熊の被害で思うこと

 最近の秋田県は、地球温暖化の影響を受け、かつて経験のない試練と対峙している。秋田市内では、気象観測史上初の雨量による洪水被害に直面した。秋田名物のハタハタ漁が衰退し、庶民的な魚が高級魚となってしまった。そんな折、ツキノワグマの人的被害が、日本一とのニュースを聞いた。ある程度の熊に対する知識があれば、被害は最小限に食い止められたと思う。殆どが防御態勢が整っていないこと、認識の甘さにある。私は登山に際しては、必ず片手にストックを持参する。これは修験者が手に持つ金剛杖と同じで、鈴を付けて襲いかかる熊やオオカミを追い払う道具でもあった。私も鈴を付けたストックで、熊やイノシシの目を突くことをイメージしている。

 今回の秋田県の熊被害に対しては、熊と戦う意識の問題と思っている。被害者の様子を聞くと、頭部を怪我した事例が多いようだ。ヘルメットをかぶっていれば、ある程度は防御できたと思う。登山と一緒で、常に熊と遭遇することを念頭に農作業や野外活動にあたらねばと痛感する。一番大切なことは、熊に人間の存在を知ってもらうことで、鈴やラジオの携帯は有効的である。実際に試したことはないけれど、熊の目の前で傘を広げることも一考とも思う。撃退する道具としては、熊除けスプレーやスタンガンがある。農作業をする人は、昔ながらの竹槍を準備するのが良いと考える。いずれにしても、熊と遭遇したら背を向けて逃げないこと、死んだふりをしないことが鉄則と言える。

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