ 樹林の友や 登山道(同上)
春告げる カタクリの花 離島にも(同上)
英字入り 案内標識 分岐点(同上)
西斜面 銚子ダムには 水は満ち(同上)
島めぐり 折畳式 自転車で(同上)
海にまで 飛び込みそうな 坂の道(同上)
中ノ島 最高峰は 家督山(同上)
松島や 隠岐の島にも またありき(同上)
表示板 金光寺山 色しろく(同上)
首のない 石仏哀れ 参道に(同上)
金光寺 山頂附近に 鎮守社が(同上)
低くても 金光寺山 霊山に(同上)
中ノ島 ヒノキ林が 広々と(同上)
春の海 白海士海岸 絶好地(赤ハゲ山)
放牧地 黒牛の群れ トビが舞い(同上)
山頂で 炭酸濁る 不思議さよ(同上/霊山登拝124) 60歳
一等の 三角点に 野ダイコン(同上)
防護柵 放牧場に 曲線美(同上)
尾根に出て 見晴らしの良い 草原に(吾妻山)
縦走路 まだ遥かなり 比婆山は(同上)
北西に 俵原越 県境(同上)
山麓に 葦嶽山の ピラミット(同上)
北側に 凛々しき峰の 矢筈山(同上)
北の峰 真ん丸頭 大山が(同上)
分岐点 大膳原の 鞍部へと(同上)
灌木が 芽吹き始めた 登山道(同上)
花はなく 春に至らず 吾妻山(同上)
烏帽子山 大膳原の 東空(同上)
吾妻山 大膳原の 西の空(同上)
分岐点 峠越えれば 奥出雲(同上)
山頂に ホクロの如し 一本木(同上)
山上に 山の由来の 烏帽子岩(烏帽子山)
烏帽子の名 八十五座が 全国に(同上)
標高は 胃に濁りなしと 方位盤(同上)
山頂は 枯山水の 庭のよう(同上)
花咲けば どれほど良いかと 烏帽子山(同上)
人為的 条溝石の 線刻は(比婆山)
比婆山に 謎の岩石 テンコ盛り(同上)
烏帽子山 越えて比婆山 ブナ林(同上)
新緑の ブナ純林は 格別で(同上)
山頂で 人にごろつく ヒバゴンか(同上)
桃太郎 産まれ来そうな 岩に見え(同上/霊山登拝125) 60歳
目を見張る 二木の栂の 古木かな(同上)
倒木の 栂や哀れや 三本も(同上)
手水石 信仰薄れ 水は涸れ(同上)
ウグイスの 鳴く声だけが 春らしく(同上)
気の毒な ドクダミの花 名前ゆえ(同上)
荒地でも オオバキスミレ 逞しく(同上)
烏帽子山 ベンチに人の 姿見ず(烏帽子山)
比婆山や ブナの新緑 目の保養(同上)
矢筈山 気になる山は 数知れず(同上)
水涸れた 沢に覇気なし 五月晴れ(同上)
ノギランの 群落眺め 山を去る(同上)
登山口 渓流あれば 理想的(吉和冠山)
ブナ林の 新緑深き 登山道(同上)
カタクリの 花は終りて 淋しさも(同上)
仏岩 ブナの小花も 寄り添えり(同上)
ミズナラの 木も混じり合う 登山道(同上)
下草は クマザサ多き ブナ林(同上)
分岐点 ベンチも何も ない広場(同上)
柳より 緑鮮やか ブナ緑(同上)
ブナの木や 山頂高く 途切れなく(同上)
山頂の 景色はブナの 木々ばかり(同上)
尾根沿いに 展望開け 立ち止まる(同上)
春霞 クルソン岩は 髷を結い(同上)
北東に 女鹿平山が 薄らと(同上)
トノカブト 買っても締める 蔦はなく(同上)
神のごと クルソン谷に 巨岩あり(同上)
谷沿いは 直立不動の 杉林(同上)
水の音 髙く聞こえて 登山口(同上)
午後からは 寂地峡から 寂地山(寂地山/霊山登拝126) 60歳
沢水に 柄杓ないので 飲み控え(同上)
緩やかな 稜線弓なり 寂地山(同上)
林道を 過ぎて犬戻 分岐点(同上)
鮮やかな ブナの新緑 登山口(同上)
犬戻 上流の小滝 段々に(同上)
清流に 草木もまた 清らかに(同上)
道沿いに 延命水の 沢水が(同上)
タニギキョウ 延命水で 元気そう(同上)
木製の イスとテーブル さりげなく(同上)
ブナの古樹 仁王の如く 立ちてあり(同上)
山頂の 遺産見ないで 下山する(同上)
寂地山 眺めるだけの 仲間入り(同上)
貧相な ツツジの花が 道のべに(久司山)
罠を見て 島にイノシシ 居ると知る(同上)
南端の 長磯ノ鼻 船の波(同上)
弓削島や 塩の荘園 平和裏に(同上)
ゆったりと 船の往来 春の瀬戸(同上)
久司山の 三角点は 伊予になる(同上)
トビが飛び 空に潤い 五月晴れ(同上)
若竹の 生い茂る道 入口は(立石山)
擬似木の 手すり踏み段 一文字(同上)
ツツジには カラスアゲハが 蜜求め(同上)
山頂の 三角点は 遺産やも(同上)
生口島 しまなみ海道 白い線(同上)
無人島 活用方法 有るのでは(同上)
メンヒルに 人工的な 線刻も(同上)
百合原の 牧草地帯 登山口(上蒜山)
緩やかな 杉の林の 登山道(同上)
杉林 一合附近 一帯に(同上)
二合目で 混合林に 様変わり(同上)
三合目 灌木林の ザレ場なり(同上)
なだらかな 稜線続く 山頂に(同上/霊山登拝127) 60歳
六合目 花を見かけぬ 草地なり(同上)
広大な 蒜山高原 南麓に(同上)
大輪は ジョイフルセンター 観覧車(同上)
山頂と 思えばピーク 槍ヶ峰(同上)
尾のような コバノズイナの 花奇妙(同上)
八合目 標識の先 大山が(同上)
山頂は 緑濃く映え 灌木に(同上)
大山の 岩峰くっきり 西の空(同上)
尾根みちに レンゲツツジが ちらほらと(同上)
山上の ブナの若木に 驚きも(同上)
山頂で 人に礼にと 忙しく(同上)
山麓に スキー場あり いつの日か(同上)
立ち枯れの 木々は哀れな 風景で(同上)
登山道 大きな落石 そのままに(道後山)
緩やかな 高原台地 ハイキング(同上)
山頂は 丸みを帯びた 傘型で(同上)
花らしき レンゲツツジが 草原に(同上)
クマザサに 日野街道が 白く見え(同上)
東には 三県接する 三国山(同上)
笹道が きれいに払われ 気持ち良し(同上)
大池や 小池に見えし 山上で(同上)
イワカガミ キンポウゲとの 競演で(同上)
岩樋山 山頂暑く 衣担いし(同上)
石垣に 偲ぶ櫓は 三層で(月山)
城跡に 落とす涙や 鹿介(同上)
城跡は 森林化され 山深く(湊山/霊山登拝128) 60歳
分岐点 標識頼り 山頂へ(同上)
石垣は 昔のままで 草深き(同上)
東屋に 往時の天守 偲ばれず(同上)
ノアザミに 忍者姿の クロアゲハ(同上)
廃城後 城内の木々は あるがまま(同上)
杉林 過ぎて雑木の 灌木地(那岐山)
クマザサに 寄り添う花は ここになく(同上)
優美なる 山頂見えて 射程内(同上)
緩やかな 斜面を眺め 気も楽に(同上)
中腹に 杉の植林 減滅も(同上)
八合目 笹に灌木 また出会い(同上)
タニウツギ 今日の登山の 初花に(同上)
山頂に 人荷午後から 運ばれて(同上)
眼下には オッパイ型の 山並みが(同上)
タニウツギ まだ美しき 花を付け(同上)
コルを経て 三角点峰 対峙する(同上)
鞍部には 年季の入った 避難小屋(同上)
山神は 人に指令す 拝めよと(同上)
土師川の 源流の味は 格別で(同上)
石門に レンゲツツジが 花添えて(同上)
那岐山は 凪に通ずる 穏やかさ(同上)
分岐点 蛇淵コース 良さそうで(同上)
下山後は 菩提寺参拝 感謝して(同上)
木段が あっても脇に 靴の跡(三本木山)
草はらう ストックの先 蛇注意(同上)
立ち止まる 樹間の景色 尾根の風(同上)
山頂の 視野むなしいと 石に座す(同上/霊山登拝129) 60歳
西側に 鷹ノ条山 砦見え(鷹ノ条山)
砦風 展望台で 染みやとる(同上)
中腹に 昆虫館の ドーム見え(同上)
名前なき 巨岩もありき 下山路に(同上)
石垣の 石段ゆかし 上り口(八雲山)
山頂は 意外と近く もう僅か(同上)
道沿いに 寂れた様子 集会所(同上)
新興の 宗教話 山頂に(同上)
祝詞にも 賽銭箱が ある不思議(同上)
四等の 三角点が 八雲山(同上)
死にむかう 冥途の旅は 霊山で(同上)
前泊の 海潮温泉 南西に(同上)
山頂で 祈り深めん 釈迦牟尼に(皿倉山)
帆柱に 白秋の風 肌にさす(同上)
記念碑に 鉄の都の 調べ聞く(同上)
山の神 皿倉山の 石祠にも(同上)
八幡区の 電波は全て 皿倉に(同上)
観覧車 スペースシャトル 消えるとか(同上)
海風や 若松港に 貨物船(同上)
よく見れば 皿倉山は 皿形(同上)
山で見る 花火は首が 疲れずに(黄金山)
割物の 牡丹を囲む 万華鏡(同上)
割物の 大輪の王 菊花火(同上)
涼しさや 港の夜景 その風も(同上)
宇品島 ホテルの灯り 煌々と(同上)
急ぐ時 リフトは便利 待ちゼロで(勝山)
搬器降り 山頂天守へ 登り坂(同上)
由利島や 無人島から ダッシュ島(同上)
高島屋 大観覧車 屋上に(同上)
山頂は 一見にならぬ 景観で(同上)
大天守 国宝昇格 待ち望む(同上)
先ず目指す 長塀山の 四キロ余(蝶ヶ岳/霊山登拝130) 60歳
木の根みち 小さな梯子 思いやり(同上)
ぬかるみに 丸太の仮設 有り難く(同上)
蝶ヶ岳 標識見えて メリハリが(同上)
予期もせず 長塀尾根に 名無し池(同上)
シダ草に カラマツソウの 花白く(同上)
池塘には ミスバショウの葉 伸び伸びと(同上)
コオニユリ カラマツソウと 背比べ(同上)
神秘的 妖精の池 庭風に(同上)
稲に似た 草も生えたり 池の側(同上)
縦走路 二麓七菜の 花眺め(同上)
方位盤 あっても今日は 役立たず(同上)
山頂に 一面咲くや オヤマソバ(同上)
下山路は 横尾を目指し 未知の道(同上)
晴れたなら 常念岳が 北稜に(同上)
尾根からは ガレ場ザレ場の 連続で(同上)
下山路の 第三ベンチ 倒木で(同上)
この季節 珍しく見る テングダケ(同上)
立ち枯れや 倒木多く 胸を突く(同上)
露出した 木の根が手すり 坂の下(同上)
槍見台 丸太と石の ベンチ付き(同上)
槍ヶ岳 槍沢見えて よしとする(同上)
下山口 槍と蝶との 分岐点(同上)
横尾から 奥穂を目指し 再登山(同上)
屏風岩 穂高連峰 横尾顔(同上)
今日の宿 涸沢までは 道半ば(同上)
横尾谷 崩れた崖が 痛々し(同上)
夏山は 雨上がりこそ 緑濃く(同上)
疲れても 癒しの先に キリンソウ(同上)
夏の穂や 涸沢コース 王道で(同上)
涸沢に 山小屋二軒 ユートピア(同上)
残雪期 テント三泊 春スキー(同上)
前穂では 岳沢パノラマ 忘れ得ず(同上/霊山登拝131) 60歳
朝食は 山小屋にしては 手が込んで(同上)
残雪を 融かして風呂を 沸かせばと(同上)
涸沢が 小さく見えて 鳥瞰図(同上)
深入山 花の宝庫で マルバハギ(深入山)
微量でも 沢に水あり 潤いが(同上)
枯れ松の 枝振り今だ 美しく(同上)
安芸らしく シラヤマギクと ご対面(同上)
南西に 登頂済の 三座の名(同上)
北東に 三名山が 名を連ね(同上)
大佐山 備北一の 名峰と(同上)
とら刈りや 恐羅漢山 スキー場(同上)
北西に 小板集落 田の実り(同上)
哀愁や 深入山に ススキの穂(同上)
下山路に 枯れないススキ 登山客(同上)
リンドウと シラヤマギクの 花の道(同上)
遥拝所 立派で大きな 三階で(石鎚山)
尾根みちに 丸太のベンチ 展望所(同上)
固有種の シコクシナベが 美しく(同上)
土小屋の コースは楽で 初心者も(同上)
今日の花 ツリガネニンジン 一番目(同上)
谷間には 前社ヶ森の 山肌が(同上)
分岐点 山頂までは もうわずか(同上)
山頂は 断崖絶壁 岩峰も(同上)
山頂の 一部は森に 覆われて(同上)
剣山 石鎚山の ピークでも(同上/霊山登拝132) 60歳
行くなよと 弥山山頂 引き留める(同上)
天狗岳 空海大師 山上に(同上)
山上を 幾夜にわたる 天狗かな(同上)
天狗岳 南尖峰が その先に(同上)
弓形の 土小屋尾根を 優しげに(同上)
石鎚の リンドウ青く 岩の間に(同上)
草地には 足止めさせる キリンソウ(同上)
鎖場に 行列ができ 危険増す(同上)
名物の 石段かごが 大門へ(象頭山)
北東に 讃岐富士こと 飯野山(同上)
奥社過ぎ 荒れた参道 続くなり(同上)
登拝者は 我一人なり 象頭山(同上)
三本の 倒木放置 トンネルに(同上)
御手洗は トイレか地名か 意味不明(同上)
象頭山 毎日登山の ない不思議(同上)
山頂に 白黒の鳥 碁に一致(同上)
素晴らしき 卓上台地 仇桜(同上)
道崩れ 倒木そのまま 登山道(同上)
結局は 奥社に戻り 人を見る(同上)
二ノ丸の 桜の木々は まだ青く(亀山)
本丸に ポツンと天守 淋しくも(同上)
山頂に 立つわれ今は 無禄なり(同上)
飯野山 これから行くので よろしくと(同上)
坂道に もう三合目の 表示版(飯野山)
五合目も 展望の良い 巻き道で(同上)
濃い緑 混合林の 登山道(同上/霊山登拝133) 60歳
分岐点 山頂直下 急登を(同上)
死にに行く 兵士に奉げる 御製歌が(同上)
山上の おじょも桜は ヤマザクラ(同上)
山麓に ため池無数 集落地(同上)
南には 猫山城山 東山(同上)
坂出から 瀬戸大橋線 海の道(同上)
吉居川 堰堤沿いに 登山道(笹ヶ峰)
沢水に 柄杓があれば 水場す(同上)
小規模に シラヤマギクが 群生す(同上)
杉林 落葉少なし 管理され(同上)
山の名に 恥じない風情 ササ多く(同上)
笹の種は ミヤマクマザサ 一面に(同上)
盛り過ぎ ミヤミウツボグサ 貧弱に(同上)
痛いよと 足元下の 石の苔(同上)
笹原に 岩が顔出し 賑やかに(同上)
一面の 笹原見れば 笹ヶ峰(同上)
山頂が 見えて尾根には 親しみが(同上)
コメツツジ クマザサの間に 赤茶けて(同上)
四国にて ウスユキソウは 初対面(同上)
山頂は 一夜獄にも 居る如く(同上)
笹の葉に シコクフロウの 花抗し(同上)
奇岩なく 名もなき岩が ゴロゴロと(同上)
山小屋や 築八十年 痛々し(同上)
吉居川 徒渉せずとも 丸太橋(同上)
宿の名に 石鎚修験 追憶す(同上)
宿よりは 水音絶えぬ 吉居川(同上)
通勤時 マツダスタジアム 目の前に(二葉山)
駅前に 比治山公園 安芸小富士(同上)
何気なく 住むレオパレス カメラ向け(同上)
砲台の 跡地に今は 平和塔(同上)
短距離の 瓶ヶ森でも 奥ゆかし(瓶ヶ森/霊山登拝134) 60歳
紅葉に 岩肌白き 男山かな(同上)
雲海の 石鎚山は 秋の顔(同上)
尾根の先 女山頂上 丸く見え(同上)
男山には 二つの祠 神仏(同上)
避難小屋 石鎚山が 屋根の上(同上)
天狗岳 錯覚を見ん 瓶ヶ森(同上)
優しげな 山の姿や 女山かな(同上)
草臥れた 三角点は 二等とか(同上)
山頂で 一役名を成す 女形(同上)
雲上の 石鎚山塊 阿弥陀様(同上)
伊予富士や これから行くと 頭下げ(同上)
笹原は 紅と緑の 化粧して(同上)
林道に 森や頭が 目白押し(同上)
登山口 広場にベンチ トイレまで(同上)
伊予富士や 尖がり帽子 ススキの穂(伊予富士)
鮮やかな 紅葉彩る 伊予富士に(同上)
尾根みちは 見晴らしが良く 気持ち良し(同上)
三等の 三角点に イナゴむし(同上)
俯瞰する 稜線そのまま 登山道(同上)
分岐点 寒風山のみ まだ踏まず(同上)
瓶ヶ森 森と言うより 原の字を(同上)
下山路で 見送る花や キリンソウ
藪掃い 倒木避ける 道ありき(作礼山)
花二鉢 一番上の 観音に(同上)
崖の下 案内板に 登山道(呉婆々宇山)
松中の 呉婆々宇山に 秋の風(同上)
秋晴れの 呉婆々宇山に 登山者が(同上/霊山登拝135) 60歳
北西の 冠山は やや高く(同上)
山間に ポツンと白く 可部の町(同上)
下山して 藤ヶ丸山 縦走路(同上)
途中には 見晴らし丘 足止める(同上)
眼下には 二ヶ城山 馬木町(同上)
イノシシが 潜んでいそうな 岩影は(同上)
分岐点 管理センター 結びの地(同上)
登山終え 森林公園 ほぼ制覇(同上)
紅葉は 盛りを過ぎて 落葉へと(扇ノ山)
低木の 先は明るい 山頂に(同上)
避難小屋 工事完了 目前で(同上)
目の覚める 紅葉が赤く 登山道(同上)
クマザサに カエデの並木 赤く映え(同上)
橋壊れ 徒渉やむなし 細見川(同上)
本坊で 朱印頂き 登拝する(大師山)
石仏や 手入れもされず コケ白く(同上)
目を見張る 名所不足の 大師山(同上)
秋雨の 駅舎は人を 寄せ付けず(同上)
眼下には 温泉街に 銀の河(同上)
山頂に 兄さん一番 参拝す(同上)
ゴンドラの 中より拝む 大悲殿(同上)
門前の 茶店淋しく 秋の風(先山)
石段の 横の荷車 重そうに(同上)
先山を 降りたら次は 三熊山(同上)
国史跡 城郭踏破 洲本城(三熊山)
城の西 国の始まり 淡路富士(同上/霊山登拝136) 60歳
古代より 磐座信仰 日の本に(同上)
石垣の 草は刈れよと 元城主(同上)
鳥居には 大麻山は 弥山とも(同上)
気を転じ 裏参道の 木にもふれ(同上)
有難さ 真名井の水の 注連縄に(同上)
急登や 我がまま言えば 九十九折(同上)
名無し杉 二木に多き 夫婦杉(同上)
表裏 往ったり来たり 登拝道(同上)
北西で 矢筈と黒笠 背比べ(剣山)
剣山 本宮鳥居 三基目で(同上)
南麓に 高ノ瀬峡は 那賀川へ(同上)
三嶺には 下山後行くよ 頼みます(同上)
祠建つ 宝蔵石が 本宮で(同上)
名頃ダム 錦と緑 変電所(三嶺)
若木には 鹿除けネツト 痛々し(同上)
葉は落ちて 山頂附近 晩秋に(同上)
四国では 脇役のまま 三嶺かな(同上)
べふ峡の 先に高知の 知らぬ湯が(同上)
天国の 階段らしき 登山道(同上)
山頂を 眺めて見れば ピラミット(同上/霊山登拝137) 60歳
稜線に 次郎と太郎 顔合わせ(同上)
西端に 三角形の 天狗塚(同上)
西稜の 西熊山は 最高地(同上)
北面に 標高近き 矢筈山(同上)
紅葉に 混じりヒュッテの 屋根赤く(同上)
崖崩れ 哀れに思う 山景色(同上)
四・五段の 滝に名がなし 谷の川(同上)
人間の 仕種気にする 小鹿かな(同上)
シンプルな 鉄橋架かる 登山道(銅山越え)
橋の下 小足谷川 水清く(同上)
閉山し 鉱毒消えて 天然に(同上)
混林樹 足谷山は 改まり(同上)
滝の名は 忘れ去れて 地図になき(同上)
山越えや 三百年は 消えもせず(同上)
閉山後 銅山越えも 緑地化が(同上)
松の木は 背丈ほどの 若木なり(同上)
谷の先 赤石山塊 来週に(同上)
瀬場谷に おっかなびっくり 丸木橋(東赤石山)
登山路は 滝の連続 刺激的(同上)
分岐点 左俣コース 山荘へ(同上)
左俣 ガレ場の急登 本腰で(同上)
滝組や 自然庭園 左俣(同上)
二股に 分かれた滝は 沢と似し(同上)
滝壺や 夏ならプール 楽しそう(同上)
クマザサに 森林限界 知る眺め(同上)
岩肌に 同化している 草紅葉(同上)
三色の 樹木彩る 登山道(同上)
石鎚の 山脈空に 十里ほど(同上)
奇岩群 あっても名なき 岩ばかり(同上)
稜線に 権現山が 隣り合い(同上)
山頂の 岩峰飾る 五葉松(同上)
異な冷霧 山頂の岩 立ち込める(同上)
東奥に 連なる岩峰 二ッ岳(同上/霊山登拝138) 60歳
ヒノキの実 ブドウの如く 枝の葉に(同上)
間引きされ 切り株多き 登山道(同上)
参道の 杉の古木も 経を詠む(岩屋山)
遍路みち ピークの標高 七百か(同上)
石仏に 地蔵菩薩が 多くあり(同上)
修験者は 如何にこの岩 行せしと(同上)
赤々と 四辻ノ森の 秋の暮れ(同上)
勿体ない ヒノキの伐木 放置され(三本杭)
迷い道 細木に表示 赤テープ(同上)
苔生した 石に落葉の 登山道(同上)
ブナの幹 穴明きやすく 哀れにも(同上)
桧尾根 ヒノキは疎ら 灌木に(同上)
石楠花や 花咲かずとも シャクナゲで(同上)
庭園の 仕立ての如く オンツツジ(同上)
山頂の 禿げた姿は 草紅葉(同上)
鹿除けの 網は不自然 何時までか(同上)
踏破した 愛媛の山や 遥か空(同上)
未だ踏まぬ 四国の名山 篠山で(同上)
いきなりの 急な石段 四苦八苦(篠山)
参道の 砂岩に残る 切り崩し(同上)
山頂の 小さな池や 神秘的(同上/霊山登拝139) 61歳
篠山は アケボノツツジの 名所とか(同上)
板橋の 脇にも沢水 流れ落ち(絵下山)
トレランに 丁度よいかな 山の尾根(同上)
斜面には シダ一面に 葉を広げ(同上)
熊野岩 花崗岩の 展望所(同上)
北面は 呉婆々宇山に 府中町(同上)
海田湾 コの字に曲り 瀬野川に(同上)
天狗岩 何処が正面 悩む岩(同上)
押込に 水源池が 青々と(同上)
一輪の エンメイソウが 晩秋に(同上)
東屋の 名無しの岩は 盆栽か(同上)
林道の 先にスリムな 電波塔(同上)
宮島に 西能美島 重複す(同上)
峠島 安芸小富士似の 島の形(同上)
アンテナは デジタルテレビ 放送所(同上)
ススキの穂 呉婆々宇山に 捧げたる(同上)
絵下山や 四季折々の 顔見たき(同上)
島山の 登山道には 手すりあり(積善山)
南には 赤穂根島が 目の前に(同上)
展望路 カラークリートに 草紅葉(鷲羽山)
橋架かる 櫃石島に 貨物船(同上)
鷲羽山 ビジターセンター 丘の上(同上)
山頂は 岩場に踏石 瀬戸の海(同上)
方位盤 勇み足には 良く見えず(同上)
下津井の 瀬戸大橋に 電車行く(同上)
児島には ジーンズの色 海に見え(同上/霊山登拝140) 61歳
ホテルより ビジターセンター 立派なり(同上)
潮風に 松の根性 最強で(同上)
奇形樹に 奇根もありや 岩の上(石城山)
北西に よく聞く山や 烏帽子岳(同上)
北水門 古墳時代の 石積みが(同上)
北門に コンクリートは 野暮と見る(同上)
放置した 神籠石には 苔が生し(同上)
石城山 五つのピーク 知る表示(同上)
水門に 龍のウロコや 龍尾石(同上)
山頂の 景色は殆ど 絵にならず(同上)
神護寺に 新たな歴史 義勇兵(同上)
生え変る 若木ばかりの 登山道(弥谷山)
遍路みち 石仏墓石 数知れず(同上)
尾根沿いの 隠砦跡 土塁あり(同上)
腰掛けた 石の形より 人の名に(我拝師山)
花頭窓 潜り大師の 霊山に(同上)
標示板 捨身誓願 聖地とか(同上)
岩場過ぎ 山頂直下 緩やかに(同上)
山頂の 景色新たに 年変り(同上)
北東に 頭抜け出す 讃岐富士(同上)
禅定の 屋根飛ぶ如く 奥ノ院(同上)
丸亀の 城と港が 北の空(同上)
分岐点 観音石造 角に立つ(甲山)
園地には 育たぬ樹木 ちらほらと(同上)
山頂は 見る影はなく 笹にイス(同上)
善通寺に 七堂伽藍 俯瞰する(香色山/霊山登拝141) 61歳
岩削り 通した道は いつ頃か(同上)
甲山 先ほどまでは 山の上(同上)
飯野山 讃岐平野の シンボルで(同上)
山頂の 眺め素晴らし 異語なくと(同上)
経塚と 石棺墓とが モニュメント(同上)
山頂の 案内板に 未知はなし(同上)
この季節 雪のないのが 異常とも(太龍寺山)
露呈した チャート岩体 登山道(同上)
点在す 巨木の 切り株 切なくも(同上)
新たなる 山さきもりは 山の神(同上)
はね出しの 展望台に 高知港(五台山)
懐かしき 昭和の匂い 展望所(同上)
鏡川 上流の森 高知城(同上)
浦戸湾 三角峰は 宇津野山(同上)
屋島では ケーブル廃止 ホテル危機(屋島)
城下町 県都とならず 国史跡(指月山)
登山口 農家の軒先 怪しげに(東鳳翩山)
林道に 案内もなく 不安気味(同上)
尾根みちは 灌木となり いい眺め(同上)
山頂に 負けず連なる 山並みよ(同上)
谷間には 一の坂ダム 三日月に(同上)
広場には イスとテーブル 五組ほど(同上/霊山登拝142) 61歳
二ツ堂 走って下る なだらかさ(同上)
悪路とや 錦鶏の滝 眺め得ず(同上)
振り向いて またとは言えぬ 遠き山(同上)
下山口 石垣石段 気品あり(同上)
雲辺寺 屋根だけ見ても 大伽藍(雲辺寺山)
雲辺寺 五百羅漢は リアルすぎ(同上)
岳ノ辻 展望台は 全方位(岳ノ辻)
複雑に 電波は交差 岳ノ辻(同上)
石仏に 立派な祠 摩尼山は(高野山)
山頂で 一礼霊視 観世音(同上)
石仏に 石コロ混じり 杉の葉に(同上)
杉林 間伐されて 陽も射りし(同上)
下山後は 空海さんに 感謝告げ(同上)
分岐点 先ずは山頂 目指すなり(狗留孫山)
あと少し 樹木の向こう 陽の光り(同上)
小串沖 女島男島の 島も見え(同上)
山頂を 下れば修禅寺 奥ノ院(同上)
奥ノ院 観音堂で 懸け造り(同上)
白亜紀の 安山岩が 目前に(同上)
参道に 再び戻り 本堂へ(同上)
石仏に 声かけながら 下山する(同上)
石垣に 桧の古木 危うげに(同上)
大岩は 観音菩薩の 化身とか(同上)
まん丸い 大平山は 五月晴れ(大平山)
南側 茶ヶ床園地 木も生えて(同上)
数頭の 牛の姿が 中腹に(同上)
山頂で 登山客らの 私語止むか(同上)
草原に オカオグルマの 黄花咲き(同上)
木の根かと 思えば怪石 草原に(同上)
紐状の 石の造形 摩訶不思議(同上)
水場では 獅子の口から 水流れ(求菩提山/霊山登拝143) 61歳
六世紀 卜仙なる僧 開山と(同上)
山頂で 手持ちストック 納屋に入れ(同上)
一山の 座主館跡 遠い春(同上)
山頂に 一礼後ゴミ 拾うかな(脊振山)
稲佐山 三指に入る 展望所(稲佐山)
城岳を のんびり散策 遊歩道(城岳)
島暮らし 眼下に見える 船や家(同上)
複雑な 入江景観 福江島(同上)
田畑に ソーラーパネル 美化ならず(同上)
火ノ岳の 中腹の芝 ゴルフ場(鬼岳)
鬼岳が 名所めぐり 最後かと(同上)
海沿いの 萁岳臼岳 乳房山(同上)
富江には 連休一夜の キャンプ場(同上)
蠑螺島 食べてみたい 島の名で(同上)
山焼きで 生まれ変わるか 鬼岳は(同上)
岩壁に 雲仙らしき 空気よむ(雲仙岳)
咲くツツジ ミヤマキリシマ 十万本(同上)
雲仙の 名は温泉が 転化して(同上)
谷道に 妙見岳と 国見岳(同上)
国見岳 眺める国は 肥前肥後(同上)
国見岳 岩の山頂 廃れ気味(同上)
分岐点 鬼人谷口 山頂へ(同上/霊山登拝144) 61歳
道沿いの ウンゼンクマザサ 葉が細く(同上)
山頂に 巨岩が鎮座 普賢岳(同上)
いつの間に 普賢菩薩が 神様に(同上)
山頂で 一味獄へと 繋がれて(同上)
谷を経て 西の空には 国見岳(同上)
南西に 妙見岳が 逞しく(同上)
霧氷沢 名ばかりとなる 温暖化(同上)
ヤマボウシ 岩の間に 枝伸ばし(同上)
新山の 溶岩ドーム まだ熱く(同上)
宮様の 歩いた記念の 石畳(同上)
あるがまま 枝葉の伸びた 松を見る(同上)
分岐点 山頂目指し スキップを(多良岳)
狭隘な 岩場の坂に 補助ロープ(同上)
石仏に 蔦が絡まり 輪袈裟かな(同上)
東には 有明海の 春霞(同上)
金泉寺 立派な山小屋 オアシスで(同上)
二岐の 桧珍し 金泉寺(同上)
牧草地 過ぎカラマツ 林みち(同上)
東には 飯田高原 湯の煙り(同上)
北の空 テーブル状の 万年山が(同上)
カラマツの 林の中は 笹の道(同上)
花咲けば さぞや綺麗か ヤマツツジ(同上)
何祀る 大分側の 石祠には(同上)
山頂で イチゴ丸々 十個食べ(同上)
熊本の 祠の神も 不明なり(同上)
南には 阿蘇カルデラに 阿蘇五岳(同上/霊山登拝145) 61歳
南東に 九重連山 湯煙りも(同上)
九重山 奥に祖母山 高らかに(同上)
崩落の 跡地に草生え 良き眺め(同上)
土塁には 百済の技術 大野城(同上)
倭の国は 百済難民 礎を(同上)
盛土した ピークに見える 緊張感(同上)
岩屋山 太陽信仰 陽石に(岩屋山)
岩屋には 石仏線刻 様々に(同上)
向島 しまなみ海道 Sの字に(同上)
春盛り 尾道水道 船絶えず(同上)
本道を 逸れて細道 不安さも(大山)
涸れ沢の ガレ場そのまま 登山道(同上)
林道を 横切り進む 険路へと(同上)
見晴しが 開け振り向く 谷景色(同上)
ブナの根が 和合をしたり かずら坂(同上)
急登で 無いよりましと トラロープ(同上)
タニウツギ 見なれた花でも 魅せられる(同上)
山頂が 見えても焦らず 岩を踏む(同上)
飛びそうな 花が咲くなり トンボソウ(同上)
象ヶ鼻 ハナは花でも ナナカマド(同上)
固有種の ダイセンクワガタ 石に添う(同上)
大山は 花の名山 宝庫でも(同上)
紫の ヤマオダマキを 和の花で(同上)
山高く レンゲツツジは 誇張せず(同上)
三鈷峰 最後の急登 絶句する(同上)
登山者の 人気投票 ケルンかな(同上/霊山登拝146) 61歳
円筒は 吸い殻入れと 見る広場(牛田山)
分岐点 案内板が 八咫烏(同上)
二葉山 比治山越えて 安芸小富士(同上)
太田川 隔ててどすんと 武田山(同上)
見晴しは 黄金山が 一位なり(同上)
宮島も 全貌見せて 誇らしげ(同上)
分岐点 神田山から 早稲田へと(同上)
露呈した 岩盤となる 下山道(同上)
シダ生える 道に身を置く 渡り鳥(同上)
高台の 牛田早稲田は 良き宅地(同上)
雨のあと 滑りやすきや かずら坂(三徳山)
頑丈な 安山岩に 鐘楼が(同上)
馬ノ背や ナイフの如く 岩続く(同上)
奥ノ院 空海大師 像安置(再度山)
天狗岩 天狗の住処 磐座と(同上)
山頂で 死なれて悲し コウノトリ(同上)
異次元の 金比羅山の 並木道(金比羅山)
山頂の 眺め低山と 括れない(同上)
手付かずの 森林もあり 御座の山(同上)
真夏でも ニッコウキスゲ 衰えず(鳥海山/霊山登拝147) 61歳
広大な 賽ノ河原は 草原よ(同上)
御田ヶ原 花だけ眺め 戻ろうか(同上)
千蛇谷 ギャーチェンジは このコース(同上)
固有種の チョウカイフスマ 久しぶり(同上)
山小屋は 神社が独占 進歩なし(同上)
歯に染みる 雪渓の水 鳥海山(同上)
イワギキョウ 険しき尾根の 憩いかな(同上)
杉林 金鶏山はに 桜かな(金鶏山)
山頂の 黄金消えて 悔やまれる(同上)
下半身 蔵王地蔵は 雪の下(蔵王山)
地蔵山 登山するより スキーかと(同上)
誰ふむや 石碑の野の字 欠けたまま(同上)
ロウバイの 花妖艶な 遊歩道(宝登山)
山頂で シート敷くなと 管理人(同上)
ロウバイや 三千本の 春景色(同上)
破風山 低山ながら 良き山と(同上)
展望所 整備したらと 宝登山は(同上)
長瀞に 残る未練は 桜かな(同上)
霊山に 荒れ地は不要 一元化(同上)
旧道は 衰退の果て 廃道に(同上/霊山登拝148) 62歳
宝登山や 梅見の下山 ほどほどに(同上)
登山口 茶店は閉じて 梅盛り(都幾山)
雪が降り 都幾山頂は しろく見え(同上)
シャクナゲに 雪が付着し 花と見ん(同上)
奥宮に 立派な鳥居 四基立つ(妙法ヶ岳)
休憩所 ベンチに雪が 十センチ(同上)
枯れ枝に 霧氷のシダレ 美しく(同上)
木の根みち 踏むのを避けて 迂回路を(同上)
急登に 吐く息さらに 白さ増す(同上)
奥宮は 遺産に苦慮する 景観で(同上)
雪の中 三角点は 探し得ず(同上)
ローバイの 花と雪見の 登山道(四阿屋山)
中腹は 杉の植林 雪落葉(同上)
使われず 赤く錆びた 鎖場も(同上)
山頂に 近づく道は 岩と雪(同上)
方位盤 樹木が伸びて 記念碑に(同上)
山頂の 石祠に祀るは 空気かな(同上)
鳥居先 三段ノ滝 神の形(武甲山)
水音や 橋立川に 名無し滝(同上)
徒渉かと 思えば川は 丸太敷き(同上)
川離れ 山懐に 入り込む(同上)
高度増し 春雪積もる 武甲山(同上)
動物の 足跡クロス 雪の道(同上)
バラックの 見るも哀れな 避難小屋(同上)
樹木には 霧氷を凌ぐ 樹雪かな(同上)
分岐点 生川コース 東へと(同上/霊山登拝149) 62歳
誰しもが ひとみ丸しと 標高を(同上)
ちから坂 崩壊寸前 東屋が(森山)
鐘楼に 無粋ながらも 電波塔(同上)
五城目の 田んぼの中に ジャスコ建つ(同上)
春浅く ヤセ尾根の道 スカスカで(同上)
木道は 落葉に埋もれ 気づかずに(同上)
尾根沿いは カエデやブナの 落葉樹(同上)
ロープかと 思えば鎖 尾根みちに(同上)
下山路の 岩場の登り スリリング(同上)
真東に 森吉山が 盆地越し(同上)
雪深く 小ピークにて リタイヤす(乳頭山)
久々の 孫六の湯は 代かわり(同上)
開山の 円仁大師 声聞かず(太平山)
奥宮や サクラの花と 縁がなく(同上)
岩場には 木の根絡まり 山らしく(同上)
木の先の 陽射しに察知 山頂を(同上)
魅し人の 影慕われる 山頂で(同上)
参道に 先達祀る 如連堂(出流山)
急坂に 目は離されず 名所の名(同上)
見上げると 赤懸造り 奥ノ院(同上)
霊窟に 空海大師 ひそむかな(同上)
林業に 登山者入る 余地はなし(同上)
修験者の 好みそうなる 岩壁が(同上)
カイドなく 立入禁止 霊窟は(同上)
場所により ソメイヨシノが 千本も(桜山/霊山登拝150) 62歳
山頂の 花見る極意 柄杓酒(同上)
板碑には 大日如来の 梵字あり(同上)
真四角の 方位石盤 初見なり(同上)
北東に 神川市街 家の花(同上)
対岸の 保美農山には 桜見ず(同上)
参道に 夫婦和合の 道祖神(神川御嶽山)
木の根みち ロープの補助が 有難し(同上)
山頂で 落語一席 三枝さん(同上)
下山道 石仏石祠 杉木立(同上)
雑木には 好対照な 桜山(同上)
椿散り 赤ジュウタンに 様変わり(同上)
岩の上 小さなサクラ 八重の花(同上)
ヤマザクラ 杉の植林 凌ぐほど(同上)
桜山 一目でわかる 花の雲(同上)
震災で 崩れた石垣 そのままに(佐白山)
二礼後は 山頂附近 散策を(同上)
下山路に 転がる岩や 花崗岩(同上)
山麓の 農村景色 花の春(同上)
石段も 凝灰岩の 大谷石(御止山)
散策路 陸の松島 松多く(同上)
枝振りの ほど良い松が 見晴らしに(同上)
松の木の 危険表示は 野暮に見え(同上)
記念碑や いやしにならず 漢文は(同上)
白き岩 本家松島に 及ばざる(同上)
姿川 隔てた芝生 絵にもなる(同上)
中央部 怪奇な彫刻 添景に(同上)
ツツジ咲く 御殿平は 本丸で(多気山)
西面に 百低山の 古賀志山(同上)
春霞 男体山を 遠ざけて(同上)
面白き 鳴蟲山の 顔が見え(同上)
城跡の 石碑にツツジ 花添えて(同上)