人生の短句

人生の短句 391句

人生は 程々生きて バラ色に(以降二・三十代作)

人生は 真実一路 山登り

人生は 花の生涯 物語る

人生は 十年句切り 雪模様

人生を 写してみれば 走馬灯

人生を 初心に帰す 初日出

人生や 馬鹿にやる気は 咲かぬ花

人の死や 最後は虚し 銭勘定

世の中に 何を望むや 枯れススキ

世の中に 無常の雨と 無二の友

世の中の 幸せ不幸 先ずは銭

世の中の 遊びを尽くし (くう)を知る

世に出でて 花を探すも 迷路なり

行く秋や 友と別れて 浮浪(はぐれ)(くも)

行く年や 人間元来 無一物

行く月日 めぐる年月 ああ無常

行く道や 選り取り緑 自然界

夢うつつ 冥土の旅に 蜘蛛の糸

夢破れ 空しく帰る 実家かな

夢を見る 人の幸せ 無限大

夢の中 人を何人 殺したか

平凡は せっせと積んだ ケルンかな

平凡を 遠く眺めて 欠伸する

平凡に 身動きとれぬ 蛙かな

一人行く 道険しくも 山に花

一人では 面壁五年 とても無理

一念や 岩をも通す 春の水

初対面 学歴気にする キリギリス

初対面 どかな人にも 敬語かな

風流や 江戸も明治も 草の(いお)

風流は 自然に染まり 花と咲く

悔しさを 心のバネに 負け蛙

悔しさが バネとなり飛ぶ 年の暮れ

わがヒゲは 風にたなびく 悟りかな

わが風は 形無いので ただの風

目を開けば 右も左も 欲絡み

目に見えて 心は遠し 彼岸花

二千年 知るに短し 命かな

体力を 鍛えて苦手 克服す

山川に 善悪はなし 冬籠り

付き合いは 細く長きを 信念に

老人の 牛歩に見ゆる 前向きさ

読み通す 社会の仕組み 国の末

貧乏が 骨身に染みて 侘び心

勲章を 辞退する人 羨まし

上に立つ 人に涙の 苦労あり

自由には 不安が尽きぬ 冬来たり

不自由は 自由なりけり 草の(いお)

命綱 窮屈過ぎて 不安かな

沈黙も 深くて浅き 遁世かな

古き日の 村の絆が 無尽講

何となく 生きているのか 籠の鳥

今日もまた 生きているのか 籠の鳥

籠の鳥 自由がなくて 可哀そう

空飛ばぬ 人は哀れな 籠の鳥

図らずも 人は人なり 個性あり

真剣に 生きて咲かせよ 桜花

街に居て 知ることもなし 山の花

もの言えば 軽みも悲し 朝の顔

しみったれ 見栄張るほどの 金は無し

ひけらかす 知識乏しき スズメかな

ぬくぬくと 悩み少なし 家の猫

顔かたち よく眺めれば 猫かぶり

悟り顔 それが自滅の 始めなり

愚痴言えば 心が重し 欲の中

苦虫を 噛んで味わう わが嫌味

血上り また抜けて行く 若さかな

歩かずに 考えなくなり 立ち枯れる

楽すれば 楽するままの 肩車

新年や 真実一路 わが道を

死に変わり 生きてもみたき 他所の国

何事も 堪忍辛抱 春を待つ

種蒔けば 死に行く果ても 春めぐる

草ばかり 金無い家に 生えにけり

悟り得る 道遥かなり 草千里

じっくりと 蛙考え 空を見る

感心す 蛇にたて突く ガマガエル

我を張れば 役にも立たぬ にわか雨

雨の中 信念一路 山登り

蟻もまた 今日が有りけり こつこつと

朝顔や 素直な姿 いつまでも

蚊帳の外 小中学校は 我流なり

柳腰 外に謙虚の 葉を垂らし

(うつし)()や 不可解なりし 蝉の声

助け合い 励まし合って 飛ぶトンボ

励ましが 貧乏人の 合言葉

格好を 付けても野暮な 秋の暮れ

あれこれと 欲してみても 秋は暮れ

この夢も やがて飽き来て 枯葉舞う

道筋を 通しておくれ 秋の風

去る友に 言うこともなし 野にススキ

積る雪 貧乏人に 負荷かける

転ぶほど 大きく育つ 雪だるま

除夜の鐘 聴くも煩悩 年を越す

吹く風や 人生いかに 天ぞ知る

死を思う 馬鹿馬鹿しさや 青い空

水面下 進む縁談 浮世雲

罪深く 人は生きたり さくら肉

しばらくは 平らに成れる 四十路かな

身体は 四十六億 みな同じ

氷河期の 人類の知恵 今いずこ

詩心を 知る人なれや (ぼう)が妻

画伯とて 画商を頼る 年の暮れ

世の中や 笑いて終わる ヒマワリに(以降四・五十代作)

世の中や 思うにならぬ 税の使途

世の中は コネとゴマすり 袖の下

世の中の 裏表見て 山居かな

世の中に 無い物造る 人の知恵

世に出でて 儚さ唄う 蝉の声

人はみな 人の助けで 花咲かす

人はみな 詩人になれる 秋の暮れ

人の世は 微々たるものぞ 銀河系

人と人 死んで聞こえる 心意気

人の価値 理性感性 派手と地味

夢見れば 永久に切なし 春の雲

夢破れ 現実遠し 憂う秋

夢半ば 思い出半ば 五十年

夢ばかり 望んで久し 降るみぞれ

何くそと 思う心や つくしんぼ

何くそと コマクサソウは 灰の上

何をして 生きんとするか カタツムリ

生きること 同時進行 死への道

生きること 死ぬ直前の 蝉の声

生きてれば いつか芽が出る 時ありと

春めぐり 芽が出ぬままに 時は行く

春を待つ わが心には 真言が

春が来て 隣りも旅を する人か

風前に 有るか無しかの 命かな

風吹けば さらりとかわす 柳腰

風流や 感謝感激 観自在

行く春や 迷いながらも 息してる

行く春や 家も命も 貸与品

行く秋や 賞罰なしは いい言葉

わが敵は 本能にある 欲の数

わが心 磨いて損なし 秋の暮れ

わが思い 媚びず奢れず へこたれず

鼻の下 伸ばすは髭の 一つのみ

鼻の下 伸ばし過ぎては 空財布

出る杭は 打たれるけれど 根は柳

出る杭は 打たれて強く なる丸太

知るほどに 言葉少なき 人となれ

知るほどに 豊かな心 万華鏡

降る雨に 涙も混じる 事故現場

降る雪や 負け犬ばかり 吠えている

馬鹿なこと やっている内が 花盛り

馬鹿笑い 心を洗う 薬かな

白髪に 山路は遠く 霞むなり

白紙でも 夢は再び 墨壺に

笑い声 そのまた奥に 苦労あり

笑顔こそ 日々新たなる 命かな

めぐる年 男は強く 夢に立つ

やることが 山ほどありて 人生か

この世より あの世が永き 仮の宿

滅びざる 生物はなし 人類も

経歴に 病歴書いたり 四十路かな

だらだらと 生きた四十は 成果なく

志 遠い昔の 走りっこ

結婚や 遠のくばかり 小鮒釣り

乗り遅れ タイムマシーンは ポンコツに

膨らんだ 夢の風船 どこを飛ぶ

晴れ舞台 父亡き母泣き 子供無き

どの親も 願うは子らの 独り立ち

青竹や 男の意地は 痩せ我慢

一本気 それが男ぞ 浮気せず

争いの 種蒔くばかり 腹の虫

目覚めれば 日々新たなる 命かな

寝てられぬ わが世の春が 来るまでは

不惑過ぎ 馬鹿と阿呆と 争わず

四十(つら) まだまだ熱き 欲の皮

苦労する 人はいつまで ツクシかな

涙には 誰も勝てない 力あり

尊重は 接着剤の 役割も

こつこつと 積み重ね行く 人生は

成功は 汗と涙の 積み重ね

(いじ)めとは 理性に欠けた 人でなし

親切に 席を譲ると 無視をされ

意気の良い 男に育て 鯉のぼり

怒鳴るほど 空しく返る 木霊(こだま)かな

滅び行く 人は地球の こぼれ花

(えん)()様 わが生き様を 笑い見る

大女(おおおんな) 過ぎてねこ背を 伸ばしたり

良く見せる 自分自身に 疲れるナ

好む人 嫌う人また 同じ人

語らえば 口元淋し 下ネタで

気難しい 人も嬉しき 花談義

痛いとこ 甥の言葉に 突かれたり

知るほどに 口は重たく 無垢(むく)となる

口鬚は 頑固一徹 変るまじ

書を読めば (りゅう)(こう)()(がい) 夢の外

猫かぶり 貧しいだけの 人の知恵

降る雪や 積る借金 戸も開かず

痩せ我慢 貧乏人の ど根性

面白き 百面相も 人の芸

死んだなら 寸断されて 闇の中

孤独から 逃げちゃいけない 只管打坐

紫の 煙りと果てる 夢の(のち)

ささやかな 自慢話しが 老いの糧

新しき 朝がまた来て 老いて行く

悔しさの バネもくたびれ 空を切る

サメ騙し 墓穴を掘るや 白ウサギ

有難や 今朝も息する 目覚めかな

去る者は 日々哀れなり 名残り雪

強き者 神仏よりも 子らを見る

散る花や 死も道なり 危機に立つ

叩かれて また背伸びする ツクシかな

堂々と 意気伸ばしたる ツクシかな

伸び伸びと 野に遊ぼうよ 子供たち

野や山に 五感を澄ませ カタツムリ

自己主張 内に秘めたる カタツムリ

実家あり 滅ぼすまいと 自己犠牲

もう駄目だ 矢鴨と同じ 命かな

堕落して 咲く花はなし 努力せん

ふるさとは 蠅まで人を 馬鹿にする

揚げ足を 取りて楽しむ アホウ鳥

鈴虫の 声も重たき 借金苦

じり貧に なりて再び 仰ぐ空

腹の虫 出そうになると 深呼吸

籠の中 耐えれやインコ 慣れるまで

覗き見る わが心根の 冷酷さ

すべからく 中途半端な 夏の傘

ひとり寝に 寄り添う月と 芭蕉の句

江戸っ子の 宵越しの銭 今いずこ

哀れなり 煙りと消える 友の死は

今日の息 明日(あす)は途切れる 旅路かな

香水に 匂い悲しき 野辺送り

楽をして 登る山なし 人生も

真っ直ぐに 登る道なし 登山道

名声も 芋ばかり()る 秋の空

月冴えて 秋風淋し 仮の宿

脱帽す 重荷担いだ 山ガール

藪こぎや 道なき登山 命取り

自立する 人みな嬉し 秋の風

襟立てて ぐれたふりする 旅カラス

紙面にて 戦死の知らせ 見る哀れ

中年が 楽しく思う 欲が減り

夜の顔 いと嫌らしき 五十(つら)

智恵子抄 涙で顔を 洗いたり

(ひぐらし)の 終のすみかや 三畳間

身は軽く 心は深く 行く山河

背を向けた 世の中なのに 陽は昇る

哀れかな 子を助けんと 親は死す

親と子が 逆転したり 思いやり

善人に 金持ちは無し クリスマス

雨嵐 踏むも逃げるも 一つ道

積る雪 打ち解け合って 大河へと

破れても 端切れ合わせる 晴れ着かな

宝くじ 握って死ぬか 年の暮れ

無一物 大震災も 涼し顔

三度目の 新潟地震 めぐり来る

震災も 火事場と同じ 馬鹿力

自画自賛 百名山の 登山終え

古希過ぎて わが世の春や リズムカル(以降六・七十代作)

古希過ぎて 相手にされぬ 仕事先

古希を過ぎ 老いの加速度 豪雨なみ

古希を過ぎ いつ死んでも 未練なく

古希となり 嫁を迎える 人ありと

古希米寿 骨折れ易く 転ぶなと

人生は 空しきものぞ 飛ぶ命

人生は 心の持ちよう 冬の花

人生は 運命的な 流れ星

人の世は 元気な長寿者 勝ち組で

人並みの 欲を求めず 無一物

世の中 振り回されず 知る風雅

世を捨てて 成るようになる 年の暮れ

世に出でる 術ももうなく 枯れすすき

世捨て人 太らず痩せず 蕨摘む

死ぬ時は みんな孤独な 枯野かな

死ぬ前に 昔話の 花を見ん

死んで行く 先の景色は みな暗く

死に向う 冥途の旅は 突然と

夢の中 間違い入る 女風呂

夢の中 我が身重ねん 江戸の春

夢は夢 人は人らしく 生きる事

夢見つつ 死んで行くのが 理想的

金がなく 病気もできぬ 古希となる

金のない 悩みは一生 支配する

金尽きて 旅も尽きたり 古希の春

先人に 学んで授かる 智恵袋

先細る 友との付き合い なごり雪

先のない 命に絡む 蔦かづら

停年や 台所に立つ 頻度増す

停年や 無名の草と なりにけり

新しき 明日に老いた 旅人が

新しき 靴など履いて 六十路越え

六十路過ぎ 子供のままで 見る星座

六十路過ぎ 直ぐに萎れる せがれかな

日々老いて 春はめぐらぬ 古希となる

日々老いて みんな一人で あの世行き

年老いて 価値なき人と 成り下がる

年老いて 笑い一番 活気づく

我れもまた 還暦迎え 人並みに

我れもまた 啼かず飛ばずの カラスかな

清貧は 笑顔と涙 自然体

清貧や 靴の底には 穴があき

貧乏の リズムに慣れて 日に二食

貧乏に 良く効く薬 金のみで

自由には 努力と汗が 付きまとう

自由とは 金のかからぬ 地図の旅

友情は 相互往来 結び付き

友情の 破綻はいつも 金絡み

風流や 自分ひとりの 夢世界

風雅かな 心は沙門 独身で

行く道や 最後もひとり 迎えなく

行く春や 気持ちは青年 弾くギター

降る雨や 山行せずに 本を読む

降る雪に 温めてくれる 人の情

俺の顔や ピカソの絵より 酷くなり

俺たちに 明日はないよと 四十年

一生は 蛍の光 その努力

一度死に 再び生まれ 古希となる

命とは 貰って消る 道具なり

命令し 動かぬ体 先ず性器

目に紅葉 還暦祝う クラス会

放蕩を 尽くして学ぶ 風雅かな

幸せは 隣りと同じ 寒さかな

捨身して 無に帰するかな わが命

染まらずに 客観的に 世の中を

過去を見て 未練残さぬ 明日かな

栄光は 努力の上に 輝ける

親の夢 子供が継いで 金メダル

昨日見し 夢の続きは 定まらず

渋い顔 段々丸く なる齢

散る紅葉 諦めこそが 人生だ

感謝こそ 命なりけり 墓参り

バカ以外 人は人により 創られる

明日は死す 心構えや 散る紅葉

あっけなく 人は旅立つ 無常の世

嫌なこと 逃げるが一番 その場から

尊重は 心と心 通い合い

積る(えん) 消えて流れる 一会かな

セクハラと パワハラ・エイハラ 三ハラか

三知識 歴史地理学 情報で

進化する 願いなければ 進化せず

実る稲 芸の肥やしにか 飯の種

煩悩は 消えることなし 朝の露

草の根を 食べて生かさる 仙人も

冬牡丹 どう見られるか 気にかかる

あっさりと 煙草を捨てて 今日の顔

叶う夢 叶わざる夢 雲の峰

枯れ尾花 無名の強み 自画自賛

無の心 腐乱不調に 過ぎる春

良く見せん 憧れだけが 遠い空

今の世は 老後殆ど 蚊帳の外

馬鹿多し 我れも一人か 秋の風

離れ行く 秋田の友と 雁の群れ

物言えば 唇凍る 短気腹

自惚れも 時に必要 糧となり

挫折から 立ち直せない 我が身かな

野に埋もれ 消え行く花に 我れを見る

何知るや 荒れ野の先を 目指しては

遠くなる 友との会話 金次第

諦めと 希望が出没 闇の中

いつ死ぬか 分からぬ命 灯す日々

流れ者 清僧真似て 独身を

今日の月 機嫌が悪く 我れを責む

片思い 君は真の 友ならず

旧友と 音信不通 生と死も

還暦に 仄かに匂う フキノトウ

細々と 生きるレンゲに 風吹かず

丁度よい 息の長さや 六十余

涙出る 六十過ぎての 子育てに

これからは 何言われても マイペース

誕生日 誰からも来ない 電話かな

勇気ある 若者遠し 令和かな

隠居して 再び目にする 春盛り

雨あられ 一緒にされる ジジイかな

虫めがね 三個も並べ 読書かな

五十四や 信長・謙信 死んでいる

正義感 今でも熱く 夏を行く

初雪や 師走朔日 古希となる

誰からも 電話の来ない 古希の冬

雪かきや 七十からの 知恵比べ

道徳が 雪より重く 屋根覆う

運も尽き 金も尽きるや 老いの旅

歯車が 狂い戻らぬ 老いの春

生まれ来る 姪孫(てっそん)により 血は流る

百歳が 珍しくなし 敬老日

万札が 大金と思う 古希祝い

髪よりも 歯を思いやる 齢かな

突然死 可笑しくもない 古希をゆく

銀行に 見放されるや 七十で

銭まいて 死ねたらこれが 花道ぞ

()(ちょう)なり 新聞配り 七千歩

老い重ね 自重するより 欲深し

薄れゆく 毛よりも辛い 記憶力

孤高には 誰も辿れぬ 道ありき

()に埋もれ されども一人 荒野ゆく

望むこと 知る人ぞ知る 人でいい

見る夢は 支離滅裂な 物語

楽観視 していた老後 安楽死

また一人 手を合わす人 増える春