城郭その1 短句(俳句・川柳)
入母屋の 主殿は曲り屋 越屋根が(根城/城郭1) 41歳
中世の 城は暮らし 優先で(同上)
工房に 自給自足の 跡偲ぶ(同上)
馬小屋は 十五・六頭 馬を飼い(同上)
樅の木や 陣屋と共に 城にあり(七戸城跡)
城跡は 曲輪と堀が 残るのみ(同上)
雪の中 天守の壁も 雪に見え(弘前城)
千年後 古代の城に 八重桜(胆沢城跡)
広過ぎる 十四万坪 徒歩は無理(同上)
国史跡 七十四年 名ばかりに(同上)
城落ちて 野なれ山なれ 不如帰(延沢城跡)
山城は ゴム長靴が 必需品(同上)
大杉や 本丸跡の 語り部で(同上)
四月でも 石垣の下 雪残り(新庄城跡)
城跡は 公園となり 噴水も(同上)
不可解な 楼閣風の 建屋あり(同上)
大櫓 三層三階 小天守(白石城)
三層目 ちょっと珍し 花頭窓(同上)
城跡は 菅江真澄も 書に記す(八柏城跡)
廃城の 城跡守る 姥桜(古城山)
紅葉に 弘前城は 菊飾り(弘前城)
鮮やかさ 紅葉にリレー 赤い橋(同上)
夕焼けと 紅葉に染まる 天守閣(同上/城郭2) 49歳
紅葉に 負けずとばかり 鶴の松(同上)
葉が落ちて 御滝桜は 冬休み(同上)
天守閣 イロハモミジに 姿消す(同上)
異次元の 唐松城に 桜咲く(唐松城)
夕暮れの 桜の花に 城門が(同上)
石垣に 十万石の 城偲ぶ(淀城跡)
城跡や 京阪電鉄 新城主(同上)
ああ何と 模擬石垣が 城跡に(花隈城跡)
西の丸 庭園遺構 残るのみ(津城)
藩校の 入徳門は 移築され(同上)
北門は 城郭風の 食事処(同上)
城の主 三百年の 藤棚で(松阪城跡)
石垣は 近江の匠 穴太衆(同上)
城遺構 多聞櫓が 石垣に(伊勢亀山城)
仇討ちの 恨み悲しき 石碑かな(同上)
池となり 浮草ばかり 堀の跡(同上)
城の下 東海道の 宿場町(同上)
城跡は 九華公園 船着場(桑名城跡)
石垣と 堀のみ残る 桑名城(同上)
小牧山 独立峰に 天下人(小牧山城)
別名の 白帝城は 李白の詩(犬山城)
望楼の 下に優美な 木曽川が(同上)
本丸の 城郭五棟 俯瞰する(同上)
木曽川に ライン大橋 伊木山と(同上)
名月や 犬山城で 眺めたき(同上)
手に触れる 四百年の 芯柱(同上/城郭3) 51歳
石垣は 素朴で堅固な 野面積み(同上)
桑名宿 七里の渡し 夢の旅(桑名城跡)
帆船に 蟠龍櫓 桑名の絵(同上)
城堀は 小船行き交う 水路へと(同上)
櫓跡 クロマツ茂る 塚となり(同上)
城跡に ミニ東海道 日本橋(同上)
本丸の 跡には神社 桑名でも(同上)
塔型の 四層六階 天守跡(同上)
三層目 欄干のある 望楼で(岡崎城)
本丸に 龍城神社が 棟並べ手前に(同上)
立ち止まり カラクリ時計 客見入る(同上)
鷹狩りの 家康像に 鷹はなく(同上)
家康の 産湯の井戸や 厳かに(同上)
御成橋 家光一度 お渡りに(水口城)
遠州の 庭の跡には 秋の風(同上)
城跡の グランド哀れ 緑なく(同上)
古城山 本家山城 街外れ(同上)
大手門 裏の番所は 江戸期築(掛川城)
寒月に 掛川城の 天守閣(同上)
俯瞰する 掛川の街 茶の香り(同上)
優美かな 外面障子 数寄屋風(同上)
上ノ間に 見慣れた床ノ間 違い棚(同上)
二ノ丸の 太鼓櫓は 本丸へ(同上)
二ノ丸の 茶室で二服 掛川茶(同上)
風変り 十露盤堀の 水堀は(同上)
石垣と 堀跡残る 神戸城(神戸城跡)
盛時には 五層六階 天守閣(同上)
狛犬に 本多神社は 石碑のみ(同上)
眼下には 岐阜の街並み 長良川(墨俣城/城郭4) 52歳
一夜城 ふるさと創生 夢の跡(同上)
江戸初期に 加納城建ち 廃城に(岐阜城)
隅櫓 昭和後期の 資料館(同上)
空堀の 土手一面に 桜咲き(名古屋城)
名古屋城 九百本の 花見かな(同上)
花雲に 国重文の 隅櫓(同上)
乃木倉庫 鎮台時代の 弾薬庫(同上)
玉石の 川に石橋 風流ぞ(同上)
石組みの 滝に寄り添う 木々高く(同上)
危うさを 秘めた石橋 竹の柵(同上)
隅櫓 桜と松の 装いに(同上)
隅櫓 千鳥の出窓 石落とし(同上)
写真には 見知らぬ客と 不明門(同上)
石を曳く 家康ヨイショ 清正は(同上)
桜咲く 墨俣城や 夢一夜(墨俣城)
精緻なる 城郭模型 面白き(三河吉田城)
豊川が 自然要塞 吉田城(同上)
空堀は 二重三重 めぐらされ(同上)
何故ここに 神武天皇 像立つや(同上)
百々橋は 安土城への 登城口(安土城跡)
石垣や 石塁地元 穴太衆(同上)
山城と 思えぬ道幅 大手道(同上)
信長の 愛した琵琶湖 安土山(同上/城郭5) 52歳
剣豪の 夢は続くや 明治まで(柳生陣屋跡)
追手門 間口十間 壮大さ(大和郡山城)
空堀の 石垣までも 草茂り(同上)
息を飲む 城址会館 御殿風(同上)
天守台 さかさ地蔵が 石垣に(同上)
花は散り 桜御門に 仕立て松(同上)
長篠の 戦い哀れ 兵力差(長篠城跡)
戦後は 廃城となり 草叢に(同上)
石垣に 一本松が 聳え立つ(郡上八幡城)
山と川 郡上八幡 城下町(同上)
視界には 大洞山と 尼ヶ岳(霧山城跡)
本丸の 跡には土塁 城らしく(同上)
浜松の 家康像に 死の影が(浜松城)
石垣は 戦国初期の 野面積み(同上)
中世の 城は単純 柵囲み(足助城)
眼下には 足助の街が 細長く(同上)
天守では 幸若舞を 信長が(清洲城)
清洲城 枯山水の 庭も良く(同上/城郭6) 53歳
大手門 先の山麓 城下町(小谷城跡)
山城で 人馬一体 池の中(同上)
本丸の 石垣崩れ 成すがまま(同上)
山城や 十七棟の 櫓跡(高取城跡)
江戸時代 髙き山城 稀有となり(同上)
長屋門 下級武士らの 住居兼ね(彦根城)
城郭で 最大規模の 馬屋とか(同上)
鬼柴田 終の棲家が 北ノ庄(北ノ庄城跡)
小松城 本丸跡に 松を植え(小松城跡)
七尾城 最大規模の 野面積み(七尾城跡)
主殿には 侍人形 風流に(一乗谷城/城郭7) 53歳
幾重にも 谷に石垣 伸びてゆく(同上)
義景で 百年の夢 露と消え(同上)
林泉の 一際目立つ ヤマモミジ(同上)
姫路城 コンクリートで 模造して(勝山城博物館)
馴染なき 城主の像は 予想外(越前大野城)
美術館 城郭風に 城跡に(富山城)
銅像に 富山の薬 元祖見る(同上)
想像の 域を超えぬが 天守跡(春日山城跡)
井戸の跡 草木に隠れ 底見えず(同上)
米蔵の 跡は淋しき 杉木立(同上)
若き日の 兼続思う 屋敷跡(同上)
眼下には うだつの上がる 町並みが(小倉山城)
本流に ダム無き川や 長良川(同上)
白壁の 櫓に紅葉 映えるなり(金沢城)
美しき 鉛瓦の 屋根続く(同上)
櫓内 素木の色に 目は染まる(同上)
三ノ丸 広場は緑 空青く(同上)
葉桜の 石川門を 忘れまじ(同上)
曲輪跡 灯台横に 展望所(阿尾城跡)
城内に 旧松葉家の 資料館(神岡城)
珍しや 隣地に武官 自衛隊(新発田城/城郭8) 54歳
本丸の 石垣哀れ 草茂り(飯山城跡)
天守台 二重櫓が 建ちしとか(同上)
千曲川 挟み聳える 高社山(同上)
秋風と 石段抜ける 旅にあり(観音寺城跡)
山城の 雰囲気残る 坂虎口(同上)
人の名の 出丸が多く 十三も(同上)
石垣や 荷揚げ技法 第一か(同上)
北西に 西の湖琵琶湖 俯瞰する(同上)
西南の ススキの穂には 近江富士(同上)
石垣の 表面の雪 絵の如し(金沢城)
城郭の 白さに調和 木々の雪(同上)
目の上に 出窓タイプの 石落とし(同上)
国宝の 城郭だけは 四季を行く(犬山城)
正月は 犬山城に 甥子連れ(同上)
花見なら 横手公園 先ず最初(横手城)
日本史に 名を残す城 横手市に(金沢城跡)
納豆の 発祥地の碑 城跡に(同上)
桜咲き 後三年の役 遠い空(同上)
五稜郭 桜の花が 憂さ晴らす(五稜郭)
葉桜に 色添えるかな 赤ツツジ(横手城)
本丸の 土塁は庭の 築山に(同上) (同上)
世が世なら 我れも兵 草の下(同上)
石段に 悲哀を残し 散るツツジ(同上)
大手口 遺構は消えた 山道に(大湯鹿倉城跡)
捨てられた 城跡哀し 荒れるまま(同上)
旧天記 ケヤキの根株 城語る(鶴ヶ岡城跡/城郭9) 55歳
山城に 絶対不可欠 水場かな(霊山城跡)
城郭の イメージもなく 立ち尽くす(同上)
庭園は ちょっとお粗末 水呑場(七戸城跡)
東門 去年復元 袖塀も(同上)
空堀は 崩壊もなく 保持されん(九戸城)
土塁では 桜の木々が 冬休み(同上)
静止する 本丸跡の 雪景色(同上)
本丸に 櫓や天守 遺構なく(同上)
ああ寂し 石碑と松が 城跡に(大浦城跡)
酔鯨や 容堂公の 銘柄か(高知城)
うす茶色 板張り壁は 珍しき(諏訪高島城)
石落とし 無いのが不思議 角櫓(同上)
戦なく 難攻不落 名ばかりに(同上)
九段の 石垣まるで 畑かと(鳥羽城跡)
天守台 三層四階 遠い空(同上)
新年の 旅のはじまり 城めぐり(備中松山城/城郭10) 56歳
眼下には 高梁川と 城下町(同上)
うっすらと 雪が積もれり 石垣に(同上)
元旦や 高梁城に 誰も来ぬ(同上)
門名の 腕木御門は 珍しき(同上)
石段の 雪の足跡 我れのみで(同上)
視界には 四国屋島と 五剣山(鬼ノ城)
大陸の 恐怖は今も 続くかな(同上)
鬼ノ城が 百名城とは つゆ知らず(同上)
周辺は 巨岩奇岩の 見本市(同上)
降る雨や 前代未聞 水攻めに(備中高松城)
城跡に 残る公園 遺構なく(同上)
石垣に 手抜き大石 廊下門(岡山城)
鯱を 千鳥破風にも 設える(同上)
城主の間 姫様和服 撮影所(同上)
眺望は 後楽園に 尽きるなり(同上)
内外の 月見櫓は 違う形(同上)
大手門 先には巴屋 青い屋根(赤穂城)
三の丸 家臣屋敷に 長屋門(同上)
石垣や 中途半端な 修復で(同上/城郭11) 57歳
水堀の 塀も途中で 手を休め(同上)
広大な 庭には椿 一本が(同上)
その長い 復元計画 赤穂城(同上)
寂しきは 遊水池の 草紅葉(同上)
塩屋門 良寛歌碑が 何故かあり(同上)
正月の 御殿の庭に 松が合う(龍野城)
額の書の 寛仁厚徳 新しき(同上)
目出度きは 上段の間の 飾り物(同上)
隅櫓 白亜の二層 冬の空(同上)
桜咲く 櫓恋しき 龍野かな(同上)
正門の 門松飾り 城の粋(名古屋城)
二之門の ガードレールの 白は野暮(同上)
潮見より 花見するなり 櫓かな(福岡城)
石垣の 桜に宿る 黒田節(同上)
城の中 桜のアーチ 潜るとは(同上)
昼寝せば 枝垂れ桜が 鼻につく(同上)
平櫓 土塁の桜に 花見客(同上)
天守閣 有ったか無いか 定まらず(同上)
龍野城 桜見たさに また訪ね(龍野城)
御殿では 殿様気分の 花見かな(同上)
玄関は 松と桜の 競い合い(同上)
隅櫓 恋しさ叶い 見る桜(同上)
寂しさは 桜見られぬ 埋門(同上)
本丸は 龍野古城の 石碑のみ(鶏籠山城跡/城郭12) 57歳
木々茂り 二の丸跡は 見渡せず(同上)
市の史跡 龍野古城は 低評価(同上)
削平地 曲輪表示で よきものを(同上)
道筋に 城の名残りか 矢竹生え(同上)
揖保川が 木々の間を 蛇行する(同上)
大門の 跡から急な 崖道に(苗木城跡)
礎石見て 笠置矢倉 規模を知る(同上)
晴れた日は 百名山の 恵那山が(同上)
一本の 桜咲くなり 物見跡(同上)
屋根架けた 千石井戸に 釣瓶なし(同上)
戦国後 能登は一国 前田氏に(石動山城)
引き寄せる 末森城の 看板が(末森城跡)
本丸の 土塁に見える 死守の跡(同上)
山城の 三角点は 喜ばし(同上)
見渡せば 春の城跡 能登の海(同上)
田植え終え 城下の景色 また続く(同上)
城跡は 一部私有地 規制多々(同上)
謝恩碑の 高き石塔 違和感も(甲府城跡)
天守台 天守の規模は 不透明(同上)
西の空 南アルプス 雪を見ん(同上)
空腹に 時鐘が響く 天守台(同上)
井戸の跡 殆どの人 覗き込む(同上)
垂れ幕や 甲斐府中城 略さずに(同上)
模擬ながら 天守の眺め 格別で(館山城)
石碑には 千力猿の 像寂れ(同上)
城東に 田園風景 実る稲(同上/城郭13) 57歳
城西の 館山湾に 貨物船(同上)
雨上がり 路地の飛石 踏み難し(同上)
唖然とす 弘前城の 花いかだ(弘前城)
弘前の 桜散るなり 五連休(同上)
弘前の 桜や東 横綱で(同上)
城跡は 二十万坪 果てしなく(福島城跡)
城兵の 規模を推察 井戸の跡(同上)
水堀の 往時の影も 春景色(同上)
九代の 北畠氏の 居城見る(浪岡城跡)
館跡 七つに及ぶ 広大さ(同上)
木柵に 往時の城の 規模偲ぶ(同上)
掘り起こす 土に未だ見ん 歴史あり(同上)
番所にて 弘前城の 蝉を聴く(弘前城)
山城の のどかな景色 夏の風(種里城跡)
主殿跡 丸太の土台 規模印す(同上)
板碑二基 南北朝期 供養碑で(同上)
真新し 灯籠二基が 廟所前(同上)
光信の 廟所悲しき 供花もなく(同上)
重臣の 墓も悲しき 同じ様(同上)
五稜郭 木橋渡るは 三度目で(五稜郭)
二ノ橋や 一度乗りたい 貸ボート(同上)
討ち死にす 土方歳三 目に浮かぶ(同上)
二代目の 五稜郭タワー 天守閣(同上)
奉行所の 屋根には塔が 顔合わす(同上/城郭14) 58歳
五稜郭 廃城哀れ 三年は(同上)
奉行所の 松の枝振り 額の絵か(同上)
中庭は 奉行所なので お白洲に(同上)
襖絵の 無きが寂しき 四つの間(同上)
奥座敷 照明器具に 違和感が(同上)
板倉が 復元されて 添景に(同上)
志苔館 小高き丘が 土塁跡(志苔館跡)
館跡 一万余坪 夢と消え(同上)
空堀に 時代遅れの 橋架かる(同上)
玄関は 復元に合わせ 再移築(佐賀城)
入母屋の 外御書院に 四つの間(同上)
切妻の 御料理の間は 二階建て(同上)
中庭の 植栽寂し 松二本(同上)
御座間は 移築を重ね 元の地に(同上)
近頃は 御殿復元 城多き(同上)
素通りす 外御書院の 廊下かな(同上)
館内の 御料理の間は 展示室(同上)
天守など 必要とせぬ 世となりて(同上)
天守台 虎口備えた 石垣で(同上)
隅櫓 復元石垣 碁石似せ(同上)
西門の 簡素な木戸に 肩落とす(同上)
珍しき 天守の屋根に 破風無し (島原城)
城下には 重伝建の 武家屋敷(同上)
憧れの 雲仙岳が 望楼に(同上)
目を見張る 展示少なき 民具館(同上)
懐かしき 電化製品 二・三点(同上)
水堀に レンコン一面 奇妙なり(同上)
築城の 名手重政 神となり(同上)
二ノ丸の 表御門に 花欲しき(広島城/城郭15) 59歳
桜咲く 天守は平和 そのもので(同上)
板張りの 壁に寄り添う 白千鳥(同上)
傘を差す 花見の客に 散る桜(同上)
花の雲 歩かんとする 旅人も(同上)
櫓跡 礎石のままは 淋しかり(同上)
堀の外 刻々変る 市街地に(同上)
馴染なき 四文字熟語 メモに取る(同上)
水堀に 映る櫓を 鴨渡る(同上)
新たなる 太鼓櫓の 石垣も(同上)
バチあれば 叩きたくなる 太鼓あり(同上)
地棟には 松の丸太が 赤びかる(同上)
三角の 狭間に見える 堀の水(同上)
入母屋の 社務所の屋根に 天守閣(同上)
城跡の コンクリ舗装 如何かと(岩国城)
坂道の 土留め石垣 野面積み(同上)
眼下には 錦帯橋と 錦川(同上)
山麓の 吉香公園 花に満ち(同上)
大太刀や 二メートルもの 長さあり(同上)
武具数多 百名城に 相応しき(同上)
土塁には 古代を知らぬ 桜咲く(水城跡)
ハナモモの 真っ赤な花が 城跡に(同上)
復元の 遺構の無きが 淋しくも(同上)
東人 防人となり この地まで(同上)
一夜にて 桜は咲かぬ 城の跡(石垣山城)
残石に 咲く菜の花や 何思う(同上)
眼下には 登山鉄道 車輛行く(同上)
関東の 連れ小便で 動く世へ(同上)
本丸は 芝生に変り 春の風(同上/城郭16) 59歳
小田原や 難攻不落 城に花(小田原城)
桜の木 三百本は 不釣り合い(同上)
豆汽車の 走る線路は 今風で(同上)
どう活かす 殺風景な 曲輪跡(同上)
野面積み 百名城の 風格が(八王子城跡)
御主殿は 城主氏照 居館跡(同上)
身を投ず 婦女子もありき 滝の上(同上)
ひな壇の 金子丸跡 尾根道に(同上)
城跡に 物悲しげな 神楽殿(同上)
城跡の 悲劇和ます ヤマザクラ(同上)
山城は ジオラマ有れば 把握でき(同上)
大ケヤキ 築城前の 御神木(棚倉城)
政宗が 枝垂れ桜を 贈りしと(同上)
城内は 五百本の 花まつり(同上)
ぼんぼりや 十万石を 誇示したり(同上)
閉ざされた 茶室淋しき 花見時(同上)
模擬ながら 日本最高 天守閣(勝山城博物館)
天守には 白山連峰 白く添う(同上)
咲く桜 石垣の下 しゃがんでる(同上)
峠には 茅葺き屋根の 旧茶屋が(木ノ芽城跡)
城跡の 面影よりも 展望所(鉢伏城跡)
大書院 二条城似の 入母屋で(篠山城)
天守無き 城のシンボル 大書院(同上)
目は眩む 上段の間の 障壁画(同上)
鬼瓦 欠けた展示は 無理があり(同上)
本丸の 跡は淋しき 古木枯れ(同上)
天守台 何故か天守は 幻に(同上/城郭17) 59歳
外郭の 跡には政庁 市役所が(同上)
篠山は 不揃いながら 城下町(同上)
一層目 升目板張り 侘びた美が(越前大野城)
石垣は 素朴な形 野面積み(同上)
俯瞰する 大野盆地は 理想郷(同上)
高層の ビルなき景色 目優し(同上)
雲海の 天狗櫓を 見てみたき(同上)
天守内 武具や甲冑 見て飽きぬ(同上)
傷も無き 立派な駕籠が 城の中(同上)
廓跡 六ヶ所ほどが 尾根にあり(足柄城跡)
主郭には 玉手ヶ池の 井戸の跡(同上)
大軍を 前に守備隊 蹴散らされ(同上)
井戸の跡 井戸枠だけが 新しく(同上)
五の廓 遺構探すも 見当たらず(同上)
富士を見ぬ 梅雨空疎し 城の跡(同上)
府内城 六つの櫓 内堀に(府内城)
天守台 四層四階 建ちしとか(同上)
天守閣 再建される 気運なし(同上)
本丸に 庭園らしき 景観も(同上)
園路から 眺める櫓 天守風(同上)
珍しき 百名城の 海城は(同上)
久々に 櫓に巣食う 鳩を見る(同上)
帯曲輪 海に浮いてた 面影が(同上)
大手門 残る石垣 半端なし(岡城)
西ノ丸 染まる桜葉 先見えず(同上)
石垣に 紅葉炎上 城を焼く(同上)
古井戸や 整備されずに トラロープ(同上)
屋敷跡 礎石が残り 規模を知る(同上)
案内図 スマホに写し 把握せし(同上)
晴れた日は 阿蘇の山々 西の空(同上)
屋敷門 豪華石垣 城の城(同上)
本丸は 大きな谷を 越えた先(同上/城郭18) 59歳
赤紅葉 高石垣の 本丸に(同上)
初見する アーチの石垣 屋敷跡(同上)
石垣は 三種五様 見本市(同上)
仕切門 建屋は消えて 赤紅葉(同上)
二ノ丸の 垣根に偲ぶ 庭の跡(同上)
本丸の 石垣巧みな 算木積み(同上)
荒城の 月のイメージ 岡城も(同上)
険峻な 斜面に紅葉 色添える(同上)
谷底は 白滝川と 秋の風(同上)
登城口 内藤家墓所 故地離れ(延岡城跡)
本丸に 最後の藩主 像が立つ(同上)
林泉の 小庭園が 本丸に(同上)
大瀬川 挟んだ先に 愛宕山(同上)
天守台 三階櫓 追想す(同上)
毛利氏の 三本の矢は 急に折れ(吉田郡山城跡)
隆元の 毒殺説を 聞く墓前(同上)
二ノ丸は 土塁と石垣 残るのみ(同上)
本丸は 尾根六本の 山頂に(同上)
また一つ 百名城の 道を踏む(同上)
山腹に 毛利一族 墓所ありき(同上)
家風かな 元就墓所は 慎ましき(同上)
墓所の中 日本で二本 ハリイブキ(同上)
曲輪跡 どうでもいいと 高台に(矢不立城跡)
頌徳碑 速水太郎 漢文で(同上)
本丸の 跡には小さな 祠建つ(同上)
見上げれば 三十間台 石垣が(津和野城跡/城郭19) 60歳
SLの 走る線路に 津和野城(同上)
中腹に 稲成神社の 社殿建つ(同上)
登山用 リフトは休止 冬の汗(同上)
あら何と 太鼓丸には 雲海が(同上)
石垣の 虎口の上は 草紅葉(同上)
三重の 天守か櫓か 天守台(同上)
櫓門 石垣の中 紅葉色(同上)
名や悲し 人質廓 風寒し(同上)
冬なのに 紅葉は散らぬ 城の跡(同上)
馬立や 台所跡 尾根の先(同上)
門跡の 仮設足場が 痛々し(同上)
古めかし 史跡の石碑 中腹に(同上)
城下には 和風住宅 軒並べ(白山城跡)
住房は 城郭風の 入母屋で(同上)
一体は 端坐をしたり 六地蔵(同上)
井戸跡の 舟形地蔵 風化せし(同上)
城門は 入母屋造り 唐門で(因島水軍城)
隅櫓 下から見ると 模擬天守(同上)
弁柄の 木部白壁 絶妙で(同上)
城下には 所々に 雪が見え(同上)
本丸の 跡に巨大な 電波塔(仁保島城跡)
三ノ丸 東屋が建つ 展望所(同上)
見渡せば 天下の名勝 鞆の浦(鞆城跡)
切妻の 屋根が殆ど 家並みかな(同上)
遠景に 阿伏兎観音 堂も見え(同上)
本丸の 石塁わずかに 草の中(同上)
江戸時代 廃城となり 奉行所に(同上)
案内図 見れば櫓が 十二ヶ所(神辺城跡/城郭20) 60歳
本丸の 斜面に桜 名所とも(同上)
色褪せぬ 本丸跡の 草紅葉(同上)
本丸の 一番櫓 三重と(同上)
何祀る 井戸跡横の 祠には(同上)
櫓跡 見やすく表示 整備され(同上)
城跡は 史跡の指定 無き妙(同上)
見晴らしは 三番櫓 一番で(同上)
城跡の 黄葉山は 公園に(同上)
北西の 彼方に冬の 蛇円山(同上)
片山や 円墳らしき 山容で(同上)
城跡に 観音像は 不釣り合い(同上)
登城口 大きな木橋 谷に架け(同上)
広場には 八方にらみ 松の木が(福山城)
珍しき 井戸に切妻 屋根を架け(同上)
展示品 十万石の 品揃え(同上)
階段は オフィスビルの 佇まい(同上)
湯殿の前 福山駅の ホーム見る(同上)
風流な 月見櫓は 茶会の場(同上)
風靡かな 湯殿座敷 懸け造り(同上)
御殿なき 天守は寂し 福山も(同上)
内扉 筋鉄鋲に 乳飾り(同上)
塀などは 復元されず 四つ目垣(同上)
鐘太鼓 城に響かぬ 時の音(同上)
土壇跡 外空堀が 道沿いに(星ヶ城跡)
井戸跡は 修復されず 成すがまま(同上)
居館跡 落葉に埋もれ 石に苔(同上)
石塁の 端には出隅 櫓跡(同上)
菜の花に 散る桜見る 門の跡(津山城/城郭21) 60歳
楼門に 残る石垣 寂しくも(同上)
石垣は 腰巻櫓 妙な名で(同上)
明治から 太鼓楼は 鐘楼に(同上)
石垣の 優美に付する 桜かな(同上)
平櫓 桜の花に 入れ替わる(同上)
ぼんぼりや 平和な時代 城跡に(同上)
車座の 宴会遠し 花見客(同上)
歴史観 松平氏より 忠政に(同上)
屋台無き さくらまつりは 予想外(同上)
物産で 初めて目にす 珍品も(同上)
天守台 展示パネルに 古写真が(同上)
花雲に 二重櫓が 仲間入り(同上)
御上段 高床妙な 八畳間(同上)
御茶室は 変則的な 七畳間(同上)
御座間は 床の間付きの 九畳間(同上)
資料館 涌谷の歴史 学ぶ場で(涌谷城)
展示物 下手な大名 凌ぐほど(同上)
見開きの 前後読みたし 古文書も(同上)
有名な 伊達騒動の コーナーも(同上)
宮城県 唯一残る 隅櫓(同上)
御神輿は 台車で運ぶ 時代かな(同上)
涌谷川 平山城で 谷沿いに(同上)
茅葺きの 屋根も息する 五月晴れ(同上)
大手口 冠木門には 散る桜(大衡城跡)
宝塔の 親子観音 名や如何に(月山富田城跡)
山に湧く 山吹井戸は 花ならず(同上)
七曲り 経ては石垣 三ノ丸(月山富田城/城郭22) 60歳
社殿荒れ オオクニヌシは 気まずそう(同上)
二ノ丸に 館思わす 休憩所(同上)
葉桜を 見れば食べたき 桜餅(同上)
草むらに 雑用井戸は 水湛え(同上)
山頂の 本丸遠く 聳え立つ(同上)
御殿跡 日傘思わす 一本木(同上)
板の間に 囲炉裏備えた 建屋内(同上)
庭園に ツツバが咲いて ようこそと(米子城跡)
大天守 十七万石 夢の跡(同上)
中海を 見下ろす城や 湊山(同上)
櫓台 城の起源は 見張台(同上)
市街地の 先には美保湾 美保関(同上)
小天守 礎石に浮かぶ 梅雨の空(同上)
米子城 石垣のまま 年は降る(同上)
名は遠し 遠見櫓跡 木に埋もれ(同上)
時移り 水手御門に 海見えず(同上)
石垣や 今の忍者は 草木なり(同上)
番所跡 復元すれるは 容易きと(同上)
石垣の 下は草薮 痛々し(同上)
堀切が 城跡らしき 雰囲気で(八巻城跡)
杉木立 痕跡皆無 主郭跡(同上)
珍しき 大手門跡の 井戸屋形(松江城)
入母屋の 南櫓は 平屋建て(同上)
木造の 櫓内部は いい気分(同上)
櫓から 眺める堀に 敵は無く(同上)
平屋建て 太鼓櫓は 隅櫓(同上)
櫓内 太鼓が置かれ それらしく(同上)
櫓から 眺める下に 大手門(同上)
附櫓 天守入口 大千鳥(同上/城郭23) 60歳
千鳥破風 白と黒とが 対比的(同上)
天守内 井戸の現存 松江のみ(同上)
鉄兜 六点展示 違う様(同上)
城郭の 模型はリアル 進歩する(同上)
望楼の 眺め如何にと 先ず急ぐ(同上)
西側に 宍道湖唯一 嫁ヶ島(同上)
南側 風土記の丘は 未訪問(同上)
奥ゆかし 乾櫓の 野面積み(同上)
桜咲く 頃に再び 松江城(同上)
名城に 冠木門では 不釣り合い(小倉城)
大砲は 大正期製 置き土産(同上)
天守閣 何とこの日は 休館日(同上)
筆塚や 花塚見ては 茶釜塚(同上)
司令部の 鉄門は レンガ造(同上)
櫓風 白洲灯台 記念塔(同上)
石垣の 隅には涸れた 井戸の跡(同上)
大手門 片側の塀 半端なり(同上)
水堀に 往時の海城 追憶す(同上)
空堀の 石垣の上 民家建つ(同上)
城の下 加藤嘉明 馬上像(松江城)
城山や 夏の浜風 夜景かな(同上)
本丸の 広場で息抜き 汗拭う(同上)
一ノ門 両側櫓 虎口なり(同上)
小天守 下には櫓 四棟が(同上)
天守内 加藤嘉明 甲冑が(同上)
一ノ門 見上げた門を 上で見る(同上)
本丸に 馬見櫓は 異色なり(同上)
黒光る 四百年の 城の床(同上)
天守から 石鎚山は 今日見えず(同上)
電波塔 城の麓で 緑なす(同上)
小天守 屋根の先には 夏の海(同上/城郭24) 60歳
出口では 桜の古木に 見送られ(同上)
石垣は 新たに積まれ 風味欠く(松山城二之丸史跡庭園)
初々し 林泉庭の 松の木は(同上)
雨上がり 池の配石 涼しげで(同上)
見上げれば 天守聳える 庭の上(同上)
大井戸は 四方石垣 ため池で(同上)
石垣に 根を張る草木 生きんとす(同上)
黒門に 行列できる 盆休み(松本城)
可愛らし 土蔵一棟 二ノ丸に(同上)
水堀に 戦知らずの 城が建つ(同上)
二ノ丸に 復元願う 御殿かな(同上)
挟間まで しっかり再現 櫓門(同上)
この門も 行列できて 時間待ち(同上)
屋根裏を 眺める興味 木組みなり(同上)
軒の梁 曲りに添えた 木が巧み(丸亀城)
一ノ門 無料公開 感無量(同上)
内壁も 白漆喰に 調和され(同上)
人柱 酷い話も 石垣に(同上)
格子から 弥谷山に 手を合わす(同上)
三階は 十八畳の 広さほど(同上)
階段に 手すり無ければ 登り得ず(同上)
矢挟間に 差し込む光り 柔らかき(同上)
悠然と 讃岐平野に 飯野山(同上)
青ノ山 霊山登拝 思い出も(同上)
立ち尽くす 月見櫓跡 讃岐富士(同上)
突き出した 櫓の跡は 展望所(同上/城郭25) 60歳
南には 金刀比羅宮の 象頭山(同上)
門横に 番所セットで 残されし(同上)
桜咲く 丸亀城が 次の旅(同上)
隅櫓 平屋の上に 二階載せ(出石城跡)
数本の 紅葉に染まる 隅櫓(同上)
珍しや 出石に天守 築かれず(同上)
本丸の 跡には紅葉 散るばかり(同上)
紅葉の 桜少なし 五十本(同上)
城下には 重伝建の 街並みも(同上)
月見台 城下を臨む 馬屋跡(洲本城)
城下には 淡路屈指の 温泉地(同上)
城郭の 石垣殆ど 野面積み(同上)
珍しや 天守石垣 アーチ状(同上)
眼下には コバルトブルー 大浜が(同上)
淡路富士 洲本八景 展望所(同上)
修復は 打込み接ぎの 石垣に(同上)
八王子 神社の小社 八つ並び(同上)
用無しの 日月の井戸 放置され(同上)
内堀の イチョウは染まり 空に映え(湯築城跡)
本丸の 丘陵広場に 庭園も(同上)
水堀を 池と見なして ツツジ植え(同上)
武家住居 遮蔽土塁を 防ぎとす(同上)
茶釜にて 湯を沸かす武士 茶飯事で(同上)
ドウタンに 雲一つなき 武家屋敷(同上)
館内に 民具展示の コーナーも(日和佐城)
入江には 民家密集 小船見え(同上)
露岩には 加工途中の 刻み跡(同上/城郭26) 61歳
詰丸に 塀や石垣 残るなり(同上)
山頂で 長州征伐 二度も見る(同上)
中腹に 仰徳神社の 由緒碑が(同上)
天守台 三分の二が 水堀で(同上)
本丸の 陸地側には 外堀も(同上)
攘夷討ち 敗北した後 同盟も(同上)
大池に 中島出島 島築き(同上)
中島の 護岸石組 風情あり(同上)
展望所 名の付く場所は 見逃さず(同上)
城外に 白砂青松 菊ヶ浜(同上)
萩の海 眺める松陰 目は異国(同上)
春雨で 宍道湖見えぬ 城の跡(本宮山城跡)
山城の 跡の天守は 電波塔(同上)
正義なき 戦悲しき 城の跡(城井ノ上城跡)
平屋建て 狸櫓に 伝説が(平戸城)
天守内 松浦党の 資料室(同上)
重文の 環頭大刀 展示され(同上)
八振りの 名刀の前 立ち尽くす(同上)
珍しき 武具を眺めて 撮影す(同上)
望楼で 眺める平戸 格別で(同上)
赤い橋 ここは島だと 思い見る(同上)
港には 離島を結ぶ フェリー見え(同上)
櫓内 陶芸展示 平戸焼(同上)
二ノ丸は 櫓六つに 門七つ(同上)
櫓内 農機具展示 腰砕け(同上)
櫓から 眺める先に また櫓(同上)
出入口 石段の草 生えるまま(同上)
内堀の 石橋アーチ 春草に(石田城)
石垣は 玉石多き 野面積み(同上/城郭27) 61歳
牛居れば 焼米ヶ原 牧場で(大野城跡)
十棟の 倉庫の跡は 尾花地区(同上)
石垣は 日本最古の 野面積み(同上)
国史跡 昭和七年 石碑立つ(同上)
城門の 礎石も日本 最古かと(同上)
仰ぎ見る 百間石垣 壮大で(同上)
大手門 石垣崩れ 路傍まで(名護屋城跡)
帰らざる 兵士五万と する説も(同上)
戦好き 秀吉戦歴 最多なり(同上)
秀吉は 山里丸に 居住とか(同上)
櫓台 栗石無数 基礎敷きか(同上)
三ノ丸 東出丸は 虎口跡(同上)
溜池で 秀吉月見 したかなと(同上)
栗石が 本丸跡の 一面に(同上)
船出口 帰らぬ将の 名や哀れ(同上)
二ノ丸の 長屋建物 跡印す(同上)
朝鮮の 死闘の影で 大茶会(同上)
陣跡の 扇の図絵に 二十二将(同上)
加部島の 呼子大橋 城で見る(同上)
秀吉の 野心に消えた 名護屋城(同上)
天守閣 蒲生氏郷 築城と(同上)
元寇や 三百年後 仇を討ち(同上)
井戸の跡 城の命と 思い知る(同上)
陣跡に 藩政時代の 墓が立ち(同上/城郭28) 61歳
堀の外 新幹線の 往来す(山形城)
水野氏の 名前は今や 霞城かな(同上)
遠く見た 五城目城 見物を(砂沢城跡)
附櫓 シャッター降りて 休館日(同上)
五城目 城下朝市 江戸以前(同上)
宇都宮 戊辰戦争 遠き春(宇都宮城)
棄却され また甦る 春の城(同上)
白壁の 櫓の外に 紅枝垂れ(同上)
東門 木橋の間 花盛り(忍城)
忍城で 眺める桜 百本と(同上)
鐘楼が 櫓の如く 城に建つ(同上)
江戸期築 高麗門は 移築され(同上)
空堀に 架かる木橋に 櫓跡(鉢形城跡)
玉淀の 土手には桜 菜の花が(同上)
覗き見る 石積みの井戸 土の中(同上)
二の曲輪 桜並木に 我れ一人(同上)
土塁には 百五十年の エドヒガン(同上)
カタクリの 花も咲くなり 古城跡(同上)
歴史館 新たな知識 脳めぐる(同上/城郭29) 62歳
時鐘楼 鐘は桜の 花の上(笠間城跡)
内蔵助 像の裏側 桜散る(同上)
懐古碑の 屋形珍し 城風で(同上)
石碑には 明治天皇 記念碑も(同上)
寂しさは 草木のなびく 石垣で(同上)
山頂に 本丸跡の 記念碑が(同上)
本丸の 新緑の中 八重桜(同上)
本殿が 本丸跡の 天守かと(同上)
廃屋に 主なくとも 桜咲く(同上)
堀切は 極めて狭き 登城口(新田金山城跡)
馬場下の 虎口石垣 鮮明に(同上)
今もなお 物見櫓は 良く見えし(同上)
馬場回輪 石置き屋根の 奥床し(同上)
月ノ池 丸い石積み 風靡かな(同上)
水いでる 井戸珍しき 山城に(同上)
大ケヤキ 八百年の 語り部で(同上)
本丸に 歴史を変える 神社建つ(同上)
アジサイの 花の歓迎 搦手で(箕輪城跡)
二ノ丸は 草原と化し 何偲ぶ(同上)
城門の 復元工事 目に優し(同上)
箕輪城 大堀切に 驚愕す(同上)
曲輪跡 石垣無きも 珍しき(同上)
本丸の 天守は消えて 鐘楼に(沼田城跡)
天守跡 御殿桜が シンボルに(同上)
天空に 雲海かかる 城下町(同上/城郭30) 62歳
捨曲輪 築城初期の 本郭(同上)
南西に 温和な顔の 子持山(同上)
平八の 首級を載せた 石哀れ(同上)
城跡に 相応しきかな 武道館(同上)
石垣に 連隊記念碑 違和感が(高崎城跡)
土塁には 赤いツツジが 華やぎを(同上)
内堀が 一部残され 城らしき(同上)
市役所が 高崎城の 新天守(同上)
忠勝の 鹿角の兜 絵の中に(大多喜城)
低山の 山並み淋し 夏の空(同上)
天守から 眺める城下 見栄えせず
裏山は まるで密林 風抜けず(同上)
二ノ丸に 寺を思わす 鐘楼が(同上)
城跡を 長靴で踏む 夏野かな(同上)
大井戸の 八角井桁 比類無き(同上)
天守跡 六角堂で 悲劇聞く(前橋城跡)
利根川や 涼しさ運ぶ 城の跡(同上)
土塁には 大きな埴輪 古墳跡(同上)
松よりも 桜が欲しき 土塁かな(同上)
本丸の 新たな城主 県知事に(同上)
城跡で 隧道潜る 大胡城(大胡城跡)
丘陵に 七つの曲輪 築きしと(同上)
本丸の 石垣可愛く 入口に(同上)
土塁外 前橋郊外 長閑なり(同上)
桃山期 牧野氏城主 二万石(同上)
堀切に 夏の草花 刈残る(同上)
山麓の 黒門跡から 登城す(松山城)
二ノ丸で 眺める天守 遥か上(同上)
二ノ丸は 立ち寄り難く 二年ぶり(同上)
手付かずの 樹叢が夏日 遮断せし(同上)
筒井門 夏の桜が お出迎え(同上)
隠門 寄手急襲 意図があり(同上/城郭31) 62歳
どことなく 松山城は 庶民的(同上)
子規の句が 思い浮かぶや 夏の城(同上)
三ノ丸 南隅櫓 シンプルで(大洲城)
櫓から 眺め城下 風変り(同上)
珍しや 天守を持たぬ 五万石(飫肥城跡)
城らしさ 松尾の丸の 武家屋敷(同上)
白壁の 土台の汚れ 著し(同上)
秋らしき 景色を見せぬ 城淋し(同上)
二階には 飛雲閣風 塔屋建つ(同上)
御座の間に 一際は目立つ 甲冑が(同上)
御寝所の 床の間見れば 陣羽織(同上)
畳敷き 殿様御厠 金隠し(同上)
茶室には 光り射し込む 花頭窓(同上)
湯殿には 湯船を覆う 唐破風が(同上)
坂道の 虎口は広き 石垣で(同上)
北門は 八脚門で 城最古(同上)
群立す 本丸跡に 飫肥の杉(同上)
城下には 重伝建の 武家屋敷(同上)
隅櫓 消えた跡には 鐘楼が(同上)
石垣の 狭間に粋な 船着場(相良城跡)
夕焼けと 紅葉に染まる 城跡は(同上)
長塀が コの字に曲がり 川沿いに(同上)
目の前に 三大急流 球磨川が(同上)
高垣に 聳える天守 築かれず(同上)
苔生した 石垣土佐の 城跡に(中村城)
庭園は ドウタンだけが 秋らしく(同上)
模擬天守 犬山城を 垣間見る(同上)
楽しみは 未知なる武具の 鑑賞も(同上)
様々な 提灯の下 火鉢見る(同上/城郭32) 63歳
水石に 四万十川の 優しさが(同上)
四万十市 住まねば見えぬ 街の良さ(同上)
愛すべき 四万十川の 秋景色(同上)
庭園の 池に映れや 城の鯱(同上)
川之江で 犬山城の 天守見る(川之江城)
天守閣 高度成長 シンボルに(同上)
長槍の 穂先に光る 星兜(同上)
櫓門 イチョウの黄色 肩並べ(同上)
山裾に 新宗教の 館建つ(同上)
秋雨に 空も一緒の 燧灘(同上)
川之江の 空に煙突 白煙り(同上)
水堀は 噴水上がる 公園に(西条陣屋跡)
北御門 陣屋遺構は 珍しき(同上)
松山や 高校までも 城門で(松山城)
開門の 太鼓の音が 冬空に(同上)
城郭の 菊間瓦は いぶし銀(同上)
高からず 天守ながも 威容なり(同上)
布積みの 切込み接ぎも 美しき(同上)
城塀に 袴腰型 石落とし(同上)
横並び 太鼓と巽 両櫓(同上)
大手門 枡形石垣 蒼い空(安芸城跡)
城跡に 城郭風の 美術館(同上)
本壇に 四ヶ所ほどの 曲輪跡(同上)
城下には 重伝建の 土居廓中(同上)
毒井戸は 寝返り家臣 毒を入れ(同上)
水堀の 蓮の葉枯れて 夕陽射す(同上)
土塁には 枝振りの良き 松の木が(同上)
番所横 桜に霧氷 冬の花(久保田城跡)
ありし日の 久保田を偲ぶ 表門(同上)
憧れの 香雲亭は 冬眠す(同上/城郭33) 63歳
本丸に 最後の藩主 像が立つ(同上)
立ち行かぬ 割烹旅館 登城口(同上)
その昔 守礼門には チュラカァギィ(首里城)
弁柄の 色鮮やかな 正殿は(同上)
奥書院 鉄のフェンスを 野暮と見る(同上)
城郭の 赤い瓦は 比類なき(同上)
沖縄の 日本万歳 哀れさも(同上)
北殿の 八棟造り 石垣に(同上)
城域は 首里城凌ぐ 広大さ(中城城跡)
城壁は 万里の長城 ミニ版で(同上)
二ノ郭 廃墟のホテル 冬空に(同上)
石垣の アーチに高き 技術力(同上)
拝所には ベンケイソウが しおらしく(同上)
郭から 眺める海に 戦闘機(同上)
二ノ郭 殿舎の礎石 鮮明に(勝連城跡)
見渡せば 勝連城に 川と海(同上)
上空に 基地へと戻る ヘリコプター(同上)
東には 海中道路 平安座島(同上)
城壁は 寸断されて 道路化す(同上)
ウタミンガー 吉凶占う 井戸の跡(同上)
精巧な 復元模型 休憩所(同上)
城跡の 三角点は 別物か(座喜味城跡)
謎多き 城の末路と 城の主(同上)
城跡に 予期せぬ眺め 松林(同上)
入口に 琉球衣装の 王と姫(今帰仁城跡)
石垣は ちょっと危うき 野面積み(同上)
山麓は カンヒザクラの 花盛り(同上/城郭34) 63歳
城跡の セメント防護 痛々し(屋嶋城跡)
城壁の 石垣五色 野面積み(同上)
春近き 高松市街 山城に(同上)
北嶺の 眺めに古代 甦る(同上)
遥々と 秋田ナンバー 鹿児島に(知覧城跡)
城跡は 防空壕の 戦場に(同上)
井戸らしき 大きな穴が 本丸に(同上)
城門の 跡は寂しき 名ばかりに(同上)
夕暮れや 松山城の 花見かな(松山城)
夕焼けの 松山城に 花の雲(同上)
筒井門 包み隠さず 公開を(同上)
屋根の上 猿飛佐助 夢の中(同上)
大手門 ノムラモミジの 赤映えて(岡城跡)
休憩所 階段踏むと 木の香り(同上)
御廟跡 古き落葉に 桜散る(同上)
桜咲く 櫓の跡の 石垣に(臼杵城跡)
また桜 時鐘櫓は 鐘楼に(同上)
海城や 三層四階 天守消え(同上)
散る桜 大友宗麟 去来する(同上)
取星寺を 訪ねてみたら 古城跡(岩脇城跡)
那賀川を 隔てた山に 太龍寺(同上)
屋嶋城 貯水池跡に 蓮の花(屋嶋城跡)
古代後は 源平合戦 血の池に(同上)
天守閣 岡崎城風 櫓付(撫養城)
堀切に 真澄の踏んだ 跡を見る(堀田城跡/城郭35) 63歳
本丸に 神社建てられ 様変わり(同上)
石垣が 殆ど無いのも 珍しき(脇本城跡)
お念堂 含めた曲輪 六ヶ所も(同上)
見た目より 勾配きつい 大土塁(同上)
曲輪ごと 要所要所に 井戸の跡(同上)
土塁には 虎口もありき お念堂(同上)
城下には 今も三ヶ寺 寺院地区(同上)
埋もれた 井戸の整備が 城の価値(同上)
井戸水が 涸れずに残る 曲輪あり(同上)
土塁には 絶景ポイント 数多あり(同上)
西側は 船川港へ 海道路(同上)
南側 白い砂浜 秋田まで(同上)
記念碑が 大手門跡 立つのみで(西馬音内城跡)
廃城に 小学校の 廃校も(同上)
砂利敷きの 尾根の林道 登城路で(同上)
土饅頭 十三森塚 誰の墓(同上)
倒木に 隅櫓台 跡消えて(同上)
手を合わす 無縁仏の 石塔に(同上)
二ノ丸の 跡地一面 秋田杉(同上)
石段は 落葉に埋もれ 段差なし(同上)
本丸も 二ノ丸並みの 秋田杉(同上)
シダの中 ポツンと残る 井戸の跡(同上)
大手門 麓の寺の 山門に(同上)
真新し 五輪塔が 古塚に(名胡桃城跡)
堀切は 蔦の絡まる 杉木立(同上)
新しき 旗指物が 夏空に(同上)
ささ郭 三峰山の 笑顔見る(同上)
石祠には 一円六枚 並べられ(同上)
利根川が 名胡桃城の 防護線(同上)
誰飾る 三角点に 赤リボン(武蔵松山城)
横穴の 古墳の跡が 城下に(同上/城郭36) 63歳
草木に 馬出郭 消え失せて(河村城跡)
寝転べば 本城郭 夏の風(同上)
堀切の 中から何故か 甕出土(同上)
最大の 大庭郭 展望所(同上)
さながらに 近藤郭が 放牧地(同上)
城石碑 横の小社 何祀る(同上)
西郭 森林化して 跡見えず(同上)
腐葉土が 大堀切を 埋めて行く(武蔵小倉城跡)
南北の 虎口の形 類似して(同上)
本郭 跡に記念碑 昭和期に(同上)
山城も 来客の有無 知名度で(同上)
御家人の 重忠公が お出迎え(菅谷館跡)
出桝形 土塁に古木 塚風で(同上)
二ノ郭 跡には妙な 忠魂碑(同上)
夏草に 咲く花もなき 郭跡(同上)
駿馬行く 馬出郭 虎口かな(杉山城跡)
関東の 山城跡では 比類なき(同上)
登城路に 六文銭の 幟立つ(岩櫃城跡)
空堀の 斜面は高く 険しくも(同上)
本丸の 展望今日は 夏霞(同上)
石垣に 二十三トン 玄蕃石(松本城)
国宝の 天守四棟 一眼に(同上)
殿様の 居座る御座所 三間で(同上)
添景は 赤い欄干 埋橋(同上)
六階は 六万石の 眺めかな(同上)
東側 美ヶ原 秋空に(同上)
南側 中央アルプス 夏の雲(同上/城郭37) 63歳
西側の ちょこっと見える 蝶ヶ岳(同上)
北側は アルプス公園 知るのみで(同上)
色付いた 城の紅葉 目に新た(同上)
芝生には 本丸御殿 輪郭が(同上)
大天守 コードたどれば 避雷針(同上)
姫路城 松本城が 双璧で(同上)
入口の 冠木門建ち 城らしく(枡形城跡)
鎌倉期 多摩丘陵に 城七つ(同上)
本丸の 跡に紅葉 色盛る(同上)
記念碑に 里見北条 古戦史と(久留里城)
城の下 田園風景 雪もなく(同上)
単調な 山の景色に 上総富士(同上)
上総掘り 井戸のやぐらが 城跡に(同上)
明治期の 水道木管 珍しき(同上)
天守内 展示少なき 展望所(同上)
本丸に 弥陀や天神 腰曲輪(同上)
尾根伝い 鶴の曲輪に 冬日差し(同上)
霜融けた お玉ヶ池に 悲話を聞く(同上)
城跡は 憩いの場でも 茶を所望(同上)
区内にも 中世の城 保存され(石神井城跡)
時は経て 我れも登城 許されし(江戸城)
長平屋 百人番所 江戸期築(同上)
江戸の世の 松之廊下は 松の木に(同上)
櫓内 眺め遮る 格子窓(同上)
石室は 安山岩の 貯蔵庫と(同上)
大奥や 偲ぶに遠き 冬景色(同上/城郭38) 64歳
石垣に 建屋なき門 物足りず(同上)
復元の 平川橋に 江戸の風(同上)
水濠に 明治期築の 眼鏡橋(同上)
利根川と 江戸川囲む 城の跡(関宿城)
本館は 一階建ての 御殿風(同上)
利根川の 氾濫資料 痛々し(同上)
川運で 栄えた様子 絵図に見る(同上)
刀剣は 鞘から出して 眺めたき(同上)
見渡せば 七万石は 短日に(同上)
美しき 物見櫓は 二階建て(逆井城)
か細くも 櫓の手すり 一本気(同上)
勾欄は 冬の陽射しに 暖かき(同上)
珍しや 銅板屋根に 鳥衾(同上)
雪の如 白洲に主殿 入母屋が(同上)
薬医門 関宿城の 移築とか(同上)
飯沼が 濠の如くに 塀の外(同上)
空堀に 一ノ曲輪が 鮮明に(同上)
空堀の 木橋の先に 櫓門(同上)
井形組み 井楼矢倉 冬空に(同上)
廃城は 後北条氏の 没落で(同上)
井戸水は 鐘堀池に 今も湧き(同上)
道路沿い 高き土塁が 取り囲む(小田城跡)
削られた 土塁の道路 ふと哀し(同上)
東には 宝篋山が 寒々と(同上)
東池 庭園跡は 未復元(同上)
城域の 北には冬の 筑波山(同上)
盛土には 城跡記す 古碑が立つ(同上)
馬出は 中世最多 五ヶ所あり(同上)
西池は 砂利が敷かれて 洲の如き(同上/城郭39) 64歳
春を待つ 東櫓の 桜の木(土浦城)
震災で 破れた壁は 真白く(同上)
櫓から 見る本丸の 御殿消え(同上)
別名の 亀城の名や タクシーに(同上)
水堀に 芽吹く桜が ちらほらと(同上)
城内の 桜少なき 五十本(同上)
霞門 江戸の面影 霞ませず(同上)
城郭風 市博物館が 城跡に(同上)
二ノ丸の 跡に庭園 公園化(同上)
椎の木は 樹齢五百年 天守かな(同上)
主郭跡 基壇の上に 何建ちし(亥鼻城)
様々な 記念慰霊碑 城跡に(同上)
神明社 物見台跡 遷座して(同上)
風流な いのはな亭の 茶店あり(同上)
御家人と 執権対峙 終盤に(衣笠城跡)
石段の 石垣前に 寒桜(同上)
不動井戸 衣笠城の 用水で(同上)
中門や 石垣淋し 雪をのせ(仙台城跡)
道路沿い 灯籠よりも 雪白く(同上)
本丸の 石垣見事 曲線美(同上)
本丸の 跡はそののま 手付かずで(同上)
政宗も 泉ヶ岳を 城で見て(同上)
扉付き 冠木門 珍しき(出羽松山城/城郭40) 64歳
雪の丸に 白き城塀 重なりて(同上)
茶を立てて 翠松庵で 雪見かな(同上)
城の外 古き家並みも 雪景色(同上)
大手門 唯一残る 城郭で(相馬中村城跡)
石垣の 天端は土盛り 独特で(同上)
本丸の 天守跡には 藤棚が(同上)
珍しき 二宮尊徳 座像あり(同上)
蓮池は 自然要塞 北の丸(同上)
櫓内 駕籠や瓦の 展示室(上田城)
窮屈な 矢挟間覗く 姿勢かな(同上)
破風一つ 稲荷櫓は シンプルで(甲府城)
天守台 模擬でいいから 再建を(同上)
西側に 謝恩碑高く 天を突く(同上)
南側 官庁街に 春はなし(同上)
東側 目ぼしき景色 見当たらず(同上)
北側の 武田神社を 探し見る(同上)
甲府城 復元事業 小刻みに(同上)
挟間なし 山手御門 楼内は(同上)
出窓型 稲荷櫓の 石落とし(同上)
櫓内 階段広く 今風に(同上)
藤村の 旅情の詩碑が 懐かしき(小諸城)
登城路に レンギョやサクラ 自生して(屋代城跡)
本丸の 跡は草地で 遺構なし(同上)
入口の 科野の里は 花盛り(同上)
花桃の 色鮮やかに 櫓下(荒砥城)
二ノ郭 門は物見の 楼門で(同上)
切妻の 兵舎と館 石置で(同上)
千曲川 先の山辺に 屋代城(同上)
花桃の 下には青き 千曲川(同上)
兵舎には 大河ドラマの ロケ写真(同上/城郭41) 64歳
背後には 冠着山と 棚田見え(同上)
井戸枠や コンクリートは 野暮に見え(飯田城跡)
城遺構 門三棟に 空堀が(同上)
本丸の 御殿の跡に 茶室建ち(同上)
善政を 観耕亭碑 称えたり(同上)
ささやかな 冠木門建つ 登城口(海尻城跡)
登城路に 珍しく見る ササの花(同上)
東屋に 見晴らしの良き 景色なく(同上)
本丸の 跡に記念碑 名を留む(同上)
四ッ門の 石垣五段 夏草に(村上城跡)
十段の 石垣低き 御鐘門(同上)
出櫓に 敵を防いだ 跡を見る(同上)
天守台 百葉箱が 懐かしき(同上)
海沿いに 瀬波温泉 ホテル見え(同上)
城下では 三面川で 鮎釣りも(同上)
五万石 眺める景色 十五万(同上)
山城は 登山者まれな 臥牛山(同上)
暑苦し 草木の繁る 三ノ丸(同上)
大曲 花火見るなら 城跡で(羽後松山城跡)
道の奥 大堀切に 意地を見る(鳥海柵跡)
柵跡に 東北道の 柵を見る(同上)
稲刈られ 太古の景色 柵の跡(同上)
東館 伊達政宗の 生誕地(館山城跡)
井戸跡で 短刀出土の 文字を見る(同上/城郭42) 65歳
絵図見れば 曲輪三ヶ所 物見台(同上)
秋風が 土塁の虎口 避けて吹く(同上)
上段の 石垣欠如 持ち去られ
物見台 跡には祠 意味有げ(同上)
大手門 平成期築 模擬門で(鶴舞城跡)
水堀に 降る雪止んで 薄氷(同上)
雪の坂に 車の轍 登城路に(同上)
憧れの 蓑虫山人 絵に触れる(同上)
精巧な 城のジオラマ 見応えが
土塁には 切株群が 雪融かす(同上)
鳥小屋の インコや哀れ 雪見とは(同上)
城塀に 洒落た灯籠 雪の上(同上)
御殿風 温泉施設 池に建つ(同上)
土塁には 雪が積もりて 尻滑り(山根館跡)
空堀の 雪の間は 草紅葉(同上)
本郭 二百余りの 礎石群(同上)
庭園の 跡かと思う 庭石も(同上)
水堀が 唯一残る 面影で(八森城跡)
城跡は 金刀比羅神社 学校に(同上)
政庁の 跡にクロマツ 雪に映え(秋田城跡)
広大な 国の史跡や 古代雪(同上)
古代期の 水洗トイレ 復元も(同上)
どことなく 土俵の屋根は 櫓風(仁賀保陣屋跡)
時は過ぎ 企業城下町 平沢に(同上)
陣屋北 平沢漁港 冬日和(同上)
花見旅 仙台城が 先ず最初(仙台城跡/城郭43) 65歳
大手門 二重櫓に 花の雲(同上)
城内は 桜百選 千本が(船岡城跡)
城の西 蔵王連峰 雪の帯(同上)
外堀の 桜並木は 水に映え(鶴ヶ岡城跡)
欠かせない 花見風景 出店かな(同上)
桜咲き 天守浮き建つ 青い空(天鷺村天鷺城)
大広間 九十六畳 客はなく(同上)
咲く桜 夢と消え行く 二万石(亀田城)
櫓風 住宅優美 桜咲き(同上)
山の上 ワイン工場 城風に(同上)
亀田城 山には古城 散る桜(同上)
銅像は 金属供出 されたまま(盛岡城跡)
屋根もなき 御廊下橋に 復元す(同上)
客もなき 桜疎らな 三ノ丸(同上)
馴染なき 宮沢賢治 詩碑を見る(同上)
水もなき 井戸の跡には 竹の蓋(同上)
鐘楼に 江戸前期作 時鐘が(同上)
奇岩かと 思えばコンクリ 石を載せ(常葉旭城)
五月晴れ 輝く天守 一人見る(同上)
天守内 見る物もなき がらんどう(同上)
本郭 眺め景色 春の夢(同上)
春なのに 三ノ郭に 花はなし(同上)
矢倉跡 再建されず 登城路に(三春城跡)
天守台 天守建てずも 石垣が(同上)
城で見る 安達太良山に 春霞(同上)
城下には 江戸の玩具や 三春駒(同上)
本丸に 棚機神社 慎ましく(小高城跡/城郭44) 65歳
城跡は のどかな里の 風景に(同上)
三ノ丸 虎口や土塁 整備され(真壁城跡)
外曲輪 続く小径は コンクリで(同上)
社殿荒れ 灯籠狛犬 変りなく(同上)
土塁跡 鹿嶋神社の 社叢化す(同上)
草茂り 石段半分 覆うほど(同上)
看板の 先に昼寝の 筑波山(同上)
江戸初期に 廃城となり 菩提寺に(亘理小堤城)
大雄寺 土塁の残る 城の跡(同上)
ツツジ咲く 御井戸の清水 東屋に(宇津峰城跡)
五万石 見る影もなし 本丸に(磐城平城跡)
高垣根 本丸跡を 分断す(同上)
竹垣に 長柄櫓 跡偲ぶ(本荘城跡)
虚無を見る 満州開拓 モニュメント(同上)
櫓跡 具足櫓で 四ヶ所目(同上)
あら何と 御手作堤 池細む(同上)
舟浮かべ 眺めてみたき 城の月(同上)
城らしさ 一部土塁と 冠木門(水沢城跡)
真夏でも 鳥海山に 残雪が(本荘城跡)
真っ青な 脇本城の 夏の海(脇本城跡)
雄大な 山城跡の 風青し(同上)
城の下 人首川に 蝦夷の名(岩谷堂城跡)
嗚呼えさし 藤原の郷 朽ちもせず(同上)
本丸の 跡には神社 大銀杏(同上)
草地には 秋花咲くや 土塁跡(同上)
藤原氏 御館跡は 東屋に(同上/城郭45) 66歳
空堀の Vの字形が 美しく(同上)
次回には 空堀に咲く 桜見ん(同上)
土塁には 復元された 冠木門(白老仙台陣屋跡)
橋渡り 城門潜ると 内曲輪(同上)
薄雪に 長屋の柱 跡黒く(同上)
陣屋跡 塩釜神社 神守る(同上)
チャシは柵 アイヌ民族 戦争史(根室半島チャシ跡群)
ノッカマフ 面崖式で 空堀が(同上)
チャシ眺め 復元なきが 物足りず(同上)
淡雪に 白波寄せる 砦跡(同上)
突端の オーロラタワー 今のシャシ(同上)
シャシ跡に 風力発電 寒々し(同上)
春取湖 土塁が残る チャシ砦(春取湖シャシ跡)
英傑の シャクシャイン像 シャシ跡に(シベチャリチャシ跡)
空堀の 単管パイプ 野暮な柵(同上)
シャシ跡に 静内漁港 春景色(同上)
Sの字の 大きな川も 復元し(払田柵跡)
南門の 先の大路は 梅雨の明け(同上)
いにしえの 大路木橋に 沓の音(同上)
逆に見る 南大路は 異観かな(同上)
建屋跡 仮の柱は コンクリで(同上)
内柵の 門の復元 遠い空(同上)
北大路 眺めの中に 魯山人(同上)
羽後路にも 平安京の 新風が(同上)
今もなお 豊かな水が 井戸に満つ(同上)
長森の 石の祠は 何祀る(同上)
柵跡に 今も変わらぬ 真昼岳(同上)
出土品 当時の暮らし 思い見る(同上/城郭46) 66歳
外柵は 方形でなく 楕円形(同上)
櫓門 縮小版より 実物を(同上)
大手門 名ばかりとなる 城多し(大館城跡)
城跡に 残る名木 シロヤナギ(同上)
勤勉さ 金次郎像 のみ残る(湯沢城跡)
湯沢城 古舘山の 尾根沿いに(同上)
遺構見ず 二ノ丸跡で 栗探し(同上)
馬舎跡に 水草生える 小池あり(同上)
今もなお 見張台跡 眺め良く(同上)
見渡せば 稲穂の実り 雄物川(同上)
本丸の 跡に地元の 歌碑が立つ(同上)
堀切を 覆い隠すや 秋田杉(同上)
五社壇や 社が消えた 山頂に(同上)
裏門は 廃墟と化して 立ち入れず(同上)
展望下 五色彩る 城の木々(横手城)
横手川 桜紅葉を 縫うように(同上)
地図見れば わが町の名は 古表記(同上)
甲冑の 複製品に 肩落とす(同上)
親知識 地元作家の 絵の展示(同上)
八重の像 若松城の 新顔に(会津鶴ヶ城)
薩長に 対する恨み 城の壁(同上)
待合で 亭主のお呼び 待つふりを(同上)
漁夫の家 利休参考 躙口(同上)
三畳間 千少庵 茶室とか(同上)
鹿威し 切なく聞くや 秋の暮れ(同上)
蒲鶴亭は 入母屋造り 茅葺きで(同上)
秀吉の 恐れ氏郷 鎖の間(同上)
会津にも 荒城の月 歌碑が立つ(同上)
冠木門 桜ヶ馬場の 跡に建つ(同上)
桃山期 伊達氏蒲生氏 詰城に(向羽黒山城/城郭47) 67歳
阿賀川が 自然要害 城の下(同上)
空堀の 跡には落葉 積るのみ(同上)
建物の 礎石も落葉 目を閉ざす(同上)
虎口跡 見る度お思う 善し悪しを(同上)
本丸の 跡に大石 残るのみ(同上)
お気に入り 磐梯山の 白帽子(同上)
石門は 自然のままの 大石で(石川城跡)
城の下 民家密集 雪景色(同上)
本丸の 隅には桜 咲くばかり(羽後吉田城跡)
咲く桜 本丸館 名残りかな(鍋倉城跡)
桜咲き ツツジが芽吹く 三ノ丸(同上)
階段の 手すりは豪華 城に似ず(同上)
紹魂碑 羽ばたく鳥が 鉄塔に(同上)
馬場の跡 遠野は古き 馬産地で(同上)
二ノ丸に 疑似石垣の 御門跡(同上)
城の花 一万石の 遠野かな(同上)
桜植え 春の楽しみ 城跡に(払田柵跡)
竹林の 登城路行くは 初めてか(芥川山城跡)
石垣が 崩れて哀し 大手門(同上)
高槻の 街が一望 三好山(同上)
山頂に 三好長慶 イラストが(同上)
登城路に 奥ゆかしきや 切通し(飯盛城跡)
虎口には 先端を行く 石垣が(同上)
時移り 土塁の上が 登山道(同上)
本丸や 大阪平野 一望に(同上/城郭48) 67歳
宝積寺 天王山の 登城口(山崎城跡)
八合目 山崎合戦 記念碑が(同上)
眼下には 三川流れる 光景も(同上)
山崎や 三日天下で 過ぎる夏(同上)
屋敷跡 城郭風の 美術館(福知山城)
今もなお 豊磐の井に 涼気立つ(同上)
城からの 眺望は優れ 三岳山(同上)
由良川の 先には鬼の 大江山(同上)
中ノ門 跡の石垣 見捨てられ(姫路城)
新たなる 桜門橋 擬宝珠見る(同上)
三ノ丸 御殿の跡は ただ広場(同上)
満たされぬ 思いは花の 大天守(同上)
黒ネゴが 旧大柱で 昼寝せし(同上)
櫓から 眺める堀に 秋日射す(同上)
イロハニの 櫓の名には 違和感が(同上)
改修の ヲの渡櫓 新素木(同上)
千近き 狭間がありき 姫路城(同上)
見渡せば 八丈岩山 秋空に(同上)
秋日射す 渡櫓の 床白し(同上)
あら何と 御殿の床は クロス張り(同上)
西ノ丸 庭の木々 秋が寄る(同上)
西ノ丸 化粧櫓で ひと区切り(同上)
外塀に 四角三角 丸挟間(同上)
ドウタンの 赤い垣根に 大天守(同上)
油壁 秀吉時代 遺構とか(同上)
棟門の 水ノ一門 虎口かな(同上)
腰屈む 水ノ三門 埋門(同上)
俯瞰して 感動過る 西ノ丸(同上/城郭49) 67歳
東西に 五層貫く 心柱(同上)
一階に ジオラマ展示 壮大で(同上)
見上げれば 廊下の梁が 美しき(同上)
内部屋の 木戸は外され 何処へやら(同上)
階段の 手すり新たな 鉄パイプ(同上)
千鳥破風 内の眺めは 珍しき(同上)
階段の 裏に新たな 隠し部屋(同上)
殆どの 頭貫には 釘隠し(同上)
南側 大手前通り 姫路駅(同上)
屋根瓦 漆喰の目地 白く映え(同上)
金網が 望楼天守 阻害せし(同上)
鬼瓦 先に鯱 目も見える(同上)
小天守 三層階に 花頭窓(同上)
大天守 使われじまい 石落とし(同上)
石垣に 石棺までも リサイクル(同上)
備前門 前面全て 鉄の板(同上)
コロナ禍で 人は疎らな 姫路城(同上)
埋門 腹切丸は 袋小路(同上)
石垣の 石棺替えて 角石は(同上)
恨めしや 上山里に お菊井(同上)
重文の 櫓は今や 展示場(同上)
るノ門は 石垣崩す 隧道で(同上)
堀からの 城の眺めも 格別で(同上)
石垣に 新旧継目 くっきりと(同上)
白鷺や 親子の羽が 雲の上(同上)
いノ門の サクラ黄葉 目に染みる(同上)
見残しは 千本桜 姫路城(同上)
門なくも 京極口に 巨石立つ(大阪城)
狛犬や 天守前には 珍しき(同上)
子供乗せ ロードトレイン 城跡に(同上/城郭50) 67歳
半年は ビジネスパーク 仕事場に(同上)
石垣の 上には令和 ビル群が(同上)
五層目の 虎の彫刻 金ぴかで(同上)
城郭に 忍者欠かせぬ 絵空事(同上)
テナントは マスクのセール ピーク過ぎ(同上)
庭園の 借景無二の 天守閣(同上)
空堀は 石垣にまで 草が生え(同上)
御座船で 秀吉気分 濠めぐり(同上)
秋風や 極楽橋に 天守閣(同上)
秀長の 知らぬ秀頼 同じ社に(同上)
秀吉は 見知らぬ天守 目を背く(同上)
桜門 蛸石の奥に 天守閣(同上)
由緒ある 銀名水に 上屋なく(同上)
桜咲く 多聞櫓を 思い出す(同上)
また巨石 続櫓の 下に見る(同上)
石垣の 曲線四重 水上に(同上)
石垣に 生える草木が 見苦しき(同上)
城跡に 廃校跡の 校門が(恩地城跡)
黄金色 ライトアップの 天守閣(大阪城)
擬宝珠には 大阪城の 天守閣(同上)
寝屋川に 大阪城の 残石が(同上)
加工され 仮積みされた 石垣も(同上)
城跡に 高山右近 名を残す(高槻城跡/城郭51) 68歳
破却され 石垣のみの 城となり(同上)
城跡は 水堀土塁 残るのみ(羽後滝沢城)
学校が 消えても残る 金次郎(同上)
本丸の 跡に東屋 展望所(浮牛城跡)
神社跡 立派な碑には 拍子抜け(同上)
春近し 御書院跡の 木は芽吹き(同上)
空堀を 枯れた草木 埋め尽くす(同上)
空堀に 山吹は花 しおらしく(田瀬館跡)
櫓跡 石垣土塁 鮮明に(同上)
老杉は 四百年も 城の主(同上)
城跡の 本格調査 いつの日や(一関城跡)
棟門が 庭園前に さりげなく(同上)
水もなき 池の側には 百合の花(同上)
不可思議な おさん稲荷の 小社建つ(同上)
三春から 愛姫桜 縁結ぶ(同上)
コンクリの 丸い建物 詰所かと(同上)
野草園 武部清庵 藩医作(同上)
ハスの種子 漢方薬の 野草とは(同上)
井戸跡は 上屋架けられ 保護されて(同上)
歌枕 束稲山が 梅雨晴れに(同上)
街並みに 芭蕉二夜の 宿探す(同上)
城下町 遠い彼方の 一関(同上)
現在は 貯水タンクが 櫓かな(同上)
入口に 奇妙なアーチ 門が建つ(村田城跡)
夏草に 三万石の 跡偲ぶ(同上)
荒れ果てた 土塁空堀 長靴で(同上)
城下には 重伝建の 商家街(同上)
参道の 立ち枯れ哀れ 杉木立(同上/城郭52) 68歳
百合咲くや 朽ちたベンチの 社殿前(同上)
本丸の 跡に能恵姫 記念像(羽後岩崎城跡)
能恵姫の 伝説残す 玉子井戸(同上)
江戸後期 菅江真澄も 城跡に(同上)
水遊び 姿や遠し 皆瀬川(同上)
北東に わが命名の 平鹿富士(同上)
川向 羽州街道 十文字(同上)
凉求め 久保田城から ぶらり旅(久保田城)
久々に 御隅櫓の 展望を(同上)
ジオラマで 改めて知る 久保田城(同上)
少しずつ 知らない街に 大町は(同上)
街並みに 男鹿半島の 夏景色(同上)
遥拝す 太平山の 夏姿(同上)
花の宴 香雲亭は 夢のまま(同上)
徒歩ゆえに 腰郭跡 見物も(稲庭城)
二ノ丸の ピークはこんもり 塚風で(同上)
一階は こけし人形 展示室(同上)
稲庭は うどんと漆器 名産地(同上)
三階に 小野寺家宝 武具展示(同上)
珍しき 鎌倉初期の 枝銭が(同上)
四階の 展望室は 花頭窓(同上)
山々は 緑紅黄 三色に(同上)
刈り終えた 稲田さながら 畳敷き(同上)
二ノ丸の 跡に寄り添う 夫婦マツ(同上)
鶴ヶ城 花見叶うや 四度目に(会津鶴ヶ城)
二の丸の 土塁の上 花の幕(同上)
白壁の 天守閣には 桜花(同上)
一階の 石垣の下 井筒基礎(同上)
見渡せば 飯豊連峰 春霞(同上)
南には 向羽黒の 古城跡(同上)
残雪が 磐梯山の 銀貨かな(同上)
花雲の 先に湯煙 東山(同上)
人は武士 花満開の 武徳館(同上)
死ぬ水と 思えば哀し 井戸の跡(同上)
月なくも 月見櫓で 花見かな(同上)
桜咲き 荒城の月碑 縁遠し(同上)
鶴ヶ城 八羽の千鳥 飛ぶ天守(同上)
稲荷社で 桜と競う トサミズキ(同上)
無常なり 会津若松 春の鐘(同上)
空堀の 枝垂れ桜は 幽玄で(三春城跡/城郭53) 69歳
矢倉跡 再建される 日が恋し(同上)
二之丸の 周囲は全て 花尽くし(同上)
幻に 終わりし天守 咲く桜(同上)
桜花 混じる新緑 美しき(同上)
花の城 磐梯山が 借慶で(同上)
われ一人 大広間跡 花見客(同上)
門跡の ぼんぼり淋し 客はゼロ(同上)
天守跡 眼下彩る 花の雲(二本松城跡)
枡形の 虎口に広き 石段が(同上)
本丸に 一本松が 寂しげに(同上)
和尚山 安達太良山が 西空に(同上)
石垣に 雑草もなし 櫓台(同上)
垣根越し 民家の土蔵 城の下(同上)
松と花 二階櫓の 屋根の上(同上)
三ノ丸 下段の上に 染まる木も(同上)
前後ろ 桜で見えぬ 時鐘楼(上山城)
二百本 上山城 桜咲く(同上)
四度目で 山形城の 花見かな(山形城跡)
水堀に 桜伸びるや 櫓門(同上)
櫓門 続櫓が Lの字に(同上)
騎馬像は 昭和後期の 秀作で(同上)
城内に 千五百本 桜咲く(同上)
本丸の 土塁も桜 夕暮れに(同上)
残石と 石曳く橇が 展示され(同上)
湯沢城 再び訪ね 桜見ん(湯沢城跡)
石垣に 苔生し蔦の 根も絡む(同上)
目を見張る 湯沢城跡 見張台(同上/城郭54) 69歳
市街地の 民家に桜 咲くのみで(同上)
純白の 鳥海山が 春空に(同上)
陽を好む 桜は終に 探し得ず(同上)
こちら向け 和服姿の 花見客(本荘城跡)
櫓跡 土塁の桜 空高く(同上)
本丸の 館の桜 幼げに(同上)
館での 座敷の花見 格別で(同上)
市役所と 隣り合わせの 城の花(同上)
海近く 遊泳館で ひと泳ぎ(同上)
花の壁 景色遮る 櫓跡(同上)
花の先 大手門には 松並木(同上)
石段に 桜満開 模擬天守(横手城)
山と川 更に付け足す 桜かな(同上)
花を分け 流れる水や 横手川(同上)
市街地は 一万本の 桜かな(同上)
牛沼や 赤い橋には 花の雲(同上)
鐘楼に 重なる天守 川に花(同上)
城跡や ソメイヨシノが 二千本(大森城跡)
花の下 横手盆地と 雄物川(同上)
二ノ丸で 一人貸切 花見かな(同上)
空見えぬ サクラ林の 柏台(同上)