人生の長句

人生の長句 1,031首

人生は 生き長らえて 楽はなし 死に急ぎても また楽はなし(以降二・三十代作)

人生は (せい)に学びて 清くあれ 花に見とれて (ぞく)を演ずる

人生は 平々凡々 空しくて 空しからずに また旅に出ん

人生は ただ一度だけ 一人きり 生まれて死んで 栄えて滅び

人生は 一度だけだと 言い聞かせ 欲するままに 流れる人も

人生は かくあるべきと 我欲なく 仮の住まいに 澄みゆく人も

人生は 「(くう)」と思うぞ 誰ひとり この世を知りて 生まれ()たらず

人生は この子らのため 微笑んで せっせせっせと 働くばかり

人生は 古きを学び 繰り返す 繰り返しつつ 新しき知る

人生は 何歳までと 考えず 今日で一生 花咲かすべし

人生は 夢ユメゆめの 幻と 思えば楽で (りき)まず生きん

人生は 食っては寝る 繰り返し それでも良しと 思うこの頃

人生は 感謝感謝と 手を合わせ 心を合わせ 夢抱くもの

人生は 朝露に似し ものなれど 酒宴も楽し 旅も楽しき

人生は ほどほど生きて 六十路まで 余れば苦し 老いの侘しさ

人生は 終わりはせめて 美しく 介護に頼る 老いぞ悲しき

人生は 手間(てま)がかかれば かかるほど 道深くして 遠くなりゆく

人生は 一期一会の 絵巻物 明日(あす)に実となる 花を咲かせよ

人生は かくなるものと 悟れども わが煩悩は 自由気ままで

人生は ふと訪ねたる 旅空に 自由奔放 鳥は舞い飛ぶ

人生は 知れば知るほど 短くて 思えば長し 夢物語

人生は たった一度の 旅なのに 天に逆らい 死ぬ人もあり

人生は 求め得られる 夢まれで 思わぬ運が (きた)るものかな

人生は 二万余日の 旅なので 一日必死 悔いを残さず

人生の 真理を求め さまよえる 歴史の道や 哲学の道

人生の 真理を未だ 知りもせず 酒に溺れる 身の哀れかな

人生の その本質を 知り得ずに 人また生まれ 人また死なん

人生の 上を望まば 風雅あり 下を眺めば 地底にダイヤ

人生の (まこと)の姿 万別(ばんべつ)で わが哲学も 日々変化し

人生の 絶頂期は 不惑かな 仕事バリバリ 交友広く

人生の 荒波試練 乗り越えて 輝く人は 美しきかな

人生の 辛酸甘さ なめてこそ 人また登る 頂きはあり

人生の 恥じは忘れて 生きようと 思ってみても 恥じ限りなく

人生や ほろ苦かりし ()せ我慢 人一代の 夢に目覚めん

人生や 如何に咲かん また散らん 花ある心 夢ある心

人生や 独立自営 花咲きて 独創あれば 実も熟すかな

人生や 何を眺めて 何を聞く 何を学んで 何を好むか

人生や 良く学びて よく悟り 欲は控えて 知識豊かに

人生や 馬鹿にやる気は 咲かぬ花 やる気なければ 実も結ばれず

人生に ふと目覚めれば 生きている 花よ花よと 旅に焦がれる

人生に 頂きはなし 底もなし 霧立ち込める 欲の海原

人生に 生死が一つ 陽の如く 道は無数に 星の数ほど

人生に 何があるべき 何を成す 平穏無事を ただ祈るのみ

人生に 仏法しみる 目覚めかな 暗闇の中 光明キラリ

人生を 色さまざまに 望むなら 自ら(しか)り 生きる糧とす

人生を 思うと早く 時は過ぎ 旅・酒・歌に 寄せる生き甲斐

人はみな 黄金(こがね)の花に 憧れて 散るも知らずに 心奪われ

人はみな 黄泉(よみ)の闇路に 帰らばや この世で花の 散るを惜しまず

人はみな あの世この世と 別れても いずれは帰る 阿字のふるさと

人はみな 叶わぬ夢を 夢に見て この世の春を 恨み別れる

人はみな 愛するものに さよならを 重ね重ねて 旅立ちて行く

人はみな 一人で暮らす 楽しみも 知らねばならぬ 旅立つ前に

人はみな 身内の不幸 悲しんで 他人の不幸 喜ぶ面も

人はみな 好む好まぬ 関わらず 生まれて来る 意義を問うべき

人はみな 高さ低さを 気にとめて 遠さ広さを あまり気にせず

人はみな 困れば悪事 働くと 思い警戒 隙を見せずに

人がみな 希望に向い 歩く日に 我れ一人ゆく 明日なき道を

人がみな 流行りに迎合 する時に 作務衣(さむえ)を着ては 古風な(なり)

人の世は 右も左も 金次第 金は掛かるや 金に死んでも

人の世は ただ仮そめの 夢紀行 明日(あした)に死せる 明日を思う

人の世は 平等と言う 建前に 尽きぬ本音は 序列の定め

人の世の もの悲しさを ひも解けば 栄枯盛衰 流れざるはなし

人の世の 煩わしさも 空しさも 坐禅を組めば 脳裏を去りて

人は生き 天気の如く 気が変わる 安心立命 基本に据えて

人知れず 時代を超えし 道しるべ 三十路を迎え 余生を思う

世の中に 寂しさ哀しさ 貧富の差 (はかな)さ虚しさ 命の長さ

世の中に 振り回されるな わが友よ 欲少なければ 人生楽し

世の中に 甘えの種は 尽きもせず 天地自然に 我れは甘える

世の中に 産声をあげ 何を知る いずれは帰る 自然回帰か

世の中に 不平不満は 尽きぬとも 自己に愚痴言う 人は少なし

世の中に 神や仏を 見るなれば 私欲なき人 金恵む人

世の中に 未練執着 あるとても さよならをする 死への心得

世の中に ありがたきこと 多きかな 一汁一菜 一期一会と

世の中に 思えば悪事 多すぎて 子殺しなどは 涙流るる

世の中に 分からぬものが 二つあり 女心と わが胸の内

世の中に 男と女 いる限り 煩悩尽きず 懺悔するなり

世の中に あてなきままに 船出して 吹く風弱く 波間ただよう

世の中に 知らざることが 多かりし 生涯通し 学ぶ毎日

世の中に 馬鹿と阿呆は 尽きぬなり ニュース聞くたび 仕事するたび

世の中は (おも)(しろ)可笑(おか)し 虚しかり その虚しさが 我れを悩ます

世の中は 思うにならぬ 事多き 己が心の 欲を見直す

世の中は 本音と建前 世間体 本音のままに 生きんと思う

世の中は 人の生死が 通常で 不変不滅は 人の真心

世の中は 栄枯盛衰 常なれど わが志 殆ど無縁

世の中は 無常と知りて 数寄の味 身に輝くは 美徳の宝

世の中は 無常の風と 四季の雨 自己研鑽の 旅に息づく

世の中は 色気と金の 蜘蛛の糸 もつれた糸に 身はもがきつつ

世の中は 手のひら反す 人多し 明智光秀 陶晴賢ら

世の中は 願い叶わず 哀れなり 哀れなれども 詩歌は楽し

世の中は ベストなことが 少なかり あるのは無駄と 無知と無理やり

世の中は とやかくと言う 人多く 人目を避けて わが振り直す

世の中の 煩わしさも 空しさも 自らつくる 幻と知る

世の中の 遊びに醒めて 見る夢は 山の(いおり)で 月を友とす

世の中の 右往左往を 他所に見て 山に草庵 隠棲暮らし

世の中の 人の絆が 金ならば 金もまた良し ふと空を見る

世の中が 良く見えるなり 江戸時代 その善し悪しを 参考にして

世の中を 何だかんだと 論じつつ いま幸せの 只中をゆく

世の中を 何と見るなり 五十年 笑いと涙 沈黙怒り

世の人は 楽しきことに 溺れ過ぎ 苦しきことは 極力避けて

生まれ来て 生かされて来て 欲を持ち 欲は程々 さりげなく生き

生まれ来て 生かされている 楽しさを しみじみと知る 旅の人生

生まれ来て 悪態ついて 死ぬ身にも 形は一つ 生と死とあり

生まれ来て 去り行くことは 人の常 詩歌を愛せ 人は旅人

生まれ来て 夢中になれる 物作り 完成を見る 人生楽し

生れたら 死ぬのが自然 仮の世に 一息一幸 一生一死

生れては 神社に参り 死んだなら 仏とされて 供養されたり

生きること その本質も 知り得ずに 人また生まれ 人また死なん

生きること 重んじすぎる 浅はかさ 生かされること 知るや天命

生きている 人の悩みは 尽きぬとも 山川草木 みなあるがまま

生きとして 生きる命に 神仏の 不朽不変の 加護やあるらん

生き甲斐や 楽しみ甲斐や やり甲斐や 甲斐なきものは みな空しかり

生き恥は つくり笑顔を 浮かべつつ 世に迎合す 人の姿で

死んで行く 先の景色が 見えぬのに あれこれ思う 事は空しく

死んで行く 事のみ人は 気にかけて 生まれ出でたる 使命を知らず

死ぬことが 恐れなくなる わが心 自由自在の 無一物なり

死ぬことを いつも見つめて さまよえる 登る山並み 我れに険しく

死ぬ者も 残りし者も 哀れなる 諸行無常の 時のいたずら

死ぬ時は 寂しさ辛さ 越え行かん 知らずに生きた 旅と思わば

死んだなら 生まれ変わりて 世の中を 思うがままに 生きてもみたし

死を見れば 死にたくもなき 死に際し 死んで恥なき 死を思うべき

わが命 喜怒哀楽の 波風に (ちん)()(もっ)(こう) 止観も多し

わが命 尽きぬ悩みは 生と死で 必要とされ 生きているかと

わが道は 常なき道と 知りつつも 改めもせず ためらいもせず

わが心 無常の世の (ことわり)を 悟りながらも 人を愛する

わが思い 良く見られたく 見栄を張る ふと嫌になり 姿を隠す

わが墓は 前に夢の字 後ろ(くう) 刻んで欲しき 野仏の中

わが趣味に 読書と書きし 歳となる 眼の患いに 憂いを残し

わが夢は 求めんとすれば 遠ざかり 諦めたれば 目前を過ぎ

我れとまた 関わらし友 落ちぶれて なす術もなく 春は過ぎゆく

我れもまた 金に我が身を 委ねては 空しく生きる 欲の世の中

我れもまた 主役にならん 世の中で 山暮らしあり 命は燃えん

我れもゆく 死出の旅路は 花に満ち 夢ある黄泉(よみ)と 信じたいもの

()を張れば 冷たい雨は 降りそそぎ 涙を隠す 傘はいずこに

我を捨てて 大きく息を 吸い込めば 見えて来る来る 自由な暮らし

我があれば 語る言葉も 自己中で 夜の明かりに ()よ飛んでゆけ

我が強く 煙たがれて 我れは去る いずれは消える 命じゃないか

今日もまた 生きてるんだな 職も無く やる気があれば 生かしてくれよう

今日もまた 生かされている この体 今日一日の 出会い大事に

今日もまた 心ならずも 生きている 三十五歳 道なお遠し

今日もまた 人の命は 尽きるのに 尽きせぬ欲の 哀れなるかな

今日もまた 自分は何か 考えて 結論でない 夜は深まり

今日は今日 明日は明日と 思いつつ 今日の思い出 無きが寂しく

今にして 思えば易き 事なれど 成さねばなおも 難き事なり

今の世を 良しと思いて 生きたなら 未来に何を 望むべきかな

悲しきは 明日(あした)の夢を 綴りても 昔の友の 返事来たらず

悲しきは 悩みと言えば 金ばかり 金の掛からぬ 道ぞ求むる

悲しきは わが精神の 弱さかな 誓い空しく 自戒を破り

悲しみは 無我の境地を 目指しては 些細なことに 激怒した時

悲しかり 執着心を 無にすれば 自殺するより 道は非ざり

悲しかり またまた夢も 破れたり 悪い夢でも 見過ごしたかな

悲しきや 本音と建前 ある限り 矛盾は尽きず 悩みは続く

気が付けば 気が付くままに 我れを知る やがて気付かぬ 闇に旅立つ

気が付けば 人間として 世にありて 人の研究 最初のテーマ

気が付けば 他人と同じ 道進み 世間の風の 塵に甘んじ

気が付けば 因果因縁 我れもあり 涙流すも 束の間のこと

気が向けば 般若心経 読誦して また読み返す 歎異抄(たんにしょう)かな

気取らずに 粋に振舞い 奢れずに 慎ましやかに 人とは触れん

気休めに 背筋を伸ばし 歩いても 所詮は猫背 風に破れる

夢あらば 病や飢えに 果てるとも 悔いることなし いざ道行かん

夢あれど 夢を叶える 道はなし さりとて夢は 捨て難きもの

夢だけに 果てたくはない この命 一日一歩 昨日を越えて

夢という いとも気ままな 遠望よ その夢とても 加齢で変り

夢めぐる 自然を愛す 人たちと 心開きて 風雅語らん

夢は夢 仕事は仕事と 区別して 思う歳なり 夢遠ければ

苦しみは 心のうちより 生まれ()で 心のうちに 戻るのが常

苦しみは 自ら蒔いた 種による ふと見る山は 秋の夕暮れ

苦しみが すーと体を 抜けてゆき 楽しさだけが 残る人生

苦しみを 楽しみに変え 思うこと 苦しみのなし 楽しみはなし

苦しさと 切なさ辛さ 噛みしめて 知る楽しみを 法楽と言う

苦しんで のたうち回る 恥かしさ 強くあれよと 我れに小言す

人間は 等しからずや 様々で 嫌な(やから)は 避けるに限る

人間は 小さな顔し 大いなる 事を考え 生きれば楽し

人間は 苦しきことに 耐え切れず 何か欲断ち 立ち直るかな

人間に 何で生まれて 来たのだろ 渡り鳥には 国境がなく

人間の 幅が狭くて 猫かぶる それも良かれと 餌を差し出す

去る人は 日々を重ねて 遠ざかり まためぐり来る 四季の楽しみ

去る人も 生まれて育つ 子供らも 人生は旅 思う世の中

去る友に 未練の心 抱かずに 良き思い出を 胸に閉ざさん

去る者は 実りなきこと 語らずに 新たな春に 希望をつなぐ

去り行けば 親しき仲も 薄らいで 忘れ去られる あとの寂しさ

自由には 不安と孤独 付きまとう それでも我れは 自由を愛す

自由とは 不自由しない 智と財で 語学ペラペラ 金はザクザク

自発あれ 行きたき道を いざ行かん 人生一度 我れ独りきり

自我を張る 心の鎖 錆びやすく それでも良しと 思うこの頃

自惚れて 言い争える 虚しさを 心無にして また悟るべし

欲深き わが煩悩を 懺悔して 清水流れる (さん)()を想う

欲を捨て 落ちる涙の 温もりは 嬉し涙か 慈悲の涙か

欲張って 肩ひじ張って 強がって 己に返る 欲の苦しみ

欲あれば 嘆くは多く 望むなら 愁いは多く ゆえ無一物

何もせず 生きるは易し 青雲の 夢を果たさず 死ぬは切なき

何もせず 一日暮らす 淋しさよ ()えるがままに 夢はまどろみ

何をまた 悩み涙 流すやら 鳥になれよと 我れは言いたし

何をまた 糧とすべきか 夢破れ 波乱万丈 身を改める

平凡に ポツンと穴の 空く日あり 老いの命は 細々として

平凡に うたた寝しつつ 老いてゆく 命を惜しみ 心を染める

平凡に 戻ることなど 許されぬ わが宿命は 旅の人生

平凡や 楽と惰性は 絵にならず (あた)り見回し 人生を問う

不幸とは 何であるかと 尋ねれば 生まれ来しこと カラス(あざけ)

幸せは 何であるかと 尋ねれば 生まれ来しこと ツルは微笑む

不幸とは 何であるかと また問えば カラスもツルも 飛んで知らんぷり

幸せは 金や病気に 悩まずに 仕事や家庭 円満な時

幸せの 裏の哀しみ 知る人は ほろり感じる 無常の風を

淋しさは 高野の山に 帰依しても 渡る金なく 今年も暮れる

淋しさを ずっと堪えて 生きて来て 想うは人の 淋しさばかり

淋しさも 様々ありて 思うこと 仕事と金と 友の無いこと

淋しさや 憂いに耐えて 強くあれ 男盛りの 秋の一人寝

様々に 人はありけり 世の中に 生まれて死んで 泣いては笑い

様々に 思いをめぐらし 生きるとも 別れるだけの 命悲しき

様々な 過ち犯し 罰せられ 善悪知るも 哀れと思う

いつもでも 涙は尽きぬ 友の死よ 感謝の言葉 伝えぬままに

いつまでも 幼馴染みは 友であり 丸い顔して 酒には弱く

いつまでも 続いているよ 世の中は そこに生まれて 死んで行くだけ

奢りあり 他人を怒る 心ある その怒りこそ 我れに向けれよ

奢れては ならぬといつも 思いつつ 飛び過ぎてみる 身の哀れかな

奢れれば 滅び易きが 常なれど 再び輪島 甦るかな

青春は 遠くなりけり 年々に 近く見ゆるは 老いの細道

青春は 恐れる暇なし 世の中を 我が物顔で 歩くものかな

青雲の 棚引く頃の 人生は 道限りなく 夢果てしなく

悟りとは 本能と欲の はざまより 人格求め 目覚める心

悟りとは (おのれ)を知りて 世も知りて 知ったかふらず にこにこ一人

悟りきり 丸くおさまる 道理なし 天の陽射しも 晴れのち曇り

目を開き 広い世界を 見渡せど 物差し狭く 未来は見えず

目を見れば 人の心も 見えて来る 見えて悲しき 己が心も

目覚めれば まだ煩悩の 中にあり 己を磨く 本に親しむ

貧しくも 美しく生き 我れ死なん 風雅を愛し 自然に学び

貧しさは 物資の所持に あるまじき 知識乏しき 事を言うかな

貧乏が 骨身にしみる 三畳間 寝袋一つ 寒さを凌ぐ

手のひらを 反し借金 返さずに 遠く去り行く 友もありけり

手のひらを 反すが如く 知己もあり 客観的に 見つめて前へ

手を合わす 力も消えた 死の床で 天は誘う 冥土の旅に

笑いこそ 病を癒す 薬なり 微笑んでこそ 人は人らしく

笑いでも 次元の違う 嘲笑(ちょうしょう)は 控えるべきと 洒落で笑わす

笑わせて 我れも笑いて この世をば 生きて楽しき 笑いが大事

忽然と 陽は出没を せぬけれど 忽然と行く この命かな

忽然と ふるさと出でて 名を成して さりげなくまた ふるさとに()

忽然と 旅立つ人ぞ 哀しかり 別れの言葉 交わす暇なく

名もなくも 夢遠くても 挫けずに こつこつ進む 今日の糧なり

名を残す ことを空しく 思う日に 無我に帰りて 旅にこそあれ

名ばかりの 豊かさのみを 追い求め あれやこれやと 欲に明け暮れ

神は神 仏は仏 うやむやに 日本の国の 不思議の一つ

神棚と 仏壇お墓 手を合わせ 結婚式は チャペルの鐘で

神仏に 自分の姿 求めれば 火に降る雨か 雪に照る陽か

何かまた 求めて止まぬ わが心 人生最大 イベント模索

何しても 退屈しない 時がある 自然の中で 遊ぶひと時

何某(なにがし)は 何を求めて 何を得ん 何かを成して 何か残さん

浮きて行く 沈みて戻る 世の中に ただよう水に 安らぎはなし

浮く足で 金の成る木を 探す者 亡者となりて 風に散り行く

浮かれては 転がり落ちる 人の道 登るに難き 道を忘れず

行く道は 夢や希望に あふれても 才気無ければ 一人芝居に

行く道や 乗るか逸れるか 挫けるか それでも踏まん 不満抱かず

行く川は 溺れてもがく 欲の道 過ぎて空しき みな幻に

無一物 旅道具のみ 携えて 歩みし頃の 心忘れず

無一物 失う物は 何もなし 仮の住まいの 仮の戯れ

無心なる 悟りの心 及ばぬも 人生いかにと 限りなく問う

思い出も 愛する人や 物品も いずれ別れて (くう)なる闇に

思い出が 薄れて消える 淋しさを 人は空しく 想うばかりかな

思いやり 五臓六腑に 染みるほど 友と言う名の 有り難さかな

捨てきれぬ 自我に悩んで 発心す 自我を気にせぬ ()(ねん)の心

捨てる身も 拾う命も なかりけり 天のみぞ知る 人の命脈

捨て台詞(ぜりふ) 吐いては悩み 八日過ぐ 執着せざる 身は五月晴れ

一筋の 道を急がば 幾つもの 山越え行くは 世の中の常

一食を 抜いて求める 文庫あり 福沢諭吉 学問のすすめ

一生を パチンコ競馬に 明け暮れる 人生ありかと 友に問いたり

問われれば 始めて意見 述べるべし 知ったかぶらず 出しゃばる勿れ

問われれば 始めて智恵を 巡らせよ 二言三言 我れ多かりて

幾つもの 壁を破りて 突き進む わが人生に 頂きはなし

幾つもの 偶然があり 幾つもの 出会いがありて 忘れ得ぬ人に

帰るべき 心の里と 思わばや 死出の旅路に 憂うことなし

帰るべき 命の行方 思う時 頭を垂れて 仏を念ず

哀れなり 二十歳(はたち)三十路(みそじ)と 歳を経て 輝くだけの わが山の糧

哀れなり またまた夢も 破れたり たまたま夢を 見過ごしたかな

振り向けば 恥かしさのみ 湧き(いず)る 二十歳(はたち)三十路(みそじ)の 物知らぬ頃

振り向けば 楽しさ苦しさ 雨の中 流れ流れる 水の如くに

息をする 日々の楽しみ 苦しみは 自然のままに 生きとし生きて

息すれば 溜め息もあり シャクリも 好まぬ空気 社会に多し

傷つけた 相手の事は 忘れ去り 傷つけられし 恨みは消えず

傷ついた 心を癒す 暇もなく わが人生の 夢は膨らみ

喜びは あれやこれやと 世の中の 真を探り よく見える時

喜びは 意思なく生まれ 意思を持ち あれこれ好いて 夢中に過ごす

主義ありて 銃の餌食に なるとても 乱れた時代 正義あるのみ

主義もなき 馬鹿の狂気に 死ぬことが 正義に非ず 生きて価値あり

想う人 想われる人 様々に 人の関係 クールが楽で

想うほど 人は思わず 世の中は 多くの人は 自分気に掛け

煩悩と 清浄心の 葛藤で 咲く花はあり あけぼの春

煩悩と 清浄心の 間より 心の花は いつでも白く

あれこれと 欲してみても 三十路まで 粗食喜び 自由を謳歌

あれこれと 欲してみても 死出に立つ 己が心に 咲く花を見ん

憎しみが 口から溢れ (きば)むけば 気は晴れながら 残る虚しさ

憎しみも 諦めてみれば さわやかに 傷みし胸に 秋風は吹く

信ずれば 信ずるほどに 狭くなる 一神教の 神の争い

信じるも 信じぬことも 思うまま 自由なるかな 日本の国は

本よりも 学ぶ価値ある 友もいる 友という字を ()に改める

本を読み 努力を積んで 世の中に 応え得んとし この命あり

有難や 今朝も息あり 手を合わす 遍照金剛 南無阿弥陀仏

有難とう その一言を 口にして 死に水飲めば 悔いは残らず

遠ざかる 夢を噛みしめ 新年を 抑える心 迷いを知らず

遠くから 自分を見つめ 嫌になる 自己に拘る 夢や欲望

泣く勿れ 癌には死への ()がありて 覚悟を決める 有り難さかな

泣くよりも 笑った方が ましな夜 真っ直ぐ行かぬ 人の世の道

知りもせず 生まれて(きた)る 身なれども 生きては楽し 愛し愛され

知らんこと 知らんと言える 素直さを ずっと持ちたし この身のために

軽みとや 淡々として 潔し 命を悟り 風に従う

軽はずむ 口の濁りの (きたな)さに 唇噛んで 言葉を選ぶ

恥かきて 冷や汗流し 溜め息し 男は泣いて 逞しくなる

恥ずかしさ 重ね重ねて 人の世に 空しきままに 老いてゆくなり

この命 いつまで続く あてもなし されども人は 命を愛す

このままで 死ねむと思う 意気込みが 湧いて来るなり 朝に夕なに

念仏を 称えて淋し 讃美歌が 我れを誘う ローマの夕べ

念ずれば 神も仏も 一つ星 地球の上に 生かれつ生き

誰ひとり この世を知りて 生まれ来ぬ あの世を知りて 死ぬ人もなし

やがて死ぬ 事実を遠く 見るよりも 今日一日を 悔いなく生きん

三十路過ぎ 喜怒哀楽の 只中で 求めるものは 高き人格

花盛り 財布の中は すっかんびん ()()は一代 地味は末代

年月の 隔り遠し 歳祝い 疎遠を埋める 会話とならず

良き人の 去りゆく姿 見送りて 成仏願う 祈り悲しく

色欲を 超えて心に 楽もあり 身を清めれば 道も明るし

限りある 時の流れと 想いつつ 今の流れを 堰き止めたくも

幼き日 苦痛に覚えた 読書でも 三十路となりて 楽しみとなる

予期もせぬ 旅と思える 人生は 生きるも死ぬも 自然のままに

紙一重 人の命の 儚さよ 何を求めて 何を煩う

窮地では 物事深く 考えて めげず逃げない 姿勢が大事

時として 無常の風は 吹くばかり 終わりある世の 定めと言えど

みんな行く 天国地獄 それぞれに 長し短し 差こそあれども

清貧は 粗食も旨し 赤貧は 粗食もまずし 貧乏格差

腹立てる わが心を 悲しんで 涙ながらに 懺悔するなり

変化する 制度に人は 縛られて 他力本願 南無阿弥陀仏

釈迦牟尼や 月に人は 立ったけど 悪は栄えし 地の底深く

黒染めの 衣の色に 流行りなし 流行りなければ 捨てる物なし★ダブりかも

空っぽに なれよと禅師 我れに言う 自由自在に 成らんと反す

()らされて (だま)され合いて 世の中は 明るく暗く ただ在り来たり

海原を 小舟で行く 思いかな 明けて暮れても 陸地は見えず

野に行けや 山に登れや 子供たち 明日(あす)は悲しき 無常の雨が

切なさが 東西南北 限りなく 屋根の上にも 無常の雲が

かたくなに 形をつくり 世の中を 渡るものかな 鉄船に乗り

(ことごと)く わが人生は 我流なり 無駄と苦心の 日々を重ねて

男道 死しては悔いず 憂いなく 欲は程々 良く学ぶべし

立ち止まり 振り向く道に 青春は 霞と消えて 日々に遠のく

流すなら 塵にまみれぬ 清き汗 自然の中に その汗を問う

夜もすがら 友と語りし 輪廻とは 生きて再び 輪廻を語る

離れれば 友は遠くに 見えるもの 元気コールで 交わり続く

懐かしき 写真を見ては 思い出す 笑顔と共に 涙も浮かべ

待つ人は やがては来ると 信じつつ 心の底に 疑心暗鬼も

空しさは 利益とならぬ 人々と 口を利くこと 気を使うこと

縮こまり 遠く眺める 山の糧 夢ぞ輝き 俗世に耐える

素直さが 人の心の 美学なり 尊き人は みな美しく

背伸びして 届かぬ星に 手を伸べる お伽こころの 夢も忘れず

幾度か 辛苦をなめて 耐え勝たん 我れのみ描く 夢あるゆえに

ひもじさや 人生無常の 雨あられ やがて晴れゆく 時を待つつ

風の如 遠く去り行く 友もあり 林の如く 近付く友も

先人の 心に学び 新しき 心修める 道に迷いも

私学では 何を学ぶや 松の塾 尊王攘夷 政経学か

初対面 学歴だけが ものを言う たった四年で 何を学ぶや

捨て子には 計り知れない トラウマが 育ての親の 恩を知るべし

脛かじり あらゆる友を 裏切りて 身を正さず 君や生きるか

多感なる 二十歳の頃が 懐かしき 夢を語らば 朝まで続き

しみじみと 腹より話す 言葉なし 多感多情も 若さ青さで

食欲は 五感五欲の 極みかな 食欲ありて 我れここにあり

孤独なら いやせよ歌え わか心 孤独の中の 楽しき心

新たなる 時代に夢を 弾ませて 力の限り 生きんと思う

また一つ 歳を重ねて 嘆くかな 塵と埃に 今年もまみれ

縁遠く 何を話して いいのやら 昔の友に 逢うぎこちなさ

何もかも 終わりと思えば 野や山で 山菜を採り 縄文人に

学浅く 漢詩も詠めぬ 恥かしさ 短歌三年 漢詩一生

忘れたる 漢字を求め 辞書を引く ()け行く先は 無知なる身かな

嘘つくな 物欲しがるな 見栄張るな 三十過ぎて 誓う掟かな

ひしひしと 胸に伝わる わが友の 我れを信じる 心の重さ

友が今 志もなく 生きている やる気があるか ただ問うばかり

打ちとけて 心の通う 友とても 金の貸し借れ すきま風吹く

怒る時 大きく息を 吸い込みて 智恵を巡らし 洒落てみるなり

今朝(けさ)もまた 無常無情と 叫びつつ 街に平和の 声ばかりする

願わくば 昨日(きのう)を超えて 生きゆかん 超えゆくものは 欲の数々

定まらぬ 心の悩み 積もるなり 塵にまみれて 道に迷えば

滑らかに 口を流れる 刺もある 傷つきながら 刺を呑みこむ

飢えもせず 生かされる身に 秋来たり 枯れて再び 春を行くなり

数えれば 不惑を生きる 歳となり ドンと胸はる 自信は薄れ

安逸に 暮らして過ぎる 人もあり 実れる花は 自ら開かん

つまらない 不老長寿の 物語 死がありてこそ メリハリがあり

無事ばかり 祈りて早し 年の暮れ 気が付く頃の 老いの悲しみ

土間に寝て 無欲の果ては 詩人なり あくせく人は 何を求める

楽しみが 世に満ち満ちて いる限り 風雅の道も 絶えることなし

細々と 暮らして見ゆる 世の中は 無常の中に 極楽もあり

四十過ぎ 借金ばかり 増えてゆく 死ぬに死ねない 命となりて

(きたな)さも 旅の(あかし)か 垢まみれ 心の垢は 落とす術なし

こだわりを すべて捨て去り 旅ゆけば 何になろうと みな有るがまま

居酒屋で 友を得たるは 易きかな されど相棒 得難きもので

性欲の 欲という字の 哀れさよ 溺れるゆくまま 月日は流れ

浅ましき 欲は抱かず 清き欲 山小屋に住み 自然と共に

多感なる 二十歳の頃が 懐かしき 夢を語らば 朝まで続け

後世を 思えば空しく なるけれど 今は今なり 道を急ぎぬ

意識して 生きる事こそ (しん)()()で 悔いを残さず 一日一悟

顔の皴 一つ二つと 数えれば 無駄な月日が 脳裏を過る

ボケてゆき 我がまま皺が その顔で 仏に合わす 顔はあるらん

若くして 輝きたれば 老いを見て 寂しさ増すは 凡夫の常で

甘えたる 昔の友に 腹を立て 心を砕く あとの寂しさ

蔑めば 蔑むほどに 空しかり 不快な輩 我れも同類

五十越え 検査や手術 不要なり 神や仏が 手招きをする

達磨の眼 何をするぞと 我れを見る 毎日拝む 部屋の掛軸

降る雪や 死出の旅路の 手土産に 詩を携えて 南無阿弥陀仏

失速し この世に息を ひそめては 再びまみえるん 大日如来

(くう)なれば 死もまた楽し 空ならば 生きる楽し 微笑むばかり

法華経を 愛した二人 同じ歳 土光敏夫に 宮沢賢治

揺るぎなき 哲学思想 思うなら 清貧愛し 山に根を張る

さりげなく 咲く花もあり さりげなく 生きる友あり 心癒され

はらわたの そのまた奥に 染み込んで 我れを励ませ 本の虫たち

紳士とは 如何なる美女と 交われど わが家以外で 背広を脱がず

婿養子 出世しないと 婿のまま 男一代 婿にはならず

傷ついて 涙流して 夜も暮れん なぜ人生に 我れはあるのか

憂うこと わが生命の 終わりより 名画名文 灰になること

幸福に 物差しはなし 遊ぶにも 友は賭け事 我れは野山に

色付けば 冬の気配を 感じつつ 白髪(しらが)混じれば 不惑を想う

闇を出て 闇へと回帰 わが身なら 無想無念の 星を見つめん

煙り立ち 人の命は はかなくも 詩歌は残る 人ある限り

精一杯 人目を気にし 歩いている そんな自分を ふと嫌になる

(いずる)息 吐き出す息を 待たずして 無常迅速 明日(あす)はわが身か

忘れ得ぬ 思い出今日も 残しつつ この世に歳を 重ねゆくかな

のほほんと 暮らして長し 人生は 打ち込むものが 逆に短し

それぞれに 人の歩みし 人生を とやかく言うな わが胸の内

ああ矛盾 心の中の 表裏 本音と建前 嘘と真と

痩せて枯れ (あばら)身体(からだ) 何のその 人一代の 夢や尊し

十年も 二十年も 同じこと 友と別れて 会う楽しさは

違和感が 全くなくて 打ち解ける 二十年ぶり 会いし友とは

四面楚歌 会社は潰れ 恋も散り 命は残り また歩き出す

藁にでも 手を伸ばしたき 思いなる 路頭に迷う 日々を迎えて

もういいよ 人の世の中 金次第 金を忘れて 途方に暮れる

飛び跳ねる 二十歳の心 夢あふれ (たらい)の中の 水とも知らず

また唄う この唄楽し また哀し 「(すばる)」という名の 無常の唄は

めぐりめく 季節に別れ 死ぬことが 我れのみ思う 哀れなるかな

いたずらに 時を過ごして 目覚めれば 白髪となり 山仰ぐのみ

朝夕に ふと思わざる 時はなし 世間の中の 自分の姿

嫌われて 嫌われみる わが心 ()かれるための 心に非ず

先に立つ 人への思い 苦しみで 独り噛みしめ 哀悼の句を

美しき 人の心の ふれあいも 一期一会の 一合一品

脇の下 馬小屋の中 生まれ来て 至る所に 神は現れ

浮き雲に 明日(あす)の命を 見る勿れ 流れる水に 産声を聞け

ボケが来て 我がまま(しわ)の その顔で 仏に合わす 顔はあるらん

()(ごころ)を じっと見つめて 思うこと 空なる果ての 不動の心

時として 大人をやめて 走りたき 子供心に 続く小径を

ゆっくりと 歴史ひも解く 本読まず 浮世の旅に 流れ流され

湧きいづる 欲を抑える 人らしさ 抑えきかぬは 獣と同じ

清らかな 心の春を 取戻し わが人生は 野山をめぐる

飽きもせず こつこつ歩く 蟻の如 一心不乱に 世は渡るべし

如何に生き 如何に死ぬかと 考えて ホッとするかな 鳥はあるがまま

金儲け 金のことだけ 考えて 暮らす毎日 老いは来にけり

水よりも 金が人心 潤して 浮世を流れ 濁わすばかり

糞尿を 垂らすばかりの 体なら 石になりたし 苔生す石に

癌という 生死を分かつ 病でも 先に失礼 友に余裕が

移り行く 人の心と 裏腹に 陽はまた昇り 春まためぐる

ロマンには 抽象的な 意味合いも 冒険心は 風雅を離れ

巻く時計 再び動く 仕組みとて ゼンマイ壊れ 元に戻らず

生涯を 貫く夢を 描きつつ 破れて廃れ 彷徨(さまよ)うばかり

ふるさとに 錦を飾る 思い消え 知る人知れば それでまた良し

君よ知れ 男が頼る 男こそ 世に素晴らしき 男はなしと

とくとくと 込み上げて来る 淋しさは ダジャレを笑う 友なきことで

じっくりと 男観察 恋をせよ 急ぎ結婚 後悔せぬよう

出しゃばらず 知ったかぶらず 慎んで 静観しつつ 山河を望む

()にありて いつかは世にと 思うけど 思うにならぬ 世の中楽し

甦る 人は尊し 不遇なる 人は哀しき この世の景色

咲かぬまま 風に破れる 身なれども この世に生きた 思い出多し

花咲かず 夢も実らぬ 人生に まだ生きんとす 今日の淋しさ

自らの 命を絶ちて 世から去る そんな(ふう)には 成りたくはなし

成功す 人間いつも ひたむきで 謙虚に学び 時を尊ぶ

ひと時の 夢の半生 振り返り 四十路に向う 旅に幸あれ

泣き生まれ 泣き死んでゆく 身にならず 我れ悔いなく 笑顔で死なん

七光り 欲は言わずも ひと光り 親のコネこと 人生大事

慌てるな 儲け話は 気をつけろ 大金持ちは 人に勧めず

尽きもせぬ テレビ討論 直ぐ消して 明日はないと 眠る涼しさ

投げやりな 言葉を残し 行く友に 二度と会わぬと 思うも淋し

宝石を 散りばめ飾る 美もあれば 質素簡素の 心も美なり

知らぬこと 知らなぬと言える 素直さを ずっと持ちたし 安らぐために

反省と 自尊心が 交差する 仕事をしても 酒を飲んでも

ひたすらに 生きる道こそ 尊かれ そこに人々 目をそむけても

妬みから いつも始まる 不幸せ この心持ち いつかは捨てん

裏切らぬ 人など世に あらぬもの 泰然自若 自己完結を

流転する 人は流れる 水に似て 遠く眺める 雲の上より

極楽も 地獄の釜も あの世には 非ずと思う 今が極楽

流れ行く 水の命に 人はある 産湯に浸かり 死に水を飲み

同じ水 同じ空気を 飲み吸いし 合わぬ心は 油と塵で

考える 日々の暮らしが 大切で 人は如何にと 限りなく問う

夕陽のみ 眺めて過ぎた 人生に ふと駆けて見る 今日の朝日を

丸くなり 転がり易き 人の世は 止まることなく 海の底まで

勲章を 辞して芋掘る (おきな)あり 大欲のまま 畑離れず

根を張らば 辛さ苦しさ 踏み耐えて 咲かんと願う この二十年

後悔を 繰り返しつつ 舵を取る 明日に向う 道に立たねば

脱皮して 自ずからなる 道を知る 五欲を超えた 法楽の道

盗まれて 惜しいと思う 物はなし この命すら 無常の中に

遁世を 人は哀れと 言うけれど 人それぞれに 聞く蝉しぐれ

見栄ばかり 宙に浮いては 先に立つ 張る根を持たぬ 人の哀れさ

染まらねば 本当の色は 見え難し されども思う その後大事と

あるがまま 生きんと願う 身になれば 自然の中に 人生を問う

ぺこぺこと 頭を下げて 胸を張る わが人生の 裏と表は

物事に 執着せざる 歳となり 年取ることの 糧は深まり

心から 人を求めて 得るものは 時代を超えた 風雅の真

別れれば 人の(いさか)い 絶えずして 仏も知らぬ 人の憎しみ

いずれ行く 死出の旅路に 家までは (しょ)っては行けぬ 物を惜しまず

駆け足で グランド走る あの友も 脱落したる 今日の寂しさ

友ありて 幸せの声 聞くたびに 微笑ましく見る 遥かな旅路

弱い者 いじめて悔いる この齢 白紙にしたい 少年時代

諦める 心がいつも 軽ければ 座右の銘の 言葉は重く

ぼんやりと 人の命が 見えて来る 漂う雲に 流れる水に

苦悶して 欲の(はざま)を さまよえば ぼんやり見える 死の新しさ

(こら)えれば 堪えるほどに 辛くなる 友死し今日の 友の泣き声

月見れば 自利の姿が 薄れゆく 生まれ(きた)るも 死に赴くも

吹く風に わが身を任せ 生きるのも 人の命の 定めなるかな

死神が そこまで見えて 思うこと 貧乏神と 別れられると

宗教は 他派を殺すが 常となり 哲学だけは 人を殺さず

純真な 人の心に 従えば 善に口なし 義に言葉なし

阿吽とは オギャンと生まれ 口開けて 瞼を閉じて 口結ぶこと

人生は 喜怒哀楽と 愛と憎 絡み合うのは 人間関係(以降四・五十代作)

人生は これぞと思う 仕事して これで良かれと 思う諦め

人生は 自己満足に 尽きるとも 忘れ去られる 命は哀れ

人生は 細々ともる ローソクの その灯し火を 消さぬ努力か

人生は 何が大事か 大切か 夢中なれる 飽くなき努力

人生の 楽しみ一つ 思うなら 冬乗り越えた 春のときめき

人生の 楽しみ二つ 寝る以外 夢中になれる 仕事持つこと

人生の 酸いも甘きも 知り尽くし また花を見る 人となりたし

人生の 重要性を 知る人は 賭博や酒に 楽しみを得ず

人生の イベント二つ 叶えたい 百名山と 歩き遍路を

人生に 道は色々 あるとても 行く着く先の 闇は等しく

人生に 方程式は 有り得ない わが人生は 死ぬまで未知数

人生を しみじみ語る 友ありて 生きる楽しさ 改めて知る

人生が 一度限りの 夢ならば 叶わぬ夢を 見つつ浮かれん

人の世は 思いやりこそ 尊とかり ご苦労さんの 一言嬉し

人の世は 自給自足が 理想的 田畑耕し 家畜と共に

人の世は 図太く生きる 人たちが 長生きをする 時代に変り

人の世は ギブアンドテーク 助け合い 持ちつ持たれつ 調和を保つ

人の世は 不易流行 月と萩 月は不易で 萩は流行

人の世に 媚びへつらうも 哀しくて 自然の中を あるがままと行く

人の世が 面倒くさく 寝ていたい そのまま知らず 死ねればいいが

人の世で 楽しき事は 感動で 本を読んだり 美観を見たり

人はみな 人の手借りて 終始する 生まれ育てられ 死んで送られ

人はみな 自分の都合で 生きている 自分勝手な 振舞い言葉

人はみな 相対的な 価値の中 生まれて生きて 死んでは消えて

人はみな 幸せ求め 生きるとも 不幸に遭わぬ 人は少なし

人はなぜ 自慢の種を 植え付ける いずれは枯れる 草とも知らず

人は人 自分は自分 行く未来 腹が立ちても 気にする勿れ

人のこと 感情を入れず 眺めれば 腹も立てずに 過ぎ行く旅路

人のため 良かれと思い 判を押し 身に降りそそぐ 返済の義務

人の道 色々様々 万華鏡 乞食(こつじき)(そう)に ()()の高僧

人知れず 仮面の中に 生きている 春も知らずに 秋も知らずに

人目など 気にしない人 美しく (ごう)()(ぼく)(とつ) 目立たず地味に

世の中に 富や名誉 築くより 知る人ぞ知る 詩人になりたし

世の中に 楽しきことは 多かれど 心養う 楽しみわずか

世の中に わが身を乗せて 漂えば 浮きつ沈みつ 彼岸に至らん

世の中に 望む物品 数が減る 余計な物を 所持せぬために

世の中に 再び人は 帰らねど 必ず帰る 阿字のふるさと

世の中に ひと花咲かせ 散り行くと 五十路を過ぎて 思うこの頃

世の中に 清き流れの ある限り 空は澄みゆき 実り豊かに

世の中に 当たり外れは あるけれど 何ともならぬ 宝くじかな

世の中に 不倫の種は 尽きぬとも 智恵ある人は 毅然と生き

世の中は 学歴資格 親のコネ 容姿端麗 強固な体

世の中は 思うにならぬ 事多き 楽しき事は 花鳥風月

世の中は 理屈ばかりが 先行し 退屈せぬよう 花を生けたり

世の中は それ行けどんどん バブルあり はじけ飛ばされ 地に根を張らん

世の中は 本音と建前 男前 前髪たらし 女たらすか

世の中を 辛く悲しく 見る度に 思い起こすは 風雅の心

世の中を 自由自在に 生きる術 手に職を持ち 語学に長ける

世の中の 為になること 考えて 一直線に 行くが天才

世の中の 裏も表も 知り尽くす 人情話 興味に残る

世の中が 生かさんとして ここにいる 不要であれば もう死んでいる

世の為に 成ること一つ 成し遂げて 三十一字で 命を結ぶ

世の為に 成ること成し 後世に 語り継がれる 人となるべし

世を厭う 鴨長明 夢の中 現世をめぐり 世を見極めと

世を逃れ 命をつなぐ 庵かな 西行十庵 芭蕉七庵

死ぬ覚悟 出来ては生きる 覚悟湧く 人は知らずに 生まれて生きて

死ぬ覚悟 生きる決意が 強ければ 本気で生きる 姿に見えし

死ぬよりも 辛く惨めな 借金苦 身内のために 滅びゆくのか

死ぬ時は 借金預金 棒引きで 生命保険 葬式代に

死ぬことは 至極自然な ことなれど 借金あれば 死ぬに死なれず

死んで行く 人の先々 見えぬとも 生きる喜び 今の幸せ

死んで行く わが身もあれば 生まれ来る 命もありて 失礼します

死んだ人 残されし人 哀れなり 大震災の 地球の異常

死んだなら 蕉風らしく 風雅葬 句集片手に 笠と杖入れ

死にたいと 思うことなど 無いけれど 不惑を越えて 細る先々

死の先に 三途の川と 花畑 そこで終りと 思いたいもの

死の果てや 三途の川を 渡る時 ふとまた逢える 海の仲間と

死に行きし 友を思えば 悲しくも 遅かれ早かれ 我れも旅行く

生まれ来て 生きる命の 儚さよ 明日(あす)なきものと 今日を楽しむ

生まれ来て 物心を知り 旅をして (ほとけ)(ごころ)と 詩心を知る

生まれては 人それぞれの 夢枕 マクロの宇宙 ミクロの(からだ)

生まれ死ぬ 子供の姿 見る親の 悲しみ永久に 癒されもせず

生まれ良し 育ちも良いが 運悪く 交通事故で 死ぬ若者も

生む時は 母が苦しみ 死ぬ時は 自分が苦しみ 生と死の旅

生きている 命の不思議 五十五は 酒と胃薬 一日過ぎる

生きながら 借金地獄 さまようが 借金する人 長生き多し

生きて来て 良かれと思う 事だけを 伝え残して 形見とぞせん

生きとして 生きる命の 喜びは 冬越え和む 春の陽だまり

五十路前 いつお迎えが 来ようとも 準備万端 身辺整理

五十路前 死後を考え 生きている 持ち物減らし シンプル目指し

五十路過ぎ 余生あるなら 出家して 高野山にて 寺男でも

五十路過ぎ 心と顔が 合致する 正直笑い 素直に泣いて

五十路まで 生きようとせず 生きている 生かされている わが身なりけり

五十過ぎ 自分の命 続いてる お(てん)(とう)(さま)に 生かされながら

五十年 あっと言う間に 過ぎて去り 死に行くだけの わが身は如何に

五十まで 生きる人生 思わずに 五十を過ぎて 次は六十

馬鹿を見て 人と思えば 腹立つが 哀れな人と 思う気持ちで

馬鹿を見て 馬鹿なやつと 教えらる (ちまた)に群れる 馬鹿も師となる

馬鹿なこと 数限りなく 繰り返し 初心に帰る 不惑の思い

馬鹿なほど 自己顕示欲 示すなり 人は誰でも 良く見られたく

馬鹿にされ ナメられんとす 強さより 人の背中の 弱さ見ている

馬鹿話 それも話の 内にある その語らいに 人の心理が

馬鹿数多(あまた) 利口は一人 道を行く 前人未踏 あの金字塔

今日もまた 自然破壊に 加担して ゴミを出しては 懺悔の念も

今日もまた 旅立つ人を 見送りて 三途の川で 逢うを楽しむ

今日からは 半僧半俗 志す 友の冥福 祈るがために

今日と明日 思えば哀し 命かな 涙で生まれ 涙で去りぬ

今日を生き また生かされる この命 見えざるものは 先祖の力

今日で死す 命思わば 何をせん ただ美しき 山を眺めん

夢を追い 夢にまかせて 夢枕 夢とも知らず 夢果てるなり

夢ばかり 眺め過ぎたか 五十路前 これから先は 現実的に

夢は消え 霞を喰らう 日々なれど 明日(あした)に向う 姿勢崩さず

夢のない 時代となりて 思うこと 自給自足の 遁世の夢

夢破れ 空しく帰る 家路かな 帰る家あり また夢を見る

夢一つ 成し遂げてみて 見えて来る 人と言う名の 時の旅人

借金で 死ぬしかないか この命 必ず消ゆる 命思わば

借金で 生きる気力も 消え失せて それでも明日も 生きねばならぬ

借金は 自由を失う 鉄格子 寝ても覚めても 逃げる術なく

借金を 返し終えたら また行こう 疲れた心 癒す湯治場に

借金の 利子の支払い 馬鹿らしい 五十過ぎたら 借金するな

一人でも 自分の世界 磨かれる 旅をテーマに 貫く道を

一人でも 退屈しない 人生を 教えてくれる 芭蕉の姿

一人立つ 死出の旅路は エンドレス 生まれて死んで また旅をする

一夜明け 瓦礫の山と 化す地震 津波の被害 空前絶後

一筋の 道を行く人 芸術家 花となり咲き 人となり散る

何事も 経験しないと 本質が 見えては来ない 悪事以外は

何事も 進んでやれば 楽しかり (とう)()掃除や 膳の上げ下げ

何のため 生まれて来たか 知れもせず (せい)に始まり (せい)は尽きゆく

何のため 生きているかと 人問えば 鷲は知らんと 獲物を狙う

何となく 般若心経 好きになり 理屈も知らず 唱えるばかり

何気なく 友が恋しく 電話する 元気でいるか 知るだけでいい

自由とは 自在に生きる 叡智なり 言葉は翼 知識は尾ひれ

自由とは 北と南の 隔てなく 往来をする 渡り鳥かな

自由とは 英語ぺらぺら 手には職 何処へも行ける 身の軽さかな

自分しか 出来ないことを 成し遂げて 行き着き果てる 人の世の旅

自らの 尻はきれいに 始末して あの世に向う 身支度をする

凡人は 見かけ態度で 分かっても 才ある人は 見え難きかな

凡人は 楽して生きる スタイルて 賢き者は 絶え間ぬ努力

凡人は いつまで生きて 気が晴れる 親を見送り 孫の顔見てか

凡人や 馬鹿は利口な ふりをして 利口は馬鹿の 真似を楽しむ

新しき 時代もいつも 想像し 古き時代の 良さも忘れず

新しき 朝がまた来て 老いて行く 惰性の中を 過ぎる命か

新しき 出会いと共に 人は生き 見果てぬ夢を また望むなり

生誕は 天命なのか 偶然か あまり気にせず 人生謳歌

生誕は 天の定めか 気まぐれか 死ぬは同一 何を楽しむ

生誕は 選択不可で 逆に死は 自由自在で 気のすむままに

哲学は 至る所に 埋もれてる 芭蕉の句にも 僧の()(じゅ)にも

哲学は 漠然とした 一面も ニーチェ・サルトル 理解の外で

哲学が あれば心に 真理湧く 永久に途絶えぬ 人の学問

仮の世に 借金しては 苦しんで 死ぬ勇気なき 五十路の心

仮の世に 借家に住みて 金を借り 家族一同 世界を旅す

仮の世の 仮の住まいに 借金し 苦しむだけの 人の悲しさ

浮き沈む 人の世の中 怪奇なり 雨も奇なりは 芭蕉の言葉

浮き沈む 毀誉(きよ)褒貶(ほうへん)の 人の目に 瞬きしたり 釣り糸の先

浮かれは 沈むわが身は 見えぬども 沈んで見える わが身の細さ

友情は 心の絆 結び付き 互いを信じ 思う真心

友達を ふるい落とせば 誰もいず ただ相棒は 指の数ほど

友と言う 無二の関係 思う時 本音で語る 別の自分か

知る人は 人の言葉に 口出さず じっと聞いては 心で判を

知っていて 知らん顔する その笑顔 相手の無知を 傷つけぬよう

知らぬ間に 生まれて来ては 惜しまれず 死んで行くのか それでも強く

年重ね 弱くなりゆく この意思は 煙草も酒も 何度もやめて

年重ね 頑固な気とは 裏腹に 煙草やめれぬ 意思こそ哀れ

年とれば 人は気まぐれ 為すがまま 流れて生きる 浮世の海を

哀れかな 人の借金 抱え込み 四苦八苦する 我れも同じで

哀れかな 恥じる心の 裏表 良く見せようとす わが心根よ

哀れなり 男や女に 狂う(さま) 盛りのついた 猫にも似たり

思い出が いつも心に 溢れれば 幸せ感ず 人の一生

思い出を 大事にすれば 過ぎし人 成仏をして 守り給えと

思いきり 悩んで泣いて 吹っ切れた 義理と自我との (はざま)の中で

いつまでも 生きようとする わが身より 六十二歳 悟り帰らん

いつまでも 心の奥に 友は生き 共に余生を 楽しまんとす

いつの日も 初心に返る 人は良し 桜の花の また咲く如く

わが心 裸にすれば 楽となる 衣服と同じ 飾りを捨てて

わが心 義理人情に ほだされて 埋没するか 無視をすべきか

わが国の 大和魂 歌心 生きとし生きる ものの哀れみ

名を成して この世に花を 咲かせても 萎れたのちは 何となるやら

名を成して 山野に籠る 計画も 五十過ぎては まぼろしの夢

他愛ない 人の言葉に 惑わされ 期待を寄せる 人は悲しき

他愛ない 一言一句に 人生の 逞しさ聞く 猟師の集い

五年間 自分の人生 中断し 実家の負債 返す苦しさ

五年間 飲まず詠わず 旅もせず 借金地獄 人の足かせ

命絶え 血は滅ぶとも 憂いなし いつかは消える 人の足跡

命絶え 再び帰らぬ この世なら 死後の世界も 旅を重ねん

人間は すべからず皆 善ならず 悪の存在 殆どが銭

人間は 喜怒哀楽で いいんだよ 鬼になったり 恵比須になったり

こつこつと 今日を大事に 生きている この生き方が 自然と思う

こつこつと 働くことに 意義がある 家族にために 世の中のため

幸せは 天地自然を 敬いて 怒りに触れず (つつが)なき時

幸せは 見知らぬ土地を 旅をして 人の情けに 涙する時

平凡と (ふう)()のボンボン 重なりて これに勝れる 役どころなし

平凡に 生きるは楽で 平凡に 死ぬは悔いあり 自分は誰ぞ

老いて来て 邪魔にならない 事二つ 深い知識と 旅の思い出

老いて知る 般若心境 奥深く 文字は書けても 心は書けず

あの世には 天国地獄 無いだろう 死んでお終い 日々を楽しむ

あの世とは みんな行く道 帰る道 浮世の旅も 程々にして

結婚や 人生の華 お祭りを 持てない俺ら 遠く眺める

結婚し 一人前と されるのは 時代遅れの 理念と思う

不惑過ぎ 自然回帰 道を行く いつ果てるとも 悔いは残らず

不惑まで 生きると思わず 年過ぎて 欲は出て来る 五十路六十路と

目覚めれば 今朝も息して 生きている 思えば淋し いつ果てるかと

目を閉じて 自分自身 見てみれぱ 浮世に沈む ゴミの如くで

風吹けど 順風満帆 遠い夢 (はん)()は破れ 木の葉の如し

風の如 突然吹いて 物を言う 人の明暗 言葉なりけり

婿殿は 種馬なりしか 酷いこと 死んでも婿と 蔑まれもし

婿さんは 家の負債を 返済し 財を成しても 褒められもせず

行く末は 何に成るかは 知らぬ春 生まれ定まる 物語でも

行く月日 人また生まれ 去るとても 知る人ぞ知る 人となりたし

よくもまあ 四十路に来たり 絶頂期 自由自在な 旅の世渡り

よく見れば 人は哀れな 生き物よ 肩ひじ張りて 仮面をかぶり

この顔も この身体(しんたい)も この声も ただ仮そめの 旅の借り物

この命 一泊二日が 遥か先 二千余泊の 長旅となり

春の夢 希望を抱き 人は生き 長し短し 生死の別れ

春来たり 人生の花 咲かぬとも 知る人ぞ知る 花が恋しき

楽しみは 人の出会い 哀しみは 人との別れ 生死は無常

楽しさを 通り過ぎては 禅の風 自然に帰る 帆をなびかせん

商売は 千客万来 財を成し 滅ぶも早き 浮世の仕組み

商人は いつもニコニコ 腰低く 外に貧しく 内に豊かに

金銭で 買えない物が 大切で 鍛えた体 研いた頭脳

金持ちは ずーと金持ち 働かず ケチに徹して 金を減らさず

腹立てて 怒ってみても 減りはせぬ 背負わされたる 借金の泥

熱き血の 燃える命の 曖昧さ 感情のみに 人は流され

悪ならず 善にもならず 生きている この生き方を 我れは愛する

仁さびて 道徳くさり 義はうもれ 愛のみだけの 世は物足りず

求めても 求め得られぬ 人の徳 踏ん反り返る 人は悲しき

さりげなく 死に行く人も いるようで 目覚めもせずに 深き眠りに

遥か先 遥か彼方に 目をやって 眺めてみても 消える人の世

漠然と 山小屋の夢 眺めてた 今は旅人 悠然と見る

うたかたの 水の流れに 人生の 輝く光り どこにも見えず

どれほどの 質量なのか 思い出は 遠い思い出 また忘れゆく

脈々と 流れる名家の 血筋より 人一代の 功ぞ尊し

身の回り 軽くなるほど 楽になる 平和な時の 人の生き方

明日を見る 楽しさ期待 膨らめど 死を垣間見る 不安は尽きず

遠くから 自分の姿 眺めれば 馬の骨とて 馬より貧し

恥もなく 外聞もなく 生きる人 清々しきや 自由がありて

四代も 続く名誉は 世にはまれ 馬鹿の遺伝子 必ず混ざり

ばっさりと 愛欲心を 断ち切って 不惑を迎え 気を一新す

味のある 人にめぐりて 教えらる 片手なくても 自由に暮らす

罪深く 感じることも 多少ある 妻子を持たぬ 独身なれば

探しても 探し切れない 宝物 まだ求めてる 風雅の心

苦があれば いつも捨てるは 我欲かな 心身脱落 煩悩解脱

み仏に 仕える身とは ならぬとも めぐらす思い み仏の中

仏とは 心に宿る 良心で 磨けは光り 知らぬと錆びて

気まぐれな わが人生の 節々に 油を注ぐ 人の真心

露と消え 霞に浮かぶ 人生を 今日も旅する 希望がありて

入れ替わる 人の強欲 限りなく 辛抱すれば 消え行くものを

マスコミに 染まれば既に 己なく 野に咲く花は 染まらず生きる

インテリは 知識ばかりを 口にして 職人はただ 手足動かす

職人は その生涯に 夢がある 飛騨の彫物 江戸の錦絵

時として 命惜しまぬ 心意気 ゆすりたかりに 義憤する時

涙あり 喜びがある 人生を 最良とする 人の一生

煩悩を 切ってしまえば 楽なるも 楽を好まず 気の向くままに

夫婦でも 別れる縁 友情も 破れてしまう 糸の細さよ

幼児より やりたい事を やって来て やり足りないは 子を持つ苦楽

じっとして 現実見つめ 考える 自然に生きる 未来あるかと

時は行き 昔の夢は 花と散り また咲かせなん 息つく限り

消しゴムで 過去の出来事 消すならば 悪ガキだった 少年の顔

今度こそ 五欲の二つ 噛み切りて 心に袈裟を 渡してみたき

運命は 移ろい易き いたずらで 生死の境 予測しかねし

みんな行く この世の果ての あの世なら 怖がる気持ち 何であるべき

読み書きは 出来なくても良し 地球上 人類最初 言葉がありき

ことわざも 古くなるなり かねの価値 猫に小判も 豚に真珠も

厄年を 迎えて一人 思うこと 貧乏神も 祓え給えと

様々な 思い出浮かぶ 厄払い 九死を越えて 眺める世間

蛇男(へびおとこ) 年男となり 四回目 芭蕉は猿で 追い回してる

文明に どっぷり浸かり 夕涼み 我れに自然を 語る(よし)なし

常識が 人の頭を 支配して 知らず知らずに 人並みとなる

褒められて いい顔しない 者はなし 煽てられては 枯木に登る

据え膳を 喰わぬ男は 紳士なり 場当たり的な 交際はせず

悔しさが 涙となりて 湧き(いず)る 登竜門の 滝高すぎて

辛抱し 慎ましやかに 暮らしても この世の旅の 終わる切なさ

贅沢し 札びら切って 暮らしても この世の旅は ただ一度だけ

困窮時 明日があると 思うこと 人それぞれに 楽しさ求め

くたばれば 人諸共(もろとも)に ゴミとなり 忌嫌われる 一面もあり

逢うことは 別れることの 始めとて 何をためらう 命はかなく

嫌味とも 皮肉とも聞こゆ 言葉尻 腹立てるほど ストレスは増す

身から出る 恨みや悔いが 多過ぎて 救い難きは 不惑の心

誇示をして 自惚れる者 哀れなり 上には上が あるが人の世

狂人の 自分自身に 気付かずに 自己中心に まだ生きている

生と死を 背中合わせに 生きて来て 人間やめて 御影石へと

消えて行く 浮雲(ちょう)()の 人生で 消え去る前の 旅や尊し

鳥は飛び 魚は泳ぎ 花は咲く 人は考え 人は旅する

天ぞ知る わが振舞いの 愚かさは 花に狂気し 風に乱舞し

盛り過ぎ 背を叩かれる その前に チャレンジすれば 智恵は湧くなり

学ぶほど 言葉少なき 人となり 真理を求め 面壁九年

めぐる春 成金一代 鉢の花 質素百代 中庭の松

三代も 続く成金 世に稀で ドラ息子には 試練の旅を

公衆で 高貴な人は 屁もできず 自由に生きる 人が人なり

無常なる 物のあわれは 日本人 独自の五感 自然観察

嘆いても 嘆き切れない 世の中に 足踏み入れる 戦後の不況

出世して 肩書きが付き 能書きも 達者となれる 人多かりし

(いじ)められ 泣いてなるかと 身を鍛え 強く優しい 男に育つ

マイウェイ 道なき道に 道開く それが男の 歩む道でも

のんびりと 星を眺めて 暮らしたき 世の移ろいに 唖然とすれば

これも夢 あれも夢よと 思う日々 それでも生きる 夢ある限り

まだ醒めぬ あの夢あの日 あの思い 昔に帰る 術はなくても

二度とない この人生を 有意義に 生きんとすれば 思いを文字に

煮えたぎる 地獄の底に 落ちたれば 雨に打たれる 時ぞ待たるる

秋風や 日本が駄目なら 他所(よそ)の国 奮い立たせる 心が大事

革新は 富と貧困 リセットし 戦後と同じ スタート台に

信じるも 無視をするのも 自由なり 天声人語 編集手帳

適齢期 二十五歳の 前後かな 四十過ぎたら 諦め顔に

二十歳過ぎ 煙草と酒は 嗜むが 麻薬ギャンブル 永久に接せず

独りでも 淋しさ知らぬ 暮らしとは 花鳥風月 友とすること

賢人は 徒党を組まず ()にありて 世の為になる 仕事に従事

家柄と 学歴重視の 世の中で 生きとし生きる 道は数あり

志 努力だけでは 叶わない 運と時間と 地位と人脈

諦めて 四年の努力 何とする 何度落ちても 合格目指す

君もまた 自由気ままに 生きている 異なる姿勢 向上心で

天は知る 人の心の 奥までも 地道なければ 人は栄えず

おしなべて 男女平等 無理がある 大峯登拝 男の修行

誰ひとり 行く人もなし 茨道 傷つきながら ()(ふく)前進

沈み行く 泥船捨てて (のが)れなん まだ見ぬ花の 盛り思わば

泥船は どう足掻いても 泥船で 強くありたい 鋼鉄の意思

四苦八苦 ハンコひと押し 茨道 自ら招いた 道にあらねど

月末は 地獄の責め苦 資金繰り ハンコひと押し 返済一生

苦があれば いつも捨てるは 我欲かな 心身脱落 環境離脱

歌心 日本の国の 宝物 貴族は作法 武士は辞世に

温かき 家庭は遠く 消えてゆく 子供は家出 親は寝たきり

洒落言って 笑い転げた 絶頂期 転げ落ちたは 奈落の不況

予期もせぬ 旅と思える 人生は 生きるも死ぬも 自然のままに

若き日は 己を磨く 本を読み 老いては一人 先行きを読む

学問は 概略を知り 本筋を 見極めては 自己の思考を

恐らくは 神も仏も 在らざるも 神は菅公 仏は大師

貧富の差 その根幹は 教育で 十八までは 国が負担を

幾度か 壁に当りて 挫折して 涙と汗が 人を育てる

よく笑い よく泣いては よく黙り 喜怒哀楽は 気まぐれ時雨

鈴の音は 諸行無常の 音がする 行き交う人も 同行二人

俗に生き 俗に交わり 気付くこと 俗とは何も 生まれぬ世界

昔より 義務に縛られ 不自由し 奴隷のままに 生きる身の上

海大の 門を仰いで 三十年 思いを果たす 卒業証書

十五から 親元離れ ただ一人 自問自答は 五十路も続く

ふるさとの 実家のために 自己を捨て 借金暮らし まるで座敷牢

乗り遅れ 最終電車 見送れば これで終わりと 歩く道のり

心ない お世辞を言いて 日を暮らす それが出来ずに 舌きり雀

変り行く 義理人情と 人の顔 何だかんだと 金がもの言う

労働は サラリーマンが ()(じゅう)年 自営職人 六十年を

隠棲は 哀れに思う 一面も 孤高の中に 埋もれんとする

朝に立ち 夕べに死んで いいように 身辺整理 毎日が辞世

止めどなく 涙流れる 葉書かな 津波で死んだ 友の情報

なにくそと 思う気持ちが ないならば 男は強く 生きてはいけぬ

日々に人 新たになれど 気も付かず 昨日を越える 意識少なし

先に逝き 待ってる人が あるよって わしもここらで 失礼しまっせ

最強の 自給自足に 憧れつ 土地無き者は 絵に描いた餅

農民は 仮面も付けず 耕運機 変身せずも そこに道あり

来る老いを 我れは忘れて 金は無し 生きることさえ 忘れてみたい

少しずつ 自分の過去を 整理して 死んで悔いなき 明日(あす)を進まん

身を削り 仕事するより 山歩き 金は無くても 意義あることを

旧友の 恩はきれいに 返すべき 遠い彼方へ 旅立つ前に

()し付けて 利息を付けて 返します 金の切れ目が 友との別れ

また一つ 高い境地に 立つ如く 腹は立てても 馬鹿と競わず

若き日の 般若心境 思い出す 音は出しても 言葉が出ない

出鱈目(でたらめ)な 映画や漫画 さらばして 真実()(もう) 自然に帰る

安全は 一人一人の 注意力 怪我と言う字を 何と解する

いたずらに 時は過ぎ行き 歳ばかり 重ねて果てる 人の世の旅

見栄張らず 物欲しがらず 無理はせず 五十過ぎたら 満足を知る

薄れゆく 髪と性欲 記憶力 一途に思う 自然の美観

富士山の 樹海のような 世の中に 上に登れず もがき苦しむ

好むとも 好まざるとに 関わらず 生きてもみたり 日本の国に

火葬場の 末期の煙り 田んぼ中 手を合わせては 成仏願う

極楽も 地獄どん底 みな同じ 己が心の 迷いとぞ見る

儲けたり 損をしたりの 賭け事は 心の天気 殆ど無縁

値踏みする 人の命の 悲しさよ 勲章ひとつ 何を意味する

痴呆症 退屈をした 結果なり 死ぬ時を知る 脳がすべてで

人生は 孤雲の如く 過ぎて去る 初心に帰り 五十路を歩む(以降六・七十代作)

人生は 予期せぬ事の 積み重ね 生まれしこと 死にゆくことも

人生を 儚く思い 死んで行く それが出来ない おいらの命

人生の 法楽(ほうらく)ひとつ 価値のある 仕事を見つけ 夢中になること

人生や 人それぞれの 猿芝居 演じ疲れて また木に登る

人生が 夢の如くに 消えるなら 前人未踏の 夢をまた見る

人間は 何をするのか 分からない 人と動物 その間ゆえ

人間は 変わらぬ体 志 十七貫で 三十余年

人間は 楽しき過去の 出来事を 覚えていない 辛さが多く

人間と 思えば腹も 立つけれど 知ったが(ぶり)は 魚なりけり

人間に 生まれ来たも 因果なり いずれ旅行く 阿字のふるさと

人間や 五十路と言うは 大昔 昭和は六十路 平成は古希

人はみな 幻を見て 生きている 醒めて思うは 幻の果て

人はみな 人の手をかり 生まれ来て 人の手をかり 荼毘(だび)にふされる

人はみな 生きた証を 残すもの 子供にしても 詩歌にしても

人はみな 五十を過ぎれば 目にはしわ 金をかければ 少しはましか

人はみな 自負心なしで 生きられぬ どんな馬鹿でも どんな阿呆でも

人は人 人間と違う 自制心 他人を認め 争いはせず

人の世の 喜怒哀楽は 虚しかり 喜び一瞬 哀しみ永久(とわ)

人と人 絆なければ 意味がない 相互理解が 生きる楽しみ

死んで行く 先の景色は 見えぬとも 思い出づくり 尽きぬ人生

死んで行く 先の景色は 暗闇で またその先に 光りありしか

死に向い 生かされ生きて 花咲かす 地球創生 破滅も真理

死ぬことも 生きることなり その命 死んで根を張る 子や孫たちに

死ぬことは 胎蔵界の 現世から 金剛界への 曼荼羅の旅

死とは何 考えながら 死んじまう それが現実 多くの人は

死してよし 生きてまたよし 自然体 天命ならば 生死迷わず

わが人生 借金返済 三十年 払い()えたら 生き変わろうぞ

わが人生 花よ咲けよと 願いつつ 芽吹くことなく 枯れてゆくのか

わが体 猫背がに股 毛むけじゃら 歩く姿は 縄文人か

わが頭 (いち)+(たす)(いち)は 分からねど (さんかく)関係 直ぐに分かるよ

わが本は 持てぬ独身(ひとり)の 子供なり 生んでは消えて 紙屑となる

六十路過ぎ また燃え上がる 性欲に 理趣経を詠み あるがまま成す

六十路過ぎ 加齢と共に 細る身の 明日の命を 誰が知るらん

六十路超え 無名無印 わが命 知る人ぞ知る 旅人ひとり

六十五 惜しむ人なく 死出の旅 生まれる前の 闇へと帰る

思い出を 一つ二つと 整理して 死出への旅路 調える日々

思い出を 語り合うしか 明日がない 評価の下がる 老後の暮らし

思い出は 最高の景色 閉じ込めて その後の景色 見ないに限る

思い出や 宝の山を 堀て見る 写真に残る 半世紀の顔

何事も 楽しく思う 気持ちこそ 楽しく生きる 力なりけり

何事も 良しと思えば 気が晴れる 自分の選んだ 道()にしても

何かしら 楽しみ励みが ありてこそ 明日(あす)を夢見る 力となれり

何くそと 思う気持ちが 仇となる 友の喧嘩 (わか)()ですまぬ

今日ここに 死んでゆくのも 悔いはなく 生まれながらの ただの旅人

今朝もまた 目が覚めている 不思議さを 疑うだけの 老いの灯火

今ここに 倒れ臥しても 不思議なし 齢を過ぎた 古希ともなれば

今元気 明日の命 風まかせ それが生き物 それが運命

年老いて 人の交わり 遠ざかる 自然に帰り 孤高を愛す

年老いて 人の心は 変わるもの 昔の我れに 帰る術なく

(とし)(とも)に 自分の居場所 狭くなり 車上暮らしの 果ては(こつ)(つぼ)

一目みて その人なりを 見抜くかな 突然入りし 夜の店でも

一日の 暮らして中で 思う事 夢中なれる 趣味が一番

一夜妻 求めて空しい この齢 精力ありても 遠ざかり行く

世の中は 思うぬならぬ ことばかり 名も無きままに 消えて行くくのか

世の中は 思うにならぬ こと多く やけになるのも 生きる時だけ

みんな行く 闇の世界に 目をそむけ まだ行かないと 尻ごみをする

みんな行く あの世とやらを 傍観し 風に吹かれて 天命を待つ

宵越しの 銭はいらぬと 豪語して 困り果てたり 老い越しの銭

宵越しの 銭持たねばと 思う日に 古希を迎えて 手遅れとなる

若き日の 闘争心は 影潜め 向上心が 残されしまま

若き日は 美人はすべて 被写体で (さが)とは言えど 呆れた時代

様々な 遊びを尽くし 思うこと 俳句に勝る 遊びはないと

様々に 人は命を 灯りけり きらりと光る 星の如くに

淋しさに また淋しさを 重ねつつ まだ生きている 命の不思議

淋しさの その極限を 思うなら 誰にも相手 されない時で

古希近く 奈落の底に ある如し 仕事は途切れ 蓄えもなく

古希となり 捨てる時来し ペンネーム 生まれ変わりて 歩んで行くか

仲間には 月日の遠さ 感じざる 共に白髪で 皺だらけでも

仲間たち 月日は流れ 散り散りに 共に白髪か また白骨か

捨てられて 忘れ去られて 消えて行く 名もなき者の 哀れなるかな

捨てる世も 逃れる山も 今はなし 自由自在の 旅こそ住処(すみか)

良く学び 良く考えて 欲を捨て 日々濃密に 日々風流に

良い事も 悪い事など 重なりて 古希へと向かう 道は険しく

逢いたくも 逢わぬが花の 四十年 一期一会の 旅と思わば

会えばまた 聞くは老いの 愚痴ばかり ()ねた心を 癒す毎日

気にとめて くれる友こそ 嬉しけり 明日(あした)に死する 暮らしの中で

気が付けば 孤高のままに 古希を過ぎ 流れ者には 女性いらないと

名もなくも 面白楽しく 生きたかな 旅と短歌と 酒を愛して

名を残す ことすら空しく 思われる 諸行無常の 世を渡る時

老年は 自然に帰ろう 農作業 体を動かし 汗を共にし

老いてなお いざ鎌倉と 思うかな 食欲性欲 元気の秘訣

天才は 時も場所も わきまえず 思うがままに アイディアひねる

天に舞う 人の心の 浅はかさ 昇る朝日は 沈む命よ

目の前に 空海大師 芭蕉翁 慕い続けて 古希を迎える

目覚めれは 家も車も 灰塵に 目出度い年の 始めと言うに

生涯で 稼いだ金は 一億円 酒と旅とに 殆ど費やし

生意気な 歌人気取りの 若き日々 捨てて念ずる 無碍なる自己に

生きながら うつろに死を待つ 人々に さよならを言う 老人介護

俺は馬鹿 良く見られたく 自慢して 誰も相手に されなくなりし

馬鹿なのに 頭の良い 顔をして 生きる人々 それぞれ演技

昔見し 山小屋暮らし 諦めて 一所不住の 旅に身を置く

子は巣立ち 第二の道を 踏みしめる 殆どの友 自由を謳歌

衰える 体力気力 性機能 男六十 下る坂道

ここに死す そのことだけを イメージす 明日の風に 吹かれ飛ぶ前

いつ死ぬか 分からぬ命 今の今 何も言わずに 本だけ送る

歴史への ジレンマ感じ 目をそむく 一億玉砕 その顛末に

煩悩を 切ってしまえば 楽になる 楽を好まず 火宅(かたく)に入る

前を行く 人さえいない 道のりに 立てば声する 自惚(うぬぼ)れるなと

自惚れと 劣等感は 紙一重 そこに謙虚の 二字ありけり

対人は 敵か味方か 中立か 今日の味方は 明日(あす)は寝返る

惜しまれて 死にゆくことは 誉れなり 知る人もなく 自我を旅行く

まじまじと 自分の顔を 見てみれば 老いの醜さ 鏡に映る

刈り上げた 頭をなでて 思うのは そんなに禿げて いない毛ざわり

愚痴を言ば 寂しさばかり 湧いて来て しばしの涙 我れを責めたり

謙虚さと 自尊心が 喧嘩する 見知らぬ人と 会話する時

歳重ね 化け物を見る わが顔に (なが)らえ通る 老いの苦しみ

田舎者 何を思いて 船出する 七つの海を 巡る夢あり

遠のいた 距離は再び 縮まらず 逢うこともない 友は切り捨て

灯火は 命と同じ 明かりかな その残り火で 友と交わる

悔しさに 涙は消えぬ 二十年 友の裏切り 兄の借金

ざまみろと 言われるのかな この俺も 夢は破れて 帰るふるさと

褒められて 価値が高まる 命かな ただそれだけの 今日の喜び

印税を 頼りの隠棲 成り立たず 出稼ぎに行く 暮らしや哀れ

夢うつつ 夢で良かれと 思う朝 崖から落ちて 水に溺れて

三十路より 毎朝唱える お経こそ 心の体操 師への挨拶

自意識が 薄れて知るが 悟りかな それはボケだと 言う人もあり

泣きながら 産湯の浸かり 生まれ来て 極楽湯にて 往生遂げん

関わらぬ 宗教・政治 マスコミに 餌食にされる 身の末を知る

様になる 自分の身なり 求めては 背筋を伸ばし 日々あらたまる

秋田では 注目もされず 気落ちせず 必要とされ 生かされる身と

貧乏が 顔のしわまで 刻まれて えびす顔には 死ぬまでなれず

清貧に 近づく友も いなくなり 独り吟ずる 李白・杜甫の詩

あれこれと 笑いのネタを 考えて 自分笑わせ 人も笑わす

虫めがね 最低二個は 置いている 右と左に 傾かぬよう

口鬚は 男の(あかし) 山の顔 貫くだけの 命なりけり

自らの 心の欲を 制御する これが自由と 悟る齢かな

綺麗ごと 言っても無駄な 我が心 金になびいて 女遊びも

性欲が 自分の身を 支配する 動物として 本能なのか

ありがとう 欲を満たした 女神たち 感謝を示し 生涯独り

リセットす 六十三歳 スタンスは 自力本願 自給自足

どこにまた 自分の帰る 道がある 日々変わり行く ふるさとの町

聞いてやり 良く考えて (うなず)いて 波風立てず 立ち去れる風

浮き沈む 人の気持ちの 不可解さ 晴れ(はれ)()も自然 (あめ)()も自然

お迎えは 自分で悟る 死出の旅 切符を捨てて 赴くままに

新しき 希望の炎 灯さねば 明日を生きる 道は開けず

幾度(いくど)なく 死に直面す 下り坂 生きるも(えにし) 死するも(えにし)

正義あり 銃の餌食に なるとても 名誉の死なら 生きるに等し

孤独とは 何にもしない 人がいて そこに暮らす 自分もありき

重箱の 隅を突っつき 激怒する 米つきバッタ 無駄な労力

理趣経の 禁欲を解く 教えには 五欲を捨てず あるがままにと

蒸発し 再び海に 還る水 空と海とを さまよう命

褒められて 一目置かれ 尊ばれ 生きた証を 残さんとせよ

すべからく 夢と思えば 楽になる 嫌な思い出 忘れたいこと

偉そうな 顔をした時が お終いだ 謙虚さこそが 心の宝

寝る時は 明日(あす)があるとは 限らない 一日一生 今日も全力

凡人は 自分は偉いと 勘違い 偉人は謙虚 あるがままあり

闇を出で きらりと光る 夢を見て 再び帰る 生まれる前に

金持たぬ 人には誰も 寄りつかず 金が物言う 昔も今も

必要と されるからこそ 生きている プラス思考で 考えたいもの

成仏は 幸せだった 日々思い 笑顔を浮かべ 息絶える時

過ぎ去りし 歳の早さを 感じつつ 夢を求めて 六十路に向かう

護られて 生きる命の 尊さを 六十路を過ぎて 知るも哀しく

永遠に 少年である こと求む 六十路過ぎにし 歳となりても

五十路越え 六十七十 同じだよ 生かされている 余生じゃないか

還暦を 過ぎて思うは 無名ゆえ 気ままに過ごす 仕事と遊び

厄払い 未来を語る 相手なく 故郷は田舎 先細る郷

感動し 涙を流す 景観美 老い行く我れの 力なりけり

行く歳や 鏡見るたび 嫌になる こんなに顔が 老けて来たとは

定めなき 人の命の 道しるべ 齢六十 毎日が旅

とりあえず 五百名山 諦めて 秋田で生きる 術を求めん

花開く その瞬間が 見えて()ぬ 六十六の 最後の挑戦

誕生日 知る人もなく 日となりて 独り静かに 古希を数える

誇りとす 仕事が今は ほころびて 古希を過ぎれば 役にも立たず

誰からも 相手にされぬ 歳となり 深まる孤独 広がる自由

二十年 続いて来たる 借金苦 古希を迎えて 支払い開放

いつまでも 自分を伸ばし 生きたいと 思う心に 冬は厳しく

七十で 借金消えて 清々す こつこつ貯めて 旅でもするか

志 無いから老後 寝たきりに 元気なままに 人は死ぬべし

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